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予想外は本当に無防備な想定外で俺を巻き込むなと言いたいけど何故あとヨロで済ますと怒りながらも付き合う俺素敵だと思う 2
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人の込み合う待ち合わせ場所で両サイドから茉希と慧のハグに潰されるようにどら焼きのあんこの気分を味わっていれば
「じゃあ、そろそろ行ってもいいか綾人?」
「ああ、じゃあまたな。空、海兄とおばさん達に元気してますって伝えて置いて」
手を振りながら何故か羽交い絞めにされている委員長を見て爽やかに笑って振り返った直後
「えー!うそーっ!!!
綾様がいるー!やだー!生綾様ー!お久しぶりですぅー!!!」
謎のテンションとどこか芝居じみた大きな声にぎょっとすれば満面の笑顔の波瑠さんが多紀さんとチョリを連れてやって来た。
やだ、何この貫禄。
三人揃ってうろちょろしたら怖いじゃん。
茉希も慧もぎょっとしたように俺から離れ、俺も思わず蓮司の影に隠れてしまうもそこは波瑠さん。
蓮司の腕をグッと引っ張って退けた勢いで俺に抱き着いてきた。
「あー、この抱き心地綾様だー!間違いなしー!イギリスから帰って来てたんだね!お帰り!」
なんて言いながらも次の瞬間
「所で何で蓮司君に連絡して私には連絡しないの?」
「ええと、もう明日には山に帰るつもりだから……」
「じゃあ今夜は波瑠さんとご飯食べようね!多紀さんと昌君もおまけについて来るけどいいよね?」
チョンと小首かしげて疑問形でも命令形の波瑠さん。器用だ…… じゃなくって
「多紀さんとチョリさんがおまけって……」
「あ、二人じゃ足りなかったら瀬野さんも呼ぶから。
慧君、お爺ちゃんが一緒でもいいよね?」
「ええと、はい」
まさかの血縁。と言うかまさかのラスボス。慧の意見はあってない物だった。が
「いえ、多紀さんとチョリだけで十分ですのでお忙しい瀬野さんのお時間まで貰うわけにはいきません」
「そう?瀬野さんかなり綾様にご執心なんだけど?」
「いえ、俺今更社会人無理なのはわかったので問題ありません」
速攻でお断り。
と言うか、何でここに波瑠さん達がいるのかなんとなく理解できた。
蓮司の出生問題で沸き上がった芸能界の裏垢問題。
蓮司達が所属する事務所の瀬野さんはスマホの取り扱い方で孫の慧のプライバシーはないと言うくらいしっかりと覗き見していると俺は見た。
だから蓮司に誘われた慧とのメールのやり取りに瀬野さんが波瑠さん達を出動させたのだろう。勿論詳しい話は多分蓮司とのやり取りから。むしろ蓮司が応援を頼んだと言うくらいのタイミングの良さだが、込み入った事は履歴は残れど内容は残らない通話で済ませているので知られる事はない。だけど今回はメールでやり取りしてて……
この会社結構ヤバいな。
正直助かったと言うか十年以上音信不通の昔の知り合い何て今更何を話せばいいのかと思う所でのタイミングだったからありがたかったけど。
「そうか。そうだよね。お城をポンと買っちゃう綾様が企業の下僕になるって言うのも変な話だもんね」
うんうんと大きく頷きながらも
「そうだ!夜まで待ってられないから波瑠さん達今から多紀さんとご飯食べに行くんだけど一緒に行こう?
みんなもゆっくりした所で留学の話聞きたいだろうし、どうせ聞くなら一緒に聞きたいし!フランスのお城の話しも聞きたいから!
大広間の完成披露会の話し詳しく聞かせてほしいんだからぁ!
多紀さんと昌君だけ呼んでずーるーいー!」
「ずるいって波瑠さん仕事だったんじゃ……」
「細かい事は置いておいて、ほらほら、みんな行くよ!」
なんて言いながらこの近くのホテルのレストランで個室を取ったから行くよと俺の腕に腕をからませての強制連行。
これぞドナドナ。
誰も止めてくれないし助けようともしてくれない。
俺もそっちについて行きたいとぼやく猛者も居たが大半は波瑠さんの勢いにあっけにとられて何も言えずに見送るだけの同級生達。当然俺の意識ももうそちらには向いてない。
「綾人君悪いね。波瑠ちゃんがこうなったらもう俺達何も意見言えないから」
「やだー多紀さんってば。
波瑠さんは撮影の時は多紀さんに意見言わないわよ?」
「それが多紀さん怖がってる理由だよ」
「昌君ってば冗談上手いんだから。さあ、とりあえずご飯にしよう!今日のお昼は中華だよ!」
さあついて来いと手を振り上げたその姿はまるで逃げるんじゃないぞと言う様にも聞こえて、せっかく蓮司がいろいろ予定を組んでくれたと言っていたのに誰も反対はしなかった。
いや、できなかったと言うべきだろう。
エレベータに並べば皆さん譲ってくれるしまう。そして一緒に乗ってくれない謎の距離感。そりゃこのコユイ人達が並べば逃げたくもなる。って言うか何で一般市民の俺だけが混ざっているかという不思議。おかげでエレベータ泊まっても誰も乗ってこないと言う素敵空間を保ったまま上昇して行ったけど……
やがて辿り着いたフロアの通された中華店の個室に案内されて
「あれが綾人君の同級生ね……
なんかー、レベルが合ってないかんじー?あ、ごめんね。お友達の事悪く言っちゃって」
「いえ、友達って言うか、偶然会うまで存在忘れていた奴らでしたから……
「そう?だったら問題ないね」
「はい」
「じゃあ安心してどんどん食べるよー!昌君エビチリとって!」
蓮司達はとりあえずビールでと一気に煽る様子は俺も同様。波瑠さんが選んでくれたメニューは止まる事無く次々とやってきて円卓の中華テーブルがくるくると回る。
「ほらほら茉希ちゃんもしっかり食べてる?私達は食べるのも仕事よ」
「ううう、綾人さんより私食べてる。美味しいからお箸が止まらないのが悔しいけど食べちゃうんだから」
「あ、牡蠣のオイスター煮がある。これ飯田さん作ってくれないんだ」
「そうなの?!飯田君なら何でも作ってくれそうなのに」
驚く波瑠さんは「これもお食べ」とふかひれの姿にを取り分けてくれる。
「飯田さんと前に参鶏湯作ってもらったんだけど、参考に食べた中華屋さんの方が美味しいって言ったら本格的な奴作ってくれなくなりました」
「へえ、飯田君プライド高いんだねえ」
多紀さんが鮑の姿煮を食べながら紹興酒を傾けていた。大人だと感心しながらも
「料理に関しては凄いですよ。自分より腕前が上の人と同じ料理は作らないくらいだから。オリオールとお父さんは別格だから積極的に目で盗みに行くぐらいだから真面目ですよ。
前に家で弟さんと一緒ん料理してた時なんか剥き方が雑だと蹴りを入れてたし、焼きすぎだと罵倒してたし、片づけも手を抜けば冷蔵庫がへこむぐらいの蹴り入れるし。いつもは飯田さん一人で料理してる所ばかり見てたからまさかの狂犬が潜んでたなんて……
見てるだけでも泣きそうでした」
「パワハラは感心しないなあ」
チョリさんが言うも波瑠さんは白い目を向けて
「お弟子さんが練習してこなかった時の昌君と変わらないと思うんだけどなぁ」
呆れたような声にチョリさんは苦笑しながらカシューナッツの入った酢豚を笑いながら食べていた。
「多紀さんも今は丸くなったけど、私が出会った頃は気に入らないと側の機材とか良く蹴ったりして壊しちゃって怒られてたりしてたんだから」
「あ、なんかそんなオチが多紀さんっぽい」
「えー、僕って綾人君にそんな風に見られてたんだ」
「よくよく思い出して見たら俺多紀さんが撮影している所見た事ないから。それに一番記憶に強い所は草刈り機装備している俺の間合いに入ってきたりとか、熊がいるのに大声で飛び込んで来るとかもう事故物件だからね。
かっこよく見せた分帳消しにする人っているじゃん。その代表が多紀さんになった位予想できないからね」
牡蠣のオイスター煮を一人で食べ終えたので満足と言う様に桂花陳酒を頂く。
「あー、これ美味しい奴。売ってたりするのかな?」
「綾さん甘いのもイケるんだー?」
「うち大体バアちゃんが作ったの基本だから。そこらじゅうに成った果物とかで作りまくって飲まないんだ。程よくマイルドで濃厚な感じでほとんど飯田さんに呑まれちゃったけどお酒の入門はそこだったから結構嫌いじゃないよ」
先生に付き合わされて甘くない奴もイケるようになったけどやっぱりたまには飲みたくなる。
ああ、そう言えばイギリスに行く前に作った奴まだ残ってるかな……
と言うか今年の分は作ってくれただろうか。
少し気にはしながらも
「桂花陳酒、確かワインに金木犀をつけるんだよね。さすがにきんもくせいにはかえれないか」
飯田さんに作ってもらうのも良いだろうが、自分で作る醍醐味も捨てたくない。
イギリスとフランスの家に金木犀を植えようとひそかに期待しながらやって来た点心のタワーに箸を伸ばして争奪戦に参加するのだった。
「じゃあ、そろそろ行ってもいいか綾人?」
「ああ、じゃあまたな。空、海兄とおばさん達に元気してますって伝えて置いて」
手を振りながら何故か羽交い絞めにされている委員長を見て爽やかに笑って振り返った直後
「えー!うそーっ!!!
綾様がいるー!やだー!生綾様ー!お久しぶりですぅー!!!」
謎のテンションとどこか芝居じみた大きな声にぎょっとすれば満面の笑顔の波瑠さんが多紀さんとチョリを連れてやって来た。
やだ、何この貫禄。
三人揃ってうろちょろしたら怖いじゃん。
茉希も慧もぎょっとしたように俺から離れ、俺も思わず蓮司の影に隠れてしまうもそこは波瑠さん。
蓮司の腕をグッと引っ張って退けた勢いで俺に抱き着いてきた。
「あー、この抱き心地綾様だー!間違いなしー!イギリスから帰って来てたんだね!お帰り!」
なんて言いながらも次の瞬間
「所で何で蓮司君に連絡して私には連絡しないの?」
「ええと、もう明日には山に帰るつもりだから……」
「じゃあ今夜は波瑠さんとご飯食べようね!多紀さんと昌君もおまけについて来るけどいいよね?」
チョンと小首かしげて疑問形でも命令形の波瑠さん。器用だ…… じゃなくって
「多紀さんとチョリさんがおまけって……」
「あ、二人じゃ足りなかったら瀬野さんも呼ぶから。
慧君、お爺ちゃんが一緒でもいいよね?」
「ええと、はい」
まさかの血縁。と言うかまさかのラスボス。慧の意見はあってない物だった。が
「いえ、多紀さんとチョリだけで十分ですのでお忙しい瀬野さんのお時間まで貰うわけにはいきません」
「そう?瀬野さんかなり綾様にご執心なんだけど?」
「いえ、俺今更社会人無理なのはわかったので問題ありません」
速攻でお断り。
と言うか、何でここに波瑠さん達がいるのかなんとなく理解できた。
蓮司の出生問題で沸き上がった芸能界の裏垢問題。
蓮司達が所属する事務所の瀬野さんはスマホの取り扱い方で孫の慧のプライバシーはないと言うくらいしっかりと覗き見していると俺は見た。
だから蓮司に誘われた慧とのメールのやり取りに瀬野さんが波瑠さん達を出動させたのだろう。勿論詳しい話は多分蓮司とのやり取りから。むしろ蓮司が応援を頼んだと言うくらいのタイミングの良さだが、込み入った事は履歴は残れど内容は残らない通話で済ませているので知られる事はない。だけど今回はメールでやり取りしてて……
この会社結構ヤバいな。
正直助かったと言うか十年以上音信不通の昔の知り合い何て今更何を話せばいいのかと思う所でのタイミングだったからありがたかったけど。
「そうか。そうだよね。お城をポンと買っちゃう綾様が企業の下僕になるって言うのも変な話だもんね」
うんうんと大きく頷きながらも
「そうだ!夜まで待ってられないから波瑠さん達今から多紀さんとご飯食べに行くんだけど一緒に行こう?
みんなもゆっくりした所で留学の話聞きたいだろうし、どうせ聞くなら一緒に聞きたいし!フランスのお城の話しも聞きたいから!
大広間の完成披露会の話し詳しく聞かせてほしいんだからぁ!
多紀さんと昌君だけ呼んでずーるーいー!」
「ずるいって波瑠さん仕事だったんじゃ……」
「細かい事は置いておいて、ほらほら、みんな行くよ!」
なんて言いながらこの近くのホテルのレストランで個室を取ったから行くよと俺の腕に腕をからませての強制連行。
これぞドナドナ。
誰も止めてくれないし助けようともしてくれない。
俺もそっちについて行きたいとぼやく猛者も居たが大半は波瑠さんの勢いにあっけにとられて何も言えずに見送るだけの同級生達。当然俺の意識ももうそちらには向いてない。
「綾人君悪いね。波瑠ちゃんがこうなったらもう俺達何も意見言えないから」
「やだー多紀さんってば。
波瑠さんは撮影の時は多紀さんに意見言わないわよ?」
「それが多紀さん怖がってる理由だよ」
「昌君ってば冗談上手いんだから。さあ、とりあえずご飯にしよう!今日のお昼は中華だよ!」
さあついて来いと手を振り上げたその姿はまるで逃げるんじゃないぞと言う様にも聞こえて、せっかく蓮司がいろいろ予定を組んでくれたと言っていたのに誰も反対はしなかった。
いや、できなかったと言うべきだろう。
エレベータに並べば皆さん譲ってくれるしまう。そして一緒に乗ってくれない謎の距離感。そりゃこのコユイ人達が並べば逃げたくもなる。って言うか何で一般市民の俺だけが混ざっているかという不思議。おかげでエレベータ泊まっても誰も乗ってこないと言う素敵空間を保ったまま上昇して行ったけど……
やがて辿り着いたフロアの通された中華店の個室に案内されて
「あれが綾人君の同級生ね……
なんかー、レベルが合ってないかんじー?あ、ごめんね。お友達の事悪く言っちゃって」
「いえ、友達って言うか、偶然会うまで存在忘れていた奴らでしたから……
「そう?だったら問題ないね」
「はい」
「じゃあ安心してどんどん食べるよー!昌君エビチリとって!」
蓮司達はとりあえずビールでと一気に煽る様子は俺も同様。波瑠さんが選んでくれたメニューは止まる事無く次々とやってきて円卓の中華テーブルがくるくると回る。
「ほらほら茉希ちゃんもしっかり食べてる?私達は食べるのも仕事よ」
「ううう、綾人さんより私食べてる。美味しいからお箸が止まらないのが悔しいけど食べちゃうんだから」
「あ、牡蠣のオイスター煮がある。これ飯田さん作ってくれないんだ」
「そうなの?!飯田君なら何でも作ってくれそうなのに」
驚く波瑠さんは「これもお食べ」とふかひれの姿にを取り分けてくれる。
「飯田さんと前に参鶏湯作ってもらったんだけど、参考に食べた中華屋さんの方が美味しいって言ったら本格的な奴作ってくれなくなりました」
「へえ、飯田君プライド高いんだねえ」
多紀さんが鮑の姿煮を食べながら紹興酒を傾けていた。大人だと感心しながらも
「料理に関しては凄いですよ。自分より腕前が上の人と同じ料理は作らないくらいだから。オリオールとお父さんは別格だから積極的に目で盗みに行くぐらいだから真面目ですよ。
前に家で弟さんと一緒ん料理してた時なんか剥き方が雑だと蹴りを入れてたし、焼きすぎだと罵倒してたし、片づけも手を抜けば冷蔵庫がへこむぐらいの蹴り入れるし。いつもは飯田さん一人で料理してる所ばかり見てたからまさかの狂犬が潜んでたなんて……
見てるだけでも泣きそうでした」
「パワハラは感心しないなあ」
チョリさんが言うも波瑠さんは白い目を向けて
「お弟子さんが練習してこなかった時の昌君と変わらないと思うんだけどなぁ」
呆れたような声にチョリさんは苦笑しながらカシューナッツの入った酢豚を笑いながら食べていた。
「多紀さんも今は丸くなったけど、私が出会った頃は気に入らないと側の機材とか良く蹴ったりして壊しちゃって怒られてたりしてたんだから」
「あ、なんかそんなオチが多紀さんっぽい」
「えー、僕って綾人君にそんな風に見られてたんだ」
「よくよく思い出して見たら俺多紀さんが撮影している所見た事ないから。それに一番記憶に強い所は草刈り機装備している俺の間合いに入ってきたりとか、熊がいるのに大声で飛び込んで来るとかもう事故物件だからね。
かっこよく見せた分帳消しにする人っているじゃん。その代表が多紀さんになった位予想できないからね」
牡蠣のオイスター煮を一人で食べ終えたので満足と言う様に桂花陳酒を頂く。
「あー、これ美味しい奴。売ってたりするのかな?」
「綾さん甘いのもイケるんだー?」
「うち大体バアちゃんが作ったの基本だから。そこらじゅうに成った果物とかで作りまくって飲まないんだ。程よくマイルドで濃厚な感じでほとんど飯田さんに呑まれちゃったけどお酒の入門はそこだったから結構嫌いじゃないよ」
先生に付き合わされて甘くない奴もイケるようになったけどやっぱりたまには飲みたくなる。
ああ、そう言えばイギリスに行く前に作った奴まだ残ってるかな……
と言うか今年の分は作ってくれただろうか。
少し気にはしながらも
「桂花陳酒、確かワインに金木犀をつけるんだよね。さすがにきんもくせいにはかえれないか」
飯田さんに作ってもらうのも良いだろうが、自分で作る醍醐味も捨てたくない。
イギリスとフランスの家に金木犀を植えようとひそかに期待しながらやって来た点心のタワーに箸を伸ばして争奪戦に参加するのだった。
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