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第六話(ローザ視点)
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「この愚図が! 三歩後ろを歩けとは言ったが、ノロノロ歩いて良いとは言っていない! 貴様、本気で僕を姉から奪おうとか考えてるのか!? 信じられん程の白痴だな!」
「12代国王の名前も知らんのか!? 貴様、王立学院に通ってたというのは嘘か!? 家畜並の教養の癖によく恥ずかしげもなく僕と会話しようと思えるな!」
「二度とその安っぽい匂いの香水を付けるな! 貴様はそれだけでこの料理を台無しにした! 宮廷料理人が一週間かけて仕込んだ、美食中の美食だぞ! 後でシェフに土下座しろ! 貴様の軽い頭でも地べたに擦りつければ、多少は見栄えが良くなるからな!」
ダミアン殿下に好意を伝えたり、誘惑したり、してみたのですが、分かったことは私という人間は家畜以下のスイーツが頭に詰まっているゴミみたいな人間ということでした。
しかし、殿下は私を見捨てはしませんでした。
私を人間にしてやると、会う度に叱咤してくれて躾をしてくれます。
もう、私はダミアン殿下なしでは生きていけなくなっていました。
今の私には馬の糞程の価値すら無いらしく、こんな私如きがイリアお姉様の婚約者を奪おうとすることはおこがましいのです。
でも、諦められません。お姉様が最高だと言っていた人物、ダミアン殿下。
私は何を犠牲にしても彼が欲しいのです。
「貴様がイリアに代わって婚約者になりたいというのは分かった。どうしてもというなら、考えてやらんでもないぞ」
「ほ、本当ですか? 本当に私みたいなゴミ以下の価値しかない人間を殿下のような御方の婚約者に?」
「自惚れるな! 貴様、まだ自分のことを人間だと思ってるのか! 何の生産性もなく、漫然と排泄物だけを作っているだけの家畜以下の癖に!」
「失礼しました。私は家畜以下の生ゴミです。申し訳ありません」
ダミアン殿下を怒らせてしまった私は慌てて土下座します。
土下座のやり方は彼に習ったのでかなり上手くなったはずです。
ダミアン殿下は私の頭を踏んでグリグリされました。
そうされる度に私は彼の愛情を感じて彼のことを好きになってしまうのです。
「いいか。貴様のような女が僕の妻になるってことは、奴隷になることと同義だ。一切の自由は許さん。その高い鼻は特に空気を欲張って吸いそうだが、呼吸すらも僕の許可なくすることは許さん!」
「は、はい。分かっております。ダミアン殿下のような高貴な方の奴隷になりたいです。奴隷にしてください!」
「はんっ! 口ばっかりは達者だな! 一度でも僕の言うことを聞かなければ、即刻婚約解消ないし、離縁するからな!」
「も、もちろんです。奴隷に逆らう権利はありませんから。全てはダミアン殿下の仰せのままに……」
もしや、ダミアン殿下から婚約の条件を伝えるなんて。
本当にお姉様よりも私を選んでくれるのでしょうか。
そうだとしたら、人生で最高の幸福です。
「では、お前がやることは姉に頭を下げることだ。そして、私物を全て売り払い金を渡し、姉からの貰い物は全部返せ。そして、お前はもう僕のモノになるんだから家族全員と縁を切れ。せいぜい、泣いて詫びるんだな」
分かりました。私はもうダミアン殿下だけのモノになるのですから、両親とも姉とも縁を切ります。
私のようなゴミに私物などは不要です。私物は全部お金に変えて、姉に迷惑をかけた慰謝料として渡します。
これでダミアン殿下と幸せになれるなら、何でもありません――。
「12代国王の名前も知らんのか!? 貴様、王立学院に通ってたというのは嘘か!? 家畜並の教養の癖によく恥ずかしげもなく僕と会話しようと思えるな!」
「二度とその安っぽい匂いの香水を付けるな! 貴様はそれだけでこの料理を台無しにした! 宮廷料理人が一週間かけて仕込んだ、美食中の美食だぞ! 後でシェフに土下座しろ! 貴様の軽い頭でも地べたに擦りつければ、多少は見栄えが良くなるからな!」
ダミアン殿下に好意を伝えたり、誘惑したり、してみたのですが、分かったことは私という人間は家畜以下のスイーツが頭に詰まっているゴミみたいな人間ということでした。
しかし、殿下は私を見捨てはしませんでした。
私を人間にしてやると、会う度に叱咤してくれて躾をしてくれます。
もう、私はダミアン殿下なしでは生きていけなくなっていました。
今の私には馬の糞程の価値すら無いらしく、こんな私如きがイリアお姉様の婚約者を奪おうとすることはおこがましいのです。
でも、諦められません。お姉様が最高だと言っていた人物、ダミアン殿下。
私は何を犠牲にしても彼が欲しいのです。
「貴様がイリアに代わって婚約者になりたいというのは分かった。どうしてもというなら、考えてやらんでもないぞ」
「ほ、本当ですか? 本当に私みたいなゴミ以下の価値しかない人間を殿下のような御方の婚約者に?」
「自惚れるな! 貴様、まだ自分のことを人間だと思ってるのか! 何の生産性もなく、漫然と排泄物だけを作っているだけの家畜以下の癖に!」
「失礼しました。私は家畜以下の生ゴミです。申し訳ありません」
ダミアン殿下を怒らせてしまった私は慌てて土下座します。
土下座のやり方は彼に習ったのでかなり上手くなったはずです。
ダミアン殿下は私の頭を踏んでグリグリされました。
そうされる度に私は彼の愛情を感じて彼のことを好きになってしまうのです。
「いいか。貴様のような女が僕の妻になるってことは、奴隷になることと同義だ。一切の自由は許さん。その高い鼻は特に空気を欲張って吸いそうだが、呼吸すらも僕の許可なくすることは許さん!」
「は、はい。分かっております。ダミアン殿下のような高貴な方の奴隷になりたいです。奴隷にしてください!」
「はんっ! 口ばっかりは達者だな! 一度でも僕の言うことを聞かなければ、即刻婚約解消ないし、離縁するからな!」
「も、もちろんです。奴隷に逆らう権利はありませんから。全てはダミアン殿下の仰せのままに……」
もしや、ダミアン殿下から婚約の条件を伝えるなんて。
本当にお姉様よりも私を選んでくれるのでしょうか。
そうだとしたら、人生で最高の幸福です。
「では、お前がやることは姉に頭を下げることだ。そして、私物を全て売り払い金を渡し、姉からの貰い物は全部返せ。そして、お前はもう僕のモノになるんだから家族全員と縁を切れ。せいぜい、泣いて詫びるんだな」
分かりました。私はもうダミアン殿下だけのモノになるのですから、両親とも姉とも縁を切ります。
私のようなゴミに私物などは不要です。私物は全部お金に変えて、姉に迷惑をかけた慰謝料として渡します。
これでダミアン殿下と幸せになれるなら、何でもありません――。
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