287 / 424
第10章 営・業・再・開
第236話 苦しみからの解放
しおりを挟む
慧ちゃんはかなり焦った様子で、今にも泣きそうになっていた。
「お、落ち着いてみどりちゃん!!」
「そ、そうだよ!! 落ち着いて!!」
翡翠ちゃんと碧ちゃんは、慧ちゃんの体を支え、落ち着かせた。
こんな感じにされると、なんか申し訳ない気持ちになる……。
「え、えええええ、えーっとね! と、とととと、とにかく! これは悪い意味ってだけじゃなくて! い、良い意味で終わる可能性もあるからね! 別に何かが終わるっていうのはこの占いの結果だけじゃわからないわけで……」
「わ、わかった! つまり終わるっていうのは私たちの関係って決まったわけじゃないってことだね! そういうことでしょ?」
「そ、そそそそそそ、そう! そうだよ!!」
私が要約すると、慧ちゃんは肯定するように首を縦に振った。
「で、でででででで、でね! この補足のカードなんだけど……これは悪魔の逆位置で!」
「あ、悪魔!? そ、それってバリ悪い意味じゃ……」
「い、いいいいいい、いや! これはいい意味! いい意味なの!!」
「どういうこと?」
リンの言う通り、悪魔って言うと、悪い意味に聞こえるけど……。
「た、たたたた、確かに正位置だと、『精神的、肉体的苦痛』って意味なんだけど、逆位置だと……『苦しみからの解放』って意味になるの!!」
「苦しみから……」
「……解放かいな?」
「そそそそそ、そう! つ、つまり……突然の終わりが来るんだけど……それは同時に苦しみから解放されて……えーっと……」
慧ちゃんはテンパっているのか、要約に手間取っていた。
……ここはもう一回助け舟を出すか。
「つまり、今最高に幸福な状態なんだけど、突然の終わり……大きな変化が起きて、でもそれは悪い意味じゃなくて、苦難を乗り越えられる……とか、そういう意味であってる?」
「そ、そそそそそそそ、そう!」
慧ちゃんはまたも、ヘドバンをするように大きく頷いた。
大きな変化かぁ……どんなことが起きるんだろう?
「うーん……バリ悪い意味じゃなさそうだけど……」
「突然の変化……なんか悪い意味やと決まっとるわけやないのに、不安やな」
リンとラピスの言い分はもっともだ。
たとえいい意味だとしても、何かが変わるというのは、不安になるものだ。
ちょうど、道端や公園で放浪しているサンルート人みたいに、環境が変わりすぎて不安のあまり何もできないでいるように。
「お、落ち着いてみどりちゃん!!」
「そ、そうだよ!! 落ち着いて!!」
翡翠ちゃんと碧ちゃんは、慧ちゃんの体を支え、落ち着かせた。
こんな感じにされると、なんか申し訳ない気持ちになる……。
「え、えええええ、えーっとね! と、とととと、とにかく! これは悪い意味ってだけじゃなくて! い、良い意味で終わる可能性もあるからね! 別に何かが終わるっていうのはこの占いの結果だけじゃわからないわけで……」
「わ、わかった! つまり終わるっていうのは私たちの関係って決まったわけじゃないってことだね! そういうことでしょ?」
「そ、そそそそそそ、そう! そうだよ!!」
私が要約すると、慧ちゃんは肯定するように首を縦に振った。
「で、でででででで、でね! この補足のカードなんだけど……これは悪魔の逆位置で!」
「あ、悪魔!? そ、それってバリ悪い意味じゃ……」
「い、いいいいいい、いや! これはいい意味! いい意味なの!!」
「どういうこと?」
リンの言う通り、悪魔って言うと、悪い意味に聞こえるけど……。
「た、たたたた、確かに正位置だと、『精神的、肉体的苦痛』って意味なんだけど、逆位置だと……『苦しみからの解放』って意味になるの!!」
「苦しみから……」
「……解放かいな?」
「そそそそそ、そう! つ、つまり……突然の終わりが来るんだけど……それは同時に苦しみから解放されて……えーっと……」
慧ちゃんはテンパっているのか、要約に手間取っていた。
……ここはもう一回助け舟を出すか。
「つまり、今最高に幸福な状態なんだけど、突然の終わり……大きな変化が起きて、でもそれは悪い意味じゃなくて、苦難を乗り越えられる……とか、そういう意味であってる?」
「そ、そそそそそそそ、そう!」
慧ちゃんはまたも、ヘドバンをするように大きく頷いた。
大きな変化かぁ……どんなことが起きるんだろう?
「うーん……バリ悪い意味じゃなさそうだけど……」
「突然の変化……なんか悪い意味やと決まっとるわけやないのに、不安やな」
リンとラピスの言い分はもっともだ。
たとえいい意味だとしても、何かが変わるというのは、不安になるものだ。
ちょうど、道端や公園で放浪しているサンルート人みたいに、環境が変わりすぎて不安のあまり何もできないでいるように。
0
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
異世界転移したロボ娘が、バッテリーが尽きるまでの一ヶ月で世界を救っちゃう物語
京衛武百十
ファンタジー
<メイトギア>と呼ばれる人型ホームヘルパーロボット<タリアP55SI>は、旧式化したことでオーナーが最新の後継機に買い換えたため、データのすべてを新しい機体に引継ぎ、役目を終え、再資源化を迎えるだけになっていた。
なのに、彼女が次に起動した時にいたのは、まったく記憶にない中世ヨーロッパを思わせる世界だった。
要人警護にも使われるタリアP55SIは、その世界において、ありとあらゆるものを凌駕するスーパーパワーの持ち主。<魔法>と呼ばれる超常の力さえ、それが発動する前に動けて、生物には非常に強力な影響を与えるスタンすらロボットであるがゆえに効果がなく、彼女の前にはただ面倒臭いだけの大道芸に過ぎなかった。
<ロボット>というものを知らないその世界の人々は彼女を<救世主>を崇め、自分達を脅かす<魔物の王>の討伐を願うのであった。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
日本国転生
北乃大空
SF
女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。
或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。
ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。
その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。
ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。
その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる