471 / 976
俺達山の留守番隊 5
しおりを挟む
翌日俺と圭斗と宮下は朝っぱらから先生にたたき起こされてパスポートを取りに行く事になった。園田達は良いなと俺達を見送るも
「綾っちまさかそこまではやらないっしょ」
颯太は言う物の素直に返事を誰もしない辺り言い出した颯太も希望と常識を持っての言葉と言うのは言うまでもない。
「判らんがせんせーの頭の中には圭斗達にパスポート取りに行けって叫ぶ綾人の姿しか想像つかないんだ」
「奇遇っすね、。俺も「ちょっと悪いんだけどパスポート取ってフランスまで来てくれる?」ってすごくどうでもよさ気に言う綾人さんしか想像できないっす」
水野の言い方に「どうでもよさ気……」何て所に高山は引っかかる物の
「えー?何か綾っちなら何で俺が取った時に取りに行かなかったんだよなんて暴君な事言いそうじゃないっすか」
なんて植田のお言葉。あまりに当然と言う様に言う姿が想像できてお前ら綾人の思考に染まりすぎてる…… なんて項垂れてしまう。
「まぁ、俺達を育てたのは綾っちだしね。
それよりも園田達は勉強しろよ。上島達は山側を頼む。俺達は畑側の草取りやってくるわ」
「うぃー。達弥いくぞー」
言いながら鋸や鎌を持って裏山に上がっていき、植田は水野を連れて草刈り機でガンガン庭の雑草を刈り取っていく。高山は園田達の側に寝転びながらビールを傾け
「綾人が居ないのにお前らマメだなぁ」
「せんせーもぶれないっすね」
高校生達は素直に夏休みの課題をこなす中、すぐ横で邪魔をする様に流れる高校野球の歓声。
「そりゃあこれが楽しみで来てるんだから」
座布団を二つに折って頭を乗せてそよそよとそよぐ風の心地よさにテレビからの喧騒はいつの間にか聞こえなくなるこの瞬間が気持ちいいと思えばふわっと柔らかな布がかぶせられた。この静かな足音は下田か。意外と育ちが良いからか陸斗並みにドタバタはしない。
夏休みになって出校日まで続く補修を終わらせて直ぐこっちに来ればかつて購入した家は何処か輝いているように見えた。外壁を塗り直して屋根を新しくガルバリウム鋼板に葺き替えてあった。ちょうど内田さんと会ったので綺麗になりましたねと褒め称えれば綾人が居ない間にまあみんなでガルバリウム鋼板の勉強会をしたと言う。圭斗の丁寧な説明に四苦八苦しながらも圭斗の手は借りずに何とか葺き替えが出来たと言う。
「これからは茅葺にトタンじゃなくってこっちを使う方が多くなりそうですからね。ただでさえお金のかかる事だから、せめて少しでも安くつくように我々も勉強しなくては、ですね」
言いながら今では綾人の家を見て回る。
襖と障子で途切れた部屋が広く開放的になり、欄間も外したせいか明るくなった気がする。そして小さな風呂場も真新しいゆにとっとバスへと変更され、坪庭を望む和室は品の良い花を一輪飾りたくなる部屋へと変貌していた。畳は置かないなんて言ってたが、結局この部屋には畳を敷いて、ある当たりあいつも畳の家で育った田舎の子供だなと笑っておく。
階段を上れば二階の部屋へと入り、あまり弄らなかったのか俺の記憶と大した差はなかった。多少壁や畳を床にして天井を張り替えたぐらいだが、窓の大きさと開け閉めのしにくい窓に懐かしさがこみ上げる。空中ベンチは残してくれたのかそのまま座って暑い夏の空気を含む風を浴びながらぼうっと通り過ぎる電車を眺める。
この景色が好きだった。
この絵が好きだった。
どこか錆びついたようなノスタルジックな風景。
絵心があれば油絵の題材にすればマッチするだろうと何度考えた事だか。
残念な事に綾人同様芸術の神様に見放された俺はただこの景色を目に焼き付ける様にビールを呷るだけの余裕しかないしがない人間。
今日はビールがないのでいつものようにただ景色を眺めていればなかなか降りてこない俺に内田の大将が上がって来てくれた。
「何だ、起きてたか」
「すみません、ちょっと懐かしくて」
離れ難くてとは言わなかったが、俺よりはるかに人生経験の豊かな御仁はニヤリと笑う事なく静かに頷いて
「綾人君は本当に良い子だ。
ここは先生が一番お気に入りの場所だからあまり変えたくないって。けど経年劣化はどうしようもないからそこは手を入れようって事になってな」
「ええ、そうでしょうね。
高校時代の綾人を知ってますが、けっしてそう言った心づかいの出来る奴じゃなかったのに、どうしたらこんなにも良くしてくれるのか未だに謎です」
判っているつもりだが本人に聞いた事はないし、そんな些細な事気にもした事ない。結局教師と生徒と言う腐れ縁から一歩踏み込んだ付き合いは時折俺を見る目が誰かを重ねる様に寂しそうに見ていたのを全力で気付かないふりはしていた。
悪いが父親代わり何て俺には無理だ。
結婚はした物の子供はおらず、ましてや別れた妻のせいで女性恐怖症までとは言わないが結婚願望は見事消えうせた俺に子供なんて生徒で十分だ。こんなにも手間がかかり、世話をかけさせられて、目の離せない生徒何て外に居るだろうか。
面倒を見てるなんて立派な事は言えない。だけど側で寄りそうと言うよりつかず離れず、そんな距離で見守ってやりたいと思う俺が確かにいて……
「恩には恩に返してくれる子です。吉野は代々そう言う気質なせいか、だからみんな吉野に頼り、尊敬をするのでしょう。綾人君は一郎が生まれ変わったと思わせるぐらいよく似た考え方を持ってるから……
スケールは全く違い過ぎて心臓が持たなくなって来てるけどな」
きっとアホほどの金払いの良さを指しての事だろう。確かに俺も頭が痛くなるが
「引退を決めていた長沢も俺の目の黒いうちは吉野の世話をすると張り切り出すし、古民家の若手も綾人君に会社を立ち上げてほしいなんてぼやく始末。アホかと言いたかったけど、横の連携は確かにないと仕事が成り立たないからな」
言いながら笑い
「浩太の奴が雅治に会いに行ってきた」
急に厳しい顔になる鉄治に
「何とか向こうの学校にも慣れて、友達も出来た。ただ……」
ただ何とかなんて判るわけがないだろうと思うも俺の教師経験が微かな警告を放つ。
「やっぱり友人関係が厳しいらしくてな。友達は出来たけどこっちみたいに猿山の大将にはなれなくてな。勉強も遅れがちになりながらも必死に食らいついているけど都会のスピードについていけれないって香から聞いたらしい。
最初はこんな目にあったのは陸斗君のせいだと言ったらしいが、今は香がちゃんと言い聞かせて反省させたと言う。
これは自業自得だ。人を馬鹿にするから自分も馬鹿にされる。
だけどまだ暴力を受けたりお金を奪われた経験をしてない雅治が泣き言を言うなんてふざけるな!と。
浩太に会って甘えたくなったのだろう。胸にくすぶってた鬱憤は見当違いだと、香は今ちゃんと母親として雅治に向き合ってくれている」
浩太が夏休みを利用して幸治を連れて久しぶりに家族五人そろって旅行に行った時の出来事だと言う。
旅先でこのような会話はさぞかしその後が辛いだろうなと子供を持たない俺は考えてみるが
「だけどそうやって旅先で腹を割って浩太も話をするうちに、もっと雅治と話をする時間を作ればよかったって反省してましたよ」
そうですか……
何と言えばいいのか判らないが、たぶん答えなんて期待はしてないのだろう。幸治が後を継ぐと言った時のような嬉しそうな顔をして語る鉄治さんは孫を愛する祖父の顔で語るから、他人はただ聞けばいいだけの話しだ。
「またいつか一緒に暮らせると良いですね」
なんて言うも
「何を言ってる。そんな日は来ない。
雅治は何時か雅治を受け入れてくれる嫁さんと一緒に暮らすのだから、こんな年寄りが居たら嫁に逃げられるだろう」
カカカと声を立てて笑い、暗くなる前には吉野の家に向かいなさいと言って下へと降りて行ってしまった背中を見送った後、眼を瞑りながら心地よい夏の風を受け止めて
「やっぱりあの三バカだけで俺様は十分だな」
ほんの数日前の夢を見た。
何て穏やかで平和な夢だろうと思うも、そばに置いていたスマホが騒いで意識は覚醒する。
音を頼りに手探りでスマホを探して画面を見ればメッセージが一件。
『先生、パスポートの期限切れてないでしょ?飛行機のチケット取ったからすぐにフランスまで来て』
その一文を見て俺は圭斗同様無言で山積みの座布団に向かってスマホを投げつけるのだった。
「綾っちまさかそこまではやらないっしょ」
颯太は言う物の素直に返事を誰もしない辺り言い出した颯太も希望と常識を持っての言葉と言うのは言うまでもない。
「判らんがせんせーの頭の中には圭斗達にパスポート取りに行けって叫ぶ綾人の姿しか想像つかないんだ」
「奇遇っすね、。俺も「ちょっと悪いんだけどパスポート取ってフランスまで来てくれる?」ってすごくどうでもよさ気に言う綾人さんしか想像できないっす」
水野の言い方に「どうでもよさ気……」何て所に高山は引っかかる物の
「えー?何か綾っちなら何で俺が取った時に取りに行かなかったんだよなんて暴君な事言いそうじゃないっすか」
なんて植田のお言葉。あまりに当然と言う様に言う姿が想像できてお前ら綾人の思考に染まりすぎてる…… なんて項垂れてしまう。
「まぁ、俺達を育てたのは綾っちだしね。
それよりも園田達は勉強しろよ。上島達は山側を頼む。俺達は畑側の草取りやってくるわ」
「うぃー。達弥いくぞー」
言いながら鋸や鎌を持って裏山に上がっていき、植田は水野を連れて草刈り機でガンガン庭の雑草を刈り取っていく。高山は園田達の側に寝転びながらビールを傾け
「綾人が居ないのにお前らマメだなぁ」
「せんせーもぶれないっすね」
高校生達は素直に夏休みの課題をこなす中、すぐ横で邪魔をする様に流れる高校野球の歓声。
「そりゃあこれが楽しみで来てるんだから」
座布団を二つに折って頭を乗せてそよそよとそよぐ風の心地よさにテレビからの喧騒はいつの間にか聞こえなくなるこの瞬間が気持ちいいと思えばふわっと柔らかな布がかぶせられた。この静かな足音は下田か。意外と育ちが良いからか陸斗並みにドタバタはしない。
夏休みになって出校日まで続く補修を終わらせて直ぐこっちに来ればかつて購入した家は何処か輝いているように見えた。外壁を塗り直して屋根を新しくガルバリウム鋼板に葺き替えてあった。ちょうど内田さんと会ったので綺麗になりましたねと褒め称えれば綾人が居ない間にまあみんなでガルバリウム鋼板の勉強会をしたと言う。圭斗の丁寧な説明に四苦八苦しながらも圭斗の手は借りずに何とか葺き替えが出来たと言う。
「これからは茅葺にトタンじゃなくってこっちを使う方が多くなりそうですからね。ただでさえお金のかかる事だから、せめて少しでも安くつくように我々も勉強しなくては、ですね」
言いながら今では綾人の家を見て回る。
襖と障子で途切れた部屋が広く開放的になり、欄間も外したせいか明るくなった気がする。そして小さな風呂場も真新しいゆにとっとバスへと変更され、坪庭を望む和室は品の良い花を一輪飾りたくなる部屋へと変貌していた。畳は置かないなんて言ってたが、結局この部屋には畳を敷いて、ある当たりあいつも畳の家で育った田舎の子供だなと笑っておく。
階段を上れば二階の部屋へと入り、あまり弄らなかったのか俺の記憶と大した差はなかった。多少壁や畳を床にして天井を張り替えたぐらいだが、窓の大きさと開け閉めのしにくい窓に懐かしさがこみ上げる。空中ベンチは残してくれたのかそのまま座って暑い夏の空気を含む風を浴びながらぼうっと通り過ぎる電車を眺める。
この景色が好きだった。
この絵が好きだった。
どこか錆びついたようなノスタルジックな風景。
絵心があれば油絵の題材にすればマッチするだろうと何度考えた事だか。
残念な事に綾人同様芸術の神様に見放された俺はただこの景色を目に焼き付ける様にビールを呷るだけの余裕しかないしがない人間。
今日はビールがないのでいつものようにただ景色を眺めていればなかなか降りてこない俺に内田の大将が上がって来てくれた。
「何だ、起きてたか」
「すみません、ちょっと懐かしくて」
離れ難くてとは言わなかったが、俺よりはるかに人生経験の豊かな御仁はニヤリと笑う事なく静かに頷いて
「綾人君は本当に良い子だ。
ここは先生が一番お気に入りの場所だからあまり変えたくないって。けど経年劣化はどうしようもないからそこは手を入れようって事になってな」
「ええ、そうでしょうね。
高校時代の綾人を知ってますが、けっしてそう言った心づかいの出来る奴じゃなかったのに、どうしたらこんなにも良くしてくれるのか未だに謎です」
判っているつもりだが本人に聞いた事はないし、そんな些細な事気にもした事ない。結局教師と生徒と言う腐れ縁から一歩踏み込んだ付き合いは時折俺を見る目が誰かを重ねる様に寂しそうに見ていたのを全力で気付かないふりはしていた。
悪いが父親代わり何て俺には無理だ。
結婚はした物の子供はおらず、ましてや別れた妻のせいで女性恐怖症までとは言わないが結婚願望は見事消えうせた俺に子供なんて生徒で十分だ。こんなにも手間がかかり、世話をかけさせられて、目の離せない生徒何て外に居るだろうか。
面倒を見てるなんて立派な事は言えない。だけど側で寄りそうと言うよりつかず離れず、そんな距離で見守ってやりたいと思う俺が確かにいて……
「恩には恩に返してくれる子です。吉野は代々そう言う気質なせいか、だからみんな吉野に頼り、尊敬をするのでしょう。綾人君は一郎が生まれ変わったと思わせるぐらいよく似た考え方を持ってるから……
スケールは全く違い過ぎて心臓が持たなくなって来てるけどな」
きっとアホほどの金払いの良さを指しての事だろう。確かに俺も頭が痛くなるが
「引退を決めていた長沢も俺の目の黒いうちは吉野の世話をすると張り切り出すし、古民家の若手も綾人君に会社を立ち上げてほしいなんてぼやく始末。アホかと言いたかったけど、横の連携は確かにないと仕事が成り立たないからな」
言いながら笑い
「浩太の奴が雅治に会いに行ってきた」
急に厳しい顔になる鉄治に
「何とか向こうの学校にも慣れて、友達も出来た。ただ……」
ただ何とかなんて判るわけがないだろうと思うも俺の教師経験が微かな警告を放つ。
「やっぱり友人関係が厳しいらしくてな。友達は出来たけどこっちみたいに猿山の大将にはなれなくてな。勉強も遅れがちになりながらも必死に食らいついているけど都会のスピードについていけれないって香から聞いたらしい。
最初はこんな目にあったのは陸斗君のせいだと言ったらしいが、今は香がちゃんと言い聞かせて反省させたと言う。
これは自業自得だ。人を馬鹿にするから自分も馬鹿にされる。
だけどまだ暴力を受けたりお金を奪われた経験をしてない雅治が泣き言を言うなんてふざけるな!と。
浩太に会って甘えたくなったのだろう。胸にくすぶってた鬱憤は見当違いだと、香は今ちゃんと母親として雅治に向き合ってくれている」
浩太が夏休みを利用して幸治を連れて久しぶりに家族五人そろって旅行に行った時の出来事だと言う。
旅先でこのような会話はさぞかしその後が辛いだろうなと子供を持たない俺は考えてみるが
「だけどそうやって旅先で腹を割って浩太も話をするうちに、もっと雅治と話をする時間を作ればよかったって反省してましたよ」
そうですか……
何と言えばいいのか判らないが、たぶん答えなんて期待はしてないのだろう。幸治が後を継ぐと言った時のような嬉しそうな顔をして語る鉄治さんは孫を愛する祖父の顔で語るから、他人はただ聞けばいいだけの話しだ。
「またいつか一緒に暮らせると良いですね」
なんて言うも
「何を言ってる。そんな日は来ない。
雅治は何時か雅治を受け入れてくれる嫁さんと一緒に暮らすのだから、こんな年寄りが居たら嫁に逃げられるだろう」
カカカと声を立てて笑い、暗くなる前には吉野の家に向かいなさいと言って下へと降りて行ってしまった背中を見送った後、眼を瞑りながら心地よい夏の風を受け止めて
「やっぱりあの三バカだけで俺様は十分だな」
ほんの数日前の夢を見た。
何て穏やかで平和な夢だろうと思うも、そばに置いていたスマホが騒いで意識は覚醒する。
音を頼りに手探りでスマホを探して画面を見ればメッセージが一件。
『先生、パスポートの期限切れてないでしょ?飛行機のチケット取ったからすぐにフランスまで来て』
その一文を見て俺は圭斗同様無言で山積みの座布団に向かってスマホを投げつけるのだった。
133
お気に入りに追加
2,670
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!
