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80.イライラなメル
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「うるさいんだけど。その耳障りな高い声で喚くな。これだから感情論で喚く女は嫌いなんだ」
「メルキオール君てばなんでそんなひどい事ばかり言うのっ!それに突き飛ばすなんてっ!私はそんな辛そうな体をただ助けたかっただけなのにいぃ!あああーん!うわああん!」
「チッ……このクソ女、うっぜぇ。キーキー喚きやがってサルか」
メルは体の辛さもあってか余計にこの女のせいで体調が悪くなる気がした。パスカルの無事の姿も見れていない中でイライラも増して、つい自分の本性であるヤンキー口調になってしまう。こんなにイライラさせられたのは前世以来だ。
「いい加減にしろや。黙らないと縊り殺すぞクソ女」
「ひっ……!」
殺すという言葉にさすがのリリアが反応して泣き声も止まる。
「おい!いくら殿下でもリリアたんにそんな口の利き方はないぜ!しかも泣かしやがった!」
「そうだそうだ!おれらのリリアたんは大好きなアンタを待ってた健気な女の子で」
「簡単に男に股開いて手玉にとる女が健気?泣けば男の同情を引いて助けてくれると思って笑わせる。お前らも仲良く女の穴兄弟化しててよく生きてられるな」
「「なっ……」」
たしかにその通りだからこそ何も言い返せない男達。
「名前通り本当にビッチで阿婆擦れだよ。ピッタリ。でも、アテが外れたようだな。そんなオレがいつものバカな男のように簡単に尻尾振って飛びついてくるとでも思ったか?残念だったな」
「なんでぇ、なんでぇっ、男の人はみんな優しくしてくれるのにっ、なんでメルキオール君だけはっ。ぐすんぐすん、しくしく」
「オレをこの馬鹿どもと一緒にするな。そこらの惚れっぽい男とは違うんだよカスが」
リリアは自分がこうして泣いているのに、メルは意にも介さないでそっけないので混乱している。
どうして?なぜ?こんな可愛い自分が泣いていたら大体の男が優しく親身になってくれるはず。愛想よくして体を開けばすぐに助けてくれるし、チヤホヤもしてくれる。すぐに怒る怖い女から守ってくれる。男というものはみんな自分を守ってくれるナイトで、みんなみんな自分の友達。
それなのに、初めて恋した相手のメルキオールはなぜか自分に冷たい。つき飛ばしたり、ひどい暴言まで吐いてくる。か弱くて可愛い女の子がこんなにも泣いているのに、男の人にこんなにも乱暴にされて罵られたのは初めてだ。
「わたしっ、メルキオール君が大好きなの!初めてなのっ!こんな、こんなに好きになったの初めてでぇ……男の人ってメルキオール君みたいな乱暴な人もいるなんて知らなかったのっ。どうしたら好きになってくれるのっ?」
「まず、今のままじゃ一生好きになる事はないな。すぐに泣けば周りの男が助けてくれるとアテにしてる所が嫌い。浮気性ですぐに他所の男にいい顔する所も嫌い。誰構わず尻軽ですぐ体を開いている所が不潔で嫌い。無自覚にホームレスや同性愛者とかを見下してる所が差別っぽくて嫌い。つまり、存在自体が大嫌い。わかった?」
笑顔で存在すら嫌いだというメルにリリアは絶句。
「ッ――!」
「わかったならどけ。邪魔だ」
メルは笑顔からすっと感情が抜け落ちた無表情でリリアの横を通る。自分がここまで男に冷たく蔑まされた事にショックを受けた。
茫然自失のリリアや倒れている連中をスルーして、メルはパスカルがいる部屋を探した。
*
朦朧とする意識の中でかろうじて理性を保ち、メルが助けに来てくれるのを信じて耐える。
あれからあっという間に服をひん剥かれ、全身を撫でまわされ、足を無防備に開かせられた。こんな屈辱的な格好でいいようにされて最悪だが、理性だけは失わないと意思を強く保つ。運命の番の繋がりが、他の者との性交渉で切れてしまうのがどうしても信じられない。
「どうだ?いいだろう?ここいじられて。レアオメガは普通よりめちゃくちゃ感じやすいって話だからな。普通のオメガより快楽と子作りに特化した性別なだけあって生まれながらに淫乱だよ」
男がぐちぐちとパスカルの濡れそぼった後孔に三本の指をゆっくり出し入れしている。初めは指一つですら痛みを伴っていたのに、時間をかけて念入りに入り口を溶かされたせいで三本に増やされている。
「っ、ん、よく、ない……気持ち悪、い」
「オメガやレアオメガにはここに子宮っていう女の器官があるんだ。子供を作るためのな。ほら、すっげぇ濡れてる。嫌と言いながら感じて濡れてんだよお前」
「かんじて、なんか、ないっ」
それは本当だ。自分の性器だって一度も射精する事無く萎れたままだ。それが答え。
それにレアオメガの器官として勝手に膣は濡れてしまうようになっているが、心は別だった。特に番以外との性行為は嫌悪感が半端ないのだ。不快感以上に痛みすら感じる。心の痛みが。
ズキズキと先ほどから胸の痛みが半端なくて、体が罪悪感に悲鳴をあげている。
「メルキオール君てばなんでそんなひどい事ばかり言うのっ!それに突き飛ばすなんてっ!私はそんな辛そうな体をただ助けたかっただけなのにいぃ!あああーん!うわああん!」
「チッ……このクソ女、うっぜぇ。キーキー喚きやがってサルか」
メルは体の辛さもあってか余計にこの女のせいで体調が悪くなる気がした。パスカルの無事の姿も見れていない中でイライラも増して、つい自分の本性であるヤンキー口調になってしまう。こんなにイライラさせられたのは前世以来だ。
「いい加減にしろや。黙らないと縊り殺すぞクソ女」
「ひっ……!」
殺すという言葉にさすがのリリアが反応して泣き声も止まる。
「おい!いくら殿下でもリリアたんにそんな口の利き方はないぜ!しかも泣かしやがった!」
「そうだそうだ!おれらのリリアたんは大好きなアンタを待ってた健気な女の子で」
「簡単に男に股開いて手玉にとる女が健気?泣けば男の同情を引いて助けてくれると思って笑わせる。お前らも仲良く女の穴兄弟化しててよく生きてられるな」
「「なっ……」」
たしかにその通りだからこそ何も言い返せない男達。
「名前通り本当にビッチで阿婆擦れだよ。ピッタリ。でも、アテが外れたようだな。そんなオレがいつものバカな男のように簡単に尻尾振って飛びついてくるとでも思ったか?残念だったな」
「なんでぇ、なんでぇっ、男の人はみんな優しくしてくれるのにっ、なんでメルキオール君だけはっ。ぐすんぐすん、しくしく」
「オレをこの馬鹿どもと一緒にするな。そこらの惚れっぽい男とは違うんだよカスが」
リリアは自分がこうして泣いているのに、メルは意にも介さないでそっけないので混乱している。
どうして?なぜ?こんな可愛い自分が泣いていたら大体の男が優しく親身になってくれるはず。愛想よくして体を開けばすぐに助けてくれるし、チヤホヤもしてくれる。すぐに怒る怖い女から守ってくれる。男というものはみんな自分を守ってくれるナイトで、みんなみんな自分の友達。
それなのに、初めて恋した相手のメルキオールはなぜか自分に冷たい。つき飛ばしたり、ひどい暴言まで吐いてくる。か弱くて可愛い女の子がこんなにも泣いているのに、男の人にこんなにも乱暴にされて罵られたのは初めてだ。
「わたしっ、メルキオール君が大好きなの!初めてなのっ!こんな、こんなに好きになったの初めてでぇ……男の人ってメルキオール君みたいな乱暴な人もいるなんて知らなかったのっ。どうしたら好きになってくれるのっ?」
「まず、今のままじゃ一生好きになる事はないな。すぐに泣けば周りの男が助けてくれるとアテにしてる所が嫌い。浮気性ですぐに他所の男にいい顔する所も嫌い。誰構わず尻軽ですぐ体を開いている所が不潔で嫌い。無自覚にホームレスや同性愛者とかを見下してる所が差別っぽくて嫌い。つまり、存在自体が大嫌い。わかった?」
笑顔で存在すら嫌いだというメルにリリアは絶句。
「ッ――!」
「わかったならどけ。邪魔だ」
メルは笑顔からすっと感情が抜け落ちた無表情でリリアの横を通る。自分がここまで男に冷たく蔑まされた事にショックを受けた。
茫然自失のリリアや倒れている連中をスルーして、メルはパスカルがいる部屋を探した。
*
朦朧とする意識の中でかろうじて理性を保ち、メルが助けに来てくれるのを信じて耐える。
あれからあっという間に服をひん剥かれ、全身を撫でまわされ、足を無防備に開かせられた。こんな屈辱的な格好でいいようにされて最悪だが、理性だけは失わないと意思を強く保つ。運命の番の繋がりが、他の者との性交渉で切れてしまうのがどうしても信じられない。
「どうだ?いいだろう?ここいじられて。レアオメガは普通よりめちゃくちゃ感じやすいって話だからな。普通のオメガより快楽と子作りに特化した性別なだけあって生まれながらに淫乱だよ」
男がぐちぐちとパスカルの濡れそぼった後孔に三本の指をゆっくり出し入れしている。初めは指一つですら痛みを伴っていたのに、時間をかけて念入りに入り口を溶かされたせいで三本に増やされている。
「っ、ん、よく、ない……気持ち悪、い」
「オメガやレアオメガにはここに子宮っていう女の器官があるんだ。子供を作るためのな。ほら、すっげぇ濡れてる。嫌と言いながら感じて濡れてんだよお前」
「かんじて、なんか、ないっ」
それは本当だ。自分の性器だって一度も射精する事無く萎れたままだ。それが答え。
それにレアオメガの器官として勝手に膣は濡れてしまうようになっているが、心は別だった。特に番以外との性行為は嫌悪感が半端ないのだ。不快感以上に痛みすら感じる。心の痛みが。
ズキズキと先ほどから胸の痛みが半端なくて、体が罪悪感に悲鳴をあげている。
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