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Ⅲ from A to A
第28.5話 帝国剣舞祭
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ステラ:天才剣士として名高い、ルーナの妹。18歳。
ルーナ:姉妹で傭兵業をしている剣士の女性。20歳。
ハミルトン・レイ:帝国騎士団隊長主席にして参謀を務める男性。32歳。
リラ:平民出身の女性騎士。24歳。
ズン:貴族騎士。27歳。
ドコ:貴族騎士。28歳。
ゾン・ゲビラ:帝国剣舞祭の実況解説を務める謎の騎士。
帝都、闘技場、実況席。
(SE 開催を報せる花火の音)
ゾン 「さあ始まりました、帝国剣舞祭! 実況は私、ゾン・ゲビラがお送りします」
(SE 歓声)
ゾン 「さて、選りすぐりの騎士たちが覇を競い合う帝国剣舞祭ですが、今回はホロロコリスの道場から招待された女性剣士2名を入れた32人によるトーナメントで進行いたします」
(SE 歓声)
ゾン 「それでは、本大会のルールを改めて説明します!」
ゾン 「どちらかが戦闘不能と判断されるまで、試合は続行されます。ただし、殺しはなしです。なお、登録武器以外の道具の使用は禁止ですが、魔法の使用は許可されています」
(SE 紙を渡される音)
ゾン 「……どうやら、第1試合の準備が整ったようです! それでは、帝国剣舞祭、開幕です!」
(SE 歓声)
◇
帝国剣舞祭、初戦。
ゾン 「それでは選手入場です! まずは、貴族の名門から! ズン選手!!」
ズン 「ぐふふ……」
ゾン 「そしてそして! ホロロコリスから招待された美人剣士!! ルーナ選手!!」
ルーナ 「……はあ、相手は貴族のボンボン、見るからに弱そうね」
ズン 「ホロロコリスから来たにしては、身なりに気を使っているようだな」
ルーナ 「は?」
ゾン 「それでは……、試合開始!!」
(SE 銅鑼)
ズン 「ぐふふ、女、このエリートである私が手解きをしてやろう」
ルーナ 「はぁ……」
(SE 納刀する音)
ズン 「へ?」
ルーナ 「ふん」
(SE 剣が折れる音)(SE ベルトが切れる音)
ズン 「うわああっ!?」
ルーナ 「手解きが、なんだって?」
ゾン 「なんと! ルーナ選手、ズン選手のズボンをずり降ろしたああっ!!」
ルーナ 「はぁ、それで、まだ続ける?」
ズン 「…………っ、ち、父上に言いつけてやるうううう!!」
ゾン 「勝者、ルーナ選手!!」
(SE 歓声)
◇
闘技場、控室。
ルーナ 「なによこれ、帝国騎士の底が知れるわね」
ステラ 「もう、お姉ちゃん、気持ちはわかるけど……」
ズン 「(遠くから)おい! 平民のクセに生意気だぞ!!」
ルーナ 「?」
ドコ 「そうだ! なぜ平民であるお前が残っているのだ!?」
(SE ドコがリラをどつく音)
リラ 「きゃっ、な、なにするんですか……っ!?」
ステラ 「あ、私の初戦の相手だった人だ」
ルーナ 「はぁ、くっだらな」
(SE 足音)
ステラ 「あ、ちょっと、お姉ちゃん!?」
ルーナ 「難癖つけてるヒマがあるなら、少しは鍛錬したらどう?」
ドコ 「ああ?」
ズン 「あ、貴様は!!」
ルーナ 「あら、私のことを覚えてたのね。意外と記憶力良いじゃない」
ズン 「ば、馬鹿にするな!!」
ドコ 「おい、お前! 誰に向かってそんな口を!?」
ルーナ 「あら、これは失礼したわね。アンタたち、それでも貴族だったのよね」
ズン 「な、なななな!!」
ドコ 「貴様!!」
ルーナ 「あ?」
(SE 鯉口を切る音)
ズン・ドコ 「ひっ……!」
(SE 足音)
ハミルトン 「いったいなんの騒ぎだ?」
ズン・ドコ 「!!」
リラ 「隊長!!」
ズン・ドコ 「き、今日のところは、これくらいで勘弁してやる!!」
(SE ズンドコが走り去る音)
ルーナ 「……アンタは?」
ステラ 「ハミルトン・レイ、帝国騎士団参謀にして隊長主席。騎士団のナンバー2だよ」
ハミルトン 「そちらは、ホロロコリスから来たというステラさんとルーナさんか。騎士団の者がすまない。……リラ」
リラ 「お手数をおかけして、すみません」
ルーナ 「いいわよ、別に。それよりアンタ、なんであの貴族連中の言いなりなのよ」
