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自分と向かい合う時間 2
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奥から姿を現したのが長沢さん、この家の主なのだろう。
声は年齢からか少しかすれているが背筋はピンと伸び、眼光は鋭いまま俺を見るものの大家さんを見たとたんまるで自分の孫でも見るかのように崩れて行った。
好々爺、そんな顔で出迎えてくれたお爺さんに
「みち子さんいる?ちょっと相談があるのですが」
言えば長沢さんと呼ばれたお爺さんは用事が自分で無いのが不満なのか少し顔をしかめて
「婆さん。吉野のがお呼びだ」
妙に仰々しい呼び方に一瞬顔をしかめてしまう。まるで実家に居るような固い言葉遣いに一瞬体がすくんでしまうもすぐにぱたぱたと響く足音が近づけば
「あらあらあら、綾人さんおはようございます。
朝ごはんはもうお済で?」
朝のご挨拶がご飯のおよばれだった。
「はい。しっかり食べてきましたので」
何時にご飯食べてるのこの人と聞きたかったけど俺はおよばれさりたいとは言えずに我慢をした。
「でしたらお茶でもどうぞ」
そう言って俺を連れて家の中に案内されればすごく居心地の良い客間へと通された。
美しい書院造の床の間に雪見障子の格子はこれでもかというくらい凝った幾何学模様はいくつものパターンを取り入れていた。
ふふふ、こう見えても古都に住んで居たから中学生の自由研究で調べたから蘊蓄だけは知識あるのだよ。
桜、竜胆と言った花をモチーフにしたものから籠目、積石亀甲といった伝統的な模様も組み込まれている凝った作りには驚いたけど。ネットで調べた画像ではない本物は陰影どころかそれが落とす影までびっくりするくらいの美しさに思わず見とれていれば
「長沢さんは俺が生まれる遥か昔にうちに奉公に来てくれた方なんだ。
今は建具職人さんで京都に修行に行かれたていた昔ながらの職人さんだ」
まるで自分の祖父のように自慢した所で奥様がお茶を持って来てくれた。
「こちらは奥様のみち子さん。引退されても紙漉き職人で今は街の喫茶店のギャラリーで個展を開いたりするアーティストだよ」
「あらやだ。あーてぃすとだなんて恥ずかしい」
恥ずかしいと言うようにアーティストが日本語に訛ったように聞こえる音が柔らかくてつい和んでしまうかわいらしい奥様だった。
「そして彼は麓の家の側の家を借りてくれてる九条真君。
こっちに来て書道家だったお母様から学んだ書道をもう一度始めたみたいなので記念に床の間に飾る書を書いてもらう事になりまして」
枝豆のお礼にかけと言った言葉はなかったことになったらしい……
それどころか書道をもう一度始めたいなんて一言も言ってもないぞとつい視線で訴えるも綺麗にスルーされてしまった。
知ってたけどいい根性だよと今さら突っ込む事はしないが
「よかったら書道向けの紙があれば紙を分けていただけませんか?
取り寄せないといけないとか言っていたので」
まさかそれだけの為に非常識な時間に訪問したの?!
口を開いて何も言えないままそう問い質したかったがにこにことしている初対面の老夫婦の前で聞けるわけもなくって申し訳ない顔で無理やり笑ってしまうも
「あらあら、そういう事だったら古い紙がいっぱいあるわよ。
本番用には新しい綺麗な紙を用意してあげるからぜひ練習用に使ってちょうだい」
そう言ってすぐに立ってどこかへと向かってしまったけど数分もしないうちに戻ってきた手には紙の束があり
「古くて人様にお渡しできないものだけど練習するにはちょうどいい紙よ。
使い道のない紙だから安心して使っていいわよ。
そうだわ!掛け軸用の台紙も用意できるから遠慮なく相談してね」
「え、ええと……」
ひょっとしてこの為にわざわざ紙を漉くのかと戸惑ってしまうも
「無理なお願いをしてすみません」
当然ながらのように頭を下げながらも受ける大家さんの図太さを今は尊敬してしまう。いや、絶対尊敬は出来ない事だけど。
「気にしないで。弥生ちゃんにも褒めてもらえるくらい良い紙を用意するから。
九条さんも完成したら一度作品を見せてくださいね。
内容に沿ったものをご用意しますから」
柔らかく笑う顔だがその瞳の奥にはどんなものを持ってくるのか楽しみに輝かせているというか変なものを持ってくるなよと言うような輝きにきゅっとへその下あたりがすくみ上ってしまう。
「何を書くのか決まった時点でまた大きさとかご相談させていただきます」
「いつでもおまちしています。所で九条さんは書道を長くなさっているの?」
そんな探りに
「母が書道家だったので物心ついた時には書いていました。
それから中学を卒業するまで。あとは大学受験の為にやめてしまいましたが……
こちらに来て環境も変わりましたのでせっかくなら趣味を持とうかと畑を始めてみましたが昔習った習字も再び始めまして……」
にこにことした感心したと言う視線と大家のにやにやした視線。くそっ!大家の適当な言葉に乗ってやったよ!
「家が代々近所の神社に務める家系のせいか俺も御朱印を書く手伝いをしたりしていて……」
いらん事まで話してしまった。
だけど奥様はにこにことした顔をしたまま
「素敵だわ。一度止めてもまた始めれるなんて、お母様もさぞお喜びになるわね」
にこにことした顔を見て、これは簡単に止めれない事をなんとなく悟った所で
「では朝早くからお邪魔して申し訳ありません。そろそろお暇させていただきます」
なんて大家さんが立ち上がろうとしたところで
「九条の」
そうやって長沢さんに呼び止められた。
「は、はい!」
さっきまで黙っていたご主人に呼び止められて立ち上がりかけた腰を再び落ち着かせれば
「額縁用の作品も作ってきなさい。合わせて額を用意しよう」
「ええと……」
大家さんにどうすればと言うように視線を送れば
「でしたら、さっき九条がそこの障子の格子に見とれていたので枠のデザインは格子みたいなもので出来ますか?」
そんな何言っちゃってるの?的な大家さんの思い付きの発想に
「ほうほう、それは面白い。組木細工みたいな感じはどうだろうか」
「いいですねー。
漢詩でお願いしているので季節感に合わせたものなら楽しめましょう」
そんな大家の無茶ぶりに顔がほころぶ長沢夫妻。
大家さんってばちみっこ達だけに飽き足らず地元の人達まで手懐けているのかよと心の中で突っ込みながらも失礼させていただき俺達は再び車に乗って家ではない方へと向かい……
「よう燈火!新しい朝だぞー!」
二件目の家に向かうもなぜか取り出した鍵でよそ様の家へとずかずか上がりこんだと思えば大家さんはいきなり寝室まで突入した猛者だった。
声は年齢からか少しかすれているが背筋はピンと伸び、眼光は鋭いまま俺を見るものの大家さんを見たとたんまるで自分の孫でも見るかのように崩れて行った。
好々爺、そんな顔で出迎えてくれたお爺さんに
「みち子さんいる?ちょっと相談があるのですが」
言えば長沢さんと呼ばれたお爺さんは用事が自分で無いのが不満なのか少し顔をしかめて
「婆さん。吉野のがお呼びだ」
妙に仰々しい呼び方に一瞬顔をしかめてしまう。まるで実家に居るような固い言葉遣いに一瞬体がすくんでしまうもすぐにぱたぱたと響く足音が近づけば
「あらあらあら、綾人さんおはようございます。
朝ごはんはもうお済で?」
朝のご挨拶がご飯のおよばれだった。
「はい。しっかり食べてきましたので」
何時にご飯食べてるのこの人と聞きたかったけど俺はおよばれさりたいとは言えずに我慢をした。
「でしたらお茶でもどうぞ」
そう言って俺を連れて家の中に案内されればすごく居心地の良い客間へと通された。
美しい書院造の床の間に雪見障子の格子はこれでもかというくらい凝った幾何学模様はいくつものパターンを取り入れていた。
ふふふ、こう見えても古都に住んで居たから中学生の自由研究で調べたから蘊蓄だけは知識あるのだよ。
桜、竜胆と言った花をモチーフにしたものから籠目、積石亀甲といった伝統的な模様も組み込まれている凝った作りには驚いたけど。ネットで調べた画像ではない本物は陰影どころかそれが落とす影までびっくりするくらいの美しさに思わず見とれていれば
「長沢さんは俺が生まれる遥か昔にうちに奉公に来てくれた方なんだ。
今は建具職人さんで京都に修行に行かれたていた昔ながらの職人さんだ」
まるで自分の祖父のように自慢した所で奥様がお茶を持って来てくれた。
「こちらは奥様のみち子さん。引退されても紙漉き職人で今は街の喫茶店のギャラリーで個展を開いたりするアーティストだよ」
「あらやだ。あーてぃすとだなんて恥ずかしい」
恥ずかしいと言うようにアーティストが日本語に訛ったように聞こえる音が柔らかくてつい和んでしまうかわいらしい奥様だった。
「そして彼は麓の家の側の家を借りてくれてる九条真君。
こっちに来て書道家だったお母様から学んだ書道をもう一度始めたみたいなので記念に床の間に飾る書を書いてもらう事になりまして」
枝豆のお礼にかけと言った言葉はなかったことになったらしい……
それどころか書道をもう一度始めたいなんて一言も言ってもないぞとつい視線で訴えるも綺麗にスルーされてしまった。
知ってたけどいい根性だよと今さら突っ込む事はしないが
「よかったら書道向けの紙があれば紙を分けていただけませんか?
取り寄せないといけないとか言っていたので」
まさかそれだけの為に非常識な時間に訪問したの?!
口を開いて何も言えないままそう問い質したかったがにこにことしている初対面の老夫婦の前で聞けるわけもなくって申し訳ない顔で無理やり笑ってしまうも
「あらあら、そういう事だったら古い紙がいっぱいあるわよ。
本番用には新しい綺麗な紙を用意してあげるからぜひ練習用に使ってちょうだい」
そう言ってすぐに立ってどこかへと向かってしまったけど数分もしないうちに戻ってきた手には紙の束があり
「古くて人様にお渡しできないものだけど練習するにはちょうどいい紙よ。
使い道のない紙だから安心して使っていいわよ。
そうだわ!掛け軸用の台紙も用意できるから遠慮なく相談してね」
「え、ええと……」
ひょっとしてこの為にわざわざ紙を漉くのかと戸惑ってしまうも
「無理なお願いをしてすみません」
当然ながらのように頭を下げながらも受ける大家さんの図太さを今は尊敬してしまう。いや、絶対尊敬は出来ない事だけど。
「気にしないで。弥生ちゃんにも褒めてもらえるくらい良い紙を用意するから。
九条さんも完成したら一度作品を見せてくださいね。
内容に沿ったものをご用意しますから」
柔らかく笑う顔だがその瞳の奥にはどんなものを持ってくるのか楽しみに輝かせているというか変なものを持ってくるなよと言うような輝きにきゅっとへその下あたりがすくみ上ってしまう。
「何を書くのか決まった時点でまた大きさとかご相談させていただきます」
「いつでもおまちしています。所で九条さんは書道を長くなさっているの?」
そんな探りに
「母が書道家だったので物心ついた時には書いていました。
それから中学を卒業するまで。あとは大学受験の為にやめてしまいましたが……
こちらに来て環境も変わりましたのでせっかくなら趣味を持とうかと畑を始めてみましたが昔習った習字も再び始めまして……」
にこにことした感心したと言う視線と大家のにやにやした視線。くそっ!大家の適当な言葉に乗ってやったよ!
「家が代々近所の神社に務める家系のせいか俺も御朱印を書く手伝いをしたりしていて……」
いらん事まで話してしまった。
だけど奥様はにこにことした顔をしたまま
「素敵だわ。一度止めてもまた始めれるなんて、お母様もさぞお喜びになるわね」
にこにことした顔を見て、これは簡単に止めれない事をなんとなく悟った所で
「では朝早くからお邪魔して申し訳ありません。そろそろお暇させていただきます」
なんて大家さんが立ち上がろうとしたところで
「九条の」
そうやって長沢さんに呼び止められた。
「は、はい!」
さっきまで黙っていたご主人に呼び止められて立ち上がりかけた腰を再び落ち着かせれば
「額縁用の作品も作ってきなさい。合わせて額を用意しよう」
「ええと……」
大家さんにどうすればと言うように視線を送れば
「でしたら、さっき九条がそこの障子の格子に見とれていたので枠のデザインは格子みたいなもので出来ますか?」
そんな何言っちゃってるの?的な大家さんの思い付きの発想に
「ほうほう、それは面白い。組木細工みたいな感じはどうだろうか」
「いいですねー。
漢詩でお願いしているので季節感に合わせたものなら楽しめましょう」
そんな大家の無茶ぶりに顔がほころぶ長沢夫妻。
大家さんってばちみっこ達だけに飽き足らず地元の人達まで手懐けているのかよと心の中で突っ込みながらも失礼させていただき俺達は再び車に乗って家ではない方へと向かい……
「よう燈火!新しい朝だぞー!」
二件目の家に向かうもなぜか取り出した鍵でよそ様の家へとずかずか上がりこんだと思えば大家さんはいきなり寝室まで突入した猛者だった。
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