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休みなんて所詮社会に縛られてる人のものであり、年中無休の引きこもりにはここで働かずにいつ働くと言われるように働かせていただきます 2
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一年の半分以上ある長い冬が終われば一斉に命の芽吹く春がやってきた。
つまり暴君雑草様が躍動する季節になった。
このゴールデンウィーク中に川上と山田のコンビを中心に柵の工事が入る前にせめて作業の足場を確保のための草取りをしたい。森下さん達の奥さん達も草刈りの手伝いをしてくれると言ってくれたので甘えるしかない季節に烏骨鶏達では追いつかない雑草の繁殖力の対策として人の手の確保は何よりもありがたかった。
髪を切り終えたら圭斗は陸斗を連れて入り口や車を止める所の雑草を刈り、隅の仕上げを陸斗がナイロンカッターで整えていく。陸斗もしっかりと慣れたものだなと感心しながら長い冬の合間に忘れたモーター音を嫌って逃げ回る烏骨鶏は元馬小屋の今はゴミ捨て場へと逃げるのだった。さすがチキン。
そんな二人に家を任せて俺は宮下を連れて改めて柵をぐるりと回る。ただし今回は外側を。
前回通った時に気になった枝を落としにチェーンソーと鉈を担いでの山歩きだ。枝にロープを引っ掛けて引き寄せてチェーンソーで切り落とす。さらに柵の内側に引き摺り込んで庭まで持ってきて小さく切って薪の足しにする。なんとも気の長い話だが、気になる枝はそれほど多くない。なんせ冬の間に枯れ枝や細い枝は雪の重さで折れてしまっているから。その枝も作業の邪魔にならないように処理をするために家へと持ってかえるのだった。
帰るたびに宮下家のあずきが顔をあげて尻尾を振り回してお出迎えしてくれる。
散歩ではないが宮下が退屈そうなあずきを連れてきて陸斗に鹿で作った無塩のジャーキーを与えながら遊んで今はお腹も満足して番犬モードになっていた。
ちなみにもなかは養子に出されてご近所のおうちの子になっていた。あずきに負けず劣らず賢く育ったまだやんちゃ盛りのもなかは番犬として能力を発揮して養子先の庭に出没する鹿を撃退しているという。
「今年は久しぶりに花を楽しめそうだよ」
なんて花芽を食べにくる鹿の撃退に一役立っている事に良かったなーと半年ほど前の野犬の姿からは想像もつかない立派な番犬としての成長ぶりに宮下にあずきにあげた鹿のジャーキーを持っていってくれとお願いするのだった。
あずきも宮下家の番犬として、そして看板娘として立派にお役目を果たすも今日は久しぶりに里帰りしてきたのだ。この表現が合ってるのかわからないが縁側の足に鎖を繋いで縁側の上でまどろむあずきに家の番をさせる合間にも戻ってくるたびに嬉しそうに鳴いては撫でてくれと甘えてくる罠に仕方がないなあとデレデレの宮下は今のところ全敗だ。
そんなこんなでお昼時にも近くなり、宮下がご飯の準備をしてくれる事になった。さっと五右衛門風呂で汗と埃を落とし、俺はご飯ができる合間まで持ち帰った枝を小さく切る。休みなく働く、バアちゃんの姿だったがまさか同じ事をしてるとバアちゃんですら想像しなかっただろう。
「綾人ー、ご飯のスイッチ入れたからお風呂入ってー。圭斗にも戻るように連絡入れたから」
早くねーと続くのがきっと宮下家の家庭の決まり文句なのだろう。なんだか妙なくすぐったさを覚えながら先にお風呂に入らせてもらう。全身埃をかぶり、汗だくでベトベトする肌に着替えを手にしてさっと風呂を浴びる。ただしそれなりに今も十度もないのでしっかり温まり、後片付けをするからと陸斗に先に入らせる圭斗にお先にと一声かけておく。
「そういや草刈機のカッターの替え刃はあるか?」
「倉庫に山ほど」
そんなに買ってどうすると宮下に怒られた量を思い出しながら言えば実態を知らない圭斗は難しい顔をして
「効率を考えるとバッテリーの事も考えて刃を取り替えながら草刈りをしたい。取り替えた刃は夜にでも研げばいいだろうし……」
「納屋に研ぎ機あるぞ」
言えば無表情になった。
「珍しい物があるな?」
半眼の圭斗に
「いやー、なんか面白いものがあるなってネットでポチッと?」
便利なネットの世界の罠に謎の買い物はこの山奥では店がないので仕方がない。
「それなりの値段しただろ?」
口調は優しく、でも呆れた声色だが砥石で研げばいいものだろと考えていた圭斗からしたらそれは本当に必要なのか?なんて問われているようで圭斗と顔を合わせられずにいた。
「ごめんなさい。好奇心に勝てませんでした」
「そして一度使って満足して埃かぶってると……」
「刃を付け替えた方が早くて」
だろうなと呆れ切ったため息しか出ない圭斗は
「飯食ったらそれ見せろ」
「はい」
しょぼんと項垂れた綾人をめんどくさいと宮下に押し付けて風呂から出てきた陸斗と入れ替わるように風呂に入る。
宮下は話し声が聞こえてたのでまたかと笑っていたが風呂から上がって空気の変わった様子に戸惑う陸斗にご飯を食べ終えた後、少しお昼寝してくるといいと言って二階の本棚へ行っていいぞと言えば軽く弾むような足取りで階段を駆けていく音に笑みが自然に浮かぶ、が
「さて、納屋に行くぞ」
容赦のない声に
「はい」
と言って圭斗に連行されていく場所は烏骨鶏ハウスを裏側から入った場所。
母屋の西側にあり、気持ち少し下った所にある。
昔は普通の家だったらしいけど今はジイちゃんが山の動物を解体するようにと土間はコンクリートを流しジャブジャブ水を流して洗えるように排水路も確保してある作業場に変わり果てていた。
因みに烏骨鶏ハウスの場所はこの家の本来ならば玄関と広い玄関上がりと隣にあった三畳ほどの小さな部屋と言う間取り。烏骨鶏の小屋としては十分すぎる広さにこれ以上広げる気もないし広げようもない。
そんな作業場と烏骨鶏ハウスの間には二階に上がる階段があるのでしっかり防音はできている。
そしてその間の階段を上がるとあの真冬の終わりを告げる思い出の部屋があり、時々飯田さんがあの部屋の窓を開けてお昼を食べたりして活用してくれる。ただし猛烈に寒いのですぐに閉めるが意外にも烏骨鶏が一階に住んでくれているので二階がなんとなく暖かい気がするのは飯田さんも言っているので俺の気のせいじゃないと思う。
例えオイルヒーターがつけっぱなしとはいえだ。
今となれば多目的ハウスとなった納屋の部分には色々と置いてある倉庫部分もある。ストーブを置いたり肥料を置いたり、かつて廃屋寸前まで朽ちかけたこの吉野の家の旧家から処分に悩んで移した荷物もここにある。
その一角の一番出口に近いところに農機具達は置かれていた。それらをかき分けて
「あった。これが草刈機の刃を研ぐ機械」
ヨイショと近くの作業用のテーブルに置くと不意に宮下は外に行ったかと思えば
「綾人、この荷物はなんだ?」
「ああ、これ?旧家の荷物。
仕分けがわからなくってとりあえずここで保留とか?」
それ片付けたんじゃないかと問う視線に
「ほら、これ使ってなくってもジイちゃんの仕事道具だし?吉野の歴史だし?使い方わからないけど絶対レアアイテムだし?」
「つまりちょっと気になってて捨てれなかったと?」
そんな感じと懸命に首を縦に振れば圭斗は笑う。あまりの眩い笑顔に惚れそうになるものの下半身はちびりそうにびびっている。
「そう思うならきっちり棚作ってきっちり片付ける!」
「はい!」
分けもわからず返事をする綾人に
「宮!棚を作るぞ!木材もってこい!」
「棚?!草取りは???」
ちょっと目を離した隙になにが起きたと納屋に戻って来れば良く理解しないまま本能で危険を察したように
「どれぐらいの幅?」
的確な答えを導き出していた。
「聞くのはそれ?」
そんな疑問の綾人の悲鳴に宮下は憐れむように可愛そうな子を見る瞳で俺を見て
「ごめんなさいは言えるだろ?」
そう言ってこっちに持ってきた荷物はその時置かれたままの様子を三人で見下ろし
「大切な物ならちゃんと片付けないと」
「バアちゃん譲りの大雑把さがこんなところで発揮……」
「言い訳しない。今なら棚作って片づけてあげるから。陸斗と一緒に草取り頑張っておいで?」
「うん。……ごめんなさい」
よく言えましたとなでなでと宮下に頭を撫でられてから陸斗を誘って草刈りの再スタート。
ひたすら刈りに刈って刈りまくって