リラ 「う、それは……」
ハミルトン 「まあ、騎士にもしがらみはあるものだ」
ルーナ 「ふん、くだらない」
ステラ 「お姉ちゃん……」
(SE ブザー)
ルーナ 「時間か……。私は行くわ」
◇
帝国剣舞祭、準々決勝。
ゾン 「さあ、順当に勝ち残っております、ルーナ選手!」
ルーナ 「ふん」
ゾン 「そのルーナ選手の対戦相手は! 帝国騎士団隊長主席! ハミルトン・レイ選手だ!!」
ハミルトン 「…………」
ルーナ 「あら、隊長主席様じゃない」
ハミルトン 「先ほどはどうも」
ゾン 「それでは! 試合開始!!」
(SE 銅鑼)
ハミルトン 「先ほどのこともある、先手は譲ろう」
ルーナ 「余裕じゃない。後悔しても知らないわよ?」
ハミルトン 「心配の必要はない。キミに後れを取るつもりはない」
ルーナ 「言うじゃない。一撃で決める」
(SE 構える音)
ルーナ 「──────斬月……!」
(SE 刀の一閃)
ルーナ 「──────二の太刀!」
(SE 刀の一閃)
ルーナ 「──────三の太刀、奥義・ツクヨミ!!」
(SE 刀の一閃)
ハミルトン 「ふ、甘いな……」
ルーナ 「ちっ、避けられたか」
ハミルトン 「どうした? 一撃で決めるんじゃなかったのか?」
ルーナ 「うっさいわね」
ハミルトン 「次はこちらから行かせてもらう」
(SE 構える音)
ハミルトン 「──────風迅剣・葉桜!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ルーナ 「くっ……!」
ルーナ (重い……!)
(SE ルーナが飛び退く音)
ハミルトン 「防いだか。だが──────」
(SE ルーナの頬が切れる音)
ルーナ 「……っ、風魔法か……。なら……!」
ルーナ 「──────叢雲、さらに幻月」
(SE 霧が発生する音)
(SE 分身が出現する音)
ハミルトン 「目くらましなど……」
(SE 刀を振る音)
(SE 霧が晴れる音)
ハミルトン 「……!」
ルーナ 「ただの目くらましと思わないことね」
ハミルトン 「ふ、大道芸人でも目指すんだな」
ルーナ 「言ってなさい」
ルーナ 「──────幻月乱舞奥義・風花雪月!!」
ハミルトン 「甘いな。──────大炎陣!」
(SE 刀を突き立てる音)(SE 爆発音)
ハミルトン 「その程度の水滴では、私の炎は消せない」
ルーナ 「ウソでしょ……!?」
ハミルトン 「では行くぞ……!」
(SE 刀を構える音)
ハミルトン 「──────燕五連!」
(SE 斬撃音)×5回
ルーナ 「きゃああああっ!!」
ハミルトン 「鳥籠の中で眠れ──────」
(SE ルーナが倒れる音)
ハミルトン 「峰打ちだ、死にはしないだろう」
ゾン 「勝者! ハミルトン選手!!」
(SE 歓声)
◇
闘技場、控室。
ルーナ 「痛つつ……」
ステラ 「お疲れ様、お姉ちゃん」
ルーナ 「はあ、準々決勝で終わりか」
ステラ 「あはは……」
ルーナ 「ステラは?」
ステラ 「ふふん、もちろん勝ったよ」
ルーナ 「もちろん、か」
ステラ 「わー、ごめんごめん」
ルーナ 「あーもう、ステラと決勝で会場を沸かせるつもりが……!」
ステラ 「あはは、でもしょうがないよ。ハミルトンさん、すっごく強かったもん」
ルーナ 「ステラでもそう思うんだ?」
ステラ 「うん。……でも、私の方が強いよ」
ルーナ 「負けそう」
ステラ 「あ、ひどーい!」
ルーナ 「ふふ、さっき私を煽ったお返しよ」
(SE ブザー)
ステラ 「あ、私の番だ」
ルーナ 「ふん、行ってきなさい」
ステラ 「うん」
ルーナ 「……頑張って」
ステラ 「……あはは、ほんとお姉ちゃんてツンデレだよね」
ルーナ 「う、うっさい! 早く行きなさい!」
ステラ 「はーい!」
◇
帝国剣舞祭、準決勝。
ゾン 「さあ、帝国剣舞祭もいよいよ佳境に差し掛かってきました」
ゾン 「注目の準決勝、選手の入場です! まずは、初戦から圧倒的な強さで勝ち上がってきたステラ選手!!」
ステラ 「…………」
ゾン 「対するは、その素早い身のこなしで、相手を翻弄してきたリラ選手!!」
リラ 「まさかここで、ステラさんと戦えるなんて思っていませんでした」
