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無垢なる綿に包まれて 6
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夜、アイヴィーは客間に泊めてもらい、未婚の男女同室で寝るべからずと言うか人様の家でさすがにないわーな家訓を持つ飯田家で俺は飯田さんの部屋にお泊りする事になった。
「蒸し返して申し訳ないのですが従弟とはもう本当に大丈夫ですか?」
心配げな飯田さんに
「圭斗の所で預かってもらってる。ほら、園芸部が寝泊まりしてる社宅に凛ちゃん用に作った部屋があるから。荷物とかは全部そこに入れたし、案外要領の良い奴だから圭斗のお世話も問題なくやるだろうし。何より園芸部がいろいろ仕事教えてるみたいだから、アイツのバカさ加減がちょうどいいだろう」
「そうですか」
どこか納得できないでいるように
「ままならないですね」
「まあね。半分は自業自得だけど、先生にも言われたけど陽菜と夏樹とも何とかなりかけてるから時間をかけてゆっくり修復しろってさ」
「俺も同じ意見です。
ひょっとしたら浩志君もいずれ結婚するだろうし、その時親族代表で紹介される時までに落ち着いて話が出来れば良いでしょう」
「まあね。とりあえず高認とって職業訓練じゃないけど専門学校で手に職を得れればいいと思う。そうしたら後は浩志の人生だからな。奪われるだけの人生にならなければ俺は何も言わない」
「簡単そうで一番難しい事をさらりと要求しますね」
「俺はそれだけの事をやるって事だよ」
こっちは克服できてないトラウマの中で何とかしようと踏ん張ったのだ。
全く持ってダメダメだったが、会えてなかった時間を埋めるように色々と話をしてきた。
やってきたバイトの事から受けた嫌がらせの数々。実家での暮らしや散り散りになった家族の事も。
聞けば淡々と語る浩志に俺よりもカウンセラーが必用だろうと思うも既に病院のロビーで藤原先生のカウンセリングを受ける事を約束したと先生が後から教えてくれた。
俺の場合は俺が拒否しているのもあるけど、今までわりと問題なくやって来れたのだ。藤原先生も入院までする必要ないのだろうと判断してくれたと信じておく事にする。
手に負えないから私の病院に来ないでね何て思ってないと信じたい。
なんだかんだ長い付き合いなのでお互いの事はなんとなくわかっている。
藤原先生ははた目から見れば絶対いい先生とは思えない。
人の話しを適当に聞くだけだし真面目に話をしてもふんふんと言うだけで真面目に取り合ってはくれない。
ネガティブな患者に飲まれない為の対策だが、真剣に訴える側からしたら失礼以外でもなく、だけど今振り返ればどちらの味方にもなる事なく淡々とした割り切った態度こそ医者としての正しい姿だと気が付いた。
今考えればお互いが異常な精神状態だったからね。伯父を含めて誰一人まともじゃない一家の面倒を見る事になった藤原先生も頭を抱えただろう。さらに高額の寄付を押し付けてくるのだから手におえないと判断されたのかも知れない。
うん。確実に性質が悪いのは俺だったなと今更ながら気が付いて苦笑いしてしまえば
「どちらにしてもあいつを受け入れた以上立派な社畜としてどこぞの会社に納品できれば俺のミッションは終わりだから問題ないよ」
「ならいいのですがね」
きっと親戚づきあいでいろいろ大変な思いをして来ただろう料亭の長男はそんな簡単じゃないと言うような言葉にだから青山さんの所に居るのかなとなんとなく思っていれば
「兄さんお邪魔するよ」
「ん?庵?」
ドアを開けて入って来た庵の手には
「親父が持って行けって。
今日の残りのお酒と親父が作ってた肴のおすそ分け」
「またいいお酒を」
「お酒より肴の方が気になる!」
強いていた布団を簡単に三つ折りにして部屋の隅の寄せれば三人でお酒を囲むようにして座り
「アイヴィーさんだっけ?呼んで来ましょうか?」
「ん?さすがに疲れたらしいからもう寝てるよ」
長距離移動とお母さんの着せ替え人形役、そして呑みなれない日本酒に布団を見せれば吸い込まれるようにして入って行ったのを見て電気を消して後はお母さんにお願いしたのだ。
さすがに連れまわし過ぎたかと反省しながらも
「「「カンパーイ」」」
カチンと冷酒用のグラスをかちりと合わせて最初の一口目を楽しむ様に口に含めば
「綾人さんは病み上がりだからほどほどにしてくださいよ」