「綾人ー!陸斗ー!ご飯だよー!!!」
「今いくー!!!」
宮下の呼ぶ声に俺と陸斗はスイッチを切って今日は終わりだとまっすぐ家へと足を運ぶのだった。
つまり暴君雑草様が躍動する季節になった。
このゴールデンウィーク中に川上と山田のコンビを中心に柵の工事が入る前にせめて作業の足場を確保のための草取りをしたい。森下さん達の奥さん達も草刈りの手伝いをしてくれると言ってくれたので甘えるしかない季節に烏骨鶏達では追いつかない雑草の繁殖力の対策として人の手の確保は何よりもありがたかった。
髪を切り終えたら圭斗は陸斗を連れて入り口や車を止める所の雑草を刈り、隅の仕上げを陸斗がナイロンカッターで整えていく。陸斗もしっかりと慣れたものだなと感心しながら長い冬の合間に忘れたモーター音を嫌って逃げ回る烏骨鶏は元馬小屋の今はゴミ捨て場へと逃げるのだった。さすがチキン。
そんな二人に家を任せて俺は宮下を連れて改めて柵をぐるりと回る。ただし今回は外側を。
前回通った時に気になった枝を落としにチェーンソーと鉈を担いでの山歩きだ。枝にロープを引っ掛けて引き寄せてチェーンソーで切り落とす。さらに柵の内側に引き摺り込んで庭まで持ってきて小さく切って薪の足しにする。なんとも気の長い話だが、気になる枝はそれほど多くない。なんせ冬の間に枯れ枝や細い枝は雪の重さで折れてしまっているから。その枝も作業の邪魔にならないように処理をするために家へと持ってかえるのだった。
帰るたびに宮下家のあずきが顔をあげて尻尾を振り回してお出迎えしてくれる。
散歩ではないが宮下が退屈そうなあずきを連れてきて陸斗に鹿で作った無塩のジャーキーを与えながら遊んで今はお腹も満足して番犬モードになっていた。
ちなみにもなかは養子に出されてご近所のおうちの子になっていた。あずきに負けず劣らず賢く育ったまだやんちゃ盛りのもなかは番犬として能力を発揮して養子先の庭に出没する鹿を撃退しているという。
「今年は久しぶりに花を楽しめそうだよ」
なんて花芽を食べにくる鹿の撃退に一役立っている事に良かったなーと半年ほど前の野犬の姿からは想像もつかない立派な番犬としての成長ぶりに宮下にあずきにあげた鹿のジャーキーを持っていってくれとお願いするのだった。
あずきも宮下家の番犬として、そして看板娘として立派にお役目を果たすも今日は久しぶりに里帰りしてきたのだ。この表現が合ってるのかわからないが縁側の足に鎖を繋いで縁側の上でまどろむあずきに家の番をさせる合間にも戻ってくるたびに嬉しそうに鳴いては撫でてくれと甘えてくる罠に仕方がないなあとデレデレの宮下は今のところ全敗だ。
そんなこんなでお昼時にも近くなり、宮下がご飯の準備をしてくれる事になった。さっと五右衛門風呂で汗と埃を落とし、俺はご飯ができる合間まで持ち帰った枝を小さく切る。休みなく働く、バアちゃんの姿だったがまさか同じ事をしてるとバアちゃんですら想像しなかっただろう。
「綾人ー、ご飯のスイッチ入れたからお風呂入ってー。圭斗にも戻るように連絡入れたから」
早くねーと続くのがきっと宮下家の家庭の決まり文句なのだろう。なんだか妙なくすぐったさを覚えながら先にお風呂に入らせてもらう。全身埃をかぶり、汗だくでベトベトする肌に着替えを手にしてさっと風呂を浴びる。ただしそれなりに今も十度もないのでしっかり温まり、後片付けをするからと陸斗に先に入らせる圭斗にお先にと一声かけておく。
「そういや草刈機のカッターの替え刃はあるか?」
「倉庫に山ほど」
そんなに買ってどうすると宮下に怒られた量を思い出しながら言えば実態を知らない圭斗は難しい顔をして
「効率を考えるとバッテリーの事も考えて刃を取り替えながら草刈りをしたい。取り替えた刃は夜にでも研げばいいだろうし……」
「納屋に研ぎ機あるぞ」
言えば無表情になった。
「珍しい物があるな?」
半眼の圭斗に
「いやー、なんか面白いものがあるなってネットでポチッと?」
便利なネットの世界の罠に謎の買い物はこの山奥では店がないので仕方がない。
「それなりの値段しただろ?」
口調は優しく、でも呆れた声色だが砥石で研げばいいものだろと考えていた圭斗からしたらそれは本当に必要なのか?なんて問われているようで圭斗と顔を合わせられずにいた。
