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アルベルム〜(10〜)

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 荘厳な大聖堂を持つ立派な教会の若い神官は、リュークを見て卒倒した。

 騒ぎを聞き付けてやって来た中年の神官も、リュークを見るなり魂が抜けたように尻餅をついて倒れた。

 漸く三人目にやって来た眉雪の神官は、長く蓄えた髭を初めからびっしょり涙に濡らしてこう言った。

「嗚呼──神よ!」




 ステータスを授かるときは、人払いした聖堂にて神官に見守られながら神に祈りを捧げる。すると、目を開けたところに自分のステータスが文字となって見えるのだ。
 リュークも教わった通りに膝まずいて祈り、目を開けると、やはり目の前に金縁の四角い枠があり、中には不思議な白い文字がつらつらと並んで浮かんでいた。
 この不思議な文字は〈聖彫文字〉と呼ばれ、本人以外では専門の解読スキルを持つ神官か、特殊な魔道具、しくは最上位の鑑定スキルでしか読み解くことはできないとされている。

 背後に神官の荒々しい鼻息の音を聞きながら、リュークはまじまじとステータスを眺める。


    リューク
   十年一ヶ月
   魔力値:32260
   職業:子供
   称号:ひよっこ/無知なる賢者/迷いし者/清らかなる者/愛い奴/迷子/世間知らず/独り身/愛されるべき子
   加護:戦神の加護/魔法神の加護/大地神の加護/水神の加護/太陽神の加護/黄金神の加護/生命神の加護/時空神の加護/竜の加護
   属性:未確定
   スキル:広域探知/俯瞰/全鑑定/自動回復/創造/幸運/無限収納/無限習得/木の枝マスター/石ころ収集/スライムマスター/毒耐性/散歩マスター/


 字が読めない筈のリュークにもステータスの表す内容は把握できた。ただし、意味までは理解出来なかった。

  


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