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第1章 世界の研究者、猪飼瑠璃
第34話 異世界人のお願い
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「それで……皆はこれからどうするの?」
「どうするねぇ……正直、この調子じゃ、ワシらの宿泊先もねぇだろうなぁ」
「せやなぁ……結構荷物やら着替えやらあったんやけどなぁ……」
「うーん……どこか宿泊先ないかなぁ……でもお金も多分日本じゃバリ使い物にならないだろうし……」
4人は頭を抱え、考え始めた。
うーん……確かに、これからどうやって寝泊まりするんだろう……ましてや食事も……。
……そんなことを考えていると、突然、キセノンが私を指さした。
「……いる」
「……え?」
何……? いるってどういうこと?
……他の3人も何かを察したのか、顔を合わせる……笑顔で。
……ちょっと怖いから離れよう、うん。
私は4人に背を向け歩き始めた……。
「ねぇルリルリ!!」
「は、はい!?」
……離れようかと思った矢先、後ろからリンが突然私の両肩を掴んだ。
……まさか。
「一生のお願い!! しばらくルリルリの家に泊まらせて!!」
「え、えぇ!?」
わ、私の家!? っていうか叔母さんの家なんだけど!?
「ウチからもお願いや! ウチらこのままだと死んでまう!!」
「頼む! ワシからも!」
「瑠璃ちゃん……一生の……お願い……」
皆が一斉にこちらに迫ってきた……。
いやいやいや、そうしたいのは山々だけどさ……叔母さんの許可がないとどうにも……。
「……瑠璃ちゃん!」
……ふと、そんな声が遠くから聞こえ、私はその方向へ振り向いた。
この声は……。
「……叔母さん!」
他でもない、叔母さんだった。
「叔母……さん? ルリルリの家族?」
「そう!」
私は叔母さんに近づき、無事を確認した。
「瑠璃ちゃん、地震大丈夫だった? なんか奇妙な建物や動物が出たって……」
「私は大丈夫! 叔母さんは?」
「私も……って、あちらの人たちは?」
叔母さんは4人を差して、誰なのか聞いてくる。
叔母さんからしてみれば、彼らは謎のコスプレをした変人にしか見えないだろう。
……そんな中、前に出たのは……ゴルドだった。
……あれ? なんか表情が……キリっとしてる?
「……初めまして、ゴルドと申します、お見知りおきを、お嬢さん?」
「ま、まぁ……」
ゴルドは膝をついて……丁寧に挨拶をした。
え? なにこれ?
「……ルリルリが困惑する気持ちはわかるよ」
「……なにあれ?」
「……ゴル爺は『歳を取った人間の女性』がタイプなんだよ」
「へ、へぇ~……」
それはまぁ……あんま人の性癖について言うべきではないな、うん。
「……で、瑠璃ちゃん、この人たちは誰なの?」
ゴルドに困惑しつつ、叔母さんは違うところからやってきたであろう4人について質問をする。
うーん……変にごまかしても仕方がない、率直に言おう。
「どうするねぇ……正直、この調子じゃ、ワシらの宿泊先もねぇだろうなぁ」
「せやなぁ……結構荷物やら着替えやらあったんやけどなぁ……」
「うーん……どこか宿泊先ないかなぁ……でもお金も多分日本じゃバリ使い物にならないだろうし……」
4人は頭を抱え、考え始めた。
うーん……確かに、これからどうやって寝泊まりするんだろう……ましてや食事も……。
……そんなことを考えていると、突然、キセノンが私を指さした。
「……いる」
「……え?」
何……? いるってどういうこと?
……他の3人も何かを察したのか、顔を合わせる……笑顔で。
……ちょっと怖いから離れよう、うん。
私は4人に背を向け歩き始めた……。
「ねぇルリルリ!!」
「は、はい!?」
……離れようかと思った矢先、後ろからリンが突然私の両肩を掴んだ。
……まさか。
「一生のお願い!! しばらくルリルリの家に泊まらせて!!」
「え、えぇ!?」
わ、私の家!? っていうか叔母さんの家なんだけど!?
「ウチからもお願いや! ウチらこのままだと死んでまう!!」
「頼む! ワシからも!」
「瑠璃ちゃん……一生の……お願い……」
皆が一斉にこちらに迫ってきた……。
いやいやいや、そうしたいのは山々だけどさ……叔母さんの許可がないとどうにも……。
「……瑠璃ちゃん!」
……ふと、そんな声が遠くから聞こえ、私はその方向へ振り向いた。
この声は……。
「……叔母さん!」
他でもない、叔母さんだった。
「叔母……さん? ルリルリの家族?」
「そう!」
私は叔母さんに近づき、無事を確認した。
「瑠璃ちゃん、地震大丈夫だった? なんか奇妙な建物や動物が出たって……」
「私は大丈夫! 叔母さんは?」
「私も……って、あちらの人たちは?」
叔母さんは4人を差して、誰なのか聞いてくる。
叔母さんからしてみれば、彼らは謎のコスプレをした変人にしか見えないだろう。
……そんな中、前に出たのは……ゴルドだった。
……あれ? なんか表情が……キリっとしてる?
「……初めまして、ゴルドと申します、お見知りおきを、お嬢さん?」
「ま、まぁ……」
ゴルドは膝をついて……丁寧に挨拶をした。
え? なにこれ?
「……ルリルリが困惑する気持ちはわかるよ」
「……なにあれ?」
「……ゴル爺は『歳を取った人間の女性』がタイプなんだよ」
「へ、へぇ~……」
それはまぁ……あんま人の性癖について言うべきではないな、うん。
「……で、瑠璃ちゃん、この人たちは誰なの?」
ゴルドに困惑しつつ、叔母さんは違うところからやってきたであろう4人について質問をする。
うーん……変にごまかしても仕方がない、率直に言おう。
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