心配性の飯田さんのお小言が飛んで俺と庵とで目を合わせて笑う。
どうやらこのお兄ちゃんは誰が相手でもこれが通常らしい。
俺は箸を手にして銀杏の素揚げを口へと運ぶ。
やっぱりこの時期の銀杏最高!ほくほくの木の実は表面が焼目も付いていて香ばしくてたまらない。
思わずにやけてしまう合間に飯田さんは砂肝のスライスを塩コショウしてカリカリに焼いた物を摘まんで口に運んでいれば
「それにしても随分やせたね」
「んー、まあ。不摂生してた頃に逆戻りだよ」
「ふつうそれって太りません?」
そんな疑問に
「料理とかまだ自炊しようとか考えてなかったからね。冷食とかで乗り切ろうと言う涙ぐましい事をしてたら、まあ、あの時も体調悪かったおかげで宮下のおばさんに随分叱られたよ」
『綾人君、おばさんより軽かったら許さないわよ!』
そんな恨まれた目で睨まれたなんて可愛い物じゃないさっきを覚えながらゴミだしのめんどくささもあって自炊するきっかけとなったが
「ラーメンとか簡単なもの位は作れただろ?」
「最低限バアちゃんに仕込まれたよ。だけど気力って言うのがないからな。とにかく胃に納まればいいって言う状況だった」
「よくありません。
ちょうどその頃綾人さんと知り合いになったんだけど、あまりの寂しい冷蔵庫に何か持ってきて置いて行かないとって焦りましたね。
想像が付くか?冷凍庫の中は冷食以外は炊いたご飯の残りと冷凍うどんしかないし、冷蔵庫の中はバターとカビの生えたジャムしかなかったんだから」
「いや、それで人間生きてけるの?」
真顔で聞く庵だったが
「だから俺の趣味も兼ねて冷蔵庫に山ほど煮物とか常備菜を置いておくようにしたんだよ。ちゃんと食べてくれたから安心したけど、あの時も酷かったけど今回は食べれなかったって言うんだから」
「いいえ、飯田さんのポテトグラタンパイはぺろりとイケましたので全然問題ありません。お父さんのご飯も美味しく頂けましたので俺超元気です」
「そんないい顔してもだめですよ」
騙されませんと言う様にお酒を見ずのように煽る飯田さんには何も言わないでいれば、同じようにお酒を呑む酒豪一家の末っ子はふと小首を傾げて
「そう言えば前から思ってたんだけど綾人さんはどうして父さんの事をお父さんよびしてるんだ?」
ささやかな疑問か子供としての嫉妬か何てアラサー男の疑問に少し勘ぐってしまうも答えはとてもシンプルだ。
「ほら、前に来た時人がいっぱいいたでしょ?
そんな時に飯田さんのお父さんって一々呼ぶの面倒じゃん。
一応親子で来た時の呼び方は名前で呼んだり親の方を苗字で呼んで子供の名前で呼んだりとか分けてたつもりだけど、飯田家の人達って何かそんな適当な呼び方ってしにくいって言うかさ。
俺が飯田さんって呼ぶのに慣れちゃってるから略してお父さん、お母さんって呼んでるだけだよ」
因みにその呼び方を察してくれているお二方はまんざらでもないと言う様に一度も訂正された覚えはない。その証拠に今回可愛い娘が出来たと喜ばれる始末。いや、ひょっとしてこれは密かに怒られてるのだろうかと悩むも
「そんなわけだから嫉妬しなくていいぞ?」
「いや、この年で嫉妬しないし」
そんな反応と反論に思わず失笑。
なんとなく親友の一人を思い浮かべ、そんな親友と今も仲良く交流を持っている理由も納得できる。
「所でさ、この間宮下と一緒に釣りに行ってたじゃん。その時のふぐはどうなった?二十匹ばかり連れた時あっただろ?」
「んなの全部捌いて干物にしたら父さんが全部食べたよ」
まさかの出来事。
意外だと思うも
「買うと高いからね。また釣って来いって言うけどさ。
宮下が釣って俺が捌いて父さんが食べるって俺ぜんぜん楽しくないんだけど!」
「まぁ、ふぐを捌くのが上達していいだろ?数をこなすのが上達の一歩だ。俺も青山に泣いたくらいやらされたよ」
「俺は釣りたいし食べたいって言ってるんだ」
しくしくと泣きながら日本酒を煽りだした。
と言うかこの家は笑い上戸に泣き上戸が居るってどうなんだよと思う合間にも手酌でどんどん飲んでいくのをみて
「泣き上戸のザルってめんどくさいですね」
「親父も一緒に飲まない理由です。だけど体質は母さんに似てるのでそのうち寝るので他っておいても大丈夫ですよ」
だけどそれまでわりと飲むので足りないだろうからとお父さんのコレクションから失敬してきますねとさらりと言う飯田さんも大概酷いなと思うすぐ横の酔っ払いはやりたい放題なお父さんの実態の話しを始め、それを聞いてるうちに飯田さんと何が違うのだろうかと疑問を抱いた俺は子は親を見て真似るって言葉にこれが!と言う驚きを覚えた。