「ごめんなさい。好奇心に勝てませんでした」
「そして一度使って満足して埃かぶってると……」
「刃を付け替えた方が早くて」
だろうなと呆れ切ったため息しか出ない圭斗は
「飯食ったらそれ見せろ」
「はい」
しょぼんと項垂れた綾人をめんどくさいと宮下に押し付けて風呂から出てきた陸斗と入れ替わるように風呂に入る。
宮下は話し声が聞こえてたのでまたかと笑っていたが風呂から上がって空気の変わった様子に戸惑う陸斗にご飯を食べ終えた後、少しお昼寝してくるといいと言って二階の本棚へ行っていいぞと言えば軽く弾むような足取りで階段を駆けていく音に笑みが自然に浮かぶ、が
「さて、納屋に行くぞ」
容赦のない声に
「はい」
と言って圭斗に連行されていく場所は烏骨鶏ハウスを裏側から入った場所。
母屋の西側にあり、気持ち少し下った所にある。
昔は普通の家だったらしいけど今はジイちゃんが山の動物を解体するようにと土間はコンクリートを流しジャブジャブ水を流して洗えるように排水路も確保してある作業場に変わり果てていた。
因みに烏骨鶏ハウスの場所はこの家の本来ならば玄関と広い玄関上がりと隣にあった三畳ほどの小さな部屋と言う間取り。烏骨鶏の小屋としては十分すぎる広さにこれ以上広げる気もないし広げようもない。
そんな作業場と烏骨鶏ハウスの間には二階に上がる階段があるのでしっかり防音はできている。
そしてその間の階段を上がるとあの真冬の終わりを告げる思い出の部屋があり、時々飯田さんがあの部屋の窓を開けてお昼を食べたりして活用してくれる。ただし猛烈に寒いのですぐに閉めるが意外にも烏骨鶏が一階に住んでくれているので二階がなんとなく暖かい気がするのは飯田さんも言っているので俺の気のせいじゃないと思う。
例えオイルヒーターがつけっぱなしとはいえだ。
今となれば多目的ハウスとなった納屋の部分には色々と置いてある倉庫部分もある。ストーブを置いたり肥料を置いたり、かつて廃屋寸前まで朽ちかけたこの吉野の家の旧家から処分に悩んで移した荷物もここにある。
その一角の一番出口に近いところに農機具達は置かれていた。それらをかき分けて
「あった。これが草刈機の刃を研ぐ機械」
ヨイショと近くの作業用のテーブルに置くと不意に宮下は外に行ったかと思えば
「綾人、この荷物はなんだ?」
「ああ、これ?旧家の荷物。
仕分けがわからなくってとりあえずここで保留とか?」
それ片付けたんじゃないかと問う視線に
「ほら、これ使ってなくってもジイちゃんの仕事道具だし?吉野の歴史だし?使い方わからないけど絶対レアアイテムだし?」
「つまりちょっと気になってて捨てれなかったと?」
そんな感じと懸命に首を縦に振れば圭斗は笑う。あまりの眩い笑顔に惚れそうになるものの下半身はちびりそうにびびっている。
「そう思うならきっちり棚作ってきっちり片付ける!」
「はい!」
分けもわからず返事をする綾人に
「宮!棚を作るぞ!木材もってこい!」
「棚?!草取りは???」
ちょっと目を離した隙になにが起きたと納屋に戻って来れば良く理解しないまま本能で危険を察したように
「どれぐらいの幅?」
的確な答えを導き出していた。
「聞くのはそれ?」
そんな疑問の綾人の悲鳴に宮下は憐れむように可愛そうな子を見る瞳で俺を見て
「ごめんなさいは言えるだろ?」
そう言ってこっちに持ってきた荷物はその時置かれたままの様子を三人で見下ろし
「大切な物ならちゃんと片付けないと」
「バアちゃん譲りの大雑把さがこんなところで発揮……」
「言い訳しない。今なら棚作って片づけてあげるから。陸斗と一緒に草取り頑張っておいで?」
「うん。……ごめんなさい」
よく言えましたとなでなでと宮下に頭を撫でられてから陸斗を誘って草刈りの再スタート。
ひたすら刈りに刈って刈りまくって
「綾人ー!陸斗ー!ご飯だよー!!!」
「今いくー!!!」
宮下の呼ぶ声に俺と陸斗はスイッチを切って今日は終わりだとまっすぐ家へと足を運ぶのだった。
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