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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!
第130話 服屋のダンジョン
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「リン! ラピス!」
お会計を終え、私は服屋の外に出た。
服屋の外にあったベンチに、2人は座っていた……が、ラピスは体育座りの態勢で、いまだに小刻みに震えていた。
「ラピス、大丈夫?」
「……」
声を掛けても、返事はない。
どうやら相当怖かったようだ。
「ラピラピ! 大丈夫! 私たちがいるよ!」
リンはそう言って……ラピスを抱きしめた。
……すると、ラピスの震えが、徐々に徐々に治まっていっているように見えた。
「ほらラピラピ! ルリルリもいるでしょ!?」
「え? 私も?」
「ラピラピが怖がってるんだからさ! 安心させないと!」
「あ、うん……」
まぁ確かに、人は別の人の体温を感じると安心するって言うし……ここはリンの言う通りにしよう。
私は両手を広げ……ラピスを包み込んだ。
すると、ラピスは……また更に安心したのか……震えをやめ、体育座りも解いた。
「大丈夫? ラピス」
「……ほんますまん、ウチが男が苦手なばっかりに……」
ラピスは落ち着いてきたのか、ようやっと口を開いた。
「別にラピスが謝る必要はないよ、怖かったんでしょ?」
「あぁ……ホンマに怖かった……リンはんと瑠璃はんがおらんかったら……今頃死んでたわ」
「それは言いすぎじゃない?」
ラピスは男性が苦手だって言ってたけど……これはかなり重症だ。
過去に何かあったのだろうか?
「ねぇ、ラピス、なんでそんなに男性が苦手なの? もしも答えたくないなら……答えなくてもいいけど、教えてくれない?」
私は失礼を承知で、ラピスに質問をした。
ラピスは小さく頷き、口を開いた。
「ウチが男が苦手な理由はな……」
……ラピスが男性恐怖症な理由を語ろうとした、その時。
「ラピラピ! ルリルリ! あれ!」
突然、リンが前方を指差し、私たちを呼び掛けた。
リンが指を差す方向……そこには。
「あ、あれは……ダンジョン!?」
先程まで目の前にあった服屋から、ダンジョンが出現していた。
天高く聳え立ち、まるで私たちを威嚇しているようだった。
「ラピラピ! ルリルリ! 行こう!」
「うん! ……あっゴルドとキセノンも呼んだ方がいいよね!?」
「だね! それじゃあ、先にアタシとラピラピで入るから、ルリルリは2人に連絡して!」
「うん! それじゃ、ラピラピ! 行くよ!」
「わ、わかったわ! 行くで!」
リンとラピスはカードを翳し、それぞれピンクと黒の戦士に変身し、ダンジョンと化した服屋の中へと突撃していった。
私は2人が中に入ったのを確認すると、通話アプリを起動し、キセノンとゴルドに連絡を掛ける。
「あ、ゴルド! キセノン! ダンジョンが出たの! 急いで来て!」
『あいよ! 今向かうぜ!』
『場所……どこ……?』
「あぁ、場所は……」
私は目印となるものを言い、2人に服屋の場所を教えた。
「わかった!? 今すぐ来て!!」
私は通話を切り、変身アプリを起動し、カードを翳す。
赤い装甲を身に纏い、私はダンジョンの中へと入った。
お会計を終え、私は服屋の外に出た。
服屋の外にあったベンチに、2人は座っていた……が、ラピスは体育座りの態勢で、いまだに小刻みに震えていた。
「ラピス、大丈夫?」
「……」
声を掛けても、返事はない。
どうやら相当怖かったようだ。
「ラピラピ! 大丈夫! 私たちがいるよ!」
リンはそう言って……ラピスを抱きしめた。
……すると、ラピスの震えが、徐々に徐々に治まっていっているように見えた。
「ほらラピラピ! ルリルリもいるでしょ!?」
「え? 私も?」
「ラピラピが怖がってるんだからさ! 安心させないと!」
「あ、うん……」
まぁ確かに、人は別の人の体温を感じると安心するって言うし……ここはリンの言う通りにしよう。
私は両手を広げ……ラピスを包み込んだ。
すると、ラピスは……また更に安心したのか……震えをやめ、体育座りも解いた。
「大丈夫? ラピス」
「……ほんますまん、ウチが男が苦手なばっかりに……」
ラピスは落ち着いてきたのか、ようやっと口を開いた。
「別にラピスが謝る必要はないよ、怖かったんでしょ?」
「あぁ……ホンマに怖かった……リンはんと瑠璃はんがおらんかったら……今頃死んでたわ」
「それは言いすぎじゃない?」
ラピスは男性が苦手だって言ってたけど……これはかなり重症だ。
過去に何かあったのだろうか?
「ねぇ、ラピス、なんでそんなに男性が苦手なの? もしも答えたくないなら……答えなくてもいいけど、教えてくれない?」
私は失礼を承知で、ラピスに質問をした。
ラピスは小さく頷き、口を開いた。
「ウチが男が苦手な理由はな……」
……ラピスが男性恐怖症な理由を語ろうとした、その時。
「ラピラピ! ルリルリ! あれ!」
突然、リンが前方を指差し、私たちを呼び掛けた。
リンが指を差す方向……そこには。
「あ、あれは……ダンジョン!?」
先程まで目の前にあった服屋から、ダンジョンが出現していた。
天高く聳え立ち、まるで私たちを威嚇しているようだった。
「ラピラピ! ルリルリ! 行こう!」
「うん! ……あっゴルドとキセノンも呼んだ方がいいよね!?」
「だね! それじゃあ、先にアタシとラピラピで入るから、ルリルリは2人に連絡して!」
「うん! それじゃ、ラピラピ! 行くよ!」
「わ、わかったわ! 行くで!」
リンとラピスはカードを翳し、それぞれピンクと黒の戦士に変身し、ダンジョンと化した服屋の中へと突撃していった。
私は2人が中に入ったのを確認すると、通話アプリを起動し、キセノンとゴルドに連絡を掛ける。
「あ、ゴルド! キセノン! ダンジョンが出たの! 急いで来て!」
『あいよ! 今向かうぜ!』
『場所……どこ……?』
「あぁ、場所は……」
私は目印となるものを言い、2人に服屋の場所を教えた。
「わかった!? 今すぐ来て!!」
私は通話を切り、変身アプリを起動し、カードを翳す。
赤い装甲を身に纏い、私はダンジョンの中へと入った。
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