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第9章 サンルートの王、参上!
第215話 呼び方
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一触即発、私と奴は、お互いに動きを読まれまいと、刃を重ねたまま、力ませていた。
どうする……このままでいても何も進まない……どうすれば……。
「とりゃああああああああああ!! 伏せろおおおおおおおおお!! 『メテオレイン』!!」
突然後ろから大声が聞こえ、私はその場で伏せた。
屈んだ状態で私はモンスターの様子をうかがった……のだが、モンスターの姿は既に消えていた。
その代わりに、私の目に見えたのは……陛下だった。
「ふぅ……間一髪だったな!」
陛下は何事も無かったかのように私に近づき、手を差し伸べた。
私はその手に応え、立ち上がった。
「なかなかいい腕をしているな! 異世界の民よ!」
「は、はぁ……」
陛下……かなり強い、あんなモンスターを一瞬で……。
「陛下! お噂通りの強さ! バリ感銘を受けました!」
「そうかそうか! そなたもいい射撃の腕をしているな!」
お噂通り? サンルートではかなり有名なのかな?
「そういえばそなたらの名前を聞いていなかったな! 改めて、余は『ダイヤ・サンルート4世』! よろしく頼む!」
「い、猪飼瑠璃です! よろしくお願いします!」
「リンと申します! バリよろしくお願いいたします!」
私とリンは深く頭を下げ、敬意を示した。
「そんなに謙遜しなくても良い……今は同じダンジョンにいる仲間だ、それに余はもう陛下なのではないからな……」
陛下は私たちに目線を合わせ、頭を上げると言うように、私たちの肩を摩った。
「で、ですが陛下……」
「その陛下という言い方も辞めよ……そうだ、『ダイヤ』で良い」
「そ、そんな……」
流石にもう無いとはいえ、彼女は一国の国王だ、ファーストネーム呼びは少々抵抗が……。
「わかった! よろしくね! 『ダイダイ』!」
「切り替え早!?」
リンは何の抵抗も無く、渾名呼びを始めてしまった……ほ、本当に良いのだろうか?
「よろしく頼むぞ、リン殿……はて? 瑠璃殿は『ダイダイ』と呼んではくれぬのか?」
「い、いやぁ、流石にその呼び方は……まぁ、よろしくお願いいたします、『ダイヤさん』」
「うむ、よろしく頼むぞ」
リンみたいな渾名呼びは流石に謙遜してしまう……なんとか妥協案として、「さん付け」にした。
「では行くぞ! 2人とも!」
「うん!」
「はい!」
私たち3人は、最奥へと走り出した。
どうする……このままでいても何も進まない……どうすれば……。
「とりゃああああああああああ!! 伏せろおおおおおおおおお!! 『メテオレイン』!!」
突然後ろから大声が聞こえ、私はその場で伏せた。
屈んだ状態で私はモンスターの様子をうかがった……のだが、モンスターの姿は既に消えていた。
その代わりに、私の目に見えたのは……陛下だった。
「ふぅ……間一髪だったな!」
陛下は何事も無かったかのように私に近づき、手を差し伸べた。
私はその手に応え、立ち上がった。
「なかなかいい腕をしているな! 異世界の民よ!」
「は、はぁ……」
陛下……かなり強い、あんなモンスターを一瞬で……。
「陛下! お噂通りの強さ! バリ感銘を受けました!」
「そうかそうか! そなたもいい射撃の腕をしているな!」
お噂通り? サンルートではかなり有名なのかな?
「そういえばそなたらの名前を聞いていなかったな! 改めて、余は『ダイヤ・サンルート4世』! よろしく頼む!」
「い、猪飼瑠璃です! よろしくお願いします!」
「リンと申します! バリよろしくお願いいたします!」
私とリンは深く頭を下げ、敬意を示した。
「そんなに謙遜しなくても良い……今は同じダンジョンにいる仲間だ、それに余はもう陛下なのではないからな……」
陛下は私たちに目線を合わせ、頭を上げると言うように、私たちの肩を摩った。
「で、ですが陛下……」
「その陛下という言い方も辞めよ……そうだ、『ダイヤ』で良い」
「そ、そんな……」
流石にもう無いとはいえ、彼女は一国の国王だ、ファーストネーム呼びは少々抵抗が……。
「わかった! よろしくね! 『ダイダイ』!」
「切り替え早!?」
リンは何の抵抗も無く、渾名呼びを始めてしまった……ほ、本当に良いのだろうか?
「よろしく頼むぞ、リン殿……はて? 瑠璃殿は『ダイダイ』と呼んではくれぬのか?」
「い、いやぁ、流石にその呼び方は……まぁ、よろしくお願いいたします、『ダイヤさん』」
「うむ、よろしく頼むぞ」
リンみたいな渾名呼びは流石に謙遜してしまう……なんとか妥協案として、「さん付け」にした。
「では行くぞ! 2人とも!」
「うん!」
「はい!」
私たち3人は、最奥へと走り出した。
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