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山を歩くも柵はどこだ 9
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地鶏ではなく鴨肉と鶏肉の出汁をたっぷりと吸ったきりたんぽって美味しと言いつつ奪い合う肉は瞬く間に無くなって行く。俺も飯田さんも容赦なしだ。途中野菜も鶏肉もおいしいですよ。ほら、牛蒡も美味しいですねと勝手に器に入れられてしまう攻撃に鴨肉食べたいのに酷いと口の中にかきこむ合間に鴨肉を奪われたり……サービスのプロの真骨頂の恐ろしさに俺は必死に野菜を食べるしか対抗するすべはない。
そんなこんなで〆はきりたんぽがしっかりと汁を奪っていたのでいつの間にか綺麗に食べてしまうと言うお楽しみの〆のない鍋を残念に思うも大量のきりたんぽがしっかりとおなかに溜まって苦しい具合になっている俺は山歩きの疲れが出て眠たくなる前に種まきだけは済ませておく。
飯田さんは何やらいそいそとお鍋や食器を洗った後俺が納屋に放置していた苗箱を洗って土を入れた所で合流した。
木枠の苗箱は年季が入った物で、俺は今回持って来てくれた五種類のタイムの数だけ用意した。
「これに種を蒔くのですね」
なぜかワクワクしている飯田さんに俺は苗箱が入るプラスチックのケースにセットして
「まぁ、俺の独自のやり方だからこれが正しいって言うのはないと思うけど、何とか毎回これで発芽しているから同じようにやるだけだよ」
言いながら苗箱にストーブで沸かしておいた薬缶のお湯を万遍なくかける。
飯田さんの目は何やってるの?という様に一瞬で死んでしまったが俺は構わず灌水するまでたっぷりをお湯を注ぐ。
同じように五箱分繰り返してプラスチックのケースの方にしっかりと水が溜まるのを見てから土の温度を確かめる。これも適当だけどひと肌以下なら問題なし。寒い山の上なので温度は見る間に下がっていくのを手の平で確認してから種をぱらぱらと重ならないように蒔いて、苗箱の隅っこに種の入っていた袋をぶっ刺して
「こんな感じで」
呆けていた飯田さんは不安げに俺を見上げ
「お湯をかけるの、ですね」
「うん。いろいろ試したんだけど、発芽するまでプラスチックケースの水を切らさないようにするのが俺的なコツだと思うんだ。たっぷり、ずっと湿った土の状態が種が発芽するのに適しているみたいだから。
ほんとはどうか知らないよ?
夏場だったら湿度関係ないけどこの時期は凍るかな?やっぱり土間に持って行こうか……」
呟けば飯田さんが率先して土間へと運んでくれた。
「他にお手伝いする事は?」
「烏骨鶏の奴らに見つからないように。
一番の敵だ」
「それでお湯は関係あるのですか?」
よほど衝撃的だったのだろう。なおも喰い付いて来る飯田さんに俺は一つ頷いて
「カビが生えるんだよ」
「カビですか?」
うんと頷き
「種にも土にも白いふわふわなカビが何処からかやってきてびっしりと真っ白なカビが大繁殖するのですよ」
「カビは、やっぱりダメなのですか?」
「ダメです。
チーズみたいにおいしくしてくれることはないので」
「なんと……」
飯田さんに理解させるには一番わかりやすい言葉だなと自分でも呆れながらも
「お湯を使うのは手っ取り早く殺菌ですね。煮沸消毒。消毒液という手もありますが、やっぱりカビが何処からかやってくるのでお湯を灌水するのが色々試した結果一番お安く結果を出してくれるんですよ」
「試行錯誤してますね」
「はい。ネットの力は有効に使わなくてはね」
宮下が拾い上げた方法を試させた結果だから間違いない。俺はその中から成功の高いものを選んだだけだが失敗知らずなので宮下の努力には本当に感謝している。
土間に運ばれた苗箱を入れた受け箱のプラトレーに水を足して
「後は芽が出るまで水を切らさないようにするだけ。何日かしたら芽が出るから。成長具合は写真を撮って送るよ」
「お願いします」
釘付けで観察する飯田さんに少し引いてしまう。なんでこんなにマジマジと見るのだろうかと思えば俺の疑問は飯田さんから教えてくれた。
「家が料亭だったので食物が育つ過程は子供の頃から興味あったんですよ」
「へえ」
らしいなと笑みを浮かべれば
「親には遊園地や海どころかプールにも連れてってもらったことがないのですが、知り合いの農園には何度も連れて行かれました。良い物をわかるように、教育ですね。親父は遊びに連れてってるつもりはなかったのですが、俺には楽しくて興味がつきない場所でした。弟は退屈で不貞腐れてましたが」
言いながらふふふと笑う。懐かしい思い出なのだろうとそう言った思い出のない俺の思い出はどれもこの山の家ばかりだ。
「小学校に上がると朝顔を育てましたが?」
「俺もやった」
芽が出て双葉が上がり、蔓が伸びて蕾がついて花が咲き種となって花の一生を終える何とも生命力に溢れた短くも美しい生涯。
「次の年取った種を植えようとしたけど母さんが土を捨てちゃって、近くの公園に蒔いたら公園の草刈りの時にかられてショックだったな」
飯田さんは共感してくれるだろうかとチラリと見るも寂しげな顔の飯田さんに声をかけられずにいれば
「俺は……
水のあげ過ぎか種が流れたか何かで一つも芽が出ませんでした」
おふ……
これは地雷なのかと思うも
「母さんが言うには水のやりすぎだと。
朝昼晩鉢から溢れるくらいホースで水やりしていたらダメだって」
「うん。それは水のやりすぎですね」
ふっ……と笑う飯田さんに植物を育てる才能がないことはわかった。知ってたけど。
草むしりや俺が指示したことは完璧にこなしてくれるが、前出来たからといって丸投げしてはいけないパターンだと言うのはいやでも理解できた。
大体の事は完璧にこなすのに、こんな溢れんばかりの愛情で失敗をするなんて予想外というかなんと言うか、溢れすぎなんだなと静かに苦笑。。
「親父のやつ青山にもしっかり言いやがって、高遠さんがもってきた種を見て「薫、お前は絶対に育てるなよ」なんて言うんですよ?ひどいと思いません?」
「い、いやあ……」
青山さんが言うのも当然だと視線を逸らせながら
「でも、これで芽を出してある程度大きくなったら畑に移植するから。俺も初めてだからいっぱい記録しましょうね?」
「はい!今から楽しみにしてます!」
きっと尻尾があればはちきれんばかりに振り回すだろう満面のワンコの笑顔の眩しさに失敗は許されないぞと自分にプレッシャーをかけながらこの場から逃げるように
「じゃあ俺、少し横になりたいので休んできます。今なら先生の家の所に圭斗がいるのであれからずいぶん変わったから変化を見にいくと面白いですよ」
「はい。檜風呂は興味あるので皆さんにご挨拶と少し差し入れしてきます」
「気を遣わせたみたいですみません」
いえいえと言いながら台所に向かう姿から見送られ、部屋のベットに潜り込む前にネットで同じメーカーのタネの予備を買い漁るのだった。
そんなこんなで〆はきりたんぽがしっかりと汁を奪っていたのでいつの間にか綺麗に食べてしまうと言うお楽しみの〆のない鍋を残念に思うも大量のきりたんぽがしっかりとおなかに溜まって苦しい具合になっている俺は山歩きの疲れが出て眠たくなる前に種まきだけは済ませておく。
飯田さんは何やらいそいそとお鍋や食器を洗った後俺が納屋に放置していた苗箱を洗って土を入れた所で合流した。
木枠の苗箱は年季が入った物で、俺は今回持って来てくれた五種類のタイムの数だけ用意した。
「これに種を蒔くのですね」
なぜかワクワクしている飯田さんに俺は苗箱が入るプラスチックのケースにセットして
「まぁ、俺の独自のやり方だからこれが正しいって言うのはないと思うけど、何とか毎回これで発芽しているから同じようにやるだけだよ」
言いながら苗箱にストーブで沸かしておいた薬缶のお湯を万遍なくかける。
飯田さんの目は何やってるの?という様に一瞬で死んでしまったが俺は構わず灌水するまでたっぷりをお湯を注ぐ。
同じように五箱分繰り返してプラスチックのケースの方にしっかりと水が溜まるのを見てから土の温度を確かめる。これも適当だけどひと肌以下なら問題なし。寒い山の上なので温度は見る間に下がっていくのを手の平で確認してから種をぱらぱらと重ならないように蒔いて、苗箱の隅っこに種の入っていた袋をぶっ刺して
「こんな感じで」
呆けていた飯田さんは不安げに俺を見上げ
「お湯をかけるの、ですね」
「うん。いろいろ試したんだけど、発芽するまでプラスチックケースの水を切らさないようにするのが俺的なコツだと思うんだ。たっぷり、ずっと湿った土の状態が種が発芽するのに適しているみたいだから。
ほんとはどうか知らないよ?
