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Ⅱ 騎士団の陰謀
第16.5話③ 決戦前夜:ホムンクルスに思いを馳せて
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ソフィー:元ハルモニア帝国第2皇女だった少女。18歳。
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
ホロロコリス、稽古場跡地、庭園。
アーロン 「稽古場って聞いてたけど、庭なんてあったのか」
ソフィー 「驚きですよね」
アーロン 「……! いたのか」
ソフィー 「ふっふっふ、アーロンさんのいるところに私あり! です!」
アーロン 「……本当は?」
ソフィー 「……え? 本当ですよぉ!」
アーロン 「……」
ソフィー 「……さすが、アーロンさんですね」
アーロン 「なにしてたんだ?」
ソフィー 「ちょっと、考えごとしてました……」
アーロン 「考えごと?」
ソフィー 「はい、明日、もし騎士団長に勝ったら、どうなるんだろうって」
アーロン 「帝国は大騒ぎだろうな。こんな短期間で、国の重役が3人も失墜することになるからな」
ソフィー 「確かに、そうですけど、それは、アーサーがなんとかしますよ」
アーロン 「ま、あのアウトリウスだからな。そのへんはうまくやりそうだよな」
ソフィー 「……私が考えていたのは、ホムンクルスのことです」
アーロン 「…………」
ソフィー 「今、ソフィア・リ・ハルモニアを名乗っているホムンクルスは、騎士団長を倒した後、どうなってしまうんでしょうか……」
アーロン 「……確か、ソフィーのホムンクルスは、何人もいるんだよな?」
ソフィー 「はい。騎士団長がいなくなれば、ホムンクルスのことが暴かれるでしょう。そうなったら、あの子たちは……」
アーロン 「それも含めて、一度アルトリウスに頼んでみようぜ」
ソフィー 「はい……」
アーロン 「それか、ソフィーがまた皇女を名乗るっていうのは?」
ソフィー 「え?」
アーロン 「ホムンクルスを皇女の座に縛り付けてるのはバーナードだ。倒しちまえば、こっちのもんじゃねぇか?」
ソフィー 「……なるほど」
アーロン 「まあ、ソフィーが皇女に戻って、ソフィアって名乗っても、俺たちにとってはソフィーはソフィーだからな。それだけは忘れんなよ?」
ソフィー 「……アーロンさん、ずるいです」
アーロン 「え?」
ソフィー 「たぶん、いえ絶対、あの子たちのことを考えたら、私が皇女の座に戻った方がいいんです。なのに、そんなことを言われたら、私、ずっとアーロンさんたちと一緒にいたくなっちゃうじゃないですか……!」
アーロン 「ソフィー……」
ソフィー 「……こんなこと言ったら、いけないですよね」
アーロン 「いいや、そんなことねぇよ」
ソフィー 「アーロンさん……」
アーロン 「ソフィーが皇女に戻りたくないんなら、それこそアルトリウスに頼むとか、他の方法を探せばいいんだ」
ソフィー 「……っ」
アーロン 「だから、必死に考えて、ソフィーの答えを出せばいい」
(SE ソフィーが抱きつく音)
ソフィー 「アーロンさん……!」
アーロン 「ソフィー……」
ソフィー 「私、やっぱりアーロンさんが好きです……!」
アーロン 「……こんなときにもいつもの冗談……」
ソフィー 「冗談なんかじゃありません! 本当に、本当に好きなんです」
アーロン 「…………」
(SE ソフィーが離れる音)
ソフィー 「……すみません、こんな大事なときに、困らせちゃいましたよね。でも、今言わなかったら、きっと後悔すると思って……!」
(SE ソフィーが走り出す音)
ソフィー 「アーロンさん、明日、私戦います! あの子たちのために!」
アーロン 「ソフィー……」
つづく
アーロン・ストライフ:魔法使いの助手兼用心棒をやっている青年。21歳。
ホロロコリス、稽古場跡地、庭園。
アーロン 「稽古場って聞いてたけど、庭なんてあったのか」
ソフィー 「驚きですよね」
アーロン 「……! いたのか」
ソフィー 「ふっふっふ、アーロンさんのいるところに私あり! です!」
アーロン 「……本当は?」
ソフィー 「……え? 本当ですよぉ!」
アーロン 「……」
ソフィー 「……さすが、アーロンさんですね」
アーロン 「なにしてたんだ?」
ソフィー 「ちょっと、考えごとしてました……」
アーロン 「考えごと?」
ソフィー 「はい、明日、もし騎士団長に勝ったら、どうなるんだろうって」
アーロン 「帝国は大騒ぎだろうな。こんな短期間で、国の重役が3人も失墜することになるからな」
ソフィー 「確かに、そうですけど、それは、アーサーがなんとかしますよ」
アーロン 「ま、あのアウトリウスだからな。そのへんはうまくやりそうだよな」
ソフィー 「……私が考えていたのは、ホムンクルスのことです」
アーロン 「…………」
ソフィー 「今、ソフィア・リ・ハルモニアを名乗っているホムンクルスは、騎士団長を倒した後、どうなってしまうんでしょうか……」
アーロン 「……確か、ソフィーのホムンクルスは、何人もいるんだよな?」
ソフィー 「はい。騎士団長がいなくなれば、ホムンクルスのことが暴かれるでしょう。そうなったら、あの子たちは……」
アーロン 「それも含めて、一度アルトリウスに頼んでみようぜ」
ソフィー 「はい……」
アーロン 「それか、ソフィーがまた皇女を名乗るっていうのは?」
ソフィー 「え?」
アーロン 「ホムンクルスを皇女の座に縛り付けてるのはバーナードだ。倒しちまえば、こっちのもんじゃねぇか?」
ソフィー 「……なるほど」
アーロン 「まあ、ソフィーが皇女に戻って、ソフィアって名乗っても、俺たちにとってはソフィーはソフィーだからな。それだけは忘れんなよ?」
ソフィー 「……アーロンさん、ずるいです」
アーロン 「え?」
ソフィー 「たぶん、いえ絶対、あの子たちのことを考えたら、私が皇女の座に戻った方がいいんです。なのに、そんなことを言われたら、私、ずっとアーロンさんたちと一緒にいたくなっちゃうじゃないですか……!」
アーロン 「ソフィー……」
ソフィー 「……こんなこと言ったら、いけないですよね」
アーロン 「いいや、そんなことねぇよ」
ソフィー 「アーロンさん……」
アーロン 「ソフィーが皇女に戻りたくないんなら、それこそアルトリウスに頼むとか、他の方法を探せばいいんだ」
ソフィー 「……っ」
アーロン 「だから、必死に考えて、ソフィーの答えを出せばいい」
(SE ソフィーが抱きつく音)
ソフィー 「アーロンさん……!」
アーロン 「ソフィー……」
ソフィー 「私、やっぱりアーロンさんが好きです……!」
アーロン 「……こんなときにもいつもの冗談……」
ソフィー 「冗談なんかじゃありません! 本当に、本当に好きなんです」
アーロン 「…………」
(SE ソフィーが離れる音)
ソフィー 「……すみません、こんな大事なときに、困らせちゃいましたよね。でも、今言わなかったら、きっと後悔すると思って……!」
(SE ソフィーが走り出す音)
ソフィー 「アーロンさん、明日、私戦います! あの子たちのために!」
アーロン 「ソフィー……」
つづく
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