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97.薄幸レアオメガは愛する番と結ばれて幸せになる。(完)
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「でも、毎晩営みしまくってるから結婚式前に赤ちゃんできちゃうかもなぁ」
「め、メルっ……!」
毎夜激しく求めあう情事がボッとよみがえる。それを両親の前で言えるメルの羞恥心のなさに驚きだ。
「あらそう。それは楽しみねっ。孫も見られるなんて最高じゃない!」
「孫か。楽しみだなあ」
早くも孫が見れるモードに突入している陛下と妃殿下の二人。生まれたら孫フィーバーが来るのが見て取れる。まだ妊娠もしていないのに気が早すぎだ。
「もう……恭太さんったら……まだわかんないのにっ」
報告を終えて、パスカルは廊下で顔を赤くしている。
「わかんないよ~?孕んでるかもしれないし。初めてシタのは少し前で~もう少し待てばわかるかなぁ。楽しみだね」
「覚えてるんだね。初めてした日まで」
「そりゃあね。だって記念すべき初セックス」
「だぁ~~!そんな大声でセック……とか言わないでよっ」
「だって毎日祐希の体に異常がないか見るのもオレの仕事だから。前世では医者だったし、産婦人科の事は専門外だけど一応はわかるし~。セックスしながら可愛い番の体の隅々までチェックしてるんだ。特に可愛い祐希のチンコとかアレとかアレがちゃんと元気かどうか」
「もうっ、恭太さんのどすけべっ!」
恥ずかしくて意地悪な旦那様に翻弄されるが、それでもドキドキして愛されている事が幸せでたまらない。
三か月後――……
まだ早朝の薄暗い夜明けでありながら静かに目を覚ます。隣で眠る愛おしい番の顔を見て、昨晩の激しい行為を思い出してドキドキする。生まれたままの格好で艶めかしくシーツに包まって、急にいなくなるのを恐れてか自分の手をずっと握ったまま離さないでいたようだ。
そんな可愛い旦那様に微笑が漏れると、それに気づいた旦那様の瞳が開いた。
「何、笑ってるの?」
「起きてたの?」
「うん。可愛いハニーがもぞもぞ動いてたから」
メルがさらりとパスカルの髪を梳く。それに気持ちよさそうに浸りながら、パスカルは触れるだけのキスをした。
「おはよう、恭太さん」
「おはよう、オレの祐希」
ちゅっともう一度キスをして朝の挨拶を済ませる。二人でいる時は前世の名前で呼び合うようになった。二人だけにしかわからない秘密の名前で。
「ね、一緒にお風呂入ろう。昨日、疲れて寝ちゃったから体ベタベタだからね」
「う……奥に恭太さんのが入ってる感覚がする」
腰の奥にドロドロした感覚がして、子宮口が精液で浸されている。尻孔にまだメルの逸物が入っている感覚が抜けきれない。
「一晩中、挿れたまんまだったからね~。そのまんま寝ちゃったし」
「っもぅ……お腹壊さなくてよかったよ」
「あれ、知らないの?地球人とは違って胎内の精液ではお腹壊さないんだよ」
「そ、そうなの?」
「うん。だって、精液……甘いでしょ?」
「甘い、けど……」
「番同士の精液は牛乳みたいな味になるのは体の造りが変わったから。味覚とか腸内環境も全部変わるみたいなんだ。だから、可愛い祐希の大事な場所はお腹壊さないんだよ。むしろココは精液欲しがってそうなんじゃないかな」
「やぁっ、ちょっと恭太さんっ」
メルがいきなり膣孔に中指と人差し指を埋めてきた。潤いきっているそこは昨晩の情事のままなのですんなり指が通ってしまう。
「赤ちゃん育ってるかなあって膣内の具合とか確かめてるの」
「そんなんでわかるわけないじゃんっ」
「わかるよ。アルファはね、こうして指を挿れたりセックスしてると子供が育ってるかわかるんだよ。微かに心音とか聞こえたりするの。番を想うアルファの特性ってやつ」
「っ変な特性……そんなのありなのかよ」
地球人とは体の造りが違いすぎる。ベータならともかく、アルファとレアオメガだけが特殊すぎるのだ。
「レアオメガはね、毎日一回はセックスして子宮口に精液で満たしておかないと子供が育たないんだから心配だもん」
「それで……そ、育ってるの?」
「うん、まだ小さいけど赤ちゃん育ってるよ」
つい最近、妊娠がわかったばかり。やっぱり一番最初にした日が決め手だったようで、あっさり孕んでしまったようだ。