裏路地古民家カフェでまったりしたい
雪那 由多
大衆娯楽
夜月燈火は亡き祖父の家をカフェに作り直して人生を再出発。
高校時代の友人と再会からの有無を言わさぬ魔王の指示で俺の意志一つなくリフォームは進んでいく。
あれ?
俺が思ったのとなんか違うけどでも俺が想像したよりいいカフェになってるんだけど予算内ならまあいいか?
え?あまい?
は?コーヒー不味い?
インスタントしか飲んだ事ないから分かるわけないじゃん。
はい?!修行いって来い???
しかも棒を銜えて筋トレってどんな修行?!
その甲斐あって人通りのない裏路地の古民家カフェは人はいないが穏やかな時間とコーヒーの香りと周囲の優しさに助けられ今日もオープンします。
第6回ライト文芸大賞で奨励賞を頂きました!ありがとうございました!
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
アマツバメ
明野空
青春
「もし叶うなら、私は夜になりたいな」
お天道様とケンカし、日傘で陽をさえぎりながら歩き、
雨粒を降らせながら生きる少女の秘密――。
雨が降る日のみ登校する小山内乙鳥(おさないつばめ)、
謎の多い彼女の秘密に迫る物語。
縦読みオススメです。
※本小説は2014年に制作したものの改訂版となります。
イラスト:雨季朋美様
ハッピークリスマス ! 非公開にしていましたが再upしました。 2024.12.1
設樂理沙
青春
中学生の頃からずっと一緒だったよね。大切に思っていた人との楽しい日々が
この先もずっと続いていけぱいいのに……。
―――――――――――――――――――――――
|松村絢《まつむらあや》 ---大企業勤務 25歳
|堂本海(どうもとかい) ---商社勤務 25歳 (留年してしまい就職は一年遅れ)
中学の同級生
|渡部佳代子《わたなべかよこ》----絢と海との共通の友達 25歳
|石橋祐二《いしばしゆうじ》---絢の会社での先輩 30歳
|大隈可南子《おおくまかなこ》----海の同期 24歳 海LOVE?
――― 2024.12.1 再々公開 ――――
💍 イラストはOBAKERON様 有償画像
透明な僕たちが色づいていく
川奈あさ
青春
誰かの一番になれない僕は、今日も感情を下書き保存する
空気を読むのが得意で、周りの人の為に動いているはずなのに。どうして誰の一番にもなれないんだろう。
家族にも友達にも特別に必要とされていないと感じる雫。
そんな雫の一番大切な居場所は、”150文字”の感情を投稿するSNS「Letter」
苦手に感じていたクラスメイトの駆に「俺と一緒に物語を作って欲しい」と頼まれる。
ある秘密を抱える駆は「letter」で開催されるコンテストに作品を応募したいのだと言う。
二人は”150文字”の種になる季節や色を探しに出かけ始める。
誰かになりたくて、なれなかった。
透明な二人が150文字の物語を紡いでいく。
表紙イラスト aki様
窓を開くと
とさか
青春
17才の車椅子少女ー
『生と死の狭間で、彼女は何を思うのか。』
人間1度は訪れる道。
海辺の家から、
今の想いを手紙に書きます。
※小説家になろう、カクヨムと同時投稿しています。
☆イラスト(大空めとろ様)
○ブログ→ https://ozorametoronoblog.com/
○YouTube→ https://www.youtube.com/channel/UC6-9Cjmsy3wv04Iha0VkSWg
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる