11 / 51
11.月夜の再会
しおりを挟む
それだけ言って、フレッドさんは名残惜しそうに行ってしまった。あの人の言う通り、今だけはお姫様気分になってもいいのだろうか。だけどこんな敵地にいるような場所で一人はとても不安だ。
フレッドさんがいなくなった後、どうすればいいのやらと一人ぽつんと取り残されて居た堪れない。
周りは次々と男性達が女性達にダンスの申し込みをしている最中、私はあきらかに異質で浮いている気がしてならない。雰囲気がもう田舎者臭がしているのかこちらに話しかけてこようとする者はいないし……。
一曲くらいはって思っても、礼儀も作法も知らない私に何ができるのか。やっぱり恥をかくだけじゃないのか。
踊れない私がこの場にいてもしょうがないし、やっぱり戻ろう。フレッドさんには悪いけど、ここにいちゃいけない気がする。田舎者にはひどく場違いだ。綺麗な格好ができたのでもう十分。
そうして引き上げようと出口へ向かうと、誰かから声を掛けられた。
「綺麗な人、どうか私と一曲踊って頂けませんか?」
仮面をつけているので顔の中身はわからない。が、見るからに成金貴族のような胡散臭そうな雰囲気を漂わせる男だった。
綺麗な人って……私の事?いやいやいや。きっと私の事じゃないよね。私は今から帰るし、ダンスなんてやっぱり無理。ごめんなさい。他を当たってくださいと意思表示をする。
「わ、わたくしなどと踊ってはあなた様のひ、品位を落とすと思いますゆえに……」
「謙遜する所が変わっておりますね。でもそういう所が逆に気になりました。どうかわたくしと……」
「いえいえ、謙遜も何も本当の事でして……あとダンスはほとんど踊ったことがなくて無理でして……」
「そうおっしゃらずに。リードはいたしますので」
予想に反して引かない男。断り続ける私に対して後に引けなくなったのか、いきなりガシリと手首を掴んできた。吃驚して反射的に腕を振り払う。強引なのが悪い。
「ですからご遠慮します!すいません!」
私は怖くなって早々にその場から逃げ出した。必殺のまわし蹴りをしないだけよく我慢したものだよ。
ドレスの裾を持ち上げながら、歩きづらいガラスのハイヒールで駆けて何度も躓きそうになる。だけどあの場にいたら、先ほどのような男に声を掛けられると思うと居たくなかった。
やはり自分には場違いな場所だ。早く着替えて仕事に戻ろう。そしたら誰にも声を掛けられずに仕事に没頭できる。あとこのドレスが非常に動きづらいし早く脱ぎたい。だから出口を探しているのだが……ここ、どこだよ。
来たことがないフロアに出ちまった。完全に迷いましたおつかれさまです。
この宮殿の中はとても広い。三か月住んでいる私でさえ未だに迷う。ここが出口かなと思って扉を開けてみれば広いバルコニー。静かで穏やかな風が頬を掠めていく。かれこれ出口を探して何度も扉を開けまくっているが不正解ばかり。
一体会場の出口はどこなんだよおぉお。誰か教えてちょーよ。
疲れた足で引き返そうとすると、バルコニーから見える月と星空の明るさに目移りした。
綺麗だなあ。そういえばこんなに綺麗な月や星空を見るの久しぶりかも……。
山では毎晩のように見ていたあの頃が懐かしい。ここは夜も明るい都会だからたまにしか見えないんだよな。
出口を探すのに疲れたので、一先ず夜空の景色を眺めて休憩しよう。慣れないハイヒールのせいで足が痛くて疲れた。近くのベンチに腰かけようとしたら、すぐ近くの柱で気づかなかったが先客がいた。
「チッ」
先客は盛大に舌打ちをして不機嫌さを孕んだ顔を月明かりで覗かせた。
「あー……こ、こーたいしさま」
つい動揺した声が出てしまった。性悪皇子だ――。
今は皇太子らしい白い軍服の宮廷衣裳を纏っている。いつものプラチナゴールドの髪はくしで撫でつけられており、美形な顔がより男前で美しさに磨きがかかっていた。
はっきり言えばとても似合っている。女性以上に綺麗な顔立ちだ。かの皇太子ファンクラブの皆さんが見れば黄色い悲鳴を上げて卒倒するかもしれない。
顔だけはいいんだよ。顔・だ・け・は!
そんな皇太子サマはせっかくの自分の時間を邪魔されたと言わんばかりの顔で睨んできた。無言の圧力というか、眉間に皺が寄っているので確実に怒っているだろう。こちらの領域に踏み込んでくるなと、まるで壁を作って威嚇しているようだ。
私に対してブス呼ばわりするくらいだから、基本的に誰に対してもこうなんだろう。
彼が仮面をつけていないのは、ここには誰も来ないからと安心しきっていたからなのかな。皇子という立場上女性は引く手あまた。ミーハーな女達から逃げ込んで休息している所、お邪魔虫な私が来ちゃって警戒しているって所か。これは悪い事をしちゃった。
だから休憩中失礼しましたとすぐに出て行こうとすると、懐に入れていた自室の鍵が音を立てて転がってしまった。しかもへたくそな自作のマスコット付き。大昔に作ったあまりに下手くそな出来のものだ。なんでこんなのまだ付けてたんだろ、恥ずかしい。慌てて拾おうとすると、
「それ、お前が作ったのか?」
「………………え」
まさか話しかけられるとは思っていなくて、一瞬空耳かと思った。
「お前が作ったのかと訊いてんだ」
「へ、へいッ!そうですます!わたくしめが作りましたですます!」
目上の人から威圧的に返事を促されたので、つい元気よく返事をしてしまった。性悪皇子とはいえ、下手な対応をすると不敬扱いとみなされて仕事がクビになるので仕方なくだ。でなければこんな性悪男など今頃ぶん殴っていただろう。
「……ヘッタクソ……」
「―――っ」
悪かったな。と、青筋が額に浮き出た。
フレッドさんがいなくなった後、どうすればいいのやらと一人ぽつんと取り残されて居た堪れない。
周りは次々と男性達が女性達にダンスの申し込みをしている最中、私はあきらかに異質で浮いている気がしてならない。雰囲気がもう田舎者臭がしているのかこちらに話しかけてこようとする者はいないし……。
一曲くらいはって思っても、礼儀も作法も知らない私に何ができるのか。やっぱり恥をかくだけじゃないのか。
踊れない私がこの場にいてもしょうがないし、やっぱり戻ろう。フレッドさんには悪いけど、ここにいちゃいけない気がする。田舎者にはひどく場違いだ。綺麗な格好ができたのでもう十分。
そうして引き上げようと出口へ向かうと、誰かから声を掛けられた。
「綺麗な人、どうか私と一曲踊って頂けませんか?」
仮面をつけているので顔の中身はわからない。が、見るからに成金貴族のような胡散臭そうな雰囲気を漂わせる男だった。
綺麗な人って……私の事?いやいやいや。きっと私の事じゃないよね。私は今から帰るし、ダンスなんてやっぱり無理。ごめんなさい。他を当たってくださいと意思表示をする。
「わ、わたくしなどと踊ってはあなた様のひ、品位を落とすと思いますゆえに……」
「謙遜する所が変わっておりますね。でもそういう所が逆に気になりました。どうかわたくしと……」
「いえいえ、謙遜も何も本当の事でして……あとダンスはほとんど踊ったことがなくて無理でして……」
「そうおっしゃらずに。リードはいたしますので」
予想に反して引かない男。断り続ける私に対して後に引けなくなったのか、いきなりガシリと手首を掴んできた。吃驚して反射的に腕を振り払う。強引なのが悪い。
「ですからご遠慮します!すいません!」
私は怖くなって早々にその場から逃げ出した。必殺のまわし蹴りをしないだけよく我慢したものだよ。
ドレスの裾を持ち上げながら、歩きづらいガラスのハイヒールで駆けて何度も躓きそうになる。だけどあの場にいたら、先ほどのような男に声を掛けられると思うと居たくなかった。
やはり自分には場違いな場所だ。早く着替えて仕事に戻ろう。そしたら誰にも声を掛けられずに仕事に没頭できる。あとこのドレスが非常に動きづらいし早く脱ぎたい。だから出口を探しているのだが……ここ、どこだよ。
来たことがないフロアに出ちまった。完全に迷いましたおつかれさまです。
この宮殿の中はとても広い。三か月住んでいる私でさえ未だに迷う。ここが出口かなと思って扉を開けてみれば広いバルコニー。静かで穏やかな風が頬を掠めていく。かれこれ出口を探して何度も扉を開けまくっているが不正解ばかり。
一体会場の出口はどこなんだよおぉお。誰か教えてちょーよ。
疲れた足で引き返そうとすると、バルコニーから見える月と星空の明るさに目移りした。
綺麗だなあ。そういえばこんなに綺麗な月や星空を見るの久しぶりかも……。
山では毎晩のように見ていたあの頃が懐かしい。ここは夜も明るい都会だからたまにしか見えないんだよな。
出口を探すのに疲れたので、一先ず夜空の景色を眺めて休憩しよう。慣れないハイヒールのせいで足が痛くて疲れた。近くのベンチに腰かけようとしたら、すぐ近くの柱で気づかなかったが先客がいた。
「チッ」
先客は盛大に舌打ちをして不機嫌さを孕んだ顔を月明かりで覗かせた。
「あー……こ、こーたいしさま」
つい動揺した声が出てしまった。性悪皇子だ――。
今は皇太子らしい白い軍服の宮廷衣裳を纏っている。いつものプラチナゴールドの髪はくしで撫でつけられており、美形な顔がより男前で美しさに磨きがかかっていた。
はっきり言えばとても似合っている。女性以上に綺麗な顔立ちだ。かの皇太子ファンクラブの皆さんが見れば黄色い悲鳴を上げて卒倒するかもしれない。
顔だけはいいんだよ。顔・だ・け・は!
そんな皇太子サマはせっかくの自分の時間を邪魔されたと言わんばかりの顔で睨んできた。無言の圧力というか、眉間に皺が寄っているので確実に怒っているだろう。こちらの領域に踏み込んでくるなと、まるで壁を作って威嚇しているようだ。
私に対してブス呼ばわりするくらいだから、基本的に誰に対してもこうなんだろう。
彼が仮面をつけていないのは、ここには誰も来ないからと安心しきっていたからなのかな。皇子という立場上女性は引く手あまた。ミーハーな女達から逃げ込んで休息している所、お邪魔虫な私が来ちゃって警戒しているって所か。これは悪い事をしちゃった。
だから休憩中失礼しましたとすぐに出て行こうとすると、懐に入れていた自室の鍵が音を立てて転がってしまった。しかもへたくそな自作のマスコット付き。大昔に作ったあまりに下手くそな出来のものだ。なんでこんなのまだ付けてたんだろ、恥ずかしい。慌てて拾おうとすると、
「それ、お前が作ったのか?」
「………………え」
まさか話しかけられるとは思っていなくて、一瞬空耳かと思った。
「お前が作ったのかと訊いてんだ」
「へ、へいッ!そうですます!わたくしめが作りましたですます!」
目上の人から威圧的に返事を促されたので、つい元気よく返事をしてしまった。性悪皇子とはいえ、下手な対応をすると不敬扱いとみなされて仕事がクビになるので仕方なくだ。でなければこんな性悪男など今頃ぶん殴っていただろう。
「……ヘッタクソ……」
「―――っ」
悪かったな。と、青筋が額に浮き出た。
0
お気に入りに追加
190
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる