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無垢なる綿に包まれて 7
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カオスな飲み会の次の朝は飯田家の皆様と一緒に朝ご飯を頂いた。アイヴィーもこの頃にはすっきりと目を覚まし、十二時間ほど爆睡したおかげで時差ボケも無いようだった。
そんな俺達の目の前にはご飯に味噌汁にお浸しと干物。
昨日聞かされた干物事件もあってちらちらとこちらの干物は頂いても大丈夫ですかね?なんて視線で庵に聞けば
「ササガレイの干物美味しいね」
そんな気を配った言葉に
「近所の家からおすそ分けで貰った奴だ」
ふふんと嬉しそうに身をほぐして食べる様子に元々干物が好きなのねと手の込んだ料理を作るお父さんの意外な一面を見た。
飯田さんもだけど自分で食べる物は極力簡単な物が良いとか。
だけど俺は知っている。
飯田さん達の言う極力簡単な物は俺から見れば十分手の込んだお料理だと言う事を。
確かに干物一つとっても美味しいけどねと納得しながら食べる横でアイヴィーがナイフとフォークで綺麗に干物を食べていた。
その光景の方がお父さん方には斬新に見えたようで、庵なんか真似する様にフォークとナイフを取り出して来れば飯田さんもマウントを取るかのように取り出して来るのを見てお母さんは苦笑していた。
まあ、結果は考えるまでもなくフレンチで慣れている飯田さんがアイヴィー並み、いやそれ以上に綺麗に食べる様子を見せてくれた。ちなみに俺はスマホを取り出して飯田さんのお食事風景を撮影させてもらった。
『第一回兄弟バトル!干物でナイフとフォーク対決!!』
なタイトルで庵との対比を撮影する映像にはお父さんのちゃちゃが入ったりお母さんのへたくそーなんて笑い声が入ったりと微笑ましい家族の様子。更には飯田さんが庵にコツを教える声までしっかり入っていて対決にもならなかったけど、その後の動画にはチャレンジしてみたと言うコメントがいくつかはいるようになった。勿論英語とフランス語訳を入れてあるので海外の人からもやってみたと言う報告が入った。
関係ないけどオマケにお父さん達の食事風景を入れておいた。
美しい所作での綺麗な食べ方をするお母さんの食事風景に対比する様にお父さんは背びれ腹ビレを取って背骨を残すようにして身をぺろりと綺麗に取って食べる様子はほんと食べ慣れてると感心。
「焼方ひとつでこれだけ綺麗に身が外せるからな」
気取って食べるような物ではないと言う締めは皆さんからも拍手喝采だった。
俺?俺は撮影に忙しくて多分このメンツの中で一番普通の食べ方をしていた。箸と手を駆使して、それこそお父さんと似た食べ方だけど、それでも普通な食べ方だったので面白みがないので没案になった。
宮ちゃんちょっと俺寂しいですと言っておく。
賑やかな食卓風景が終われば後は観光。このまま失礼して夜には家に帰る予定なので
「お世話になりました」
『大切なお着物を着れて嬉しかったです。
本当のありがとうございました』
ご飯を食べたらお別れの挨拶。
アイヴィーを大変気に入ってしまったお母様はこのお別れを寂しそうにハグをしていたが
『また綾人さんと遊びにいらっしゃい。いつでも歓迎するわよ』
お嬢様育ちだったらしいお母様はしっかりと英語を勉強なされたと言う様に綺麗な英語での挨拶をそつなくこなしていた。
お父さんの方もそれなりに出来るらしいけど元々口数が少ない人なのでどこまでできるのかはわからないけどお母さんが居れば口を挟む隙なんてないだろうから問題ないだろう。なんだかんだ言って絶妙なバランスが取れてる家だなと感心せずにはいられない面白家族だ。
そんな別れを済ませば
「綾人さんとりあえずお任せで良いですかね?」
「お願いします!最後は伏見稲荷目指してお願いします!」
「了解です。では案内役任されました」
「薫お願いね。普通に観光人気がある所でいいから任せたわよ」
「って言うかお邪魔虫じゃね?」
なんて庵に言われるも飯田さんはにっこりと笑い
「俺も久しぶりに京都観光するだけなので楽しく行きましょう!」
俺の車を駐車場から持って来てくれた飯田さんは案内兼ドライバーを買って出てくれた。便利な事に一日保険に入り観光後の長距離運転をする俺の代わりに街中の運転に手を上げてくれたのは正直ありがたい。となれば素直に観光をしようと思えば全く問題ないと言う様に車はすべるように発進した。
金閣寺から始まって北野天満宮、京都御所、八坂神社、清水寺、東寺、伏見稲荷と巡る頃には結構な時間が経っていた。
急ぎ足で見る感じになってしまったが途中お薦めの美味しい湯豆腐を食べれるお店に案内してもらった。
まあ、案の定昨日の段階で予約してくれていたので顔なじみらしく丁寧なおもてなしを頂くのだが……
『飯田さん。俺豆腐料理を舐めてました』
『イイダ、このユバって言うの美味しいね!クリーミーで面白いわ!それにこのソイソースが濃厚で、ワサビがピリッと効いてほんと美味しいわ!』
『お気に召していただいて何よりです』
飯田さんお薦めにハズレがないって言うのは判ってたけど個室で美しい庭園を眺めながらのランチは満足以上だ。さらに言えば庭を挟んだ向こう側は他のお客様が順番待ちをしている様子すら見える中の優雅なお食事。優越感しかない。
店主でもある料理長がわざわざ挨拶に来てくれた辺りお父さんがここを予約してくれたと言うのが一番の理由だろう。
やだ、お父さんかっこいい……
いや、この場合怖いと言うべきだろうか。
うーん何て唸ってる間に
「薫さんもついに帰ってくる気になったんですか?」
「いえ、俺は東京でフレンチを続ける予定なので庵が引き継ぐはずですよ。今日は本当にこちらのお二方の案内役だけです」
「それは残念。昔炊事場で包丁の刃の研ぎが甘いと怒られた時はこの店は安泰だなって思ってましたのに。ああ、安泰と言えば庵さんに婚約者が出来たとかなんとか噂を聞きましたが?」
こんな所で飯田家に修行に来てた人と遭遇。と言うか飯田さん小さい頃からヤバいなと包丁の研ぎについて語る子供ってどうだろうと思いながら聞いていれば
「耳が早いですね。まだ決まったわけじゃないんですが近所の幼馴染の子と婚約されそうだって泣いて喚いてましたよ」
「あー、ひょっとして裏の神社の?」
「覚えてましたか。学校の校区違うので完全に家同士の繋がりと言うか親、いや、お袋同士の策略と言うか……」
「紗凪さん女の子欲しがってましたのはまだあきらめてなかったのですね」
雲行きが悪くなったと思ってか飯田さんは無言になって顔を歪めてしまった所で静かに笑いを零した店主は
「ではごゆっくり」
その言葉を最後に下がって行った。
店長の姿が見えなくなった所で
「庵の結婚の話聞いてないんだけど、って言うかそんな話が出てた所であの着物着て良かったの?!」
そんなプチパニック。
花嫁さんが着るべき晴れの衣装を直前で全く縁のない人間が着るって花嫁的にはどうよと思うも
「それは大丈夫かと思います」
しれっとした顔で湯豆腐を食べ、熱に打ち勝ってほっと口の中の熱気を吐きだした所で
「アヤさんのファンなので。
アヤさんの着た花嫁衣裳なら喜んでうちに来るだろうって親父から聞かされた時は鳥肌立ちましたね」
まさかの夫婦での策略。庵、逃げ道はもうないぞ……
「その子は何と結婚しようとしてるんだか……」
俺が着たと言うだけで結婚って決めれるのかと俺も鳥肌が立つ。だけど
「庵から聞いた話ではちゃんと画面越しのアイドルらしいので。ただうちと懇意にしてると言う話しを動画で知ってしまってるので、そこからまた庵との交流が始まってお互いいい年だから結婚しちゃえばって流れになったそうです」
「いおりん不憫w」
「向こうも結構なお家なので一応お見合いと言う形をとるそうですが」
「これほど無意味なお見合いって聞いた事ないなwww」
他人事なのでげらげらと笑いながら俺はアイヴィーに飯田さんの弟がひょっとしたらもうすぐ結婚するかもしれないと話しをしてあの花嫁衣装を着るらしいと言う事を説明した。勿論アイヴィーもそんな事になってるのに大切な花嫁衣装を着せてもらっていいのかとビビっていたが
「まぁ、今はやってないけど昔はあの衣装を着て家で結婚式をしていたと言う位だからそこまで神聖視化しなくても良いですよ」
「とは言っても……」
本当に良いのかと思うも飯田さんはにこりと笑い
「白無垢も素敵な物ですが綾人さんが着た西陣織の色打掛、あれ軽く高級車が買えるお値段です」
「……」
一瞬意識が飛んだ。
色々な高級品を手にしてきたつもりだけどこれはこれでなにを聞いたのかよくわからなかった。着物一枚に飯田さんが出した指の数は百万単位ではないだろう。それくらいの審美眼は養って来た俺に自分を落ち着ける為に息を深く吸い込んで
「片手位で良かったと思います」
現実逃避をしながらゆっくりと吐き出しながらも動揺して豆腐を箸ですくえなくなった俺に飯田さんは笑う辺り意地が悪いよなと睨みながら箸からスプーンに切り替える事しか今の俺にはできなかったぐらい動揺しまくりだった。
そんな俺達の目の前にはご飯に味噌汁にお浸しと干物。
昨日聞かされた干物事件もあってちらちらとこちらの干物は頂いても大丈夫ですかね?なんて視線で庵に聞けば
「ササガレイの干物美味しいね」
そんな気を配った言葉に
「近所の家からおすそ分けで貰った奴だ」
ふふんと嬉しそうに身をほぐして食べる様子に元々干物が好きなのねと手の込んだ料理を作るお父さんの意外な一面を見た。
飯田さんもだけど自分で食べる物は極力簡単な物が良いとか。
だけど俺は知っている。
飯田さん達の言う極力簡単な物は俺から見れば十分手の込んだお料理だと言う事を。
確かに干物一つとっても美味しいけどねと納得しながら食べる横でアイヴィーがナイフとフォークで綺麗に干物を食べていた。
その光景の方がお父さん方には斬新に見えたようで、庵なんか真似する様にフォークとナイフを取り出して来れば飯田さんもマウントを取るかのように取り出して来るのを見てお母さんは苦笑していた。
まあ、結果は考えるまでもなくフレンチで慣れている飯田さんがアイヴィー並み、いやそれ以上に綺麗に食べる様子を見せてくれた。ちなみに俺はスマホを取り出して飯田さんのお食事風景を撮影させてもらった。
『第一回兄弟バトル!干物でナイフとフォーク対決!!』
なタイトルで庵との対比を撮影する映像にはお父さんのちゃちゃが入ったりお母さんのへたくそーなんて笑い声が入ったりと微笑ましい家族の様子。更には飯田さんが庵にコツを教える声までしっかり入っていて対決にもならなかったけど、その後の動画にはチャレンジしてみたと言うコメントがいくつかはいるようになった。勿論英語とフランス語訳を入れてあるので海外の人からもやってみたと言う報告が入った。
関係ないけどオマケにお父さん達の食事風景を入れておいた。
美しい所作での綺麗な食べ方をするお母さんの食事風景に対比する様にお父さんは背びれ腹ビレを取って背骨を残すようにして身をぺろりと綺麗に取って食べる様子はほんと食べ慣れてると感心。
「焼方ひとつでこれだけ綺麗に身が外せるからな」
気取って食べるような物ではないと言う締めは皆さんからも拍手喝采だった。
俺?俺は撮影に忙しくて多分このメンツの中で一番普通の食べ方をしていた。箸と手を駆使して、それこそお父さんと似た食べ方だけど、それでも普通な食べ方だったので面白みがないので没案になった。
宮ちゃんちょっと俺寂しいですと言っておく。
賑やかな食卓風景が終われば後は観光。このまま失礼して夜には家に帰る予定なので
「お世話になりました」
『大切なお着物を着れて嬉しかったです。
本当のありがとうございました』
ご飯を食べたらお別れの挨拶。
アイヴィーを大変気に入ってしまったお母様はこのお別れを寂しそうにハグをしていたが
『また綾人さんと遊びにいらっしゃい。いつでも歓迎するわよ』
お嬢様育ちだったらしいお母様はしっかりと英語を勉強なされたと言う様に綺麗な英語での挨拶をそつなくこなしていた。
お父さんの方もそれなりに出来るらしいけど元々口数が少ない人なのでどこまでできるのかはわからないけどお母さんが居れば口を挟む隙なんてないだろうから問題ないだろう。なんだかんだ言って絶妙なバランスが取れてる家だなと感心せずにはいられない面白家族だ。
そんな別れを済ませば
「綾人さんとりあえずお任せで良いですかね?」
「お願いします!最後は伏見稲荷目指してお願いします!」
「了解です。では案内役任されました」
「薫お願いね。普通に観光人気がある所でいいから任せたわよ」
「って言うかお邪魔虫じゃね?」
なんて庵に言われるも飯田さんはにっこりと笑い
「俺も久しぶりに京都観光するだけなので楽しく行きましょう!」
俺の車を駐車場から持って来てくれた飯田さんは案内兼ドライバーを買って出てくれた。便利な事に一日保険に入り観光後の長距離運転をする俺の代わりに街中の運転に手を上げてくれたのは正直ありがたい。となれば素直に観光をしようと思えば全く問題ないと言う様に車はすべるように発進した。
金閣寺から始まって北野天満宮、京都御所、八坂神社、清水寺、東寺、伏見稲荷と巡る頃には結構な時間が経っていた。
急ぎ足で見る感じになってしまったが途中お薦めの美味しい湯豆腐を食べれるお店に案内してもらった。
まあ、案の定昨日の段階で予約してくれていたので顔なじみらしく丁寧なおもてなしを頂くのだが……
『飯田さん。俺豆腐料理を舐めてました』
『イイダ、このユバって言うの美味しいね!クリーミーで面白いわ!それにこのソイソースが濃厚で、ワサビがピリッと効いてほんと美味しいわ!』
『お気に召していただいて何よりです』
飯田さんお薦めにハズレがないって言うのは判ってたけど個室で美しい庭園を眺めながらのランチは満足以上だ。さらに言えば庭を挟んだ向こう側は他のお客様が順番待ちをしている様子すら見える中の優雅なお食事。優越感しかない。
店主でもある料理長がわざわざ挨拶に来てくれた辺りお父さんがここを予約してくれたと言うのが一番の理由だろう。
やだ、お父さんかっこいい……
いや、この場合怖いと言うべきだろうか。
うーん何て唸ってる間に
「薫さんもついに帰ってくる気になったんですか?」
「いえ、俺は東京でフレンチを続ける予定なので庵が引き継ぐはずですよ。今日は本当にこちらのお二方の案内役だけです」
「それは残念。昔炊事場で包丁の刃の研ぎが甘いと怒られた時はこの店は安泰だなって思ってましたのに。ああ、安泰と言えば庵さんに婚約者が出来たとかなんとか噂を聞きましたが?」
こんな所で飯田家に修行に来てた人と遭遇。と言うか飯田さん小さい頃からヤバいなと包丁の研ぎについて語る子供ってどうだろうと思いながら聞いていれば
「耳が早いですね。まだ決まったわけじゃないんですが近所の幼馴染の子と婚約されそうだって泣いて喚いてましたよ」
「あー、ひょっとして裏の神社の?」
「覚えてましたか。学校の校区違うので完全に家同士の繋がりと言うか親、いや、お袋同士の策略と言うか……」
「紗凪さん女の子欲しがってましたのはまだあきらめてなかったのですね」
雲行きが悪くなったと思ってか飯田さんは無言になって顔を歪めてしまった所で静かに笑いを零した店主は
「ではごゆっくり」
その言葉を最後に下がって行った。
店長の姿が見えなくなった所で
「庵の結婚の話聞いてないんだけど、って言うかそんな話が出てた所であの着物着て良かったの?!」
そんなプチパニック。
花嫁さんが着るべき晴れの衣装を直前で全く縁のない人間が着るって花嫁的にはどうよと思うも
「それは大丈夫かと思います」
しれっとした顔で湯豆腐を食べ、熱に打ち勝ってほっと口の中の熱気を吐きだした所で
「アヤさんのファンなので。
アヤさんの着た花嫁衣裳なら喜んでうちに来るだろうって親父から聞かされた時は鳥肌立ちましたね」
まさかの夫婦での策略。庵、逃げ道はもうないぞ……
「その子は何と結婚しようとしてるんだか……」
俺が着たと言うだけで結婚って決めれるのかと俺も鳥肌が立つ。だけど
「庵から聞いた話ではちゃんと画面越しのアイドルらしいので。ただうちと懇意にしてると言う話しを動画で知ってしまってるので、そこからまた庵との交流が始まってお互いいい年だから結婚しちゃえばって流れになったそうです」
「いおりん不憫w」
「向こうも結構なお家なので一応お見合いと言う形をとるそうですが」
「これほど無意味なお見合いって聞いた事ないなwww」
他人事なのでげらげらと笑いながら俺はアイヴィーに飯田さんの弟がひょっとしたらもうすぐ結婚するかもしれないと話しをしてあの花嫁衣装を着るらしいと言う事を説明した。勿論アイヴィーもそんな事になってるのに大切な花嫁衣装を着せてもらっていいのかとビビっていたが
「まぁ、今はやってないけど昔はあの衣装を着て家で結婚式をしていたと言う位だからそこまで神聖視化しなくても良いですよ」
「とは言っても……」
本当に良いのかと思うも飯田さんはにこりと笑い
「白無垢も素敵な物ですが綾人さんが着た西陣織の色打掛、あれ軽く高級車が買えるお値段です」
「……」
一瞬意識が飛んだ。
色々な高級品を手にしてきたつもりだけどこれはこれでなにを聞いたのかよくわからなかった。着物一枚に飯田さんが出した指の数は百万単位ではないだろう。それくらいの審美眼は養って来た俺に自分を落ち着ける為に息を深く吸い込んで
「片手位で良かったと思います」
現実逃避をしながらゆっくりと吐き出しながらも動揺して豆腐を箸ですくえなくなった俺に飯田さんは笑う辺り意地が悪いよなと睨みながら箸からスプーンに切り替える事しか今の俺にはできなかったぐらい動揺しまくりだった。
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