ステラ 「リラさんの試合、見てましたよ。珍しい型でしたが、剣は誰に師事していたんですか?」
リラ 「我流ですよ。生きていくためには、これを磨くしかありませんでしたから」
ステラ 「我流で、あの強さ……。今からでもちゃんとした剣を学んでみませんか?」
リラ 「……っ」
ゾン 「それでは準決勝、試合開始!!」
(SE 銅鑼)
リラ 「……!!」
(SE リラが高速で移動する音)
ステラ (速い……!)
(SE 短刀を振る音)
(SE 刀を抜き放つ音)
(SE リラが飛び退く音)
リラ 「……っ、まさか、私の一撃を避けてカウンターだなんて、さすがはステラさんですね」
(SE 納刀する音)
ステラ 「この星辰一刀流の基本は、居合にありますから。それよりもリラさん、先ほどは失礼なことを言ってしまいました。すみません」
リラ 「いえ、ステラさんのような、達人の域に達している方が私の剣を見れば、そう思うのも仕方ありません。ですが、私の剣をただの素人の棒振りと思わないことですね」
ステラ 「はい、リラさん、あなたの剣に最大限の敬意を払いましょう」
(SE 構える音)
ステラ 「──────次で決めます」
リラ 「……いきます!」
(SE リラが高速で移動する音)
(SE 短刀を振る音)
ステラ 「……!」
(SE 刀を抜き放つ音)
リラ 「…………」
ステラ 「…………ふぅ」
(SE 納刀する音)
リラ 「……お見事──────」
(SE リラが倒れる音)
ステラ 「リラさん、あなたがどんな人生を送ってきたのかは、その急所を的確に狙う太刀筋からお察しします……」
ゾン 「勝者、ステラ選手!! あのリラ選手を、一撃で降した!!」
(SE 歓声)
◇
帝国剣舞祭、決勝。
ゾン 「さあ、帝国剣舞祭もとうとう最後の試合となりました!」
(SE 歓声)
ゾン 「では選手の入場です!」
ゾン 「まずはこの方、その圧倒的な実力で、初戦から準決勝まですべて一太刀で対戦相手を降してきたステラ選手!!」
(SE 歓声)
ステラ 「…………」
ゾン 「対するは、我らが帝国騎士団隊長主席、ハミルトン・レイ選手!! その鮮やかな太刀筋でステラ選手を捉えることはできるのか!?」
(SE 歓声)
ハミルトン 「…………」
ゾン 「それでは、試合開始!!」
(SE 銅鑼)
ハミルトン 「やはり、キミの星辰一刀流、姉とは違って極まっているな」
ステラ 「会話で気を逸らすほど未熟ではないですよ。あなたの剣、すべて見切ってみせましょう」
ハミルトン 「ほう」
ステラ 「どうぞ?」
ハミルトン 「ふ、いいだろう。乗ってあげようか」
(SE ハミルトンが一足で移動する音)
ハミルトン 「──────燕返し……!」
(SE 刀を振る音)×2回
ステラ 「……!」
(SE 刀を柄で受け止める音)
ハミルトン 「……!? 一撃目を難なく避け、続く二撃目をまさか柄で受け止めるとはな」
ステラ 「どうしたんですか? 私に刀を抜かせて下さいよ」
ハミルトン 「ふ、今のはほんの小手調べさ」
(SE ハミルトンが距離をとる音)
ハミルトン 「──────風の刃よ」
(SE 風魔法が発動する音)
(SE ハミルトンが高速で移動する音)
ハミルトン 「──────風迅剣・葉桜」
(SE 刀を振る音)
ステラ (魔法を絡めた一撃……。さすがに戦闘経験の差が出るか……。だけど──────)
ステラ 「──────弧月一閃……!」
(SE 刀を抜き放つ音)
ハミルトン 「……ッ!!」
(SE ハミルトンが飛び退く音)
ステラ 「さすがに避けられてしまいましたか……」
ハミルトン 「ふ、案外簡単に刀を抜いたな」
ステラ 「あはは、抜いた価値はありましたよ」
(SE 腕に傷が入る音)
ハミルトン 「……ッ!?」
ステラ 「でも、少し浅かったみたいですね」
ハミルトン 「これは、どうやら全力でぶつかる他ないみたいだな」
(SE 構える音)(SE ハミルトンが高速で移動する音)
ステラ 「……っ!!」
ハミルトン 「──────風迅剣・飛燕!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ステラ 「……くっ!」
(SE ステラが吹き飛ぶ音)
ステラ (重い……!)
ハミルトン 「──────風迅剣・狐火」
(SE 斬撃音)×3回
ステラ 「……っ」
ステラ (太刀筋が読めない……!)
ハミルトン 「先ほどまでの威勢はどうした?」
ステラ 「はは、これは、居合じゃ駄目そうですね……」
ハミルトン 「ふふ、確かにキミは、剣の才には恵まれている。しかし、経験の差を埋めるほどではないようだ」
ステラ 「そうですね──────」
ハミルトン 「……?」
ステラ 「ですが、この星辰一刀流は、居合抜刀術だけが取り柄ではないんですよ?」
ハミルトン 「ハッタリか? 今さら私にそんなものが……」
ステラ 「すぅ……」
(SE 構える音)
(SE オーラがにじむ音)
ハミルトン 「…………!?」
ステラ 「どうしました? 来ないんですか?」
ハミルトン (なんだこれは? 攻め手が見つからない……?)
ステラ 「では、私から行きますよ?」
ハミルトン (……っ、どう来る?)
ステラ 「──────星月夜」
(SE 刀の一閃)
ハミルトン 「……ッ!?」
(SE 刀と刀が重くぶつかる音)
(SE ハミルトンが飛び退く音)
ハミルトン (……そういうことか。いくつものフェイントを織り交ぜることで、攻守の判断を削ぐというのが理屈だろう。しかし──────)
ステラ 「どうやら、気づかれちゃったみたいですね」
ハミルトン 「理屈だけはな。しかしキミのそれは、フェイントというより幻術の域だ」
ステラ 「幻術だなんてそんな……。ただ、星辰一刀流はもともと、暗殺剣として伝わっている流派。この剣は、あなたを確実に殺します」
ハミルトン 「……っ」
ハミルトン (──────詰みか)
ハミルトン 「はぁあああああああっ!!」
(SE 魔力が迸る音)
ステラ 「なるほど、次にすべてを賭けてきましたか……。ならば私も──────」
(SE 構え直す音)
ステラ 「──────全力で応じましょう」
(SE ハミルトンが高速で移動する音)
ハミルトン 「──────燕七連!!」
ステラ 「──────星辰一刀流奥義、禍星!」
(SE 刀の一閃)
ハミルトン 「……ッ! がは……っ!」
(SE ハミルトンが倒れる音)
ゾン 「…………」
ステラ 「……ふぅ」
(SE 納刀する音)
ゾン 「……こ、今回の帝国剣舞祭優勝者は、ステラ選手だぁあああっ!」
(SE 大歓声)
◇
帝都、平民街、酒場。
ルーナ 「ほら、アンタのお祝いなんだから、じゃんじゃん食べなさい!」
ステラ 「う、うん……」
ルーナ 「ん、ん……、はあ」
(SE グラスを置く音)
ルーナ 「……どうしたのよ、いつもなら頬を膨らませて食べるじゃない」
ステラ 「いや、お姉ちゃん、普段そんな飲まないよね?」
ルーナ 「え? いいじゃない、別に。アンタの、お祝いなんだから」
ステラ 「要するに、自分が準々決勝で負けたから、ヤケ酒ってこと?」
ルーナ 「うぅっさぁい……!」
ステラ 「もう、しょうがないんだから……」
ルーナ 「そう、しょうがない、しょうがない」
ステラ 「ふふ、あはは!」
つづく
ルーナ:姉妹で傭兵業をしている剣士の女性。20歳。
ハミルトン・レイ:帝国騎士団隊長主席にして参謀を務める男性。32歳。
リラ:平民出身の女性騎士。24歳。
ズン:貴族騎士。27歳。
ドコ:貴族騎士。28歳。
ゾン・ゲビラ:帝国剣舞祭の実況解説を務める謎の騎士。
帝都、闘技場、実況席。
(SE 開催を報せる花火の音)
ゾン 「さあ始まりました、帝国剣舞祭! 実況は私、ゾン・ゲビラがお送りします」
(SE 歓声)
ゾン 「さて、選りすぐりの騎士たちが覇を競い合う帝国剣舞祭ですが、今回はホロロコリスの道場から招待された女性剣士2名を入れた32人によるトーナメントで進行いたします」
(SE 歓声)
ゾン 「それでは、本大会のルールを改めて説明します!」
ゾン 「どちらかが戦闘不能と判断されるまで、試合は続行されます。ただし、殺しはなしです。なお、登録武器以外の道具の使用は禁止ですが、魔法の使用は許可されています」
(SE 紙を渡される音)
ゾン 「……どうやら、第1試合の準備が整ったようです! それでは、帝国剣舞祭、開幕です!」
(SE 歓声)
◇
帝国剣舞祭、初戦。
ゾン 「それでは選手入場です! まずは、貴族の名門から! ズン選手!!」
ズン 「ぐふふ……」
ゾン 「そしてそして! ホロロコリスから招待された美人剣士!! ルーナ選手!!」
ルーナ 「……はあ、相手は貴族のボンボン、見るからに弱そうね」
ズン 「ホロロコリスから来たにしては、身なりに気を使っているようだな」
ルーナ 「は?」
ゾン 「それでは……、試合開始!!」
(SE 銅鑼)
ズン 「ぐふふ、女、このエリートである私が手解きをしてやろう」
ルーナ 「はぁ……」
(SE 納刀する音)
ズン 「へ?」
ルーナ 「ふん」
(SE 剣が折れる音)(SE ベルトが切れる音)
ズン 「うわああっ!?」
ルーナ 「手解きが、なんだって?」
ゾン 「なんと! ルーナ選手、ズン選手のズボンをずり降ろしたああっ!!」
ルーナ 「はぁ、それで、まだ続ける?」
ズン 「…………っ、ち、父上に言いつけてやるうううう!!」
ゾン 「勝者、ルーナ選手!!」
(SE 歓声)
◇
闘技場、控室。
ルーナ 「なによこれ、帝国騎士の底が知れるわね」
ステラ 「もう、お姉ちゃん、気持ちはわかるけど……」
ズン 「(遠くから)おい! 平民のクセに生意気だぞ!!」
ルーナ 「?」
ドコ 「そうだ! なぜ平民であるお前が残っているのだ!?」
(SE ドコがリラをどつく音)
リラ 「きゃっ、な、なにするんですか……っ!?」
ステラ 「あ、私の初戦の相手だった人だ」
ルーナ 「はぁ、くっだらな」
(SE 足音)
ステラ 「あ、ちょっと、お姉ちゃん!?」
ルーナ 「難癖つけてるヒマがあるなら、少しは鍛錬したらどう?」
ドコ 「ああ?」
ズン 「あ、貴様は!!」
ルーナ 「あら、私のことを覚えてたのね。意外と記憶力良いじゃない」
ズン 「ば、馬鹿にするな!!」
ドコ 「おい、お前! 誰に向かってそんな口を!?」
ルーナ 「あら、これは失礼したわね。アンタたち、それでも貴族だったのよね」
ズン 「な、なななな!!」
ドコ 「貴様!!」
ルーナ 「あ?」
(SE 鯉口を切る音)
ズン・ドコ 「ひっ……!」
(SE 足音)
ハミルトン 「いったいなんの騒ぎだ?」
ズン・ドコ 「!!」
リラ 「隊長!!」
ズン・ドコ 「き、今日のところは、これくらいで勘弁してやる!!」
(SE ズンドコが走り去る音)
ルーナ 「……アンタは?」
ステラ 「ハミルトン・レイ、帝国騎士団参謀にして隊長主席。騎士団のナンバー2だよ」
ハミルトン 「そちらは、ホロロコリスから来たというステラさんとルーナさんか。騎士団の者がすまない。……リラ」
リラ 「お手数をおかけして、すみません」
ルーナ 「いいわよ、別に。それよりアンタ、なんであの貴族連中の言いなりなのよ」
リラ 「う、それは……」
ハミルトン 「まあ、騎士にもしがらみはあるものだ」
ルーナ 「ふん、くだらない」
ステラ 「お姉ちゃん……」
(SE ブザー)
ルーナ 「時間か……。私は行くわ」
◇
帝国剣舞祭、準々決勝。
ゾン 「さあ、順当に勝ち残っております、ルーナ選手!」
ルーナ 「ふん」
ゾン 「そのルーナ選手の対戦相手は! 帝国騎士団隊長主席! ハミルトン・レイ選手だ!!」
ハミルトン 「…………」
ルーナ 「あら、隊長主席様じゃない」
ハミルトン 「先ほどはどうも」
ゾン 「それでは! 試合開始!!」
(SE 銅鑼)
ハミルトン 「先ほどのこともある、先手は譲ろう」
ルーナ 「余裕じゃない。後悔しても知らないわよ?」
ハミルトン 「心配の必要はない。キミに後れを取るつもりはない」
ルーナ 「言うじゃない。一撃で決める」
(SE 構える音)
ルーナ 「──────斬月……!」
(SE 刀の一閃)
ルーナ 「──────二の太刀!」
(SE 刀の一閃)
ルーナ 「──────三の太刀、奥義・ツクヨミ!!」
(SE 刀の一閃)
ハミルトン 「ふ、甘いな……」
ルーナ 「ちっ、避けられたか」
ハミルトン 「どうした? 一撃で決めるんじゃなかったのか?」
ルーナ 「うっさいわね」
ハミルトン 「次はこちらから行かせてもらう」
(SE 構える音)
ハミルトン 「──────風迅剣・葉桜!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ルーナ 「くっ……!」
ルーナ (重い……!)
(SE ルーナが飛び退く音)
ハミルトン 「防いだか。だが──────」
(SE ルーナの頬が切れる音)
ルーナ 「……っ、風魔法か……。なら……!」
ルーナ 「──────叢雲、さらに幻月」
(SE 霧が発生する音)
(SE 分身が出現する音)
ハミルトン 「目くらましなど……」
(SE 刀を振る音)
(SE 霧が晴れる音)
ハミルトン 「……!」
ルーナ 「ただの目くらましと思わないことね」
ハミルトン 「ふ、大道芸人でも目指すんだな」
ルーナ 「言ってなさい」
ルーナ 「──────幻月乱舞奥義・風花雪月!!」
ハミルトン 「甘いな。──────大炎陣!」
(SE 刀を突き立てる音)(SE 爆発音)
ハミルトン 「その程度の水滴では、私の炎は消せない」
ルーナ 「ウソでしょ……!?」
ハミルトン 「では行くぞ……!」
(SE 刀を構える音)
ハミルトン 「──────燕五連!」
(SE 斬撃音)×5回
ルーナ 「きゃああああっ!!」
ハミルトン 「鳥籠の中で眠れ──────」
(SE ルーナが倒れる音)
ハミルトン 「峰打ちだ、死にはしないだろう」
ゾン 「勝者! ハミルトン選手!!」
(SE 歓声)
◇
闘技場、控室。
ルーナ 「痛つつ……」
ステラ 「お疲れ様、お姉ちゃん」
ルーナ 「はあ、準々決勝で終わりか」
ステラ 「あはは……」
ルーナ 「ステラは?」
ステラ 「ふふん、もちろん勝ったよ」
ルーナ 「もちろん、か」
ステラ 「わー、ごめんごめん」
ルーナ 「あーもう、ステラと決勝で会場を沸かせるつもりが……!」
ステラ 「あはは、でもしょうがないよ。ハミルトンさん、すっごく強かったもん」
ルーナ 「ステラでもそう思うんだ?」
ステラ 「うん。……でも、私の方が強いよ」
ルーナ 「負けそう」
ステラ 「あ、ひどーい!」
ルーナ 「ふふ、さっき私を煽ったお返しよ」
(SE ブザー)
ステラ 「あ、私の番だ」
ルーナ 「ふん、行ってきなさい」
ステラ 「うん」
ルーナ 「……頑張って」
ステラ 「……あはは、ほんとお姉ちゃんてツンデレだよね」
ルーナ 「う、うっさい! 早く行きなさい!」
ステラ 「はーい!」
◇
帝国剣舞祭、準決勝。
ゾン 「さあ、帝国剣舞祭もいよいよ佳境に差し掛かってきました」
ゾン 「注目の準決勝、選手の入場です! まずは、初戦から圧倒的な強さで勝ち上がってきたステラ選手!!」
ステラ 「…………」
ゾン 「対するは、その素早い身のこなしで、相手を翻弄してきたリラ選手!!」
リラ 「まさかここで、ステラさんと戦えるなんて思っていませんでした」
ステラ 「リラさんの試合、見てましたよ。珍しい型でしたが、剣は誰に師事していたんですか?」
リラ 「我流ですよ。生きていくためには、これを磨くしかありませんでしたから」
ステラ 「我流で、あの強さ……。今からでもちゃんとした剣を学んでみませんか?」
リラ 「……っ」
ゾン 「それでは準決勝、試合開始!!」
(SE 銅鑼)
リラ 「……!!」
(SE リラが高速で移動する音)
ステラ (速い……!)
