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行動力ある引きこもり程面倒でしょうがない 3
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初めての飛行機は長距離とあって奮発した。ただその価値があって狭い空間の中でも快適に過ごせて、サービスも満足もした。夜の間はすぐ側に人もあってぐっすりとまではいかなかったが、それでも部屋のパソコンの前で寝落ちするよりは快適に寝れたと思う。というか、この座席持って帰りたいなぁなんてバカな事を考えつつも起きたらいつも通りトイレに行って歯を洗い、温かいお茶を貰って朝食の時間までメールのチェックをすればあまりの膨大な量の内容はほとんど昨日上げた動画に対する感想だった。
オリヴィエと連絡先を交換した奴らはテンション高いコメントが並び、浩太さんからもオリヴィエのバイオリンに鉄治さん、幸治と一緒にあんな凄いなんてと驚いていた。その感想とは別に浩太さんからオリヴィエと一緒にご飯を食べたり勉強したりした幸治が、年も数歳しか変わらないのに母親の育児放棄という虐待から乗り越えた姿に思う事があったらしく、あんな時間なのに陸斗の所に連絡して勉強を教えに貰いに行ったと言う。祖母はどこか悲しい顔をしたそうだが、それでも何か目的を持ったかのように動く姿に何かしたいと足掻いている姿を見て応援してやりたいと綴ってあった。
やっと中学生になってまだまだ進路なんて考えた事がない子供が多いと言うのに、祖父と父親、その後を継ぐと言う意気込みは感じたけど、減って行くばかりの町にそこまで意気込みの必要な仕事は何だろうかと思うもそれが後を継ぐ決断か。街の人口よりはるかに少ないあの村の僻地にある一軒家を受け継いだ俺が心配する事じゃないと言う様に応援してますと返すのだった。
その中から飯田さんのメッセージを見つけた。
『飛行機の到着時間を教えてください。迎えに行きます』
何て書いてあって俺は冷や汗を一筋落とす。
そういや言ったっけ?言った覚えない……な?
止まらぬ汗に俺は震える指で返信をする。
「ごめんなさい。
先にイギリスに二日ほど滞在して見たい物を見てからドーバー海峡の下を通るユーロスターに乗ってパリに向おうかと思ってます。
ご連絡遅くなって申し訳ありませんでした」
と書いて、顔を引き攣らせながら送信。
それからしばらくして届いた返信はただ一言。
『迎えに行きます。到着時間は必ず教えてください』
ああ、やっぱり神はご立腹でした。再会した直後小言が炸裂するんだろうなと想像は容易い。
てゆーか、ふつーなら真っ直ぐフランス入りするよねー、なんて常識は初めての海外旅行者に求めないでください。そりゃあ最初はフランス入りする予定だったけど、効率を考えたら行ったり来たりするより片道旅行の方が良いわけだしと、チケット取る直前で予定変更した物のまさかお迎え何て発想がなかった為の暴挙。友達の少なさからの想定外にちょっと涙が出そうになったも着いてホテルに到着してから電話すればいいやーなんて単純な考えが招いた事故に神を静めるには何を捧げればいいかと頭を悩ますのだった。
そんなこんなで十数時間の滞在の後にヒースロー空港に到着。
荷物を受け取って無事入国。旅の醍醐味としてなるべく交通機関を利用しながら宿泊先のホテルにチェックインして荷物を預ける。さすがにホテルは普通の部屋にしたけど、身軽になったのですぐに行動する事にした。
まずは観光客らしく正しくお城を見に行く事にした。
見たい所はウィンザー城、バッキンガム宮殿、ウェストミンスター寺院と言った由緒正しき観光地をするだけで一日が終わるだろう。だけど本命は二日目のマナーハウスに宿泊だ。コッツウォルズ地方の地主さんの邸宅がホテルになってるのなら是非とも泊まりたいと思うのは一応俺だって自宅近辺の大地主だし、古くから受け継がれた古民家を譲り受けた身。よそ様のお家の様子を知りたいと言う物。何よりその庭造りや一番の目的のはちみつ色の石が積み上げられただけのドライストーンウォーリングも気になる所。何処かで摘んでいる光景を見れたらと思うも一月滞在しても時間が足りなことに頭を悩ませてしまう。
地図は頭に入れた。時刻通りに来ないだろう電車の時刻表も頭に入れた。夜はパブに行ってみたいのでフロントの人に観光客でも安全に入れる店を教えてもらって、おのぼりさんらしくきょろきょろと動画を取りながら散策をしていれば日本人八人のツアーの人達と出会って運よく紛れ込みながら楽しむのだった。
観光はやっぱりツアーだよなと効率と要領のよさに改めて感心している合間にツアーの終わりにはパブを体験と言うのもあって、そこで案内役の人を含めておれは今日のお礼にとおごらせてもらうのだった。ラガーも良いけどやっぱりイギリスと言えばエールでしょと謎の思い込みで頼むも皆さんお好きなビールやカクテルを注文して名残惜しいけどそこでお別れにした。
パブの梯子ではないけどホテルのフロントの人に聞いた時に予約までしてもらった店へと足を運べばさっきは言った店とは全く違うような重厚感のある店構えで、店内の内装も荘厳な作りで天井も高くて思わず見上げてしまう。
入口で予約をしたと言えばすぐに案内してもらえたのでとりあえずイギリスと来たらフィッシュ&チップスでしょうと言ってラガーと共に注文。すぐにビールはやってきてちびちび飲みながら店内の内装を目に焼き付けていれば
「観光かい?どちらから?」
いかにもイギリス人らしい彫と鼻の高い人に顔立ちに思わず感嘆の息を零しながら
「日本から。友人に会う前にイギリスで観光に」
「日本!何度かビジネスで行った事ある!安全で良い国だ。財布を落したのに中身も擦られずに戻ってきて神に感謝したよ!」
「良かったですねー」
にこにこと話をしている間に話しかけてきた人は目の前の椅子に座ってしまった。
えー……
オリヴィエと連絡先を交換した奴らはテンション高いコメントが並び、浩太さんからもオリヴィエのバイオリンに鉄治さん、幸治と一緒にあんな凄いなんてと驚いていた。その感想とは別に浩太さんからオリヴィエと一緒にご飯を食べたり勉強したりした幸治が、年も数歳しか変わらないのに母親の育児放棄という虐待から乗り越えた姿に思う事があったらしく、あんな時間なのに陸斗の所に連絡して勉強を教えに貰いに行ったと言う。祖母はどこか悲しい顔をしたそうだが、それでも何か目的を持ったかのように動く姿に何かしたいと足掻いている姿を見て応援してやりたいと綴ってあった。
やっと中学生になってまだまだ進路なんて考えた事がない子供が多いと言うのに、祖父と父親、その後を継ぐと言う意気込みは感じたけど、減って行くばかりの町にそこまで意気込みの必要な仕事は何だろうかと思うもそれが後を継ぐ決断か。街の人口よりはるかに少ないあの村の僻地にある一軒家を受け継いだ俺が心配する事じゃないと言う様に応援してますと返すのだった。
その中から飯田さんのメッセージを見つけた。
『飛行機の到着時間を教えてください。迎えに行きます』
何て書いてあって俺は冷や汗を一筋落とす。
そういや言ったっけ?言った覚えない……な?
