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とりあえずそこに座りなさい 1
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朝もやが立ち込める中、飯田さんの竈飯の活躍が続く。
飯テロが朝から盛り上がろうとしている理由は今日が最終日だから。
一週間間満喫したと言う様にオリヴィエと部屋を一つ一つ回って掃除が出来なかった埃まるけの部屋を拝見する。
二階のメインルームはテレビドラマが始まりそうな重厚な雰囲気があり、マントルピースも設置されているものの使い方が分らない俺としてはただの飾りと言うように眺めていた。
大きな窓の部屋だったり、広い廊下を挟んで部屋が並んで居たり。
「ちょっとしたホテルだよね」
「ちょっとどころか豪華なホテルだよ」
ホテル住まいだったオリヴィエの言葉にそうなのか?と思うのはお国事情だろうか。
「綾人!屋根裏の階段発見!」
「よし!開けたら何か出ないかチェックだ!」
「やだ―!!!」
週に一回エドガーの事務所の人が見回りに来ているのであるわけないのは判っているけど脅さずにはいられなくて逃げてきたオリヴィエを笑いながら階段の入り口の扉を開ける。
「あ、ちゃんと電気もある」
「前の住人が付けてくれたんだろうね」
言いながら階段を上れば一つ一つ個室となっていて、一番近い部屋の扉を開ける。鎧戸で閉ざされた部屋の窓を開けて窓からの景色を見る。
広い敷地の外まで見える景色は雄大な麦畑を見る事が出来、朝の朝日が飛び込む部屋に舞い上がる埃がきらきらと反射をしていた。
むわっとした空気が一新してまだ夏の暑さに当てられる前の空気が部屋を通り抜け、室内を見ればベットと小さなテーブルだけの部屋は何処かほっとさせるコンパクトな大きさだった。
思わず眺めていれば
「ここの部屋綾人の家の部屋ぐらいはあるね」
「いつの間に俺の部屋に入ったのかは聞かないけど、そうだね。身近な大きさだね」
窓枠にもたれながら使用感はない部屋はそれでも前の住人が手入れしていただろうくらいの汚れしかないようだ。
「時間があれば綺麗にしてあげたかったな」
あの金額と次に誰が入ってくれるのかという問題にもう一度景色を眺めるように窓から外を見れば
「あ、あの屋根マイヤーの家の屋根だ!」
「確かに!木の陰だけど辛うじて見える」
この城の一番高い位置からちょっと体を乗り出して見えると言う事はマイヤーの家からでは微妙だろうと間を遮る木の成長具合では今後見れなくなる可能性の方が大きい。そして視線を遠くに向ければパリの街並みまでは見えなかった。
「あー、天気がよかったらパリが見えたのにな」
「見れないのは残念だったね」
確かに。
山の家とは違うどこまでも広がる景色の見え方を心に留める様に眺めていればオリヴィエが羽織っていたシャツの袖を握りしめていた。
「綾人、どこか具合悪い?」
不安げなオリヴィエの見上げる視線に何でと思うもそこで視界が潤んでいる事に気付いた。
「ああ……」
これかと手の甲で目元を拭えば確かに不安にさせたなと拭い去り
「あまりに綺麗だからね。感動したんだよ」
「綾人の家の山の方が美しい」
何この口説き文句のようなのはとさすがフランス人、こう言った賛辞をナチュラルに言える事を怖いなと思いながら
「この景色に美もある。フランスにだって山の景色と負けないくらいの美しい当たり前の景色がある。オリヴィエはまだその美しさに気付いてないだけで、それはこの景色を見続けてたら失った時に気付く美と言う奴だ。二度と取り戻せないだけあって一度失えば二度と得難い忘れがたき風景の美なんだ」
「よくわからない」
言いつつも理解しようと難しい顔を隠せないでいる。
「それはこれからの人生経験で学ぶ事だ。焦る事はないし、オリヴィエの年齢なら理解できる方が少ない」
これから経験を増やして理解をできるようになれと言う。
