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怖いレンタルビデオ店
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『死霊の盆踊り?置いてある所知っているぜ」「マヂかよ!俺あれ観たいんだよな。ずっと探してたんだ。よく見付けたな。ってかそんなもの置く店があったな」「ああ。俺の情報網をなめんな。常にアンテナ張り巡らせてんだからよ」駅前の商店街あるだろ、あの路をマーっすぐ突き当りまで行くんだ。そしたら映画館とかある通りに出るじゃん、その裏っかわに古着屋とか雑貨屋が並んでるんだわその並びにコンビニの駐車場挟んだ隣にマンションが建ってるんだけどさ。そこの305号室がレンタルビデオ屋になってるんだ」「へえよくそんなとこ見付けたな」「うん、まあな。で、そこがカルトムービーを好んでラインナップに加えている店なんだ。マニアックな店主でさ。行けばわかるけどどんなマニアックな作品でも置いてあるからビックリするぜ噂じゃスナッフフィルムまで扱っているらしいそれも店主の私物というから面白い。怪しいだろ、ゾクゾクするだろ」
『何の違法性もありませんよ。これらがタブー視されるのは日本の文化レベルが遅れているからです。私は現地で買い付けをするために各国を飛び回り……」「それじゃこの入会案内をよくお読みになって同意し入会申込書に名前を記入して下さい。
そのとき窓の外を走っていた新型のスープラに目が行き再び店主を見た際店主が何故かほくそ笑んでいたのを見逃していたあれは、何が面白くて微笑んでいたのだろう。
規約を読むと長期の延滞にはペナルティを課すとある。
「当店を好んで来てくれるお客さんはそれを楽しみに来店するわけですから。そういう趣向が合わない方はよそへ行けばよろしいのです。何も顔を顰めてまで鑑賞する必要はないんですから。しかもですよ、当店がレアな品揃えで独自性を打ち出しているのを後存知にも拘らず平気で長期の延滞をされる方がいらっしゃるのです。もし自分の趣向に合わないとおっしゃる方が興味本位に大して見たくもないのにそれを楽しみで借りに来た方の視聴の機会を奪うなんてことがあったらこれは憂慮すべきことではないですか」そう店主は説明した。
バイトから帰ってきたら留守電にメッセージが入っていた。「ピー……モルグビデオ店です、お客様がお借りになっているビデオの返却期限が過ぎたまま依然返却されていません。大幅に遅れています。至急当店までご連絡いただくかご返却に来店下さい」すっかり忘れてた。ここのとこ忙しかったしな。おまけにつまらない映画だったし俺はすぐ自転車に跨がり商店街んの道を映画館方面まで飛ばした。何だか空の雲行きが怪しい。ビデオ屋に着くと意外な展開が待っていた。『お客っさん他の会員制の方のご迷惑になりますから長期の延滞はご遠慮下さいとお願いしたのを覚えておいでですね」「ああ、すみません.以後気を付けます」「うちもこれで商売やってんですから頼みますよ」「ああ、すみません」『じゃあ私店番疲れましたんで珈琲飲んできます。その間店番お願いします」「ええ!」「って規約に書いてあったでしょう。長期に渡って作品の延滞をした場合ペナルティとして店員の言うことを聞くという一文が細かい字で記してあったはずです」「じゃあお願いしますそれともあなた、熱いコーヒーをどっかから買ってきてくれますか缶コーヒーは嫌ですよ」「何で客の俺がアンタのパシリみたいなことしなきゃならないんだよ」「良心的なペナルティだと思うんですけどねエアコンも効いてる室内でBGMも流れてるし、肉体労働もなければ好きな映画に囲まれて仕事できるんですし『お店お願いできますか」「ちっわかったよ買ってくればいいんだろ」外は急に真っ暗になってきた稲光一閃「来たきた物凄い豪雨だわこれ」「ちぃーこれじゃ店番のが良かったか」「じゃお店頼めますか」簡単ですから持ってきたDVDのタグをバーコードで読んで出てきた金額をレンタル代金としていただくだけだから。棚から作品を探したりなんかもしませんから。ずっと貸出中になってる作品について文句を言われる程度ですかねクレームは」店主が休憩に出た後すぐに大雨に降られたらしい客が2人店内に転がり込んで来た。客はびしょ濡れの傘を店内でバサバサと振るい傘に付いた水を切る。辺り一面水しぶきでビチャビチャになる。眉間に皺を寄せながら適当にやり過ごしていると奇声を上げ始めた。酔っているのか。それにしてもだ。やれやれ厄介なことを引き受けたもんだ。『何だお前その顔はー!」「は?俺に向かって言ってんの」俺は店番何かあるとまずい。ここは取り合わないに限る」「他人ごとかああああ!」うっせえ客だ。「何でゾンビの阿波おどりがないんだあ」「もう一週間になるぞおーこの店やる気あんのかああ」「お客様、他のお客様の迷惑になりますのでお静かにしていただけますか」「うう何だあ他の客に迷惑だあ?」「おいこの店のどこに客がいるってんだあ」「こんな商売っ気のねえ店に客が来るかあ」「ですから、大声を出さないで下さい」「これはあれか、演出になってんだな他に誰もいないはずの店内にいるはずのない客がいたと買って脅かすんだろう。やっぱ凝っているなこの店はよお」「はははははは」「うわああ!おい店主このビデオは何だこんなもんまで置いてあるのか」「何ですかお客さん私は代理でよくわからないんですけどね」その時だ。誰かが向こう側から棚を押したのかビデオラックが倒れてきた。俺はその下敷きになりそれ以降の記憶がない。その最後の記憶の片隅に俺に店番を頼んだ店主の声が残っている。「ずっと防犯ビデオは回ってたんですよちゃんと、しっかり撮れてる」それからしばらく経ってから訪れたとき棚に目新しいジャケットの作品が並んでいるのを見付けて手に取った。そのタイトルにはこうあった『呪われたレンタルビデオ店員の最期』
