怪奇ファイル

852633B

文字の大きさ
上 下
11 / 11
怪人カメムシ男

仮面ライダーラビリンス

しおりを挟む


アリスが飲んだ小瓶の中身は異界の入り口を見つける薬彼女は鍵を拾い兎と出会った。
「もしそなた誰かを探しておらんか」「どうしてわかるの。私白い兎を追ってきたんだけど見失なっちゃって」「お嬢さん魚釣りしたことがあるかい?」「いいえでもいつかやってみたいとは思っているの」「魚だっていつも堤防や浅瀬や絶好の釣りスポットみたいなとこ泳いでいるわけじゃないんだ。それでだね近寄ってくるように餌を撒くんだけどねそれを撒き餌って言うんだ。もうわかっただろう。お嬢さんが追いかけていた兎はお嬢ちゃんを異世界に誘うための撒き餌みたいなものなのさ」
「君は迷い込んだことを楽しむ不思議好き冒険好きな女の子なんだ」
アリスが迷い込んだ世界では世界は『ええモン』と『ワルモン』という二大勢力による拮抗したバランスで平和が保たれていた。それを退屈していた魔女が高見の見物などしているわけがなかった。魔女は苛立ちを隠せずにあとアクビ十回ののちにハプニングやサプライズなどが起こらない時はその魔力で世の中に少し混乱を招いてやると意気込んだ。果たしてその十回目のアクビが彼女の口を吐いて出た。
第一善悪が均衡を保っているということが気に入らない。
異次元からトラブルの元を連れてきてやる。仮面ライダーだと!それなら怪人を相手にして初めて仕事が成り立つというものだ。そうであろう皆の衆!
「お説ごもっとも!」
「エーんエーんドル~ドル~」
「どうしたんだいお嬢ちゃん」
「仮面ライダーのおじさん、お母さんがね、『ワルもん』にお父さんはホモですよって言われて壊れちゃったの」
「それは大変だね。例えばどんなふうに壊れたのかな」
「ご飯を作るのが下手になったの。今日はハンバーグ素麺よって、それもジングル付きでジャーンとかってふざけんな食べられるわけないだろって話でしょそれも手ごねハンバーグだって下拵えに40分かけたやつ早く食べられるもの作ってくれる方がよっぽど美味しく食べられるでしょ?素麺のダシに沈めないでって泣きたくなったわ」「よっぽどショックだったんだねホモだなんて」「ホーホホホ仮面ライダーの何だか知らないが俺はワルもん怪人ホモカメレオン、俺と勝負しろ」
「つまらん次!」ワルもんの組織ソッカーの首領が下流怪人にチェンジを言い渡すと今こそ頭角を現さんと欲して名乗りを上げたのが怪人アリギリスだった。吊り上がった目を血走らせ青白い頬の痩けた首領が問う「では聞かせて貰おうかアリギリス、お前の立案した作戦を」「首領様よくぞお尋ねくださいました。私の思いついたものはですね、罹患した人間を死に至らしめる殺人ウイルスをばら撒
き人間社会をめちゃくちゃにしようと、とここまでは奴らの狼狽も目に浮かぶ騒ぎであります。実は、その後がキモになるのでございます。アフター殺人ウイルスとでも言いましょうか、冬の間せっせと働いたアリがそうでないキリギリスの凋落を横目にこの世の春を謳歌するが如く殺人ウイルス流行中にソッカーが政府に紛れさせた工作員に働きかけ戒厳令を敷き人間共の生産手段を弱体化させて」「わかったもうよいアリギリス。さすが幹部を目指そうという意欲に溢れた怪人幹部候補生も真近い。中々の名案だ。今後も精進するがよいではアリギリス、アフター殺人ウイルス作戦実行してみよ!」
「お呼びでございましょうか首領様」
青白い顔に目に隈ができた男たちを一瞥し首領は言った。「怪人製造部隊!お前たちの緩慢な仕事ぶりにいつまでも付き合っていられるほどワシは温厚ではないぞ!」「ハッ!首領様もう次なる死客の準備は完了してございます。」「マジで?」「大マジでございます。今度の怪人は獏と獅子を掛けた改造人間です。「ではここへ呼べぃ!
「何か見た目は弱そうだな大丈夫か」「実は首領様、手前味噌でございますがこのバクシーシもソッカー怪人中でも屈指の攻撃力を誇る上級怪人にございます。「バクシーシ!ポゥエトリィリーディング!そうさ僕たちは世界中で互いに助け合ったはずさあのウイルスが無ければ知ることはなかったね。人間の素晴らしさ今度はそれをイカそうよだからウイルスをばら撒いた国なんか恨んじゃダメさましてや戦争ではっきりさせようなんてもっとダメ!まさに悪夢さ僕たちは試されてるんだ力を合わせて乗り越えようよ!悪夢は僕の好物さ悪夢をバクバク美味しいねバクさんだよ必殺カクテル!喰らえスピリタス!前後不覚になってわしの言うことを聞け!
戦争反対笹持ってこい!パンダに笹をあげようよ」パンダの糞が良質の肥料になるって知ってましたか?ええ!それは初めてです。パンダをエコのシンボルにという運動が大量消費社会を批判する世界中の若者の間で活発なのをご存知ですか?この動画サイトに出ている動画からでもよくわかりますよね
何か胡散臭いな裏垢っぽい即席なハンドルネームだし連呼厨から連呼取ったような稚拙なメッセージ性と言いこれアンタが作ったんじゃないの?そこに赤い仮面の戦士が無言の口上を放ちつつ壁上に立つ既視感のあるそのシルエットは3番目の仮面ライダーV3に違いない。すると下手なポエムを朗読した方の存在は怪人か?確かに意味から言えばどう見ても怪人に違いない。そこへまた怪人が増えた。派手な衣装を纏った男は年甲斐もなくコスプレを楽しむという風ちは見えない
ヘルメットの鍔の下に覗くギラついた目がギョロリと動くアブラギッシュないかつい強面顎周りに付いた肉の上に髭を蓄えた男が強調する。「この世界ではラァイダヴィスリーだ」