「綾人には理解できるの?」
聞かれて首を傾けながら
「子供のころ、麓の家を少し過ぎたあたりから山の家に続く道にはみっしりと田んぼや畑があったんだ」
思い出す牧歌風景は
「高齢者ばかりの山間の町に若者は街に流出、そして田んぼや畑を受け継ぐ人はいなくなり、一気に荒れ果てて見るも無残な雑草だらけになりました。
整理された美、と言うのもあれだが人が時間をかけて、手をかけて、統率された秩序ある光景が一瞬で崩されて、取り戻すのには時間も労力もお金もかかり、それを喜んで取り戻そうなんて人はまずいない」
俺も大概人の事は言えないが
「人が愛した景色と言う美しさは理解されがたいほどの努力の証で、それを維持する事を美しいと言うのは当然だと思わないか?」
言うもオリヴィエはまだわからないと言う様に難しい顔をしているから分かりやすいように言葉を変える。
「オリヴィエが最高のバイオリンを奏でる為に日々の努力をする。だけど嫌になったから長い間バイオリンを弾くのを辞めたけどある日突然懐かしくなって弾いてみたけどかつて奏でていた音とは程遠く、その音を取り戻すのにどれだけの時間がかかるのか本当に取り戻せるのだろうかそう言った話ならわかるか?」
言えばよほど理解がしやすかったと見えて顔を真っ青にして懸命に首を縦に振っていた。
「オリヴィエはまだ色々な事を体験しないと判らないことだらけだから。
山の景色も空気も水の冷たさもみんな体験したから理解できたことで、オリヴィエにはこれから体験する機会も時間もあるから。一つ一つ触れ合い理解する事がオリヴィエの今後の課題だな」
与えた課題を俺は既にジョルジュから与えられていた事は知らなかったとはいえ同じ事を言われたオリヴィエは何か難しそうな顔で考え出す真剣さにそんな難しい事かと思うも参考にとオリヴィエは聞く。
「綾人は最初からあの山が美しいって思ってた?」
質問の意味は分かったが、答えは自分自身どう思ってるのかわからなくて首をかしげ
「ジイちゃんがバアちゃん、親戚がいて楽しい場所だととは認識してた。星空も綺麗で、いかにも都会にない景色にジイちゃんがとバアちゃんに会いに来たって言う気持ちだったけど、美しいかどうかはわりと最近の事かな……」
寧ろあの風景を
「憎んでいた事の方が強かったな。
俺から未来を取り上げて、不便を強要し、身動き取れなくて苦しんだ青春から、あの山に縫い付けられた今、やっと沢山の事を諦めてあそこで生きていく決意をしてやっと愛せるようになって、美しいと思うようになったな」
宮下や圭斗、先生、飯田さんにも言った事のない本音。オリヴィエの顔なんて見れない。
あれだけ大層な事を言っていた俺の本音は何てちっぽけな人間だろうかと再確認される程度の器の小ささ。だけどみんなはこの俺の苦しみを知ってるからこそ馬鹿にせずによく頑張った、そう言わざるを得ない言葉を引き出すしかない内容だった。
いつも思う。
何で自分で身動き取れなくなっても山にこだわったんだ。
ほかの奴らみたいに山を下りればこんなにも孤独になる事がなかったのにとジイちゃんっ子、バアちゃんっ子を自他ともに認めさせるぐらいの家族愛の裏側には同じくらいの恨みを積らせている。
多分、それもみんな知ってるだろうけど何も聞かないでくれる優しさと麓の町に買った家にホッとしているのだろうと思っている。
あくまでも俺の拠点は山の上だけど。
この旅行で街中に住めるのかどうか社会不適合ではないが、山の静けさの環境に適応してしまった体はこの先街中の生活なんて不安しかなくて、きっと山に逃げて行くのだろうな、なんて言う予想しかない。
長い間沈黙しながら外の景色を眺めている俺にオリヴィエは一生懸命俺の言葉を吟味しながら
「綾人はあの山の家が嫌いなの?」
多分何か聞いてはいけなかったと思う様に少し怯えていたその頭に手を乗せて
「そんな紆余曲折があって今じゃ他に住めないくらい気に入ってるぞ?
オリヴィエの思いでもあるし、みんなとの思い出もある。それに今じゃ俺だけの家じゃないみんなのもう一つの心の故郷になればいいって……
これは内緒な?」
言いながら髪をわしゃわしゃとかき混ぜればやめてーと逃げて行く様子に俺も鎧戸と窓を閉めて待てーと追いかけて行く。
そんな追いかけっこをしていれば一階に戻った所で
「綾人さん、オリー、もうすぐご飯だから。綾人さんは荷物纏めましたか?!」
「それ食後にやる予定!」
「やらない人の言い訳ですね」
なんて呆れる飯田さんの横をすり抜けてオリヴィエと一緒にキッチンのテーブルに着く。
沢山の料理であふれたキッチンには朝食とお昼の分のお弁当。そしてオリヴィエに持たせるお土産は二つ。マイヤーとジョルジュの分だろう。そしておなじみのパウンドケーキからはコーヒーの香りが漂ってきた。
二人して早く食べよう、もう食べて良いと期待しかない視線を向けてじーっと飯田さんへと視線をストーキングさせていれば
「温かいうちにどうぞ」
とろっとろのオムレツにジャガイモの冷製スープ、カリッと焼いたフランスパンにはガッツリとガーリックバターが塗ってあり、残り物を総て詰め込んだと言っても良いキッシュは野菜は勿論ソーセージやお肉もたくさん詰まった豪華な物になっていた。今日はオリヴィエの為に用意された朝食でもあり、城での最後の朝食の為にきっとかつての城主も朝から豪華な食事を堪能していたのだろうなと想像を膨らませながら美味しい朝ご飯に歓喜の悲鳴を響かせるのだった。
飯テロが朝から盛り上がろうとしている理由は今日が最終日だから。
一週間間満喫したと言う様にオリヴィエと部屋を一つ一つ回って掃除が出来なかった埃まるけの部屋を拝見する。
二階のメインルームはテレビドラマが始まりそうな重厚な雰囲気があり、マントルピースも設置されているものの使い方が分らない俺としてはただの飾りと言うように眺めていた。
大きな窓の部屋だったり、広い廊下を挟んで部屋が並んで居たり。
「ちょっとしたホテルだよね」
「ちょっとどころか豪華なホテルだよ」
ホテル住まいだったオリヴィエの言葉にそうなのか?と思うのはお国事情だろうか。
「綾人!屋根裏の階段発見!」
「よし!開けたら何か出ないかチェックだ!」
「やだ―!!!」
週に一回エドガーの事務所の人が見回りに来ているのであるわけないのは判っているけど脅さずにはいられなくて逃げてきたオリヴィエを笑いながら階段の入り口の扉を開ける。
「あ、ちゃんと電気もある」
「前の住人が付けてくれたんだろうね」
言いながら階段を上れば一つ一つ個室となっていて、一番近い部屋の扉を開ける。鎧戸で閉ざされた部屋の窓を開けて窓からの景色を見る。
広い敷地の外まで見える景色は雄大な麦畑を見る事が出来、朝の朝日が飛び込む部屋に舞い上がる埃がきらきらと反射をしていた。
むわっとした空気が一新してまだ夏の暑さに当てられる前の空気が部屋を通り抜け、室内を見ればベットと小さなテーブルだけの部屋は何処かほっとさせるコンパクトな大きさだった。
思わず眺めていれば
「ここの部屋綾人の家の部屋ぐらいはあるね」
「いつの間に俺の部屋に入ったのかは聞かないけど、そうだね。身近な大きさだね」
窓枠にもたれながら使用感はない部屋はそれでも前の住人が手入れしていただろうくらいの汚れしかないようだ。
「時間があれば綺麗にしてあげたかったな」
あの金額と次に誰が入ってくれるのかという問題にもう一度景色を眺めるように窓から外を見れば
「あ、あの屋根マイヤーの家の屋根だ!」