『何の違法性もありませんよ。これらがタブー視されるのは日本の文化レベルが遅れているからです。私は現地で買い付けをするために各国を飛び回り……」「それじゃこの入会案内をよくお読みになって同意し入会申込書に名前を記入して下さい。
そのとき窓の外を走っていた新型のスープラに目が行き再び店主を見た際店主が何故かほくそ笑んでいたのを見逃していたあれは、何が面白くて微笑んでいたのだろう。
規約を読むと長期の延滞にはペナルティを課すとある。
「当店を好んで来てくれるお客さんはそれを楽しみに来店するわけですから。そういう趣向が合わない方はよそへ行けばよろしいのです。何も顔を顰めてまで鑑賞する必要はないんですから。しかもですよ、当店がレアな品揃えで独自性を打ち出しているのを後存知にも拘らず平気で長期の延滞をされる方がいらっしゃるのです。もし自分の趣向に合わないとおっしゃる方が興味本位に大して見たくもないのにそれを楽しみで借りに来た方の視聴の機会を奪うなんてことがあったらこれは憂慮すべきことではないですか」そう店主は説明した。
バイトから帰ってきたら留守電にメッセージが入っていた。「ピー……モルグビデオ店です、お客様がお借りになっているビデオの返却期限が過ぎたまま依然返却されていません。大幅に遅れています。至急当店までご連絡いただくかご返却に来店下さい」すっかり忘れてた。ここのとこ忙しかったしな。おまけにつまらない映画だったし俺はすぐ自転車に跨がり商店街んの道を映画館方面まで飛ばした。何だか空の雲行きが怪しい。ビデオ屋に着くと意外な展開が待っていた。『お客っさん他の会員制の方のご迷惑になりますから長期の延滞はご遠慮下さいとお願いしたのを覚えておいでですね」「ああ、すみません.以後気を付けます」「うちもこれで商売やってんですから頼みますよ」「ああ、すみません」『じゃあ私店番疲れましたんで珈琲飲んできます。その間店番お願いします」「ええ!」「って規約に書いてあったでしょう。長期に渡って作品の延滞をした場合ペナルティとして店員の言うことを聞くという一文が細かい字で記してあったはずです」「じゃあお願いしますそれともあなた、熱いコーヒーをどっかから買ってきてくれますか缶コーヒーは嫌ですよ」「何で客の俺がアンタのパシリみたいなことしなきゃならないんだよ」「良心的なペナルティだと思うんですけどねエアコンも効いてる室内でBGMも流れてるし、肉体労働もなければ好きな映画に囲まれて仕事できるんですし『お店お願いできますか」「ちっわかったよ買ってくればいいんだろ」外は急に真っ暗になってきた稲光一閃「来たきた物凄い豪雨だわこれ」「ちぃーこれじゃ店番のが良かったか」「じゃお店頼めますか」簡単ですから持ってきたDVDのタグをバーコードで読んで出てきた金額をレンタル代金としていただくだけだから。棚から作品を探したりなんかもしませんから。ずっと貸出中になってる作品について文句を言われる程度ですかねクレームは」店主が休憩に出た後すぐに大雨に降られたらしい客が2人店内に転がり込んで来た。客はびしょ濡れの傘を店内でバサバサと振るい傘に付いた水を切る。辺り一面水しぶきでビチャビチャになる。眉間に皺を寄せながら適当にやり過ごしていると奇声を上げ始めた。酔っているのか。それにしてもだ。やれやれ厄介なことを引き受けたもんだ。『何だお前その顔はー!」「は?俺に向かって言ってんの」俺は店番何かあるとまずい。ここは取り合わないに限る」「他人ごとかああああ!」うっせえ客だ。「何でゾンビの阿波おどりがないんだあ」「もう一週間になるぞおーこの店やる気あんのかああ」「お客様、他のお客様の迷惑になりますのでお静かにしていただけますか」「うう何だあ他の客に迷惑だあ?」「おいこの店のどこに客がいるってんだあ」「こんな商売っ気のねえ店に客が来るかあ」「ですから、大声を出さないで下さい」「これはあれか、演出になってんだな他に誰もいないはずの店内にいるはずのない客がいたと買って脅かすんだろう。やっぱ凝っているなこの店はよお」「はははははは」「うわああ!おい店主このビデオは何だこんなもんまで置いてあるのか」「何ですかお客さん私は代理でよくわからないんですけどね」その時だ。誰かが向こう側から棚を押したのかビデオラックが倒れてきた。俺はその下敷きになりそれ以降の記憶がない。その最後の記憶の片隅に俺に店番を頼んだ店主の声が残っている。「ずっと防犯ビデオは回ってたんですよちゃんと、しっかり撮れてる」それからしばらく経ってから訪れたとき棚に目新しいジャケットの作品が並んでいるのを見付けて手に取った。そのタイトルにはこうあった『呪われたレンタルビデオ店員の最期』
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