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第4章 Open Your Eyes For The Elf's Past
閑話 エルフの過去 その6 ~船での生活と故郷の今~
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『おーい! 到着したぞ! 荷物を運んでくれ!!』
寝ていたのだが、船員が大声で何かを言ってきたので、私は起きてしまった。
「どうしたの?」
「港……着いた……荷物……降ろせって……」
「……そっか」
私たちは早速着替え、荷物を下ろすのを手伝った。
港を降りると、ファンスウィンとは違う風景が広がっていた。
「……ここは?」
「……キーキュル王国……ファンスウィンの……南」
「なるほど」
「とにかく……荷物……降ろそう……」
私はキセノンの後ろについていき、荷物を下ろしていった。
……って。
「……ええ!?」
「……どうしたの?」
「いやいやいや、よくそんな重い物持てるね!?」
キセノンは、馬車一台分はある荷物を片手1つで持ち上げていた。
「別に……鍛えて……いるから……」
「あ、そう……」
そういえば部屋の中でも、トレーニングしてたっけ……。
だからと言って、そんな量持てる普通!?
『おらぁ! 早く降ろせ!! 時間がねぇぞ!!』
棒立ちしている私に向かって、船員が何かを叫んだ。
「……なんて?」
「早く……降ろせって……」
「あ、うん……」
私は足早に荷物を下ろした。
☆
……しばらくして、私はキセノンに『サンルート語』を教わるようになった。
言語が分かるようになると、船員たちが何を言っているのかわかるようになったし、どこからか仕入れたであろう噂も理解できるようになった。
……ある日の事。
あれは南の国だったかな……キセノンが、現地の商人となにやら噂話をしていた。
しかも、私の事をチラチラ見ながら。
気になった私は、キセノンに聞いてみた。
「……何の話してたの?」
「うん……貴方の……故郷……ファンスウィンの……話……」
「……」
故郷の話か……どうせくだらない事だろう。
「ファンスウィン……共和制に……変わった……らしい」
「共和制?」
「うん……みんなの……投票で……首長が……選ばれる……氏族争い……終わる……」
……それはいいニュースだ……だが、キセノンの表情は悲しげだった。
「本当に終わるの?」
「いや……それが……」
「……それが?」
キセノンは、あまり言いたくないようだった。
……私はどこか察してしまった。
「選挙で……選ばれた人……賄賂……受け取ったとか……氏族の人数的に……有利になったとかで……また……」
「……」
キセノンが言った言葉に、私は悲しい気持ちになった。
「ごめん……嫌な気分に……させちゃった」
「いいよ……別に、あんな奴らの事なんか」
「……」
キセノンは、悲しい表情で、私を見つめた。
「おい! 出航するぞ! 早く乗れ!」
船長が私たちに向かって叫んだ。
……そろそろ出航か。
「……行こう、乗り遅れちゃう」
「うん……」
私たちは船に乗り込んだ。
寝ていたのだが、船員が大声で何かを言ってきたので、私は起きてしまった。
「どうしたの?」
「港……着いた……荷物……降ろせって……」
「……そっか」
私たちは早速着替え、荷物を下ろすのを手伝った。
港を降りると、ファンスウィンとは違う風景が広がっていた。
「……ここは?」
「……キーキュル王国……ファンスウィンの……南」
「なるほど」
「とにかく……荷物……降ろそう……」
私はキセノンの後ろについていき、荷物を下ろしていった。
……って。
「……ええ!?」
「……どうしたの?」
「いやいやいや、よくそんな重い物持てるね!?」
キセノンは、馬車一台分はある荷物を片手1つで持ち上げていた。
「別に……鍛えて……いるから……」
「あ、そう……」
そういえば部屋の中でも、トレーニングしてたっけ……。
だからと言って、そんな量持てる普通!?
『おらぁ! 早く降ろせ!! 時間がねぇぞ!!』
棒立ちしている私に向かって、船員が何かを叫んだ。
「……なんて?」
「早く……降ろせって……」
「あ、うん……」
私は足早に荷物を下ろした。
☆
……しばらくして、私はキセノンに『サンルート語』を教わるようになった。
言語が分かるようになると、船員たちが何を言っているのかわかるようになったし、どこからか仕入れたであろう噂も理解できるようになった。
……ある日の事。
あれは南の国だったかな……キセノンが、現地の商人となにやら噂話をしていた。
しかも、私の事をチラチラ見ながら。
気になった私は、キセノンに聞いてみた。
「……何の話してたの?」
「うん……貴方の……故郷……ファンスウィンの……話……」
「……」
故郷の話か……どうせくだらない事だろう。
「ファンスウィン……共和制に……変わった……らしい」
「共和制?」
「うん……みんなの……投票で……首長が……選ばれる……氏族争い……終わる……」
……それはいいニュースだ……だが、キセノンの表情は悲しげだった。
「本当に終わるの?」
「いや……それが……」
「……それが?」
キセノンは、あまり言いたくないようだった。
……私はどこか察してしまった。
「選挙で……選ばれた人……賄賂……受け取ったとか……氏族の人数的に……有利になったとかで……また……」
「……」
キセノンが言った言葉に、私は悲しい気持ちになった。
「ごめん……嫌な気分に……させちゃった」
「いいよ……別に、あんな奴らの事なんか」
「……」
キセノンは、悲しい表情で、私を見つめた。
「おい! 出航するぞ! 早く乗れ!」
船長が私たちに向かって叫んだ。
……そろそろ出航か。
「……行こう、乗り遅れちゃう」
「うん……」
私たちは船に乗り込んだ。
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