「確かに!木の陰だけど辛うじて見える」
この城の一番高い位置からちょっと体を乗り出して見えると言う事はマイヤーの家からでは微妙だろうと間を遮る木の成長具合では今後見れなくなる可能性の方が大きい。そして視線を遠くに向ければパリの街並みまでは見えなかった。
「あー、天気がよかったらパリが見えたのにな」
「見れないのは残念だったね」
確かに。
山の家とは違うどこまでも広がる景色の見え方を心に留める様に眺めていればオリヴィエが羽織っていたシャツの袖を握りしめていた。
「綾人、どこか具合悪い?」
不安げなオリヴィエの見上げる視線に何でと思うもそこで視界が潤んでいる事に気付いた。
「ああ……」
これかと手の甲で目元を拭えば確かに不安にさせたなと拭い去り
「あまりに綺麗だからね。感動したんだよ」
「綾人の家の山の方が美しい」
何この口説き文句のようなのはとさすがフランス人、こう言った賛辞をナチュラルに言える事を怖いなと思いながら
「この景色に美もある。フランスにだって山の景色と負けないくらいの美しい当たり前の景色がある。オリヴィエはまだその美しさに気付いてないだけで、それはこの景色を見続けてたら失った時に気付く美と言う奴だ。二度と取り戻せないだけあって一度失えば二度と得難い忘れがたき風景の美なんだ」
「よくわからない」
言いつつも理解しようと難しい顔を隠せないでいる。
「それはこれからの人生経験で学ぶ事だ。焦る事はないし、オリヴィエの年齢なら理解できる方が少ない」
これから経験を増やして理解をできるようになれと言う。
「綾人には理解できるの?」
聞かれて首を傾けながら
「子供のころ、麓の家を少し過ぎたあたりから山の家に続く道にはみっしりと田んぼや畑があったんだ」
思い出す牧歌風景は
「高齢者ばかりの山間の町に若者は街に流出、そして田んぼや畑を受け継ぐ人はいなくなり、一気に荒れ果てて見るも無残な雑草だらけになりました。
整理された美、と言うのもあれだが人が時間をかけて、手をかけて、統率された秩序ある光景が一瞬で崩されて、取り戻すのには時間も労力もお金もかかり、それを喜んで取り戻そうなんて人はまずいない」
俺も大概人の事は言えないが
「人が愛した景色と言う美しさは理解されがたいほどの努力の証で、それを維持する事を美しいと言うのは当然だと思わないか?」
言うもオリヴィエはまだわからないと言う様に難しい顔をしているから分かりやすいように言葉を変える。
「オリヴィエが最高のバイオリンを奏でる為に日々の努力をする。だけど嫌になったから長い間バイオリンを弾くのを辞めたけどある日突然懐かしくなって弾いてみたけどかつて奏でていた音とは程遠く、その音を取り戻すのにどれだけの時間がかかるのか本当に取り戻せるのだろうかそう言った話ならわかるか?」
言えばよほど理解がしやすかったと見えて顔を真っ青にして懸命に首を縦に振っていた。
「オリヴィエはまだ色々な事を体験しないと判らないことだらけだから。
山の景色も空気も水の冷たさもみんな体験したから理解できたことで、オリヴィエにはこれから体験する機会も時間もあるから。一つ一つ触れ合い理解する事がオリヴィエの今後の課題だな」
与えた課題を俺は既にジョルジュから与えられていた事は知らなかったとはいえ同じ事を言われたオリヴィエは何か難しそうな顔で考え出す真剣さにそんな難しい事かと思うも参考にとオリヴィエは聞く。
「綾人は最初からあの山が美しいって思ってた?」
質問の意味は分かったが、答えは自分自身どう思ってるのかわからなくて首をかしげ
「ジイちゃんがバアちゃん、親戚がいて楽しい場所だととは認識してた。星空も綺麗で、いかにも都会にない景色にジイちゃんがとバアちゃんに会いに来たって言う気持ちだったけど、美しいかどうかはわりと最近の事かな……」
寧ろあの風景を
「憎んでいた事の方が強かったな。
俺から未来を取り上げて、不便を強要し、身動き取れなくて苦しんだ青春から、あの山に縫い付けられた今、やっと沢山の事を諦めてあそこで生きていく決意をしてやっと愛せるようになって、美しいと思うようになったな」
宮下や圭斗、先生、飯田さんにも言った事のない本音。オリヴィエの顔なんて見れない。
あれだけ大層な事を言っていた俺の本音は何てちっぽけな人間だろうかと再確認される程度の器の小ささ。だけどみんなはこの俺の苦しみを知ってるからこそ馬鹿にせずによく頑張った、そう言わざるを得ない言葉を引き出すしかない内容だった。
いつも思う。
何で自分で身動き取れなくなっても山にこだわったんだ。
ほかの奴らみたいに山を下りればこんなにも孤独になる事がなかったのにとジイちゃんっ子、バアちゃんっ子を自他ともに認めさせるぐらいの家族愛の裏側には同じくらいの恨みを積らせている。
多分、それもみんな知ってるだろうけど何も聞かないでくれる優しさと麓の町に買った家にホッとしているのだろうと思っている。
あくまでも俺の拠点は山の上だけど。
この旅行で街中に住めるのかどうか社会不適合ではないが、山の静けさの環境に適応してしまった体はこの先街中の生活なんて不安しかなくて、きっと山に逃げて行くのだろうな、なんて言う予想しかない。
長い間沈黙しながら外の景色を眺めている俺にオリヴィエは一生懸命俺の言葉を吟味しながら
「綾人はあの山の家が嫌いなの?」
多分何か聞いてはいけなかったと思う様に少し怯えていたその頭に手を乗せて
「そんな紆余曲折があって今じゃ他に住めないくらい気に入ってるぞ?
オリヴィエの思いでもあるし、みんなとの思い出もある。それに今じゃ俺だけの家じゃないみんなのもう一つの心の故郷になればいいって……
これは内緒な?」
言いながら髪をわしゃわしゃとかき混ぜればやめてーと逃げて行く様子に俺も鎧戸と窓を閉めて待てーと追いかけて行く。
そんな追いかけっこをしていれば一階に戻った所で
「綾人さん、オリー、もうすぐご飯だから。綾人さんは荷物纏めましたか?!」
「それ食後にやる予定!」
「やらない人の言い訳ですね」
なんて呆れる飯田さんの横をすり抜けてオリヴィエと一緒にキッチンのテーブルに着く。
沢山の料理であふれたキッチンには朝食とお昼の分のお弁当。そしてオリヴィエに持たせるお土産は二つ。マイヤーとジョルジュの分だろう。そしておなじみのパウンドケーキからはコーヒーの香りが漂ってきた。
二人して早く食べよう、もう食べて良いと期待しかない視線を向けてじーっと飯田さんへと視線をストーキングさせていれば
「温かいうちにどうぞ」
とろっとろのオムレツにジャガイモの冷製スープ、カリッと焼いたフランスパンにはガッツリとガーリックバターが塗ってあり、残り物を総て詰め込んだと言っても良いキッシュは野菜は勿論ソーセージやお肉もたくさん詰まった豪華な物になっていた。今日はオリヴィエの為に用意された朝食でもあり、城での最後の朝食の為にきっとかつての城主も朝から豪華な食事を堪能していたのだろうなと想像を膨らませながら美味しい朝ご飯に歓喜の悲鳴を響かせるのだった。
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