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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

サキュバスの過去 その17 ~合流~

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「……ここが、サンルートの首都……」

 長い長い道を歩いたウチは、サンルートの首都へと一歩を踏み出した。
 ここまでほんまに長かった……日銭を稼ぐためにダンジョンに潜ったり、パーティに加入しようと思ったら男がメンバーにいてちぐはぐしたり……ポーションを売ろうと思ったらぼったくりに遭いそうになったり……。
 せやけど、ついにここまで来たで! ……まだまだ、強くなったわけやないけど。

「まぁ、とりあえずギルドを探すか」

 歩き始め、ギルドを探し始める……道を歩きながら、ウチは辺りを見渡した。
 美味そうな料理を作る屋台、笑顔で語り合う色んな民族の人々……ほんま、この国は平和やな。

「……と、ここかいな」

 しばらくぼけーっと歩いていると、冒険者ギルドの看板が見えてきた。
 あひゃー、やっぱ首都なだけあってご立派な建物やなぁ。

「……よし、周りに男はおらんな、行くで!」

 ウチは安全確認をし、ギルドへと脚を動かす……中に入ると、地元のギルドとは比べ物にならないくらい人が沢山おった。
 ほな、とりあえず登録を……。

「ねぇ、そこのお嬢さん!」

 後ろから、ウチを呼ぶ声が聞こえた。
 ……あかん、これは……男の声や。
 ウチは体が震えながらも、振り返った……声を掛けたのは、虎獣人と兎獣人の男2人やった。

「ねぇねぇ、君誰とも組んでないんでしょ? 俺たちと組もうよ」
「きっと楽しいよ!」

 ……この男の目線は明らかにウチの胸元に向いていた。
 あかん、食われる! ど、どないしょう……ウチは放心状態になってもうた。
だ、誰か……誰でもええから……助けて……。

「ごめんなさい! この人、もうアタシたちと組んでるんで! こっち!」

 ……すると突然、桃色の髪をした女の子が、ウチの腕を掴んで、男たちの壁になってくれた。
 そのままそそくさと連行され、ギルドの奥の方へと案内された。
 奥の方で、女の子の連れと思われる……コウモリの羽が生えた女の子が、「何やら不満そうな顔」でウチを睨んで待っていた。
 2人の女の子は……見たところ、サンルート人ではないようやった……。

「大丈夫? 怖かった?」

 男どもからある程度離れると、女の子はそんなことを言ってきた。
 ウチは思わず、女の子の手を思いっきり握った。

「ありがとう! ホンマありがとう!!! ウチ……男性が苦手で……あの男2人に声かけられてホンマ怖かったんや!!」
「あ、えっと……うん」

 ウチは安心した気持ちになり、しばらく彼女の手を握っていた。



「さっきはホンマにありがとう、ウチはラピス、最近ここにやってきたんや、よろしく」
「アタシ、リン! よろしくね! ラピラピ!」
「ら、ラピラピ? ま、まぁよろしゅな、リンはん……」

 なんか変なあだ名がついてもうたけど、まぁええか!
 ……で、このコウモリの女の子やけど、なんでこんなに嫌そうな顔しとるんやろか?

「それで……あんたは?」

 ……ここはちゃんと自己紹介せなな、うん。

「私……キセノン……」
「……? よろしゅうな、キセノンはん」
「うん……早く……登録……済ませたら?」

 あ、愛想悪いなこの子……初対面よな? ウチ、なんかしたかいな?
 そんなことを考えっていると、突然リンはんが、ウチらの手を強制的に繋ぎ合わせた。

「ねぇねぇ、ここで出会ったのも何かの縁だし! 私たちでパーティ組もうよ!」

 パーティ……まぁ、男がいないなら、悪くないな!
 コウモリの子……キセノンはんも、ちょっと虫の居所が悪いだけかもせぇへんし!

「ええなぁ、ほな、よろしゅうな、2人とも」
「うん! よろしくね! ほら! ノンノンも!」
「……うん」

 キセノンはんは少々納得いっていないようやったけど……まぁ、一緒にやっていったら打ち解けるやろ! 多分!

「じゃ、行こ!」

 リンはんはウチらを引っ張って、受付へと連行した。

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