(SE 短刀を振る音)
(SE 刀を抜き放つ音)
(SE リラが飛び退く音)
リラ 「……っ、まさか、私の一撃を避けてカウンターだなんて、さすがはステラさんですね」
(SE 納刀する音)
ステラ 「この星辰一刀流の基本は、居合にありますから。それよりもリラさん、先ほどは失礼なことを言ってしまいました。すみません」
リラ 「いえ、ステラさんのような、達人の域に達している方が私の剣を見れば、そう思うのも仕方ありません。ですが、私の剣をただの素人の棒振りと思わないことですね」
ステラ 「はい、リラさん、あなたの剣に最大限の敬意を払いましょう」
(SE 構える音)
ステラ 「──────次で決めます」
リラ 「……いきます!」
(SE リラが高速で移動する音)
(SE 短刀を振る音)
ステラ 「……!」
(SE 刀を抜き放つ音)
リラ 「…………」
ステラ 「…………ふぅ」
(SE 納刀する音)
リラ 「……お見事──────」
(SE リラが倒れる音)
ステラ 「リラさん、あなたがどんな人生を送ってきたのかは、その急所を的確に狙う太刀筋からお察しします……」
ゾン 「勝者、ステラ選手!! あのリラ選手を、一撃で降した!!」
(SE 歓声)
◇
帝国剣舞祭、決勝。
ゾン 「さあ、帝国剣舞祭もとうとう最後の試合となりました!」
(SE 歓声)
ゾン 「では選手の入場です!」
ゾン 「まずはこの方、その圧倒的な実力で、初戦から準決勝まですべて一太刀で対戦相手を降してきたステラ選手!!」
(SE 歓声)
ステラ 「…………」
ゾン 「対するは、我らが帝国騎士団隊長主席、ハミルトン・レイ選手!! その鮮やかな太刀筋でステラ選手を捉えることはできるのか!?」
(SE 歓声)
ハミルトン 「…………」
ゾン 「それでは、試合開始!!」
(SE 銅鑼)
ハミルトン 「やはり、キミの星辰一刀流、姉とは違って極まっているな」
ステラ 「会話で気を逸らすほど未熟ではないですよ。あなたの剣、すべて見切ってみせましょう」
ハミルトン 「ほう」
ステラ 「どうぞ?」
ハミルトン 「ふ、いいだろう。乗ってあげようか」
(SE ハミルトンが一足で移動する音)
ハミルトン 「──────燕返し……!」
(SE 刀を振る音)×2回
ステラ 「……!」
(SE 刀を柄で受け止める音)
ハミルトン 「……!? 一撃目を難なく避け、続く二撃目をまさか柄で受け止めるとはな」
ステラ 「どうしたんですか? 私に刀を抜かせて下さいよ」
ハミルトン 「ふ、今のはほんの小手調べさ」
(SE ハミルトンが距離をとる音)
ハミルトン 「──────風の刃よ」
(SE 風魔法が発動する音)
(SE ハミルトンが高速で移動する音)
ハミルトン 「──────風迅剣・葉桜」
(SE 刀を振る音)
ステラ (魔法を絡めた一撃……。さすがに戦闘経験の差が出るか……。だけど──────)
ステラ 「──────弧月一閃……!」
(SE 刀を抜き放つ音)
ハミルトン 「……ッ!!」
(SE ハミルトンが飛び退く音)
ステラ 「さすがに避けられてしまいましたか……」
ハミルトン 「ふ、案外簡単に刀を抜いたな」
ステラ 「あはは、抜いた価値はありましたよ」
(SE 腕に傷が入る音)
ハミルトン 「……ッ!?」
ステラ 「でも、少し浅かったみたいですね」
ハミルトン 「これは、どうやら全力でぶつかる他ないみたいだな」
(SE 構える音)(SE ハミルトンが高速で移動する音)
ステラ 「……っ!!」
ハミルトン 「──────風迅剣・飛燕!」
(SE 刀の一閃)
(SE 刀と刀がぶつかる音)
ステラ 「……くっ!」
(SE ステラが吹き飛ぶ音)
ステラ (重い……!)
ハミルトン 「──────風迅剣・狐火」
(SE 斬撃音)×3回
ステラ 「……っ」
ステラ (太刀筋が読めない……!)
ハミルトン 「先ほどまでの威勢はどうした?」
ステラ 「はは、これは、居合じゃ駄目そうですね……」
ハミルトン 「ふふ、確かにキミは、剣の才には恵まれている。しかし、経験の差を埋めるほどではないようだ」
ステラ 「そうですね──────」
ハミルトン 「……?」
ステラ 「ですが、この星辰一刀流は、居合抜刀術だけが取り柄ではないんですよ?」
ハミルトン 「ハッタリか? 今さら私にそんなものが……」
ステラ 「すぅ……」
(SE 構える音)
(SE オーラがにじむ音)
ハミルトン 「…………!?」
ステラ 「どうしました? 来ないんですか?」
ハミルトン (なんだこれは? 攻め手が見つからない……?)
ステラ 「では、私から行きますよ?」
ハミルトン (……っ、どう来る?)
ステラ 「──────星月夜」
(SE 刀の一閃)
ハミルトン 「……ッ!?」
(SE 刀と刀が重くぶつかる音)
(SE ハミルトンが飛び退く音)
ハミルトン (……そういうことか。いくつものフェイントを織り交ぜることで、攻守の判断を削ぐというのが理屈だろう。しかし──────)
ステラ 「どうやら、気づかれちゃったみたいですね」
ハミルトン 「理屈だけはな。しかしキミのそれは、フェイントというより幻術の域だ」
ステラ 「幻術だなんてそんな……。ただ、星辰一刀流はもともと、暗殺剣として伝わっている流派。この剣は、あなたを確実に殺します」
ハミルトン 「……っ」
ハミルトン (──────詰みか)
ハミルトン 「はぁあああああああっ!!」
(SE 魔力が迸る音)
ステラ 「なるほど、次にすべてを賭けてきましたか……。ならば私も──────」
(SE 構え直す音)
ステラ 「──────全力で応じましょう」
(SE ハミルトンが高速で移動する音)
ハミルトン 「──────燕七連!!」
ステラ 「──────星辰一刀流奥義、禍星!」
(SE 刀の一閃)
ハミルトン 「……ッ! がは……っ!」
(SE ハミルトンが倒れる音)
ゾン 「…………」
ステラ 「……ふぅ」
(SE 納刀する音)
ゾン 「……こ、今回の帝国剣舞祭優勝者は、ステラ選手だぁあああっ!」
(SE 大歓声)
◇
帝都、平民街、酒場。
ルーナ 「ほら、アンタのお祝いなんだから、じゃんじゃん食べなさい!」
ステラ 「う、うん……」
ルーナ 「ん、ん……、はあ」
(SE グラスを置く音)
ルーナ 「……どうしたのよ、いつもなら頬を膨らませて食べるじゃない」
ステラ 「いや、お姉ちゃん、普段そんな飲まないよね?」
ルーナ 「え? いいじゃない、別に。アンタの、お祝いなんだから」
ステラ 「要するに、自分が準々決勝で負けたから、ヤケ酒ってこと?」
ルーナ 「うぅっさぁい……!」
ステラ 「もう、しょうがないんだから……」
ルーナ 「そう、しょうがない、しょうがない」
ステラ 「ふふ、あはは!」
つづく
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