「兄ちゃん勘定してくんねえ」「ね、猫が喋った!」「兄ちゃん、その猫が蕎麦食った時に驚きな遅ぇんだよ」「今何時だい?」「8時41分です841弥生式土器で頭ガーンとな!「ウッお客さん何するんですか!」「知れたこと、この世界じゃええもんと悪モンがせめぎ合うのが世の常さ」「待てい、改造人間」また濃いのが現れたな蕎麦屋のモノローグはそこまでだった。「ネコが食べてもワンコ蕎麦たぁこれ如何に。粋じゃないねえ仮面の兄さん。この戦乱の世にオイラみたいな蕎麦屋で勘定ネコババしようってケチな奴即ち強そうじゃねえ奴を狙って懲らしめようなんざ正義の名を借りた弱い者虐めじゃねえのかい?そうまでしていいカッコしてぇかい」
『怪人カメムシ男』
「ガブガブガブガブ~!」「うわわわああ~!」痩せこけて目の周りが真っ黒な人間がいきなり齧り付いてきて男は驚いた。常識的に考えて人の体に突然齧り付く者に話が通じると思えないだから男は何をするなどと罵声を浴びせるなどしなかった。無論齧られるままになるなどもなかった第一昼の日中にこんな非常識も甚だしいことをする輩に碌な奴なんていやしない。不幸にも人通りが途絶えているらしく誰の目にも付いていないようだ。悪運もそれまでだ。見回すと建築現場らしくはつったコンクリート片や形を損なうことのないブロックや鉄パイプ木材などが散らばっていた。適当な物を手に取り力任せに振り被った。来たる近未来とある核保有国の横暴により地上のかなり大きな面積に放射線の被曝が起こり環境は手の付けようのないほど徹底して破壊されたその後その横暴により束の間政治的実権を握った某国の通達によれば全世界規模で環境破壊による食料危機を乗り越えるべきと前時代的なお触れがあったその某国に付き従う民族がお触れをありがたく頂戴して真っ先に『昆虫食』に手を付けた。昆虫食に認定された昆虫に、降りかかった災難に当の昆虫は堪ったものではないと憤慨したがウンカの如き飢えた人間には捕食を待つ以外術がなかった。そんなある日その昆虫の一群に変化が訪れるそのグループの周りの昆虫が突然変異で異臭を放つようになった個体の群れが出す臭気で一度に数匹も絶命する。
「おお、これなら外敵からの捕食も免れよう」昆虫達のリーダーは訪れた少し明るい展望にひと心地付くしかしこの世のあらゆる生き物を食べずにはいられない大食漢民族の存在の恐ろしさにまだ気付いていなかったに過ぎない。何でも食べたいけど他民族からの世間体を気にする彼らは特定の正義を翳す団体から目の敵にされる生き物も食べたくてしょうがなかった。だから財力に飽かせてプロパガンダに米田がなかった。そんな中『アングリーホエール』は生まれたクジラの怒り少々語感の良くないそれは怒クジラと呼ばれて周辺国に配給されてそこそこ興行収入を獲得した
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

友よ、お前は何故死んだのか?

河内三比呂
ミステリー
「僕は、近いうちに死ぬかもしれない」 幼い頃からの悪友であり親友である久川洋壱(くがわよういち)から突如告げられた不穏な言葉に、私立探偵を営む進藤識(しんどうしき)は困惑し嫌な予感を覚えつつもつい流してしまう。 だが……しばらく経った頃、仕事終わりの識のもとへ連絡が入る。 それは洋壱の死の報せであった。 朝倉康平(あさくらこうへい)刑事から事情を訊かれた識はそこで洋壱の死が不可解である事、そして自分宛の手紙が発見された事を伝えられる。 悲しみの最中、朝倉から提案をされる。 ──それは、捜査協力の要請。 ただの民間人である自分に何ができるのか?悩みながらも承諾した識は、朝倉とともに洋壱の死の真相を探る事になる。 ──果たして、洋壱の死の真相とは一体……?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

時雨荘

葉羽
ミステリー
時雨荘という静かな山間の別荘で、著名な作家・鳴海陽介が刺殺される事件が発生する。高校生の天才探偵、葉羽は幼馴染の彩由美と共に事件の謎を解明するために動き出す。警察の捜査官である白石涼と協力し、葉羽は容疑者として、鳴海の部下桐生蓮、元恋人水無月花音、ビジネスパートナー九条蒼士の三人に注目する。 調査を進める中で、葉羽はそれぞれの容疑者が抱える嫉妬や未練、過去の関係が事件にどのように影響しているのかを探る。特に、鳴海が残した暗号が事件の鍵になる可能性があることに気づいた葉羽は、容疑者たちの言動や行動を鋭く観察し、彼らの心の奥に隠された感情を読み解く。 やがて、葉羽は九条が鳴海を守るつもりで殺害したことを突き止める。嫉妬心と恐怖が交錯し、事件を引き起こしたのだった。九条は告白し、鳴海の死の背後にある複雑な人間関係と感情の絡まりを明らかにする。 事件が解決した後、葉羽はそれぞれの登場人物が抱える痛みや後悔を受け止めながら、自らの探偵としての成長を誓う。鳴海の思いを胸に、彼は新たな旅立ちを迎えるのだった。

R.I.P ∞ 章間の事

乃南羽緒
ミステリー
R.I.PシリーズⅠ、Ⅱ、Ⅲ……それらのシリーズ間で起きた出来事短編集や後日談など。 シリーズ読後に読んでいただくことをおすすめします。

孤島の洋館と死者の証言

葉羽
ミステリー
高校2年生の神藤葉羽は、学年トップの成績を誇る天才だが、恋愛には奥手な少年。彼の平穏な日常は、幼馴染の望月彩由美と過ごす時間によって色付けされていた。しかし、ある日、彼が大好きな推理小説のイベントに参加するため、二人は不気味な孤島にある古びた洋館に向かうことになる。 その洋館で、参加者の一人が不審死を遂げ、事件は急速に混沌と化す。葉羽は推理の腕を振るい、彩由美と共に事件の真相を追い求めるが、彼らは次第に精神的な恐怖に巻き込まれていく。死者の霊が語る過去の真実、参加者たちの隠された秘密、そして自らの心の中に潜む恐怖。果たして彼らは、事件の謎を解き明かし、無事にこの恐ろしい洋館から脱出できるのか?

マチコアイシテル

白河甚平@壺
ミステリー
行きつけのスナックへふらりと寄る大学生の豊(ゆたか)。 常連客の小児科の中田と子犬を抱きかかえた良太くんと話しをしていると ママが帰ってきたのと同時に、滑り込むように男がドアから入りカウンターへと腰をかけに行った。 見るとその男はサラリーマン風で、胸のワイシャツから真っ赤な血をにじみ出していた。 スナックのママはその血まみれの男を恐れず近寄り、男に慰めの言葉をかける。 豊はママの身が心配になり二人に近づこうとするが、突然、胸が灼けるような痛みを感じ彼は床の上でのた打ち回る。 どうやら豊は血まみれの男と一心同体になってしまったらしい。 さっきまでカウンターにいた男はいつのまにやら消えてしまっていた・・・

パラダイス・ロスト

真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。 ※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。

人形の家

あーたん
ミステリー
田舎に引っ越してきた ちょっとやんちゃな中学3年生の渚。 呪いがあると噂される人形の家があるその地域 様子のおかしい村人 恐怖に巻き込まれる渚のお話

処理中です...