夏場だったら湿度関係ないけどこの時期は凍るかな?やっぱり土間に持って行こうか……」
呟けば飯田さんが率先して土間へと運んでくれた。
「他にお手伝いする事は?」
「烏骨鶏の奴らに見つからないように。
一番の敵だ」
「それでお湯は関係あるのですか?」
よほど衝撃的だったのだろう。なおも喰い付いて来る飯田さんに俺は一つ頷いて
「カビが生えるんだよ」
「カビですか?」
うんと頷き
「種にも土にも白いふわふわなカビが何処からかやってきてびっしりと真っ白なカビが大繁殖するのですよ」
「カビは、やっぱりダメなのですか?」
「ダメです。
チーズみたいにおいしくしてくれることはないので」
「なんと……」
飯田さんに理解させるには一番わかりやすい言葉だなと自分でも呆れながらも
「お湯を使うのは手っ取り早く殺菌ですね。煮沸消毒。消毒液という手もありますが、やっぱりカビが何処からかやってくるのでお湯を灌水するのが色々試した結果一番お安く結果を出してくれるんですよ」
「試行錯誤してますね」
「はい。ネットの力は有効に使わなくてはね」
宮下が拾い上げた方法を試させた結果だから間違いない。俺はその中から成功の高いものを選んだだけだが失敗知らずなので宮下の努力には本当に感謝している。
土間に運ばれた苗箱を入れた受け箱のプラトレーに水を足して
「後は芽が出るまで水を切らさないようにするだけ。何日かしたら芽が出るから。成長具合は写真を撮って送るよ」
「お願いします」
釘付けで観察する飯田さんに少し引いてしまう。なんでこんなにマジマジと見るのだろうかと思えば俺の疑問は飯田さんから教えてくれた。
「家が料亭だったので食物が育つ過程は子供の頃から興味あったんですよ」
「へえ」
らしいなと笑みを浮かべれば
「親には遊園地や海どころかプールにも連れてってもらったことがないのですが、知り合いの農園には何度も連れて行かれました。良い物をわかるように、教育ですね。親父は遊びに連れてってるつもりはなかったのですが、俺には楽しくて興味がつきない場所でした。弟は退屈で不貞腐れてましたが」
言いながらふふふと笑う。懐かしい思い出なのだろうとそう言った思い出のない俺の思い出はどれもこの山の家ばかりだ。
「小学校に上がると朝顔を育てましたが?」
「俺もやった」
芽が出て双葉が上がり、蔓が伸びて蕾がついて花が咲き種となって花の一生を終える何とも生命力に溢れた短くも美しい生涯。
「次の年取った種を植えようとしたけど母さんが土を捨てちゃって、近くの公園に蒔いたら公園の草刈りの時にかられてショックだったな」
飯田さんは共感してくれるだろうかとチラリと見るも寂しげな顔の飯田さんに声をかけられずにいれば
「俺は……
水のあげ過ぎか種が流れたか何かで一つも芽が出ませんでした」
おふ……
これは地雷なのかと思うも
「母さんが言うには水のやりすぎだと。
朝昼晩鉢から溢れるくらいホースで水やりしていたらダメだって」
「うん。それは水のやりすぎですね」
ふっ……と笑う飯田さんに植物を育てる才能がないことはわかった。知ってたけど。
草むしりや俺が指示したことは完璧にこなしてくれるが、前出来たからといって丸投げしてはいけないパターンだと言うのはいやでも理解できた。
大体の事は完璧にこなすのに、こんな溢れんばかりの愛情で失敗をするなんて予想外というかなんと言うか、溢れすぎなんだなと静かに苦笑。。
「親父のやつ青山にもしっかり言いやがって、高遠さんがもってきた種を見て「薫、お前は絶対に育てるなよ」なんて言うんですよ?ひどいと思いません?」
「い、いやあ……」
青山さんが言うのも当然だと視線を逸らせながら
「でも、これで芽を出してある程度大きくなったら畑に移植するから。俺も初めてだからいっぱい記録しましょうね?」
「はい!今から楽しみにしてます!」
きっと尻尾があればはちきれんばかりに振り回すだろう満面のワンコの笑顔の眩しさに失敗は許されないぞと自分にプレッシャーをかけながらこの場から逃げるように
「じゃあ俺、少し横になりたいので休んできます。今なら先生の家の所に圭斗がいるのであれからずいぶん変わったから変化を見にいくと面白いですよ」
「はい。檜風呂は興味あるので皆さんにご挨拶と少し差し入れしてきます」
「気を遣わせたみたいですみません」
いえいえと言いながら台所に向かう姿から見送られ、部屋のベットに潜り込む前にネットで同じメーカーのタネの予備を買い漁るのだった。
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