4 / 6
4.
しおりを挟む
まさか皇帝陛下自ら動くとは思わなかったからだ。
すると彼はさらに言葉を続けるのだった。
「息子よ、もうやめろ!」
しかし、セトは聞く耳を持たなかったようだ。
それどころかとんでもないことを言い出したのだ。
「父様こそ、いい加減にしなよ、俺事ばかり、少しは、国を重んじたらどうだい」
「黙れ、これ以上罪を重ねるな」
「あはは、もう遅いよ! 俺はもう止まらないからね!」
(どうしよう)
リラは困惑した。
このままでは大変な事になってしまうと思ったからだ。
だが次の瞬間、皇帝は驚くべき行動に出たのだ。
なんとセトの前に進み出たのである。
そしてこう言ったのだ。
「この馬鹿息子が!」
と、その瞬間だった……突然皇帝の体が光り輝き始めたではないか!
(えっ!?)
「魔力解放、息子相手に、何で」
それはセトの言葉で唖然としていた。
「バカ息子、死ぬ気で来い、リラを始末したいのだろう?」
「なっ!?」
セトが驚いている間に、皇帝は魔力を解き放った。
その圧倒的な力にリラは圧倒された。
(すごい)
そして次の瞬間には、セトは吹き飛ばされていたのだった。
それを見た周りの者達も怯えている様子だ。
だが、そんな中で一人だけ冷静だった人物がいたのである。
それは皇帝ディオ・アレステルだ。
彼は静かに語り始めたのだ。
「お前はもう終わりだ」
そう言いながら剣を振り上げる。
このままではセトが危ない。
リラは身体が自然と動いていた。
「やめてください!」
リラは皇帝を制止したのだ。
間に割って入り両手を皇帝の前に広げる。
「何の真似だ? そこを退け」
「嫌です、セトは私の婚約者なのです」
「ほう? まだ懲りぬのか?」
突然皇帝の口調が変わったことに驚くリラだったが、次の瞬間には彼に腕を掴まれていた。
そしてそのまま引き寄せられると唇を奪われたのだ。
(えっ!?)
突然の事に動揺するリラだったが、
「すこし、お灸が必要なようだ、眠れ、スリープ」
と、耳元で囁かれた途端、リラの意識は遠のいていった。
(な、何が起こったの?)
薄れゆく意識の中でそんなことを思いながら彼女は気を失ったのだった。
目を覚ました時、そこは見知らぬ場所だった。
周りを見渡すと豪華な家具が並べられている部屋であることが分かったのだ。
そして自分がベッドの上にいるということも分かったのである。
(ここは何処なんだろう?)
「おはよう、リラ、勇ましい事、我が息子にあそこまでされて、かばおうなど」
皇帝ディオ・アレステルが話しかけてきた。
(そうだ、私、あの後気を失って……)
リラは思い出したのだ。
自分が意識を失う前に起こった出来事を。
そして恐る恐る彼に向かって問いかけたのだった。
「あの、どうして」
「どうしてここにいるのかと」
「は、はい」
「ここが、牢に見えるか?」
「見えません」
「だろうな、ここは遊戯室だよ」
遊戯室?
遊ぶ部屋?
「おっと、こう言う扱いは初めてか? って事は、游館に行った経験は?」
リラは首を横に振った。
すると皇帝は驚いた表情を見せた後、納得したように頷いたのだ。
(一体なんの話をしているのかしら?)
疑問に思っていると彼はこう言ったのだった。
「ほう、手垢は無しか? スフィンクスは大切に其方を育てたのだな?」
「へっ? お父様の事」
「知っているとも、ハルバス・スフィンクス将軍、我が国の大切な戦力だからな、部下の事はいろいろと知らべるものだ」
リラは、驚いた。
「お父様って強かったんですね」
「ああ、だとも、所で、何時までそうしている気かな」
えっと思い慌てて私の姿を確認して青ざめる。
「そ、その、私の衣服は?」
皇帝は、ニヤリと笑った。
すると彼はさらに言葉を続けるのだった。
「息子よ、もうやめろ!」
しかし、セトは聞く耳を持たなかったようだ。
それどころかとんでもないことを言い出したのだ。
「父様こそ、いい加減にしなよ、俺事ばかり、少しは、国を重んじたらどうだい」
「黙れ、これ以上罪を重ねるな」
「あはは、もう遅いよ! 俺はもう止まらないからね!」
(どうしよう)
リラは困惑した。
このままでは大変な事になってしまうと思ったからだ。
だが次の瞬間、皇帝は驚くべき行動に出たのだ。
なんとセトの前に進み出たのである。
そしてこう言ったのだ。
「この馬鹿息子が!」
と、その瞬間だった……突然皇帝の体が光り輝き始めたではないか!
(えっ!?)
「魔力解放、息子相手に、何で」
それはセトの言葉で唖然としていた。
「バカ息子、死ぬ気で来い、リラを始末したいのだろう?」
「なっ!?」
セトが驚いている間に、皇帝は魔力を解き放った。
その圧倒的な力にリラは圧倒された。
(すごい)
そして次の瞬間には、セトは吹き飛ばされていたのだった。
それを見た周りの者達も怯えている様子だ。
だが、そんな中で一人だけ冷静だった人物がいたのである。
それは皇帝ディオ・アレステルだ。
彼は静かに語り始めたのだ。
「お前はもう終わりだ」
そう言いながら剣を振り上げる。
このままではセトが危ない。
リラは身体が自然と動いていた。
「やめてください!」
リラは皇帝を制止したのだ。
間に割って入り両手を皇帝の前に広げる。
「何の真似だ? そこを退け」
「嫌です、セトは私の婚約者なのです」
「ほう? まだ懲りぬのか?」
突然皇帝の口調が変わったことに驚くリラだったが、次の瞬間には彼に腕を掴まれていた。
そしてそのまま引き寄せられると唇を奪われたのだ。
(えっ!?)
