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第5章 異世界人、ショッピングモール、ベストマッチ!

第102話 怪我人発見とゴーレム

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「すみませーん! 誰かいませんかー!?」

 建物の中に入っては叫ぶ、いなかったら中に入って確認、次の建物へ。
 何度も何度も……これをひたすら繰り返す。
 そんな時だった。

「すみませーん! 誰か……」
「……お、助けが来たぞ! おーい! 怪我人がいるんだ!」

 ……中に人がいるらしい、怪我人あり……。

「ルリルリ、行こう!」
「うん!」

 私たちは足早に建物の中に入った。
 建物の二階まであがると、私たちに向かって助けの声を上げた男性と、脚を抑えた女性がいた。

「大丈夫ですか!?」
「おわぁ!? な、なんだあんたら!?」
「助けに来ました!」

 男性が私たちを指さして警戒をしだす。
 まぁ、こんな格好していればそうなるよね……と、今はそんな場合じゃない。

「貴方、怪我は!?」
「お、俺は問題ない、だが妻が……」

 女性……男性の奥さんは脚を抑え、険しい顔をしている。

「立てる?」
「うぅ……痛い……」

 リンが駆け寄って女性の怪我の具合を確かめる。
 女性の脚は遠目で見ても分かるくらい青く腫れ上がっていた。

「……歩くのはバリ無理そうだね、ここは私が」

 リンは女性の前で屈み、背中を見せた。
 そして女性の腕を自分の首元の巻き付け、脚を抱える。

「とりあえずこの人たちを安全地帯まで送ろう!」
「うん!」

 私は男性を抱えようとした……が。

「俺は大丈夫だ、それより妻を……」
「貴方も大概でしょう!?」

 男性は外傷が無いように見えたが、見るからに疲れ果てていた。

「だから俺より妻を……」
「……命は確かに大事……助けたい気持ちもよくわかる、だからこそ、まずは自分の体を大事に……した方がいいんじゃないですか?」
「……」

 私はここまで共にした相棒の言葉を借り、男性を説得する。
 このまま彼を歩かせたら、きっと途中でダウンする。
 そんなことは……させたくない。

「……わかった、安全な場所まで頼む」
「はい、じゃあこっちに」

 私は男性の肩を抱え、安全地帯へと誘導した。



「リン、安全地帯までどのくらい?」
「多分……もうすぐだとは思うけど……」

 私たちは人を抱えつつ、移動していた。
 ここでモンスターに遭遇したらまずいような……。

「う、うわあああ!? なんだありゃ!?」

 私が抱えている男性が、前方を指さして叫びだした。
 男性が指す方向……そこには。

「あれは……」
「……ゴーレムだよ、ルリルリ」

 硬い岩肌に包まれた怪物……リンが言うに、あれがゴーレムらしい。
 異世界系小説でも何度も見た……あれがそうなんだ。

「……リン、あいつはどうやって倒せばいい?」
「どこかに脆い箇所があるはず、そこを狙えば一発だよ」
「……わかった、この人をお願い」

 私は男性をリンに託して、岩の怪物に向かう。
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