止まらぬ汗に俺は震える指で返信をする。
「ごめんなさい。
先にイギリスに二日ほど滞在して見たい物を見てからドーバー海峡の下を通るユーロスターに乗ってパリに向おうかと思ってます。
ご連絡遅くなって申し訳ありませんでした」
と書いて、顔を引き攣らせながら送信。
それからしばらくして届いた返信はただ一言。
『迎えに行きます。到着時間は必ず教えてください』
ああ、やっぱり神はご立腹でした。再会した直後小言が炸裂するんだろうなと想像は容易い。
てゆーか、ふつーなら真っ直ぐフランス入りするよねー、なんて常識は初めての海外旅行者に求めないでください。そりゃあ最初はフランス入りする予定だったけど、効率を考えたら行ったり来たりするより片道旅行の方が良いわけだしと、チケット取る直前で予定変更した物のまさかお迎え何て発想がなかった為の暴挙。友達の少なさからの想定外にちょっと涙が出そうになったも着いてホテルに到着してから電話すればいいやーなんて単純な考えが招いた事故に神を静めるには何を捧げればいいかと頭を悩ますのだった。
そんなこんなで十数時間の滞在の後にヒースロー空港に到着。
荷物を受け取って無事入国。旅の醍醐味としてなるべく交通機関を利用しながら宿泊先のホテルにチェックインして荷物を預ける。さすがにホテルは普通の部屋にしたけど、身軽になったのですぐに行動する事にした。
まずは観光客らしく正しくお城を見に行く事にした。
見たい所はウィンザー城、バッキンガム宮殿、ウェストミンスター寺院と言った由緒正しき観光地をするだけで一日が終わるだろう。だけど本命は二日目のマナーハウスに宿泊だ。コッツウォルズ地方の地主さんの邸宅がホテルになってるのなら是非とも泊まりたいと思うのは一応俺だって自宅近辺の大地主だし、古くから受け継がれた古民家を譲り受けた身。よそ様のお家の様子を知りたいと言う物。何よりその庭造りや一番の目的のはちみつ色の石が積み上げられただけのドライストーンウォーリングも気になる所。何処かで摘んでいる光景を見れたらと思うも一月滞在しても時間が足りなことに頭を悩ませてしまう。
地図は頭に入れた。時刻通りに来ないだろう電車の時刻表も頭に入れた。夜はパブに行ってみたいのでフロントの人に観光客でも安全に入れる店を教えてもらって、おのぼりさんらしくきょろきょろと動画を取りながら散策をしていれば日本人八人のツアーの人達と出会って運よく紛れ込みながら楽しむのだった。
観光はやっぱりツアーだよなと効率と要領のよさに改めて感心している合間にツアーの終わりにはパブを体験と言うのもあって、そこで案内役の人を含めておれは今日のお礼にとおごらせてもらうのだった。ラガーも良いけどやっぱりイギリスと言えばエールでしょと謎の思い込みで頼むも皆さんお好きなビールやカクテルを注文して名残惜しいけどそこでお別れにした。
パブの梯子ではないけどホテルのフロントの人に聞いた時に予約までしてもらった店へと足を運べばさっきは言った店とは全く違うような重厚感のある店構えで、店内の内装も荘厳な作りで天井も高くて思わず見上げてしまう。
入口で予約をしたと言えばすぐに案内してもらえたのでとりあえずイギリスと来たらフィッシュ&チップスでしょうと言ってラガーと共に注文。すぐにビールはやってきてちびちび飲みながら店内の内装を目に焼き付けていれば
「観光かい?どちらから?」
いかにもイギリス人らしい彫と鼻の高い人に顔立ちに思わず感嘆の息を零しながら
「日本から。友人に会う前にイギリスで観光に」
「日本!何度かビジネスで行った事ある!安全で良い国だ。財布を落したのに中身も擦られずに戻ってきて神に感謝したよ!」
「良かったですねー」
にこにこと話をしている間に話しかけてきた人は目の前の椅子に座ってしまった。
えー……
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――― 2024.12.1 再々公開 ――――
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