突然の事に動揺するリラだったが、
「すこし、お灸が必要なようだ、眠れ、スリープ」
と、耳元で囁かれた途端、リラの意識は遠のいていった。
(な、何が起こったの?)
薄れゆく意識の中でそんなことを思いながら彼女は気を失ったのだった。
目を覚ました時、そこは見知らぬ場所だった。
周りを見渡すと豪華な家具が並べられている部屋であることが分かったのだ。
そして自分がベッドの上にいるということも分かったのである。
(ここは何処なんだろう?)
「おはよう、リラ、勇ましい事、我が息子にあそこまでされて、かばおうなど」
皇帝ディオ・アレステルが話しかけてきた。
(そうだ、私、あの後気を失って……)
リラは思い出したのだ。
自分が意識を失う前に起こった出来事を。
そして恐る恐る彼に向かって問いかけたのだった。
「あの、どうして」
「どうしてここにいるのかと」
「は、はい」
「ここが、牢に見えるか?」
「見えません」
「だろうな、ここは遊戯室だよ」
遊戯室?
遊ぶ部屋?
「おっと、こう言う扱いは初めてか? って事は、游館に行った経験は?」
リラは首を横に振った。
すると皇帝は驚いた表情を見せた後、納得したように頷いたのだ。
(一体なんの話をしているのかしら?)
疑問に思っていると彼はこう言ったのだった。
「ほう、手垢は無しか? スフィンクスは大切に其方を育てたのだな?」
「へっ? お父様の事」
「知っているとも、ハルバス・スフィンクス将軍、我が国の大切な戦力だからな、部下の事はいろいろと知らべるものだ」
リラは、驚いた。
「お父様って強かったんですね」
「ああ、だとも、所で、何時までそうしている気かな」
えっと思い慌てて私の姿を確認して青ざめる。
「そ、その、私の衣服は?」
皇帝は、ニヤリと笑った。
1
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
腹黒王子は、食べ頃を待っている
月密
恋愛
侯爵令嬢のアリシア・ヴェルネがまだ五歳の時、自国の王太子であるリーンハルトと出会った。そしてその僅か一秒後ーー彼から跪かれ結婚を申し込まれる。幼いアリシアは思わず頷いてしまい、それから十三年間彼からの溺愛ならぬ執愛が止まらない。「ハンカチを拾って頂いただけなんです!」それなのに浮気だと言われてしまいーー「悪い子にはお仕置きをしないとね」また今日も彼から淫らなお仕置きをされてーー……。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
婚約破棄された悪役令嬢は、腹いせに城の兵士たちを片っ端から襲い始めました。
小糸咲希
恋愛
マシュマロ・アベシは全てを失った。
旦那(王子)とのセックスレスがストレスとなり近くにいた筋肉ムキムキの兵士たちにレイプ(ほぼ逆レイプ)を志願した。
その結果兵士たちと乱交騒ぎになり……。
最終的に婚約破棄となったのであった。
これは……彼女の軌跡。
追い出された道を描く戦いである
乙女ゲーム王子ルートハッピーエンド役目を終えた悪役令嬢は王太子殿下の溺愛=セックスに………
KUMA
恋愛
ルルーシェは転生者見事悪役令嬢を演じた、そして王子から婚約破棄されヒロインの男爵のマトリーヌ・ラズベリーと王子の結婚は行われた。
そこで騒ぎをお越しルルーシェはその場で、処刑され二人は幸せな生活…何て馬鹿な事は私はしない。
悪役令嬢として婚約破棄されて、自由になれただからもう貴方方は必要ない。
その判断が悪役令嬢ルルーシェのエロ殿下ルートの始まり…
どうせ運命の番に出会う婚約者に捨てられる運命なら、最高に良い男に育ててから捨てられてやろうってお話
下菊みこと
恋愛
運命の番に出会って自分を捨てるだろう婚約者を、とびきりの良い男に育てて捨てられに行く気満々の悪役令嬢のお話。
御都合主義のハッピーエンド。
小説家になろう様でも投稿しています。
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
【R18】婚約破棄に失敗したら王子が夜這いにやってきました
ミチル
恋愛
婚約者である第一王子ルイスとの婚約破棄に晴れて失敗してしまったリリー。しばらく王宮で過ごすことになり夜眠っているリリーは、ふと違和感を覚えた。(なにかしら……何かふわふわしてて気持ちいい……) 次第に浮上する意識に、ベッドの中に誰かがいることに気づいて叫ぼうとしたけれど、口を塞がれてしまった。
リリーのベッドに忍び込んでいたのは婚約破棄しそこなったばかりのルイスだった。そしてルイスはとんでもないこと言い出す。『夜這いに来ただけさ』
R15で連載している『婚約破棄の条件は王子付きの騎士で側から離してもらえません』の【R18】番外になります。3~5話くらいで簡潔予定です。
《R18短編》優しい婚約者の素顔
あみにあ
恋愛
私の婚約者は、ずっと昔からお兄様と慕っていた彼。
優しくて、面白くて、頼りになって、甘えさせてくれるお兄様が好き。
それに文武両道、品行方正、眉目秀麗、令嬢たちのあこがれの存在。
そんなお兄様と婚約出来て、不平不満なんてあるはずない。
そうわかっているはずなのに、結婚が近づくにつれて何だか胸がモヤモヤするの。
そんな暗い気持ちの正体を教えてくれたのは―――――。
※6000字程度で、サクサクと読める短編小説です。
※無理矢理な描写がございます、苦手な方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる