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さあ、始めようじゃないか 2
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「行くぞとか諦めろとか、その前に服を着させてよ!!!」
昨晩風呂に入ってパンツとシャツを着た状態でベットに転がりながらゲームをしていたそのままの姿。
「まぁ、このままじゃ警察に厄介なるだろうからそこは妥協しよう」
綾人の目が笑ってない事に気付いて本能的な身の危険を察した宮下は慌ててジーンズをはいて、シャツを変えてパーカーを羽織る。靴下もしっかりと履き、せめてと言うように顔を洗って寝癖を直している間に綾人は店で買った四個入りのあんパンを食べ、俺に二つ分けてくれるのだった。
とりあえずあんなにも楽しそうに仕事の話しを語る息子の変り様の姿に心配していた親父さんもお袋さんも今は俺にどやされながら出かける準備と片手に持つ履歴書を感情なく見つめていた。
だけど俺はソレにわざと気付かずに
「じゃあ、圭斗の所に行ってきます。晩ご飯は向こうで食べて来るので大丈夫です」
大和さんから店のカフェオレを貰いながらあんパンを大急ぎで食べ財布やスマホをポケットに詰め込むのを確認してから車に乗せて行ってきますと挨拶をして圭斗の家へと向かう。
「朝、大和さんから電話貰って聞いた。
西野さん、倒れたんだって?しかも仕事辞めなくちゃいけないくらいだってな。
その後俺も慌てて電話させてもらって話を聞いたけど。
西野さん、まだまだ教えたい事があったのにって悔やんでいたそうだぞ」
宮下の力ない瞳からポトリと涙が落ちた。
運転席からは死角だから確認する事は出来なかったけど直ぐに噛み殺したような嗚咽に宮下だってまだまだこれからという所だったのだろう。
「向こうの職人んさん達にもかわいがられて顔見知りの職人も増えて名前も覚えてもらったのに力になれなくって済まないって言ってた。
一年では独立するには未熟だし、誰かに預けようとも考えてくれたみたいだけど肝心の資格が取れてないから雇うのは難しいって流れだったんだとさ。
普通の大工なら問題ないけど、宮大工の世界をもっと教えたかったのにって、誘っておいて力に慣れなくて済まないって、麻痺の残る口で一生懸命謝ってた」
そこまで築けた信頼関係ゆえに悔しくて手で顔を覆って泣き出していた。
車を道路の隅に止めて泣き叫ぶ宮下は知ってるのだろう。
今の西野さんにはそれだけの言葉を紡ぐのも難しく、そして突然自分の身に起きた事を悲しむよりも宮下の事を気にかけてくれる器の大きさにいかに大切に育ててもらってたかを改めて思い知る事になって、だけどそれは何百キロと離れた所で気付かされて直ぐには会いに行けない距離から寂しさを思い知るのだった。
「綾人、俺……」
「少し遠いだけで何時だって会える。
今は家の方がバタバタしてるだろうから。そうだな、年の瀬に一度顔を見にいこう。宮下もいろいろ報告があるだろうし、その頃には落ち着いてるだろし、おばさんのお蕎麦を持っていこう」
「……うん」
小さな返事は泣いた事により少しは落ち着いていて、頷きながら涙を何度もパーカーの袖で拭う。
もう大丈夫、とは思わないが俺は車を走らせて長沢さんの自宅へと向かった。
宮下の顔が何で、と言うも
「紹介してもらったんだ。多分話はまだ知らないだろうから、お前がちゃんと報告するんだ」
そんな通りに顔を引きつらせるも
「長沢さんが西野さんって素晴らしい人を紹介してくれたんだ。恩をあだで返すな」
ちゃんとお前の口から報告しろとチャイムを鳴らして奥さんが迎えてくれた所で宮下の顔を見て懐かしさに喜ぶ前に、その泣きはらした顔を見てすぐに喜八さんを呼んでくれたのだった。
俺達は小さな坪庭を望む客間に通されてお茶を頂きながら宮下は長沢さんに西野さんの状況と、そしてこちらに帰って来た事を告げた。
さすがに驚いて何も言葉を言えなかったが暫くの間長沢さんは腕を組んで目を閉じて悔しそうな口元だけど、何も言わずにただそうか、大変だったなと言う言葉で総てを飲み込んでいた。
共に切磋琢磨とした間柄。遠く離れても今も一番のライバルの突然の出来事に一度だけ両手で顔をさすって
「それでお前はどうするんだ」
「まだ何も考えてない所です」
「そうか」
少し考えて
「また何かあった時は声をかける。折角身に付けた技術だ。わしの仕事をまた手伝いに来い」
「ありがとうございます」
宮下に建具の仕事を教えて、それに関する世界を教えた最初の先生。
師弟と言うには短すぎる間柄で、学んだ事は学校でも学ぶような初歩以前の、赤ん坊が二本の足で立ち上がる程度。
それでも飛び込んだ世界は学ぶ楽しさを教えてくれるやる気と生きがいを教えてくれて……
「ほんとはこんな風に戻って来るつもりじゃありませんでした」
この世界に入るきっかけを与えてくれた長沢さんに向かってポツリと本音を落す。
あまり寝てないのか顔色の悪い宮下の声は張りもない。
「ちゃんと西野さんから教えてもらえる事はすべて教えてもらって、苦手だけど勉強もちゃんとして資格を取って、胸張って帰って来ようって決めてたのに!」
立派な姿を家族に見てもらいたい、心配していた親友を安心させたい、そして何よりこの世界を教えてくれた恩人に対する一番の恩返しだと繊細かつ大胆な美でこの山間の街を彩りたい、そんな野望を秘めていたいた道半ばの断念。どの大工も数は少なくても常に最大にして最小な数の弟子を抱える状況。山ほど抱えて名ばかりの弟子を野に放つ愚行は一切考えない世界に宮下が潜り込む余地はなかっただけの話し。
誰よりも悔しいと思いながらもそれ以上に突如今までの生き方に終わりを告げなくてはいけない西野さんよりも憤るのは烏滸がましいと言う様に払しょくできない気持ちを抱える宮下を可哀想と言う目で見るしかない長沢さんにこれ以上突き合わせるのも申し訳ないので、宮下の肩を抱きながら
「すみません。この後約束があるので」
そう言って辞する事にした。
長沢さんは明日にでもまた遊びに来いと言ってくれたので、宮下は几帳面にはいと返事をしてその言葉を守る様に長沢さんの工房に足を運ぶのだろう。
そんな宮下を車に乗せて小さな町の狭い道を通りながら圭斗の家へと着いた。
そこには早速と言う様に離れを囲む様に組みかけている途中の足場と断熱材を持ってやって来た人達がいて、突然現れたように見えた宮下の姿にまだ理由を聞いてない段階なので素直に再会を喜んでくれて、少しだけ宮下も笑みを浮かべれるのだった。
昨晩風呂に入ってパンツとシャツを着た状態でベットに転がりながらゲームをしていたそのままの姿。
「まぁ、このままじゃ警察に厄介なるだろうからそこは妥協しよう」
綾人の目が笑ってない事に気付いて本能的な身の危険を察した宮下は慌ててジーンズをはいて、シャツを変えてパーカーを羽織る。靴下もしっかりと履き、せめてと言うように顔を洗って寝癖を直している間に綾人は店で買った四個入りのあんパンを食べ、俺に二つ分けてくれるのだった。
とりあえずあんなにも楽しそうに仕事の話しを語る息子の変り様の姿に心配していた親父さんもお袋さんも今は俺にどやされながら出かける準備と片手に持つ履歴書を感情なく見つめていた。
だけど俺はソレにわざと気付かずに
「じゃあ、圭斗の所に行ってきます。晩ご飯は向こうで食べて来るので大丈夫です」
大和さんから店のカフェオレを貰いながらあんパンを大急ぎで食べ財布やスマホをポケットに詰め込むのを確認してから車に乗せて行ってきますと挨拶をして圭斗の家へと向かう。
「朝、大和さんから電話貰って聞いた。
西野さん、倒れたんだって?しかも仕事辞めなくちゃいけないくらいだってな。
その後俺も慌てて電話させてもらって話を聞いたけど。
西野さん、まだまだ教えたい事があったのにって悔やんでいたそうだぞ」
宮下の力ない瞳からポトリと涙が落ちた。
運転席からは死角だから確認する事は出来なかったけど直ぐに噛み殺したような嗚咽に宮下だってまだまだこれからという所だったのだろう。
「向こうの職人んさん達にもかわいがられて顔見知りの職人も増えて名前も覚えてもらったのに力になれなくって済まないって言ってた。
一年では独立するには未熟だし、誰かに預けようとも考えてくれたみたいだけど肝心の資格が取れてないから雇うのは難しいって流れだったんだとさ。
普通の大工なら問題ないけど、宮大工の世界をもっと教えたかったのにって、誘っておいて力に慣れなくて済まないって、麻痺の残る口で一生懸命謝ってた」
そこまで築けた信頼関係ゆえに悔しくて手で顔を覆って泣き出していた。
車を道路の隅に止めて泣き叫ぶ宮下は知ってるのだろう。
今の西野さんにはそれだけの言葉を紡ぐのも難しく、そして突然自分の身に起きた事を悲しむよりも宮下の事を気にかけてくれる器の大きさにいかに大切に育ててもらってたかを改めて思い知る事になって、だけどそれは何百キロと離れた所で気付かされて直ぐには会いに行けない距離から寂しさを思い知るのだった。
「綾人、俺……」
「少し遠いだけで何時だって会える。
今は家の方がバタバタしてるだろうから。そうだな、年の瀬に一度顔を見にいこう。宮下もいろいろ報告があるだろうし、その頃には落ち着いてるだろし、おばさんのお蕎麦を持っていこう」
「……うん」
小さな返事は泣いた事により少しは落ち着いていて、頷きながら涙を何度もパーカーの袖で拭う。
もう大丈夫、とは思わないが俺は車を走らせて長沢さんの自宅へと向かった。
宮下の顔が何で、と言うも
「紹介してもらったんだ。多分話はまだ知らないだろうから、お前がちゃんと報告するんだ」
そんな通りに顔を引きつらせるも
「長沢さんが西野さんって素晴らしい人を紹介してくれたんだ。恩をあだで返すな」
ちゃんとお前の口から報告しろとチャイムを鳴らして奥さんが迎えてくれた所で宮下の顔を見て懐かしさに喜ぶ前に、その泣きはらした顔を見てすぐに喜八さんを呼んでくれたのだった。
俺達は小さな坪庭を望む客間に通されてお茶を頂きながら宮下は長沢さんに西野さんの状況と、そしてこちらに帰って来た事を告げた。
さすがに驚いて何も言葉を言えなかったが暫くの間長沢さんは腕を組んで目を閉じて悔しそうな口元だけど、何も言わずにただそうか、大変だったなと言う言葉で総てを飲み込んでいた。
共に切磋琢磨とした間柄。遠く離れても今も一番のライバルの突然の出来事に一度だけ両手で顔をさすって
「それでお前はどうするんだ」
「まだ何も考えてない所です」
「そうか」
少し考えて
「また何かあった時は声をかける。折角身に付けた技術だ。わしの仕事をまた手伝いに来い」
「ありがとうございます」
宮下に建具の仕事を教えて、それに関する世界を教えた最初の先生。
師弟と言うには短すぎる間柄で、学んだ事は学校でも学ぶような初歩以前の、赤ん坊が二本の足で立ち上がる程度。
それでも飛び込んだ世界は学ぶ楽しさを教えてくれるやる気と生きがいを教えてくれて……
「ほんとはこんな風に戻って来るつもりじゃありませんでした」
この世界に入るきっかけを与えてくれた長沢さんに向かってポツリと本音を落す。
あまり寝てないのか顔色の悪い宮下の声は張りもない。
「ちゃんと西野さんから教えてもらえる事はすべて教えてもらって、苦手だけど勉強もちゃんとして資格を取って、胸張って帰って来ようって決めてたのに!」
立派な姿を家族に見てもらいたい、心配していた親友を安心させたい、そして何よりこの世界を教えてくれた恩人に対する一番の恩返しだと繊細かつ大胆な美でこの山間の街を彩りたい、そんな野望を秘めていたいた道半ばの断念。どの大工も数は少なくても常に最大にして最小な数の弟子を抱える状況。山ほど抱えて名ばかりの弟子を野に放つ愚行は一切考えない世界に宮下が潜り込む余地はなかっただけの話し。
誰よりも悔しいと思いながらもそれ以上に突如今までの生き方に終わりを告げなくてはいけない西野さんよりも憤るのは烏滸がましいと言う様に払しょくできない気持ちを抱える宮下を可哀想と言う目で見るしかない長沢さんにこれ以上突き合わせるのも申し訳ないので、宮下の肩を抱きながら
「すみません。この後約束があるので」
そう言って辞する事にした。
長沢さんは明日にでもまた遊びに来いと言ってくれたので、宮下は几帳面にはいと返事をしてその言葉を守る様に長沢さんの工房に足を運ぶのだろう。
そんな宮下を車に乗せて小さな町の狭い道を通りながら圭斗の家へと着いた。
そこには早速と言う様に離れを囲む様に組みかけている途中の足場と断熱材を持ってやって来た人達がいて、突然現れたように見えた宮下の姿にまだ理由を聞いてない段階なので素直に再会を喜んでくれて、少しだけ宮下も笑みを浮かべれるのだった。
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