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幸せの進化系 1
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旅行先は飯田さんのご実家。
今回大家さんに連れてこられたのは新しくオープンした飯田さんのお店にご招待。そんなわけで実家はないと言えど久しぶりの生まれ故郷に帰ってきています。
そこには兄貴も来ていて……
「結奈さんお久しぶりです」
「義兄さんもご無沙汰してます」
なんて兄貴も招待されていた。
結婚して二年、驚きに満ちた出来事にあふれた日々でもいたって平和で順調な生活が続いていた。
結奈もあの町家で仕事を続け、時々古民家カフェのギャラリーで展示会をしたりと張り切っている。
目玉は岩さんとコラボしたスマホのストラップだった。
その界隈では有名な結奈なのでギャラリーの展示品を後日販売しますとネットで告知した所……
一番お買い得価格と言うのもあったが秒で売り切れてしまった。
メールでのやり取りではギャラリーにも足を延ばしてきてくれた人たちから
『ストラップからすごいパワーもらいました!』
『今までの作品の中で一番最強のパワーが来ました!』
『展示場がパワースポットになってましたね!』
なんて俺レベルではそう言うのは分からないし、大家さんはマヒしてるからわからないから何とも言えないと言うけど、結奈は
「岩さんとのコラボだからちょっと張り切りすぎちゃったかな?」
なんて笑って見せるも展示会に来てくれた志月さんに
「こんな強力な呪物を気軽に並べたらだめですよ!」
なんて呪物扱いされた上に怒られてしまっていた。
だけど小さくても女の子。
陽菜乃ちゃんを交えてきゃあ、きゃあ言いながら石と紐によるアート作品はテーブルクロスがあったり、レース編みの要領で花瓶敷きもあったりと女性向けの作品はカフェに来るお客様にもとても好評で、店のほうにも額縁の中に収められて飾るくらいの美しい古典な文様はお客様の目を楽しませるくらい素晴らしいものだった。
「お邪魔します!」
「おじゃまします!」
なんて元気な声が聞こえてきたから振り向けば
「晴朝、陽菜乃!走っちゃダメ!」
慌てて追いかけてくる志月さんの声なんて聞こえないという様に
「緑青!真白!もっくん元気だった!」
「玄さんと岩さんこんにちは!」
「晴朝おっきくなったー!」
「晴朝たかいたかいして!」
「晴朝追いかけっこして遊ぼう!」
「陽菜乃お庭にお散歩に行こう?」
「陽菜乃、玄さんと一緒にお散歩行こう?」
一気ににぎやかになる。
「朱華は居ないね?」
「朱華はご飯の時間になったら来るよ。主がおいでってするからもうちょっとまっててねだって」
「だったらそれまでお庭で一緒に遊ぼう!」
「お庭はやめて!
枝とか折ったら大変だから!」
なんて庭には出しで飛び降りようとする子供たちに待ったをかける志月さん。
元気な子供たちを相手にこちらも相変わらず大変だなと思ってしまえば
「お庭で遊ぶのなら母屋の方のお庭にあそんでらっしゃい」
そこに現れたのはこの店のおかみさんでもある沙凪さんと何度もご飯を食べさせてくれた飯田さんの弟のお嫁さんの雫さんが息子の蓮君を連れてやってきて志月さんも連れて一緒にお庭の方へ行きましょうと言って行ってしまった。
まあ、二人の思惑は視えない体質だから志月さんにお願いしてこの家を守るしいさん、こまさん、鈴さん、次郎さんと一緒にもふもふして遊びたいという所だろう。
話に聞くところ当然視えない蓮君だけど、しいさんとこまさんにが大好きで尻尾を掴んではしゃぶしゃぶしているという癒し空間がたまらないそうだ。
嵐が去ったという様にとたんに静かになった室内の中当然ながら長距離移動だったために疲れが出てきたのかうとうとしだした結奈に
「まったく、沙凪はお客様をほったらかしにしおって……」
飯田さんのお父様でもある稔さんがやってきた。
慌ててそろって正座をして
「ご無沙汰してます。
今回はお招きありがとうございます」
大家さんの招待とはいえ受け入れてくれた飯田家の方にきちんと挨拶をする。
「遠路はるばるようこそおいでくださった。
少し疲れただろう。今日は貸し切りにしてあるから小さい部屋に布団を用意してある。時間までまだあるから少し横になってなさい」
そんな配慮。
心づかいの飯田家の皆様はこういう所もきちんと配慮してくれる素敵な方達だ。
案内されたのは裏庭を眺めることが出来る昼間には少し暗くて、でもしっとりとした落ち着いた空間だった。
畳の井草の香りがほっとした気分にさせてくれてほんの少しだけひんやりとした室内に座り込めば俺達はそこに荷物を置いて早速という様に結奈は横になってしまった。
「じゃあ、俺は先に挨拶して来るからゆっくり休んでいて」
「ごめん、ありがとうね」
朝一番からのこの長距離移動は本当にしんどかったと見えてすぐに目を閉ざしてしまった。
今回大家さんに連れてこられたのは新しくオープンした飯田さんのお店にご招待。そんなわけで実家はないと言えど久しぶりの生まれ故郷に帰ってきています。
そこには兄貴も来ていて……
「結奈さんお久しぶりです」
「義兄さんもご無沙汰してます」
なんて兄貴も招待されていた。
結婚して二年、驚きに満ちた出来事にあふれた日々でもいたって平和で順調な生活が続いていた。
結奈もあの町家で仕事を続け、時々古民家カフェのギャラリーで展示会をしたりと張り切っている。
目玉は岩さんとコラボしたスマホのストラップだった。
その界隈では有名な結奈なのでギャラリーの展示品を後日販売しますとネットで告知した所……
一番お買い得価格と言うのもあったが秒で売り切れてしまった。
メールでのやり取りではギャラリーにも足を延ばしてきてくれた人たちから
『ストラップからすごいパワーもらいました!』
『今までの作品の中で一番最強のパワーが来ました!』
『展示場がパワースポットになってましたね!』
なんて俺レベルではそう言うのは分からないし、大家さんはマヒしてるからわからないから何とも言えないと言うけど、結奈は
「岩さんとのコラボだからちょっと張り切りすぎちゃったかな?」
なんて笑って見せるも展示会に来てくれた志月さんに
「こんな強力な呪物を気軽に並べたらだめですよ!」
なんて呪物扱いされた上に怒られてしまっていた。
だけど小さくても女の子。
陽菜乃ちゃんを交えてきゃあ、きゃあ言いながら石と紐によるアート作品はテーブルクロスがあったり、レース編みの要領で花瓶敷きもあったりと女性向けの作品はカフェに来るお客様にもとても好評で、店のほうにも額縁の中に収められて飾るくらいの美しい古典な文様はお客様の目を楽しませるくらい素晴らしいものだった。
「お邪魔します!」
「おじゃまします!」
なんて元気な声が聞こえてきたから振り向けば
「晴朝、陽菜乃!走っちゃダメ!」
慌てて追いかけてくる志月さんの声なんて聞こえないという様に
「緑青!真白!もっくん元気だった!」
「玄さんと岩さんこんにちは!」
「晴朝おっきくなったー!」
「晴朝たかいたかいして!」
「晴朝追いかけっこして遊ぼう!」
「陽菜乃お庭にお散歩に行こう?」
「陽菜乃、玄さんと一緒にお散歩行こう?」
一気ににぎやかになる。
「朱華は居ないね?」
「朱華はご飯の時間になったら来るよ。主がおいでってするからもうちょっとまっててねだって」
「だったらそれまでお庭で一緒に遊ぼう!」
「お庭はやめて!
枝とか折ったら大変だから!」
なんて庭には出しで飛び降りようとする子供たちに待ったをかける志月さん。
元気な子供たちを相手にこちらも相変わらず大変だなと思ってしまえば
「お庭で遊ぶのなら母屋の方のお庭にあそんでらっしゃい」
そこに現れたのはこの店のおかみさんでもある沙凪さんと何度もご飯を食べさせてくれた飯田さんの弟のお嫁さんの雫さんが息子の蓮君を連れてやってきて志月さんも連れて一緒にお庭の方へ行きましょうと言って行ってしまった。
まあ、二人の思惑は視えない体質だから志月さんにお願いしてこの家を守るしいさん、こまさん、鈴さん、次郎さんと一緒にもふもふして遊びたいという所だろう。
話に聞くところ当然視えない蓮君だけど、しいさんとこまさんにが大好きで尻尾を掴んではしゃぶしゃぶしているという癒し空間がたまらないそうだ。
嵐が去ったという様にとたんに静かになった室内の中当然ながら長距離移動だったために疲れが出てきたのかうとうとしだした結奈に
「まったく、沙凪はお客様をほったらかしにしおって……」
飯田さんのお父様でもある稔さんがやってきた。
慌ててそろって正座をして
「ご無沙汰してます。
今回はお招きありがとうございます」
大家さんの招待とはいえ受け入れてくれた飯田家の方にきちんと挨拶をする。
「遠路はるばるようこそおいでくださった。
少し疲れただろう。今日は貸し切りにしてあるから小さい部屋に布団を用意してある。時間までまだあるから少し横になってなさい」
そんな配慮。
心づかいの飯田家の皆様はこういう所もきちんと配慮してくれる素敵な方達だ。
案内されたのは裏庭を眺めることが出来る昼間には少し暗くて、でもしっとりとした落ち着いた空間だった。
畳の井草の香りがほっとした気分にさせてくれてほんの少しだけひんやりとした室内に座り込めば俺達はそこに荷物を置いて早速という様に結奈は横になってしまった。
「じゃあ、俺は先に挨拶して来るからゆっくり休んでいて」
「ごめん、ありがとうね」
朝一番からのこの長距離移動は本当にしんどかったと見えてすぐに目を閉ざしてしまった。
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