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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
第132話 救出と消えた身内
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「でやぁ!」
「ラピラピ! 援護するよ! 食らえ!」
一方、瑠璃より先にダンジョンに入っていたラピス、リンは、奥へ奥へと進んでいた。
ラピスは両手の扇子で蜘蛛を切り刻んだり、蹴りで蜘蛛に攻撃を加え、リンはそれを援護するように、ボウガンで蜘蛛を射抜いていた。
「ラピラピ! ナイス!」
「おおきに……それより、奥へ進むのもええけど、人命救助が最優先やな」
「だね!」
2人は目を光らせ、一般人が襲われていないか辺りを気にしながら前へと進む。
……すると。
「……ラピラピ! 向こうに人が!」
ボウガン使いで、パーティの中でも目が良いリンは遠くにいる一般人にいち早く気付いた。
「ほな、早う向かうで!」
「もちろん!」
2人は人命救助に向かうため、走り出した。
リンが指を差した先、そこには、蜘蛛の群れが、一般人を取り囲んでいた。
「邪魔や! どかんかい!」
ラピスは扇子を振り回し、道を切り開いていく。
リンもラピスの背後にいる蜘蛛をボウガンで排除し、援護を続けていた。
しばらくすると、蜘蛛の群れが散り散りになり、辺りに静けさが生まれた。
「ほな、蜘蛛は消えたで、大丈夫……かい……な……」
ラピスは変身解除し、取り囲まれていた人物に声を掛けようとした……が、ラピスはその一般人の姿を見て……硬直してしまった。
リンはラピスの姿に異変を抱き、変身を解いて一般人に近づいた。
「大丈夫ですか!? あっ、貴方は……」
リンは、その人物に見覚えがあった。
そして同時に、ラピスが硬直してしまった理由も理解した。
「は、はい、大丈夫です。助けていただきありがとうございます……貴方達は……さっきの……」
助けた一般人……その人物は……ラピスが落とした財布を拾った人物だった。
「と、とりあえず! 安全地帯に行こう! ついて来て! 立って!」
「は、はい!」
リンはラピスの手を掴み、助けた人物を誘導を始めた。
彼女たちは、助けたこの人物が、男性ではないことを、この時は知らなかった……。
☆
「ほ、本当に大丈夫?」
「大丈夫!」
「本当に?」
「大丈夫だから!」
女の子が落ち着いたところで、私たちは安全地帯に向けて歩き始めた。
「ま、またあの蜘蛛が出てきたらどうしよう……」
「大丈夫だってば、その時は……私があなたを守るから」
「……本当に?」
「本当! 絶対に……貴方は私が守る」
……彼女は疑心暗鬼なようだ。
例えそう思われようが、今私がやるべきことは一つ、この子を守ることだ。
とりあえず安全地帯まで急がないと……と、まずはこの子を安心させないとね。
「貴方、名前は? 私は瑠璃、猪飼瑠璃」
「私は……蛍」
「蛍ちゃん、良い名前だね……よろしくね!」
「う、うん……」
軽く自己紹介を終えたところで、私は世間話を切り出した。
「貴方、服屋にいたの?」
「うん……お姉ちゃんと一緒に来てた」
「お姉ちゃん? お姉さんと一緒に来てたの?」
「うん、私たち……姉妹でダンサーをやってるの、それで衣装を買いに……今のご時勢じゃ、個人の服屋やってないから……」
「へー」
確かにこの子、スタイルが良い。
ダンスやってるって言われても確かに違和感無いね。
「それじゃあ、お姉さんもここで迷い込んでるかもね……早く助け出さないと」
……彼女のお姉さん見つかるかな?
リンとラピスが助け出してるといいんだけど……。
「き、きゃああああああ!! き、キモい! 助けて!!」
「ど、どうしたの!?」
蛍ちゃんが突然前を指差し、その場にへたり込んでしまった。
……指を差す方向を見ると、蜘蛛の大群がこちらに向かって前進していた。
「ラピラピ! 援護するよ! 食らえ!」
一方、瑠璃より先にダンジョンに入っていたラピス、リンは、奥へ奥へと進んでいた。
ラピスは両手の扇子で蜘蛛を切り刻んだり、蹴りで蜘蛛に攻撃を加え、リンはそれを援護するように、ボウガンで蜘蛛を射抜いていた。
「ラピラピ! ナイス!」
「おおきに……それより、奥へ進むのもええけど、人命救助が最優先やな」
「だね!」
2人は目を光らせ、一般人が襲われていないか辺りを気にしながら前へと進む。
……すると。
「……ラピラピ! 向こうに人が!」
ボウガン使いで、パーティの中でも目が良いリンは遠くにいる一般人にいち早く気付いた。
「ほな、早う向かうで!」
「もちろん!」
2人は人命救助に向かうため、走り出した。
リンが指を差した先、そこには、蜘蛛の群れが、一般人を取り囲んでいた。
「邪魔や! どかんかい!」
ラピスは扇子を振り回し、道を切り開いていく。
リンもラピスの背後にいる蜘蛛をボウガンで排除し、援護を続けていた。
しばらくすると、蜘蛛の群れが散り散りになり、辺りに静けさが生まれた。
「ほな、蜘蛛は消えたで、大丈夫……かい……な……」
ラピスは変身解除し、取り囲まれていた人物に声を掛けようとした……が、ラピスはその一般人の姿を見て……硬直してしまった。
リンはラピスの姿に異変を抱き、変身を解いて一般人に近づいた。
「大丈夫ですか!? あっ、貴方は……」
リンは、その人物に見覚えがあった。
そして同時に、ラピスが硬直してしまった理由も理解した。
「は、はい、大丈夫です。助けていただきありがとうございます……貴方達は……さっきの……」
助けた一般人……その人物は……ラピスが落とした財布を拾った人物だった。
「と、とりあえず! 安全地帯に行こう! ついて来て! 立って!」
「は、はい!」
リンはラピスの手を掴み、助けた人物を誘導を始めた。
彼女たちは、助けたこの人物が、男性ではないことを、この時は知らなかった……。
☆
「ほ、本当に大丈夫?」
「大丈夫!」
「本当に?」
「大丈夫だから!」
女の子が落ち着いたところで、私たちは安全地帯に向けて歩き始めた。
「ま、またあの蜘蛛が出てきたらどうしよう……」
「大丈夫だってば、その時は……私があなたを守るから」
「……本当に?」
「本当! 絶対に……貴方は私が守る」
……彼女は疑心暗鬼なようだ。
例えそう思われようが、今私がやるべきことは一つ、この子を守ることだ。
とりあえず安全地帯まで急がないと……と、まずはこの子を安心させないとね。
「貴方、名前は? 私は瑠璃、猪飼瑠璃」
「私は……蛍」
「蛍ちゃん、良い名前だね……よろしくね!」
「う、うん……」
軽く自己紹介を終えたところで、私は世間話を切り出した。
「貴方、服屋にいたの?」
「うん……お姉ちゃんと一緒に来てた」
「お姉ちゃん? お姉さんと一緒に来てたの?」
「うん、私たち……姉妹でダンサーをやってるの、それで衣装を買いに……今のご時勢じゃ、個人の服屋やってないから……」
「へー」
確かにこの子、スタイルが良い。
ダンスやってるって言われても確かに違和感無いね。
「それじゃあ、お姉さんもここで迷い込んでるかもね……早く助け出さないと」
……彼女のお姉さん見つかるかな?
リンとラピスが助け出してるといいんだけど……。
「き、きゃああああああ!! き、キモい! 助けて!!」
「ど、どうしたの!?」
蛍ちゃんが突然前を指差し、その場にへたり込んでしまった。
……指を差す方向を見ると、蜘蛛の大群がこちらに向かって前進していた。
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