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58.聖女様、占領する ◇

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「もう限界なんですか?」
「あぁ……早くしてくれ……」
「ふふふ、分かりました、ではお望み通り……もうやめてくれって言うまで攻めてあげますからね……」

 私は指を抜き、両手で彼の腰を掴み、自分の槍を彼の門の前に構える。
 唾液を垂らし、入れやすいようにする。

「では……入れますよ?」

 私はそう言うと、彼の門を突き破り、占領を開始する。

「くはぁ!? はぁ……はぁ……」

 彼のお城の中はやはり狭かった。
 いけませんね、私が過ごしやすくなるように拡張してあげないと……。

「では……動きますからね」

 私は腰をしっかりと掴み、前後の運動を始める。
 動くたびに彼の肉壁が私の槍を刺激する。
 先端の裏側部分が刺激され、熱が体を駆け巡っていた。
 彼の体温はとても熱くなっていて、私の槍からその熱が伝わってくる。

「あぁ……はぁ……はぁ……」
「くは……あぁ……はぁ……」

 お互いに声を上げている。
 口では言わなかったが、ずっとこうして一つでいたかった。
 無様な声を上げるスタッグ様を見下ろしつつ、彼の体温を感じ、快感を得る。
 こんな最高な状態、こういう事でしか味わえない。

「あ……はぁ……あぁ!」
「う……はぁ……はぁ!?」

 前後の運動を激しくするたびに、そんな最高な状態がより高い純度を誇る。
 この感触……最高です……。
 だが、そんな快楽もじきに限界を迎えてしまう。

「はぁ……そろそろ……限界です……」
「お、俺も……」
「ふふふ……貴方もですか? はぁ……はぁ……」

 どうやら同じらしい。
 ……ですが、彼より先に出すのは、どこか嫌な気持ちがあった。
 負けたくなかった私は、腰を掴んでいた片方の手を彼の股間に伸ばし、刺激を始めた。

「うはぁ……かはぁ……はぁ……はぁ……」

しごき始めると、彼は大きな声で喘ぎ始める。

「どうです? 気持ちいいですか? はぁ……はぁ……」
「お、お前……そんなことしたら……俺……もう……」

 前と後ろ、両方攻められている彼は、あまりの快楽に早くも限界を迎えようとしているらしい。
 情けないが……愛おしい。

「もう限界ですか? では……もっと激しくしてあげますからね!」
「くはぁ!? あぁ! はぁ……はぁ……」

 動きを激しくすると、彼の槍は既に火傷をするくらい熱く、硬くなっていた。
 そろそろ……私も……。

「はぁ……はぁ……ディナステス……」
「はぁ……はぁ……なんですか?」
「お、俺……もう……出る……限界だ……」
「そ、そうですか……わ、私も……」

 私は腰の前後の運動を激しくしつつ、彼の槍を攻める手の運動も激しくする。
 溶岩が既に火口まで到達していて、もう……限界だった。

「ディナステス……俺もう出る……出る!」
「わ、私も……もう限界です!」

 快楽から解放されるために、私は最後の力を振り絞って、彼を攻めた。

「い、いく……出る……出る!」

 ……先にいったのは彼だった。
 自信のものから白い溶岩を噴き出し、ベッドと私の手を汚していく。
 彼の溶岩を感じ取った私は、我慢の限界になっていた。

「わ、私も……出る……出ます! はぁ……はぁ……あぁ!」

 槍を前後に動かし、私は彼の中で、愛情を注ぎこんだ。
 私の中で作られた愛情が彼の中に入っていき、お互いにそれを分かち合う。
 力が抜けた私は、彼の城から退散し、彼の屈強な背中へと飛び込んだ。

「……ディナステス」
「……なんですか?」
「……申し訳ないが……重たい」
「……」

 重たい……ですか。
 その言葉……女性に対しても言っているのですかね? だとしたら相当失礼だと思いますけど。
 私は彼の言葉を無視し、彼の身体を包み込んだ。

「お、おい……」
「貴方は重たいでしょうが、私は運動をして疲れてしまったので、しばらくこうさせてください」
「わ、分かったよ……」

 私たちはしばらくの間……こうしていた。
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