「蒸し返して申し訳ないのですが従弟とはもう本当に大丈夫ですか?」
心配げな飯田さんに
「圭斗の所で預かってもらってる。ほら、園芸部が寝泊まりしてる社宅に凛ちゃん用に作った部屋があるから。荷物とかは全部そこに入れたし、案外要領の良い奴だから圭斗のお世話も問題なくやるだろうし。何より園芸部がいろいろ仕事教えてるみたいだから、アイツのバカさ加減がちょうどいいだろう」
「そうですか」
どこか納得できないでいるように
「ままならないですね」
「まあね。半分は自業自得だけど、先生にも言われたけど陽菜と夏樹とも何とかなりかけてるから時間をかけてゆっくり修復しろってさ」
「俺も同じ意見です。
ひょっとしたら浩志君もいずれ結婚するだろうし、その時親族代表で紹介される時までに落ち着いて話が出来れば良いでしょう」
「まあね。とりあえず高認とって職業訓練じゃないけど専門学校で手に職を得れればいいと思う。そうしたら後は浩志の人生だからな。奪われるだけの人生にならなければ俺は何も言わない」
「簡単そうで一番難しい事をさらりと要求しますね」
「俺はそれだけの事をやるって事だよ」
こっちは克服できてないトラウマの中で何とかしようと踏ん張ったのだ。
全く持ってダメダメだったが、会えてなかった時間を埋めるように色々と話をしてきた。
やってきたバイトの事から受けた嫌がらせの数々。実家での暮らしや散り散りになった家族の事も。
聞けば淡々と語る浩志に俺よりもカウンセラーが必用だろうと思うも既に病院のロビーで藤原先生のカウンセリングを受ける事を約束したと先生が後から教えてくれた。
俺の場合は俺が拒否しているのもあるけど、今までわりと問題なくやって来れたのだ。藤原先生も入院までする必要ないのだろうと判断してくれたと信じておく事にする。
手に負えないから私の病院に来ないでね何て思ってないと信じたい。
なんだかんだ長い付き合いなのでお互いの事はなんとなくわかっている。
藤原先生ははた目から見れば絶対いい先生とは思えない。
人の話しを適当に聞くだけだし真面目に話をしてもふんふんと言うだけで真面目に取り合ってはくれない。
ネガティブな患者に飲まれない為の対策だが、真剣に訴える側からしたら失礼以外でもなく、だけど今振り返ればどちらの味方にもなる事なく淡々とした割り切った態度こそ医者としての正しい姿だと気が付いた。
今考えればお互いが異常な精神状態だったからね。伯父を含めて誰一人まともじゃない一家の面倒を見る事になった藤原先生も頭を抱えただろう。さらに高額の寄付を押し付けてくるのだから手におえないと判断されたのかも知れない。
うん。確実に性質が悪いのは俺だったなと今更ながら気が付いて苦笑いしてしまえば
「どちらにしてもあいつを受け入れた以上立派な社畜としてどこぞの会社に納品できれば俺のミッションは終わりだから問題ないよ」
「ならいいのですがね」
きっと親戚づきあいでいろいろ大変な思いをして来ただろう料亭の長男はそんな簡単じゃないと言うような言葉にだから青山さんの所に居るのかなとなんとなく思っていれば
「兄さんお邪魔するよ」
「ん?庵?」
ドアを開けて入って来た庵の手には
「親父が持って行けって。
今日の残りのお酒と親父が作ってた肴のおすそ分け」
「またいいお酒を」
「お酒より肴の方が気になる!」
強いていた布団を簡単に三つ折りにして部屋の隅の寄せれば三人でお酒を囲むようにして座り
「アイヴィーさんだっけ?呼んで来ましょうか?」
「ん?さすがに疲れたらしいからもう寝てるよ」
長距離移動とお母さんの着せ替え人形役、そして呑みなれない日本酒に布団を見せれば吸い込まれるようにして入って行ったのを見て電気を消して後はお母さんにお願いしたのだ。
さすがに連れまわし過ぎたかと反省しながらも
「「「カンパーイ」」」
カチンと冷酒用のグラスをかちりと合わせて最初の一口目を楽しむ様に口に含めば
「綾人さんは病み上がりだからほどほどにしてくださいよ」
心配性の飯田さんのお小言が飛んで俺と庵とで目を合わせて笑う。
どうやらこのお兄ちゃんは誰が相手でもこれが通常らしい。
俺は箸を手にして銀杏の素揚げを口へと運ぶ。
やっぱりこの時期の銀杏最高!ほくほくの木の実は表面が焼目も付いていて香ばしくてたまらない。
思わずにやけてしまう合間に飯田さんは砂肝のスライスを塩コショウしてカリカリに焼いた物を摘まんで口に運んでいれば
「それにしても随分やせたね」
「んー、まあ。不摂生してた頃に逆戻りだよ」
「ふつうそれって太りません?」
そんな疑問に
「料理とかまだ自炊しようとか考えてなかったからね。冷食とかで乗り切ろうと言う涙ぐましい事をしてたら、まあ、あの時も体調悪かったおかげで宮下のおばさんに随分叱られたよ」
『綾人君、おばさんより軽かったら許さないわよ!』
そんな恨まれた目で睨まれたなんて可愛い物じゃないさっきを覚えながらゴミだしのめんどくささもあって自炊するきっかけとなったが
「ラーメンとか簡単なもの位は作れただろ?」
「最低限バアちゃんに仕込まれたよ。だけど気力って言うのがないからな。とにかく胃に納まればいいって言う状況だった」
「よくありません。
ちょうどその頃綾人さんと知り合いになったんだけど、あまりの寂しい冷蔵庫に何か持ってきて置いて行かないとって焦りましたね。
想像が付くか?冷凍庫の中は冷食以外は炊いたご飯の残りと冷凍うどんしかないし、冷蔵庫の中はバターとカビの生えたジャムしかなかったんだから」
「いや、それで人間生きてけるの?」
真顔で聞く庵だったが
「だから俺の趣味も兼ねて冷蔵庫に山ほど煮物とか常備菜を置いておくようにしたんだよ。ちゃんと食べてくれたから安心したけど、あの時も酷かったけど今回は食べれなかったって言うんだから」
「いいえ、飯田さんのポテトグラタンパイはぺろりとイケましたので全然問題ありません。お父さんのご飯も美味しく頂けましたので俺超元気です」
「そんないい顔してもだめですよ」
騙されませんと言う様にお酒を見ずのように煽る飯田さんには何も言わないでいれば、同じようにお酒を呑む酒豪一家の末っ子はふと小首を傾げて
「そう言えば前から思ってたんだけど綾人さんはどうして父さんの事をお父さんよびしてるんだ?」
ささやかな疑問か子供としての嫉妬か何てアラサー男の疑問に少し勘ぐってしまうも答えはとてもシンプルだ。
「ほら、前に来た時人がいっぱいいたでしょ?
そんな時に飯田さんのお父さんって一々呼ぶの面倒じゃん。
一応親子で来た時の呼び方は名前で呼んだり親の方を苗字で呼んで子供の名前で呼んだりとか分けてたつもりだけど、飯田家の人達って何かそんな適当な呼び方ってしにくいって言うかさ。
俺が飯田さんって呼ぶのに慣れちゃってるから略してお父さん、お母さんって呼んでるだけだよ」
因みにその呼び方を察してくれているお二方はまんざらでもないと言う様に一度も訂正された覚えはない。その証拠に今回可愛い娘が出来たと喜ばれる始末。いや、ひょっとしてこれは密かに怒られてるのだろうかと悩むも
「そんなわけだから嫉妬しなくていいぞ?」
「いや、この年で嫉妬しないし」
そんな反応と反論に思わず失笑。
なんとなく親友の一人を思い浮かべ、そんな親友と今も仲良く交流を持っている理由も納得できる。
「所でさ、この間宮下と一緒に釣りに行ってたじゃん。その時のふぐはどうなった?二十匹ばかり連れた時あっただろ?」
「んなの全部捌いて干物にしたら父さんが全部食べたよ」
まさかの出来事。
意外だと思うも
「買うと高いからね。また釣って来いって言うけどさ。
宮下が釣って俺が捌いて父さんが食べるって俺ぜんぜん楽しくないんだけど!」
「まぁ、ふぐを捌くのが上達していいだろ?数をこなすのが上達の一歩だ。俺も青山に泣いたくらいやらされたよ」
「俺は釣りたいし食べたいって言ってるんだ」
しくしくと泣きながら日本酒を煽りだした。
と言うかこの家は笑い上戸に泣き上戸が居るってどうなんだよと思う合間にも手酌でどんどん飲んでいくのをみて
「泣き上戸のザルってめんどくさいですね」
「親父も一緒に飲まない理由です。だけど体質は母さんに似てるのでそのうち寝るので他っておいても大丈夫ですよ」
だけどそれまでわりと飲むので足りないだろうからとお父さんのコレクションから失敬してきますねとさらりと言う飯田さんも大概酷いなと思うすぐ横の酔っ払いはやりたい放題なお父さんの実態の話しを始め、それを聞いてるうちに飯田さんと何が違うのだろうかと疑問を抱いた俺は子は親を見て真似るって言葉にこれが!と言う驚きを覚えた。
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