「赤ちゃん楽しみだね。祐希にそっくりだといいな」
「俺は恭太さんにそっくりな子がいいなぁ」
「まあ、どちらでもいいや。オレと可愛い祐希の子だもん。何にしても楽しみだよ」
「……うん」
ぎゅっとお互いに寄り添いあって抱きしめあう。パスカルの薬指にはちゃんと婚約指輪がはめられており、もうすぐ結婚指輪に変わるのだ。
「順調にいけば結婚式は出産後に丁度できそうだね。一年あってよかった」
「一年後、どんな赤ちゃんが生まれてるかなぁ」
男の子でも、女の子でも、アルファだろうとレアオメガだろうと、どちらでもいい。
「幸せにしてね……恭太さん……」
「してあげる。可愛い祐希と子供を守っていくからね……。愛してるよ」
こうして、前世から続く因縁の悪役ヒロインを運命の番の災いで斃し、不遇なレアオメガは後の皇帝となる番のアルファと末永く幸せに暮らしていった。
やがて、このアカシャ帝国は皇帝に即位するメルキオールの手腕によって、国の繁栄と平安が長く約束され、長年の課題であったオメガやレアオメガに対する環境も劇的改善。
皇帝自身が医療の知識が豊富なため、愛する奥方や子供達のためにレアオメガの寿命を延ばす方法や特効薬を自ら開発。番がいなくても、普通の人間の平均寿命を全うできるようになった事で、さらに国民達からの人気もうなぎ上り。
絶大な支持と人気を誇るようになり、大帝と呼ばれるようになる。
時々、陛下に似たホームレスを街中で何度か見かけるので、もしかしてあらゆる場所を隠れて視察しているのでは?と、まことしなやかに囁かれる事もあったが真相は定かではない。
さらに先の未来では、奥方や子供達の支えもあって、あらゆる難題を次々解決。
歴代随一の大帝と呼ばれるほどの偉大な皇帝として歴史に名を残すことになるのだった――。
END
丁度100話で終わらそうとしましたが、あんまり無理に続けるとくどい感じがしたのでこれで終わりです!
実はパスカルがオメガ肺炎にかかって完治したら終了予定だったのですが、ヒロインとの決着がついてないのでここで終わらせるのも中途半端だなという事でここまで続きました。
何はともあれ、ここまで読んでくださりありがとうございました!
追記→次回作はもう書き始めております。
「め、メルっ……!」
毎夜激しく求めあう情事がボッとよみがえる。それを両親の前で言えるメルの羞恥心のなさに驚きだ。
「あらそう。それは楽しみねっ。孫も見られるなんて最高じゃない!」
「孫か。楽しみだなあ」
早くも孫が見れるモードに突入している陛下と妃殿下の二人。生まれたら孫フィーバーが来るのが見て取れる。まだ妊娠もしていないのに気が早すぎだ。
「もう……恭太さんったら……まだわかんないのにっ」
報告を終えて、パスカルは廊下で顔を赤くしている。
「わかんないよ~?孕んでるかもしれないし。初めてシタのは少し前で~もう少し待てばわかるかなぁ。楽しみだね」
「覚えてるんだね。初めてした日まで」
「そりゃあね。だって記念すべき初セックス」
「だぁ~~!そんな大声でセック……とか言わないでよっ」
「だって毎日祐希の体に異常がないか見るのもオレの仕事だから。前世では医者だったし、産婦人科の事は専門外だけど一応はわかるし~。セックスしながら可愛い番の体の隅々までチェックしてるんだ。特に可愛い祐希のチンコとかアレとかアレがちゃんと元気かどうか」
「もうっ、恭太さんのどすけべっ!」
恥ずかしくて意地悪な旦那様に翻弄されるが、それでもドキドキして愛されている事が幸せでたまらない。
三か月後――……
まだ早朝の薄暗い夜明けでありながら静かに目を覚ます。隣で眠る愛おしい番の顔を見て、昨晩の激しい行為を思い出してドキドキする。生まれたままの格好で艶めかしくシーツに包まって、急にいなくなるのを恐れてか自分の手をずっと握ったまま離さないでいたようだ。
そんな可愛い旦那様に微笑が漏れると、それに気づいた旦那様の瞳が開いた。
「何、笑ってるの?」
「起きてたの?」
「うん。可愛いハニーがもぞもぞ動いてたから」
メルがさらりとパスカルの髪を梳く。それに気持ちよさそうに浸りながら、パスカルは触れるだけのキスをした。
「おはよう、恭太さん」
「おはよう、オレの祐希」
ちゅっともう一度キスをして朝の挨拶を済ませる。二人でいる時は前世の名前で呼び合うようになった。二人だけにしかわからない秘密の名前で。
「ね、一緒にお風呂入ろう。昨日、疲れて寝ちゃったから体ベタベタだからね」
「う……奥に恭太さんのが入ってる感覚がする」
腰の奥にドロドロした感覚がして、子宮口が精液で浸されている。尻孔にまだメルの逸物が入っている感覚が抜けきれない。
「一晩中、挿れたまんまだったからね~。そのまんま寝ちゃったし」
「っもぅ……お腹壊さなくてよかったよ」
「あれ、知らないの?地球人とは違って胎内の精液ではお腹壊さないんだよ」
「そ、そうなの?」
「うん。だって、精液……甘いでしょ?」
「甘い、けど……」
「番同士の精液は牛乳みたいな味になるのは体の造りが変わったから。味覚とか腸内環境も全部変わるみたいなんだ。だから、可愛い祐希の大事な場所はお腹壊さないんだよ。むしろココは精液欲しがってそうなんじゃないかな」
「やぁっ、ちょっと恭太さんっ」
メルがいきなり膣孔に中指と人差し指を埋めてきた。潤いきっているそこは昨晩の情事のままなのですんなり指が通ってしまう。
「赤ちゃん育ってるかなあって膣内の具合とか確かめてるの」
「そんなんでわかるわけないじゃんっ」
「わかるよ。アルファはね、こうして指を挿れたりセックスしてると子供が育ってるかわかるんだよ。微かに心音とか聞こえたりするの。番を想うアルファの特性ってやつ」
「っ変な特性……そんなのありなのかよ」
地球人とは体の造りが違いすぎる。ベータならともかく、アルファとレアオメガだけが特殊すぎるのだ。
「レアオメガはね、毎日一回はセックスして子宮口に精液で満たしておかないと子供が育たないんだから心配だもん」
「それで……そ、育ってるの?」
「うん、まだ小さいけど赤ちゃん育ってるよ」
つい最近、妊娠がわかったばかり。やっぱり一番最初にした日が決め手だったようで、あっさり孕んでしまったようだ。
「赤ちゃん楽しみだね。祐希にそっくりだといいな」
「俺は恭太さんにそっくりな子がいいなぁ」
「まあ、どちらでもいいや。オレと可愛い祐希の子だもん。何にしても楽しみだよ」
「……うん」
ぎゅっとお互いに寄り添いあって抱きしめあう。パスカルの薬指にはちゃんと婚約指輪がはめられており、もうすぐ結婚指輪に変わるのだ。
「順調にいけば結婚式は出産後に丁度できそうだね。一年あってよかった」
「一年後、どんな赤ちゃんが生まれてるかなぁ」
男の子でも、女の子でも、アルファだろうとレアオメガだろうと、どちらでもいい。
「幸せにしてね……恭太さん……」
「してあげる。可愛い祐希と子供を守っていくからね……。愛してるよ」
こうして、前世から続く因縁の悪役ヒロインを運命の番の災いで斃し、不遇なレアオメガは後の皇帝となる番のアルファと末永く幸せに暮らしていった。
やがて、このアカシャ帝国は皇帝に即位するメルキオールの手腕によって、国の繁栄と平安が長く約束され、長年の課題であったオメガやレアオメガに対する環境も劇的改善。
皇帝自身が医療の知識が豊富なため、愛する奥方や子供達のためにレアオメガの寿命を延ばす方法や特効薬を自ら開発。番がいなくても、普通の人間の平均寿命を全うできるようになった事で、さらに国民達からの人気もうなぎ上り。
絶大な支持と人気を誇るようになり、大帝と呼ばれるようになる。
時々、陛下に似たホームレスを街中で何度か見かけるので、もしかしてあらゆる場所を隠れて視察しているのでは?と、まことしなやかに囁かれる事もあったが真相は定かではない。
さらに先の未来では、奥方や子供達の支えもあって、あらゆる難題を次々解決。
歴代随一の大帝と呼ばれるほどの偉大な皇帝として歴史に名を残すことになるのだった――。
END
丁度100話で終わらそうとしましたが、あんまり無理に続けるとくどい感じがしたのでこれで終わりです!
実はパスカルがオメガ肺炎にかかって完治したら終了予定だったのですが、ヒロインとの決着がついてないのでここで終わらせるのも中途半端だなという事でここまで続きました。
何はともあれ、ここまで読んでくださりありがとうございました!
追記→次回作はもう書き始めております。
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