夢の世界が現実に！

その後

あの衝撃の日から1週間が過ぎた。

驚いたことにあの日のことは誰にも気づかれることがないまま終わった。

壊れていたはずの教室もいつの間にか元に戻っていたし、すごい音だったはずなのに誰もそのことに気づいていなかった。

なのであの日の出来事は私たちの胸の中にだけ残っていることになったのだ。

あの日以来、彼は人の役に立つことがしたいと再確認し、今は福祉について調べているそうだ。

もう二度とあんな思いはしたくない。

今度こそ、人の役に立つものが作りたいんだと何かが吹っ切れたような顔をして教えてくれた。

あれから彼との関係は意外と続いていた。

ついこの間彼に告白されたのだ。

でも私は、彼が将来に向けて必死になっている姿を見ているので、

「また落ち着いた時に聞かせてね」

と言い今は保留にしている。

それもあってなのかより一層頑張っているそうだ。

怜ちゃんがいなくなったことについては、何故か最初から存在していないことになっていたのだ。

彼いわく、

「怜はユニゾンと一体化してしまっていたのだろう」

「一体化すると人間ではなくなる」

「だからあの時光となって消えてしまったのだろう」

少し寂しそうにそう話していた。

将来に向けて、過去を受止め今を行けている彼の姿を見て、私も足後動かないことを言い訳に使わないで出来ることにはどんどん挑戦していきたいなと思いました。

これからは、将来に向けて刺激的じゃなくても退屈はしない日々が始まりそうです。