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俺達山の留守番隊 3
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宮下の作るトマトソースは一瞬で無くなった。
多少陸斗がお持ち帰り用と確保、空き瓶一本程度のストックはしたとは言え一瞬で無くなった。
何か幻を見ているような気がした物の二キロ茹でたパスタも綺麗になくなったのだ。飲み物じゃないんだぞと言いたかったが何だか幻を見ていた気分で食後の麦茶を飲んでいた。山のようなパスタを最初に分けられて、残りを大皿に盛ると言う宮下に誰がおかわりするんだよと思っている間に水野を筆頭に次々におかわりして行き……俺が食べ終わる頃には大皿のおかわり用までなくなると言う幻に高校野球を見ながら一体何だったのだろうかと疑問を抱きながらウトウトとしていた。
実家では相変わらず眠りが浅く、寝不足は顔に現れていた。いつも通りのくたびれた教師が出来上がっていたが、夏休みになり次の出校日も当分先と言うスケジュールになった途端綾人がフランスに行くから留守番に行こうとこの山奥の家に住み付けばこの澄んだ空気と静けさ、程よい気温と心地よい風に不眠症何てどこに行ったと言う様に体は休息を求め、綾人の代わりに山の仕事に精を出す日々をすごしていた。時々高校生達の勉強を見ながら充実したストレスのない日々はきっとこのメンバーなのだからだろうと思っておく。
「そういや、今夜上島ブラザーズも来るって」
「なんだ?家の手伝いはいいのか?」
植田の情報にウトウトとしていた頭を起こして陸斗にお茶をお願いしながら机へと向かう。温かい緑茶が美味しいと思う八月上旬。気温はいつの間にか降り出した雨に二十度チョットで少し肌寒い位だ。
「家の方は間に合ってるんだってさ。だもん
でこっちを手伝いに来るとさ」
「まぁ、颯太の戦力はありがたいが……
あいつバイトはどうした」
「辞めたって」
「何で?」
確か地元では有名な蕎麦屋でバイトをしていたとかなんとか言ってた気がするがとお茶を啜っていれば
「接客と皿洗いしかやらせてくれないから勉強にならないから辞めたんだって」
「ああ…… 宮下の家で修行している方が確実に身になるな」
「それに飯田さんのそばつゆの方が美味しいって」
立派な理由を自分に作って辞めたと言う。
確かに修行にもならないし、理想とも程遠い味に付き合う時間も勿体ないと言うのは判る。だけどそれ込みの修行だろうと思うも今時はどんどん経験をしてこその修行だとどこぞのシェフは言った。ただし下地が出来ての話しだから結局は同じ事だと思うがそこは未知の世界の人間が口を挟まない方が良い事だろう。
「まぁ、どんなジャンルだろうとあのシェフより腕が上の奴ってそう相違ないだろうからな」
とは言ってもその父親や飯田が務める店の料理長は更に植田と言うが、残念な事にその判断材料は飯田父ぐらいしか高山には分からなかった。
そんな話を聞いてるうちに一台の車の音が聞こえてきた。
「お?上島ブラザーズの到着だ」
水野が足取り軽く門を開けに行ってくると出て行けば暫くもしないうちに荷物を持った二人が
「こんばんは!遅くなりました!」
弟の達弥が久し振りーなんて年齢差も関係なく人懐っこく年齢の近い陸斗達と挨拶をしていれば
「晩飯食べてたら遅くなりました。
宮下さんこれ綾人のおばあさんにお土産」
「うん。仏壇の所にあげてくれる?」
指示を出せば兄弟二人そろって蝋燭に火を付けてお線香まで上げてくれた。
暫くの間お世話になりますと挨拶をする辺り、親の躾が分るなぁと思う隣の部屋ではやっと揃った面子に
「同窓会やるぞー!」
と植田が騒いでいた。
「お前ら全員未成年だっていうのを忘れるなよ!」
ちゃんと教師として教育的指導をすれば俺がゆるくても小うるさいのは知っていると言うようにちゃんとノンアルコールのカクテルやビールなどをそろえて来ていた。
ニヤリと笑う馬鹿どもに
「ノンアルでもアルコール摂取の引き金にならないように未成年が飲むのは推奨してない物なんだぞ」
「いえ、雰囲気を味わいたいだけですので!」
「成分を見れば清涼飲料ですので!あれ?清涼飲料だっけ?」
なんて言い訳にアホかと思うも、俺達大人組のテーブルにはビールに日本酒に焼酎が並んでいる。この状況での説得何て意味ないなと早々に説教タイムが終われば宮下が夜食をずらりと並べてくれた。
「ご飯食べたばかりだけど軽くなら食べれるだろ?」
大量のカラアゲやポテトを揚げた宮下の誘惑に
「あ、スナックは別腹なので」
颯太の可笑しな言葉にこれは菓子なのかとから揚げを摘まんでしまえば早速のようにから揚げ争奪戦が発生した。
学校が替わりまだ数か月だが相変わらずだなと指先に付いた油分を舐めとりながら、それでも随分懐かしく思いながら元教え子たちの成長に目を細めてビールを眺めていれば圭斗のスマホが騒いでいた。
誰も気にしない雑音だが圭斗はその画面を見て盛大に顔を歪めて指先で操作をすれば、いきなり座布団の山に向かってスマホを投げつけていた。
「あんのバっカ!!!」
ボスっと勢いのまま座布団の隙間に潜り込んだスマホに誰もが口を閉ざしてしまった。
いきなりの圭斗の怒り具合に誰もが動かずにいる中、宮下がスマホを取り出して画面を見れば盛大に引き攣った顔で俺に無言でスマホを見せてくれた。
その画面に浮かぶ文字はシェフからのメッセージで
「すみません。俺では綾人さんの暴走を止められませんでした。
綾人さんこちらでお城をお買い上げになりました」
机の上に全員に見える様にスマホを置けば誰もが覗き見ている間俺は玄関を開けて山に向かって息を吸い込み
「お前は一体いくつ家を所有すれば気が済むんだっ!!!
城なんて買って一体どうすつもりだーーーっっっ!!!」
酸素の薄い高山地帯での全力で叫んだ後は酸欠と言わんばかりに息が上がって土間上がりでごろりと横になってしまうも
「さすが綾っち、行動理解不能」
冷静なのか現実逃避なのか判らない植田のその発言にほかの奴らも冷静になれたと言うか、圭斗と俺の動揺ぶりに逆に冷静になったのかも知らんがそんなのどうでもいい。
送られた写真とどの辺かと言う情報にマップをググったのか
「あ、ほんとに城があるわ」
水野が実在する城と名前は古い情報の為にちゃんと個人宅ではない程度の情報が書かれていた。
「あー、前の城主?の人のインスタ情報みっけ。うわー、この城サッカー場があるwwwマジ草生えてるwww」
植田が涙を流しながらの大爆笑は人の背丈ほどの雑草の向こうにたたずむ古風な家が立派になったと言うような城が見えていた。
「綾っちフランスまで行ってわざわざ草刈りするとかマジ意味わかんねーwww」
俺達の心労なんて知らないように植田と水野の情報をもとに全員が綾人が購入した城の情報を集める中
「おぅ、今時間ある?三分も要らないから。めっちゃ笑える面白い綾っち情報!
ほら、綾っち今フランス行ってるだろ?は?捕まったわけじゃないよ。もっと笑言える話。
綾っち時々バカだと思ったけどさ、フランスで城をお買い上げしたんだってwww
もうバカだよね?!なんで、よりにもよって城だよwww腹いてーwww」
なんて園田のスマホの画面には石岡、羽田、柚木の顔が並んでいて、三人は笑い転げるよりも理解できないと言う顔で園田の情報を一生懸命飲み込もうとしていたそれに俺も混ざる。
「何だ。まぁ、綾人の暴走だから笑っておけばいいぞ?もしフランスに行く事があれば泊まり先として遊びに行くのもありだから今はアホだって笑っておけ」
なんでこうなったと言う様に頭を抱えていれば現実逃避したかのような石岡が
「これでまた動画のネタが増えましたね……」
あまりに前向きな発言に絶対俺達に無茶ぶりなしわ寄せがくると怒り狂ってる圭斗をなだめる宮下だが
「そこは俺が頑張って憂さ晴らしするから楽しみにしていて」
ああ、宮下こんな顔で怒るんだと普段と変わらない顔でのストレス発散方法に自業自得とは言え少しだけ綾人を哀れに思うのだった。
多少陸斗がお持ち帰り用と確保、空き瓶一本程度のストックはしたとは言え一瞬で無くなった。
何か幻を見ているような気がした物の二キロ茹でたパスタも綺麗になくなったのだ。飲み物じゃないんだぞと言いたかったが何だか幻を見ていた気分で食後の麦茶を飲んでいた。山のようなパスタを最初に分けられて、残りを大皿に盛ると言う宮下に誰がおかわりするんだよと思っている間に水野を筆頭に次々におかわりして行き……俺が食べ終わる頃には大皿のおかわり用までなくなると言う幻に高校野球を見ながら一体何だったのだろうかと疑問を抱きながらウトウトとしていた。
実家では相変わらず眠りが浅く、寝不足は顔に現れていた。いつも通りのくたびれた教師が出来上がっていたが、夏休みになり次の出校日も当分先と言うスケジュールになった途端綾人がフランスに行くから留守番に行こうとこの山奥の家に住み付けばこの澄んだ空気と静けさ、程よい気温と心地よい風に不眠症何てどこに行ったと言う様に体は休息を求め、綾人の代わりに山の仕事に精を出す日々をすごしていた。時々高校生達の勉強を見ながら充実したストレスのない日々はきっとこのメンバーなのだからだろうと思っておく。
「そういや、今夜上島ブラザーズも来るって」
「なんだ?家の手伝いはいいのか?」
植田の情報にウトウトとしていた頭を起こして陸斗にお茶をお願いしながら机へと向かう。温かい緑茶が美味しいと思う八月上旬。気温はいつの間にか降り出した雨に二十度チョットで少し肌寒い位だ。
「家の方は間に合ってるんだってさ。だもん
でこっちを手伝いに来るとさ」
「まぁ、颯太の戦力はありがたいが……
あいつバイトはどうした」
「辞めたって」
「何で?」
確か地元では有名な蕎麦屋でバイトをしていたとかなんとか言ってた気がするがとお茶を啜っていれば
「接客と皿洗いしかやらせてくれないから勉強にならないから辞めたんだって」
「ああ…… 宮下の家で修行している方が確実に身になるな」
「それに飯田さんのそばつゆの方が美味しいって」
立派な理由を自分に作って辞めたと言う。
確かに修行にもならないし、理想とも程遠い味に付き合う時間も勿体ないと言うのは判る。だけどそれ込みの修行だろうと思うも今時はどんどん経験をしてこその修行だとどこぞのシェフは言った。ただし下地が出来ての話しだから結局は同じ事だと思うがそこは未知の世界の人間が口を挟まない方が良い事だろう。
「まぁ、どんなジャンルだろうとあのシェフより腕が上の奴ってそう相違ないだろうからな」
とは言ってもその父親や飯田が務める店の料理長は更に植田と言うが、残念な事にその判断材料は飯田父ぐらいしか高山には分からなかった。
そんな話を聞いてるうちに一台の車の音が聞こえてきた。
「お?上島ブラザーズの到着だ」
水野が足取り軽く門を開けに行ってくると出て行けば暫くもしないうちに荷物を持った二人が
「こんばんは!遅くなりました!」
弟の達弥が久し振りーなんて年齢差も関係なく人懐っこく年齢の近い陸斗達と挨拶をしていれば
「晩飯食べてたら遅くなりました。
宮下さんこれ綾人のおばあさんにお土産」
「うん。仏壇の所にあげてくれる?」
指示を出せば兄弟二人そろって蝋燭に火を付けてお線香まで上げてくれた。
暫くの間お世話になりますと挨拶をする辺り、親の躾が分るなぁと思う隣の部屋ではやっと揃った面子に
「同窓会やるぞー!」
と植田が騒いでいた。
「お前ら全員未成年だっていうのを忘れるなよ!」
ちゃんと教師として教育的指導をすれば俺がゆるくても小うるさいのは知っていると言うようにちゃんとノンアルコールのカクテルやビールなどをそろえて来ていた。
ニヤリと笑う馬鹿どもに
「ノンアルでもアルコール摂取の引き金にならないように未成年が飲むのは推奨してない物なんだぞ」
「いえ、雰囲気を味わいたいだけですので!」
「成分を見れば清涼飲料ですので!あれ?清涼飲料だっけ?」
なんて言い訳にアホかと思うも、俺達大人組のテーブルにはビールに日本酒に焼酎が並んでいる。この状況での説得何て意味ないなと早々に説教タイムが終われば宮下が夜食をずらりと並べてくれた。
「ご飯食べたばかりだけど軽くなら食べれるだろ?」
大量のカラアゲやポテトを揚げた宮下の誘惑に
「あ、スナックは別腹なので」
颯太の可笑しな言葉にこれは菓子なのかとから揚げを摘まんでしまえば早速のようにから揚げ争奪戦が発生した。
学校が替わりまだ数か月だが相変わらずだなと指先に付いた油分を舐めとりながら、それでも随分懐かしく思いながら元教え子たちの成長に目を細めてビールを眺めていれば圭斗のスマホが騒いでいた。
誰も気にしない雑音だが圭斗はその画面を見て盛大に顔を歪めて指先で操作をすれば、いきなり座布団の山に向かってスマホを投げつけていた。
「あんのバっカ!!!」
ボスっと勢いのまま座布団の隙間に潜り込んだスマホに誰もが口を閉ざしてしまった。
いきなりの圭斗の怒り具合に誰もが動かずにいる中、宮下がスマホを取り出して画面を見れば盛大に引き攣った顔で俺に無言でスマホを見せてくれた。
その画面に浮かぶ文字はシェフからのメッセージで
「すみません。俺では綾人さんの暴走を止められませんでした。
綾人さんこちらでお城をお買い上げになりました」
机の上に全員に見える様にスマホを置けば誰もが覗き見ている間俺は玄関を開けて山に向かって息を吸い込み
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酸素の薄い高山地帯での全力で叫んだ後は酸欠と言わんばかりに息が上がって土間上がりでごろりと横になってしまうも
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冷静なのか現実逃避なのか判らない植田のその発言にほかの奴らも冷静になれたと言うか、圭斗と俺の動揺ぶりに逆に冷静になったのかも知らんがそんなのどうでもいい。
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「あ、ほんとに城があるわ」
水野が実在する城と名前は古い情報の為にちゃんと個人宅ではない程度の情報が書かれていた。
「あー、前の城主?の人のインスタ情報みっけ。うわー、この城サッカー場があるwwwマジ草生えてるwww」
植田が涙を流しながらの大爆笑は人の背丈ほどの雑草の向こうにたたずむ古風な家が立派になったと言うような城が見えていた。
「綾っちフランスまで行ってわざわざ草刈りするとかマジ意味わかんねーwww」
俺達の心労なんて知らないように植田と水野の情報をもとに全員が綾人が購入した城の情報を集める中
「おぅ、今時間ある?三分も要らないから。めっちゃ笑える面白い綾っち情報!
ほら、綾っち今フランス行ってるだろ?は?捕まったわけじゃないよ。もっと笑言える話。
綾っち時々バカだと思ったけどさ、フランスで城をお買い上げしたんだってwww
もうバカだよね?!なんで、よりにもよって城だよwww腹いてーwww」
なんて園田のスマホの画面には石岡、羽田、柚木の顔が並んでいて、三人は笑い転げるよりも理解できないと言う顔で園田の情報を一生懸命飲み込もうとしていたそれに俺も混ざる。
「何だ。まぁ、綾人の暴走だから笑っておけばいいぞ?もしフランスに行く事があれば泊まり先として遊びに行くのもありだから今はアホだって笑っておけ」
なんでこうなったと言う様に頭を抱えていれば現実逃避したかのような石岡が
「これでまた動画のネタが増えましたね……」
あまりに前向きな発言に絶対俺達に無茶ぶりなしわ寄せがくると怒り狂ってる圭斗をなだめる宮下だが
「そこは俺が頑張って憂さ晴らしするから楽しみにしていて」
ああ、宮下こんな顔で怒るんだと普段と変わらない顔でのストレス発散方法に自業自得とは言え少しだけ綾人を哀れに思うのだった。
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