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友達の定義とは 3
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授業は相変わらずどうして?何故?という答えのない討論が繰り広げられた。
考えて意見を言い合うトレーニングのような授業はもっと思考を掘り下げなくてはいけなく、そして自分が思うような答え以外の事もいろいろ導き出して考えさせられる貴重な体験に綾人はのめり込んでいた。
今までの生活だと大体俺の意見がまかり通ってしまう事を面白いと思っていた時期はあったけど、宮下や圭斗と知り合ってから考える事が俺任せになると本当にこれで良いのかと悩む事が多々あった。時々先生から待ったがあって考えさせられる事があり、何か相談された時はいつも振り返るように気を付けていたが、こう言った事を何人も何年も繰り返す教授だからこそ事細かに指摘が入ってそこで立ち止まって考え直しと言う事との繰り返しは思考が走り気味の俺にはなかなかのトレーニングだと思い、面白いと逆に教授がどこに引っかかるのかを楽しみにしていた。
本日は二対一の授業。口が乾くほどの言葉を交わして残り十分。
教授はパタンと本を閉じ
「さて、休み明けだが今日は休みの間何をして過ごしていたか話を聞かせてくれ。まずはケリー・エマーソンから」
眼鏡をかけた白髪の老いた教授はそれまでの硬化な口調を崩して少し皮肉ったような口調で本日二人だけの授業の〆を始める。
毎回授業の終わりに十分ほどの時間を設けてこうやって授業とは関係のない日常の話しを俺達にさせる。高校の時もこう言う先生居たよなと思い出してみるも休み時間から授業に切り替わるのに少し時間をかけると言う様に五分ほど雑談するのが高山の授業だ。授業が始まって挨拶をして「授業を始める、今日は……」ではなく「昨日の野球が……」とか「昨日のテレビでさあ……」なんて言う始まり方をしてクラスが冷めきった空気を察するかのように授業を始めて誤魔化す振出はなんだかんだ言って先生のそのくだりがあほらしいと思う人達が素直に授業に切り替える頭になっているのだから上手い使い方だよなと思うもこの教授の場合は好奇心旺盛、というか俺達の事を知りたいと言う好奇心の塊の人だ。
大学に入って初めてのクリスマス休暇に何をしてたんだいと言う顔にケリーは王子様さながらのスマイルで楽しかったと言う様に
「実家に帰ってクリスマスの仕上げに駆り出されました」
既にクリスマスの飾りつけが終わってても良い時期だったはずなのに
「君の家は随分とのんびりだねえ?」
「歳の離れた弟が居まして、一緒にツリーの飾りつけをしたいと我が儘言って待ってくれていたみたいで」
「何て可愛らしい!」
好々爺となった教授でなくてもそれは大いに頷く。
「歳は幾つ離れてるんだ?」
思わず聞いてしまえば
「十歳離れてるんだ」
「一番恥かしいけど遊んでほしい時期か?」
「アヤトは判ってるな。家に帰って来たらよっぽど嬉しかったと見えてずっと側に居て離れないんだ」
「俺は一人っ子だから兄弟いるのが羨ましいな」
言えば驚いたように
「アヤトはいろいろと面倒見が良いから兄弟がいるのかと思ったけど違うのかい?」
驚くケリーと教授なので噂ぐらい知っているのだろ。
弁当を作ってランチしながら授業をやってると言う話しを。時々混ざって食べて行くやつもいるくらいだからそれなりに知れ渡っているとは思っていたが、こうやって教授まで知ってるとなると少し恥ずかしさを覚える。食堂の一角で、カフェの一角でとか言う話はよくあるが、弁当を作って広場で食べながらとかはそこまで聞かない。
なんせマズ飯とは言わないが何故かそこまで美味いと言う言葉を聞かない国。どの生徒も大体サンドイッチかフィッシュ&ポテト。勿論それ以外もあるが美味しい物を食べようとなると大体なぜか中華になる。確かに中華美味しいしねと頷くしかないが,お金を払えばちゃんと美味しい物はいくらでもあるのだ。ロードの所に行けば幸せな気分に浸れるくらいの料理を食べる事が出来る。月に一度のリフレッシュタイムは至福の時間でその後美しい庭の手入れも手伝わせてもらい、夜は哲学を学んだと言うロードが集めた蔵書で構成される図書室を堪能させてもらえる。ただ大学生にはそこまでお金がないそれだけの事。
「兄弟はいないよ。ただ、高校の後輩達の勉強の面倒を見てきたから歳下の扱いには慣れてるかも」
「なるほど。だったらこのクリスマス休暇で国に帰ったのならその後輩達にも会ったのかい?」
それには俺も肩をすくめて
「折角だからクリスマスプレゼント抱えて行ったよ。
預かっていたお菓子も総て食べ終えて喜んでもらえたさ」
オリオールや青山さんの店の従業員全員で作ってくれたお菓子達はあれだけあったのに一瞬で消えたかのようになくなっていて凛ちゃんが「お菓子ないの?」と涙目にしたあいつらは確実にギルティだ。
さすがに懲りてもう二度とはやらないと思うが油断が出来ないのがあのポンコツ達だ。まあ、その親分と言われてる俺だけに俺も油断できないらしいが、そんなのは俺が知った話じゃない。
「そうか。話しを聞く所によるとアヤトの国ではクリスマスよりも年末年始を大切にするんだって?」
「まぁ、宗教的な絡みだね。だけどクリスマスも国中で楽しんでいる」
「ふむ、聞いているが本当に日本は宗教に関して寛容だな」
「クリスマスして一週間もしないうちにお寺で拝んでバレンタインも楽しんでイースターは、まだマイナーだけどお盆何ていう年に一度先祖が帰って来るって言う宗教的な思想もあればハロウィンだってちゃんと楽しむ八百万の神々がおわす国故に今更神様が一柱、二柱増えたとしても当然のように受け入れるさ。なんてったってネットで毎日のように生まれる神さえ崇めるんだからそう言う意味じゃ宗教の根底を瓦解させるゆるさは持ち合わせているよ」
なんて言えばなんてこったい信じられないと言う二人。
宗教には厳しいお国柄の二人は恐れと言う様に俺に問う。
「アヤトの国にとって宗教とはどんな存在なのかい?」
そう聞かれてもうちが何の宗教かも知らないし、多分お寺さんがあの宗派だからそうだろうと言うしか意識してない。
「そうだね。日本じゃお葬式と宗教は切っても切れないからね。娘の結婚式でも親の葬式なら親の葬式を優先するくらいだから。宗教関係なくチャペルで結婚をするお国柄だけど、葬式だけは家の宗派、もしくは結婚した家の宗派にたよる、一般的標準な考えだよ」
ジーザス、そんな声も聞こえたが仕方がない。それがかの国の事情だ。
そんな所で授業は終わる。
なんてこったいと言うように先生がふらふらとした足取りで去っていくのを見送れば
「アヤト、宗教の話しは置いておいてこの後ディナーをどうだい?」
「悪いな。今日はこれが最後だから『家』に帰って本の整理をしたいんだ」
そう。さすがにアパートの蔵書が多くなりすぎたので郊外の『家』に箱に入れて持って行っただけの本を片付けなくてはと気合を入れていたのだ。ケリーからのお誘いは嬉しいかもしれないがそれよりも本の方が大事だと言えば
「だったら俺も手伝うよ。一度アヤトとはゆっくり話をしてみたかったんだ」
言われる通りこの授業の最後の十分しかお互いの事を知りあう期会はない。そう思えば教授が貴重な十分を使ってまでも交流を計ろうとする意図は嬉しい位の気遣いだ。とは言え、まだ誰も連れて来た事のない『家』に連れて行っても良いだろうかと考えるも
「ひょっとして都合悪かったかい?」
気を使われてしまった。だけどそうじゃないと首を横に振って
「まだ誰も招待してないからいろいろ物が足りてるかどうか考えていたんだ」
言えばそれは嬉しそうな顔をして
「だったらなおさらお邪魔させてもらいたい。どこかで夜食を買ってから行こう」
俺にはまねのできない溢れんばかりの自信からの輝くような笑顔にイケメンクタバレと心の中で十回ほど唱えてみた。
考えて意見を言い合うトレーニングのような授業はもっと思考を掘り下げなくてはいけなく、そして自分が思うような答え以外の事もいろいろ導き出して考えさせられる貴重な体験に綾人はのめり込んでいた。
今までの生活だと大体俺の意見がまかり通ってしまう事を面白いと思っていた時期はあったけど、宮下や圭斗と知り合ってから考える事が俺任せになると本当にこれで良いのかと悩む事が多々あった。時々先生から待ったがあって考えさせられる事があり、何か相談された時はいつも振り返るように気を付けていたが、こう言った事を何人も何年も繰り返す教授だからこそ事細かに指摘が入ってそこで立ち止まって考え直しと言う事との繰り返しは思考が走り気味の俺にはなかなかのトレーニングだと思い、面白いと逆に教授がどこに引っかかるのかを楽しみにしていた。
本日は二対一の授業。口が乾くほどの言葉を交わして残り十分。
教授はパタンと本を閉じ
「さて、休み明けだが今日は休みの間何をして過ごしていたか話を聞かせてくれ。まずはケリー・エマーソンから」
眼鏡をかけた白髪の老いた教授はそれまでの硬化な口調を崩して少し皮肉ったような口調で本日二人だけの授業の〆を始める。
毎回授業の終わりに十分ほどの時間を設けてこうやって授業とは関係のない日常の話しを俺達にさせる。高校の時もこう言う先生居たよなと思い出してみるも休み時間から授業に切り替わるのに少し時間をかけると言う様に五分ほど雑談するのが高山の授業だ。授業が始まって挨拶をして「授業を始める、今日は……」ではなく「昨日の野球が……」とか「昨日のテレビでさあ……」なんて言う始まり方をしてクラスが冷めきった空気を察するかのように授業を始めて誤魔化す振出はなんだかんだ言って先生のそのくだりがあほらしいと思う人達が素直に授業に切り替える頭になっているのだから上手い使い方だよなと思うもこの教授の場合は好奇心旺盛、というか俺達の事を知りたいと言う好奇心の塊の人だ。
大学に入って初めてのクリスマス休暇に何をしてたんだいと言う顔にケリーは王子様さながらのスマイルで楽しかったと言う様に
「実家に帰ってクリスマスの仕上げに駆り出されました」
既にクリスマスの飾りつけが終わってても良い時期だったはずなのに
「君の家は随分とのんびりだねえ?」
「歳の離れた弟が居まして、一緒にツリーの飾りつけをしたいと我が儘言って待ってくれていたみたいで」
「何て可愛らしい!」
好々爺となった教授でなくてもそれは大いに頷く。
「歳は幾つ離れてるんだ?」
思わず聞いてしまえば
「十歳離れてるんだ」
「一番恥かしいけど遊んでほしい時期か?」
「アヤトは判ってるな。家に帰って来たらよっぽど嬉しかったと見えてずっと側に居て離れないんだ」
「俺は一人っ子だから兄弟いるのが羨ましいな」
言えば驚いたように
「アヤトはいろいろと面倒見が良いから兄弟がいるのかと思ったけど違うのかい?」
驚くケリーと教授なので噂ぐらい知っているのだろ。
弁当を作ってランチしながら授業をやってると言う話しを。時々混ざって食べて行くやつもいるくらいだからそれなりに知れ渡っているとは思っていたが、こうやって教授まで知ってるとなると少し恥ずかしさを覚える。食堂の一角で、カフェの一角でとか言う話はよくあるが、弁当を作って広場で食べながらとかはそこまで聞かない。
なんせマズ飯とは言わないが何故かそこまで美味いと言う言葉を聞かない国。どの生徒も大体サンドイッチかフィッシュ&ポテト。勿論それ以外もあるが美味しい物を食べようとなると大体なぜか中華になる。確かに中華美味しいしねと頷くしかないが,お金を払えばちゃんと美味しい物はいくらでもあるのだ。ロードの所に行けば幸せな気分に浸れるくらいの料理を食べる事が出来る。月に一度のリフレッシュタイムは至福の時間でその後美しい庭の手入れも手伝わせてもらい、夜は哲学を学んだと言うロードが集めた蔵書で構成される図書室を堪能させてもらえる。ただ大学生にはそこまでお金がないそれだけの事。
「兄弟はいないよ。ただ、高校の後輩達の勉強の面倒を見てきたから歳下の扱いには慣れてるかも」
「なるほど。だったらこのクリスマス休暇で国に帰ったのならその後輩達にも会ったのかい?」
それには俺も肩をすくめて
「折角だからクリスマスプレゼント抱えて行ったよ。
預かっていたお菓子も総て食べ終えて喜んでもらえたさ」
オリオールや青山さんの店の従業員全員で作ってくれたお菓子達はあれだけあったのに一瞬で消えたかのようになくなっていて凛ちゃんが「お菓子ないの?」と涙目にしたあいつらは確実にギルティだ。
さすがに懲りてもう二度とはやらないと思うが油断が出来ないのがあのポンコツ達だ。まあ、その親分と言われてる俺だけに俺も油断できないらしいが、そんなのは俺が知った話じゃない。
「そうか。話しを聞く所によるとアヤトの国ではクリスマスよりも年末年始を大切にするんだって?」
「まぁ、宗教的な絡みだね。だけどクリスマスも国中で楽しんでいる」
「ふむ、聞いているが本当に日本は宗教に関して寛容だな」
「クリスマスして一週間もしないうちにお寺で拝んでバレンタインも楽しんでイースターは、まだマイナーだけどお盆何ていう年に一度先祖が帰って来るって言う宗教的な思想もあればハロウィンだってちゃんと楽しむ八百万の神々がおわす国故に今更神様が一柱、二柱増えたとしても当然のように受け入れるさ。なんてったってネットで毎日のように生まれる神さえ崇めるんだからそう言う意味じゃ宗教の根底を瓦解させるゆるさは持ち合わせているよ」
なんて言えばなんてこったい信じられないと言う二人。
宗教には厳しいお国柄の二人は恐れと言う様に俺に問う。
「アヤトの国にとって宗教とはどんな存在なのかい?」
そう聞かれてもうちが何の宗教かも知らないし、多分お寺さんがあの宗派だからそうだろうと言うしか意識してない。
「そうだね。日本じゃお葬式と宗教は切っても切れないからね。娘の結婚式でも親の葬式なら親の葬式を優先するくらいだから。宗教関係なくチャペルで結婚をするお国柄だけど、葬式だけは家の宗派、もしくは結婚した家の宗派にたよる、一般的標準な考えだよ」
ジーザス、そんな声も聞こえたが仕方がない。それがかの国の事情だ。
そんな所で授業は終わる。
なんてこったいと言うように先生がふらふらとした足取りで去っていくのを見送れば
「アヤト、宗教の話しは置いておいてこの後ディナーをどうだい?」
「悪いな。今日はこれが最後だから『家』に帰って本の整理をしたいんだ」
そう。さすがにアパートの蔵書が多くなりすぎたので郊外の『家』に箱に入れて持って行っただけの本を片付けなくてはと気合を入れていたのだ。ケリーからのお誘いは嬉しいかもしれないがそれよりも本の方が大事だと言えば
「だったら俺も手伝うよ。一度アヤトとはゆっくり話をしてみたかったんだ」
言われる通りこの授業の最後の十分しかお互いの事を知りあう期会はない。そう思えば教授が貴重な十分を使ってまでも交流を計ろうとする意図は嬉しい位の気遣いだ。とは言え、まだ誰も連れて来た事のない『家』に連れて行っても良いだろうかと考えるも
「ひょっとして都合悪かったかい?」
気を使われてしまった。だけどそうじゃないと首を横に振って
「まだ誰も招待してないからいろいろ物が足りてるかどうか考えていたんだ」
言えばそれは嬉しそうな顔をして
「だったらなおさらお邪魔させてもらいたい。どこかで夜食を買ってから行こう」
俺にはまねのできない溢れんばかりの自信からの輝くような笑顔にイケメンクタバレと心の中で十回ほど唱えてみた。
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