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第9章 サンルートの王、参上!
第207話 お粥の思い出
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「そ、そういえば、琥珀さんに何を食べさせたらいい? あんま固いもんは出せないよな?」
「ゴルドちゃん……お粥……出せば……いいでしょ」
「お、お粥かぁ……」
そうだね、病気の時はお粥が一番……ってサンルートにもお粥ってあるの?
「やっぱりサンルートでも病気の時はお粥を食べるの?」
「そらもう、喉とかやられてたらそういうのしか食うもんないやんか」
「へー、やっぱり食文化は日本と似たところがあるんだね」
まぁ、当然と言えば当然かもしれないが、お米を食べる習慣のあるサンルートでも、お粥はよく食べられているらしい。
キセノンの口ぶりから、モーファサも同じ感じなのだろう。
「お粥と言えば……忘れもしない……あの悪夢が……」
「あの悪夢?」
「うん……私と……ゴルドちゃん……風邪引いて……寝込んだとき……リンちゃんと……ラピスちゃんが……お粥作った……」
「あっ……」
うん、なんか察しちゃった。
ふとリンとラピスを見ると、顔が真っ赤になっていた。
「あれは本当にごめんって!」
「そない恥ずかしいこと言わんといてや!」
「……で、具体的にどんなお粥?」
「ちょっとルリルリ! 追求しなくていいから!」
ここまで来ると凄い気になる。
一体どんなものを作ってしまったのだろうか……。
「あぁ、あの時か……味は……『甘酸っぱい』、恋のような味だったな……」
「うん……そして……それとは……明らかに……釣り合わない……『塩辛さ』も……あった」
「そう、そんでもって終いには、飯の存在よりも、『水』の存在の方が大きかった……」
「うん……溺れ……そうだった……」
ゴルドとキセノンは、まるで青春時代の思い出を語るような口ぶりで、そのお粥の味を例えた。
「……一体どうやったらそんな風になるのよ?」
「い、いやね! 違うんだよルリルリ! これにはバリ深い訳があってね! す、少しでも元気になるようにって思って……『苺をすり潰したもの』を入れたの! そ、そしたらバリ入れすぎちゃって……」
「ほんで、ウチがそれを『中和』させようと『塩』を入れたんや、そしたらそれも入れすぎてもうて……作り直そうにも、お金が掛かるやんか、せやから『水』を大量に入れてごまかしたんやけど……」
うん、前提から間違ってる。
まず何を考えてお粥の中に苺をすり潰したもの……すなわちイチゴジャムを入れようと思ったのか、そしてなぜそれを塩で中和できると考えたのか、そして、何故水でごまかせると思ったのか……。
さっきも味噌汁に練乳を入れようとしたって言っていたとか……なんでそうなるんだ?
「言いたくないけどさ、仮にも感謝して食べ物を頂いてるんだからさ、少し考えなよ……」
「うん……」
「面目ないわ……」
「まぁでも、2人のゴルドとキセノンに少しでも元気になってもらいたいって気持ちは分かるよ」
きっとこの2人は、後先考えずにやった結果そうなってしまったんだろう。
料理が下手な人の特徴として、変にアレンジを加えたがる、味見をしない、後先を考えないというのがよく上がる。
リンとラピスも恐らくそんな感じだろう。
「気持ちは……確かに……嬉しかった……でも……」
「ありゃないぜ……」
2人は渋い顔で、朝食を食べ進めていた。
「ゴルドちゃん……お粥……出せば……いいでしょ」
「お、お粥かぁ……」
そうだね、病気の時はお粥が一番……ってサンルートにもお粥ってあるの?
「やっぱりサンルートでも病気の時はお粥を食べるの?」
「そらもう、喉とかやられてたらそういうのしか食うもんないやんか」
「へー、やっぱり食文化は日本と似たところがあるんだね」
まぁ、当然と言えば当然かもしれないが、お米を食べる習慣のあるサンルートでも、お粥はよく食べられているらしい。
キセノンの口ぶりから、モーファサも同じ感じなのだろう。
「お粥と言えば……忘れもしない……あの悪夢が……」
「あの悪夢?」
「うん……私と……ゴルドちゃん……風邪引いて……寝込んだとき……リンちゃんと……ラピスちゃんが……お粥作った……」
「あっ……」
うん、なんか察しちゃった。
ふとリンとラピスを見ると、顔が真っ赤になっていた。
「あれは本当にごめんって!」
「そない恥ずかしいこと言わんといてや!」
「……で、具体的にどんなお粥?」
「ちょっとルリルリ! 追求しなくていいから!」
ここまで来ると凄い気になる。
一体どんなものを作ってしまったのだろうか……。
「あぁ、あの時か……味は……『甘酸っぱい』、恋のような味だったな……」
「うん……そして……それとは……明らかに……釣り合わない……『塩辛さ』も……あった」
「そう、そんでもって終いには、飯の存在よりも、『水』の存在の方が大きかった……」
「うん……溺れ……そうだった……」
ゴルドとキセノンは、まるで青春時代の思い出を語るような口ぶりで、そのお粥の味を例えた。
「……一体どうやったらそんな風になるのよ?」
「い、いやね! 違うんだよルリルリ! これにはバリ深い訳があってね! す、少しでも元気になるようにって思って……『苺をすり潰したもの』を入れたの! そ、そしたらバリ入れすぎちゃって……」
「ほんで、ウチがそれを『中和』させようと『塩』を入れたんや、そしたらそれも入れすぎてもうて……作り直そうにも、お金が掛かるやんか、せやから『水』を大量に入れてごまかしたんやけど……」
うん、前提から間違ってる。
まず何を考えてお粥の中に苺をすり潰したもの……すなわちイチゴジャムを入れようと思ったのか、そしてなぜそれを塩で中和できると考えたのか、そして、何故水でごまかせると思ったのか……。
さっきも味噌汁に練乳を入れようとしたって言っていたとか……なんでそうなるんだ?
「言いたくないけどさ、仮にも感謝して食べ物を頂いてるんだからさ、少し考えなよ……」
「うん……」
「面目ないわ……」
「まぁでも、2人のゴルドとキセノンに少しでも元気になってもらいたいって気持ちは分かるよ」
きっとこの2人は、後先考えずにやった結果そうなってしまったんだろう。
料理が下手な人の特徴として、変にアレンジを加えたがる、味見をしない、後先を考えないというのがよく上がる。
リンとラピスも恐らくそんな感じだろう。
「気持ちは……確かに……嬉しかった……でも……」
「ありゃないぜ……」
2人は渋い顔で、朝食を食べ進めていた。
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