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第8章 立ち上がライズ! ドワーフじゃーないと!

第182話 103号室

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「おお……日本の病院……大きい……興味深い物……たくさん……」

 お見舞いの記帳をし、私たちは病棟の中へと入っていった。
 キセノンは病院の中が気になるのか、辺りをキョロキョロと見ている。
 どうやら医療器具やら、日本の医学に興味があるらしい……「できれば医学の本とか持ち帰りたい」とか言っていた

 ちなみに、リン達は向こうからしたら得体のしれない人たちなので突っぱねられると思われたが、私たちが一緒だった影響か、通らせてくれた。
 なので……。

「リン、ラピス、キセノン。離れちゃダメだよ」

 私はリン、ラピスと手を繋ぎ、キセノンは興奮を抑えつつ、私の体に抱き着いていた。

「わかってるよ!」
「こらこらリンはん、病院の中やで、静かにせんと」
「あ、ごめん……」

 離れ離れになると追い出されかねないので、私たちは離れないように一緒にくっついている。
 ゴルドは叔母さんと手を繋いでいる……なんかちょっと嬉しそう。
 ……でも、なんでリン達は私にだけ引っ付いているんだ? 碧ちゃんとか翡翠ちゃんと手を繋げばいいのに……まぁいいけど。

「ほら、ここだよ、103号室」

 叔母さんが病室の番号を指差し、立ち止まった。
 ……ちなみに、多くの病院では「4」という数字が使われていないらしい、103の次は105号室だ、「死」を連想させるとか何とかで飛ばされているらしい。
 部屋の扉をノックし、私たちは病室の中へと入った。

「銀次くん、見舞いに来たよ」
「あ、駄菓子屋のおばちゃん……それに……瑠璃お姉ちゃん?」
「そう、久しぶりだね、銀次くん」

 病室に入ると、銀次君は、上半身だけ起き、辛そうな目で私たちを見つめた。

「銀次くん! 見舞いに来たよ!」
「銀ちゃん! 元気?」
「……翡翠に碧」

 銀次くんは翡翠ちゃんと碧ちゃんを見ると、少し嬉しそうな顔をした。

「よぉ、足の具合はどうだ?」
「あぁ、あの時のおじちゃん……」
「おう、ゴルドってもんだ、で、どうなんだ?」
「……良くなってない」

 ゴルドの質問に、銀次くんは暗い表情を浮かべていた。

「そういえばお前、両親は来たのか?」
「最初の頃は来てた……でも、仕事で最近来てない」
「……そうなのか」

 なんだ、ゴルド、やっぱり心配してるじゃん。
 ……にしても銀次くんのご両親、最近来てないのか……そりゃこんな暗くもなる。
 ここはお見舞いの品で元気になってもらおう。
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