262 / 976
白銀の世界で春を謳う 14
しおりを挟む
それは蓮司の長い冬休みが終わりを告げた事を意味するのだろうか。それともさらに厳しい冬に突撃するのだろうか。
「本来なら喜ばしい事なのにすっきりしない顔だな」
先生もすっきりできないわなと難しい顔をすれば
「あの親あっての俺だから、今まで通りというわけにはいかない。
まずは多紀さんの映画の番宣って言う仕事と記者会見まではしないが囲み取材って言うメンドクセーって仕事が決まった。
まぁ、母親達の事は弁護士さんに丸投げしてるとは言え決着がついたから報告するってなってさ」
「有名人ってこう言う時辛いな」
不安げな顔をして話し込めば陸斗も不安げな顔を隠せずには戻ってきた。
「まぁ、それで金貰ってるんだ。気合入れてきますわ」
「それはいいが、どうやって帰るつもりだ?」
先生の質問に来る時は飯田さんの車で便乗して来た事を思いだして、タクシーもやってこないこの深い山事情を思い出して真っ青になる。そんな蓮司を見て溜息を零し
「だったら明日俺が送ってやるよ。日帰りはつかれるから東京で一泊してくる」
綾人は迷わず東京行に手を挙げた。
だけど蓮司は難しい顔をして
「烏骨鶏達は良いのかよ」
「そこ心配する所か?」
先生が苦笑交じりに一日位放っておいても大丈夫だぞとつっこむも
「綾人が行くなら烏骨鶏の面倒は俺が見るさ。
陸斗には葉山と下田に来てもらえば心配はないだろうし、お隣さんにもお願いしておけば大丈夫だろう」
意外にも近所付き合いは上手くできているようだ。
お隣に陸斗と同じ年の女の子と小学生の弟がいるらしく、弟の方の宿題を面倒見たりしてお隣の奥さんを頼ったり頼られたりといい関係のようだ。
「じゃあ陸斗はまた先生と一緒に帰ろうな」
「はい」
少し不満そうだが学校がある以上帰らなくてはいけない。聞き分けがよろしいと思いつつも申し訳なさは一杯だ。
「だったら俺は……」
今日は帰ると言いだしそうな既にアルコールをしっかりと摂取した山川さんに何を言ってると綾人は捕まえて
「明日の朝一に出る予定なので圭斗達も居るのでゆっくりしてってください。飲酒運転は厳禁です」
「まぁ、烏骨鶏の小屋の予定も少し詰めて行きましょう」
まだまだ何も決まってないですよと言う圭斗にそれじゃあと言葉に甘える山川さん。
「じゃあ今夜はお別れパーティーだな!」
既にパーティー状態の先生は陸斗に日本酒を持ってこさせて鹿肉でユッケを作らせていた。野生の肉だけど大丈夫かという心配は先生しか食べないから大丈夫とたんに先生が食べたかっただけのようだ。まぁ、いつも食べてるしねと、なら俺達はたたきにしようかと言えば陸斗の口の端から涎が垂れていた。
ったく、どこでそんな贅沢覚えさせたんだよ!うちでは食べさせた覚えないぞ!と御立腹のお父さんに反論すれば飯田さんが作ってくれましたとやっぱりお前か!!!な神の仕業なら仕方がないと言うものだ。
俺もいろいろ罠にはめられて謎な物も食べれるようになったしね。このわたも食べれるようになったんだから如何に飯田さんの飯テロが半端ない物かが分るだろう。幸せすぎて体重管理だけは注意している。
「突然来て突然帰る事になって迷惑かけてすみません」
俺を背にみんなに平謝りな蓮司だけどそれは俺に言う物だろうと突っ込みたい。
「まぁ、また何かあれば駆け込んでくればいいから。
部屋は余ってるしな」
肩をバンバン叩く先生にもここは俺の家だと言いたい。もっとも酔っぱらいの先生に通じるわけもない。酔っ払ってなくてもだが。
「これからの方が辛いことだらけだ。
頼る親も信用ないだろうが、綾人君を頼る指示を出してくれた見る目のある人もいる。
爺さんの言う所蓮司君の冬はこれから本格的になる所だから。
辛かったら逃げて当然良い。その時は迷わずこの家に戻っておいで」
「山川さん……」
感涙と涙ぐむ蓮司もあれだが
「ここ、俺の家……」
「今はそこにこだわってやるな」
圭斗の手が肩にポンと乗せられ、慰める様に陸斗が隣でビールの御酌をしてくれた。
誰だ。高校生にこんな気配りを教えた奴。先生しかいないなと睨みつけてるも知らん顔だ。
ついに泣き出した蓮司につられるように山川さんももらい泣き。
悪いが蓮司よ、圭斗陸斗兄弟と俺はそんな程度で泣けるほど心は豊かではない。一緒に泣いてやれなくて悪いなとその光景を見守りながら午後は仕事にならないだろうからと陸斗を連れて晩御飯を考える。何が食べたいかと聞くもここはみんなでお鍋でも食べようとなんとなく仲間意識をと言うメニューだが、俺には分かる。陸斗はたんにボタン鍋を食べたいのだろう。さっき冷凍庫に行った時猪の肉に目が釘付けだったのを俺はちゃんと見てたぞ。とは言えさすが胃袋に忠実な十代。山程のカラアゲを食べておいてもまだ食べるか?まあ、それぐらい幾らでも食べさせてやると冷凍庫の奥の方にある肉なので陸斗にはここで待たせて取りに行くのだった。
そして冷凍庫から帰ってくれば陸斗以外は誰もいなかった。
「どこに消えた?」
聞けば
「烏骨鶏の二階に。
せっかくだから二階のレイアウト決めようかってみんなで行っちゃったよ」
「酔っぱらいの行動原理理解できねー」
なんて頭抱えている間にも陸斗は伝言は伝えたからと烏骨鶏達を甘やかしに傷んだミカンを抱えて外に飛び出すのだった。
「俺、ここの家主なんだけどな」
鍋に水をはって昆布を投げ込む。とは言え圭斗達は大工が趣味と仕事。楽しそうで何よりだと何を始めたか知らないが工具のモーター音を響かせ始めたあたり当分帰ってこないなと土間のガラス戸や襖、もう何年も閉めた事のない台所への木戸も閉ざして玄関を開ければ突然の大きな音に烏骨鶏達が俺の顔を見て飛び込んできた。烏骨鶏ハウスを作る前には土間に住ませていたこともあり、俺は慣れているものの当時の烏骨鶏はもう居ない。だけどあったかいからかストーブの近くに集まってくるので丸焼きにならないようにサークルで近づけないようにした。まあ、焼けたとしても美味しくいただいてやろう。なんせチキンだからな。
後はいたずらしないように白菜を適当に切って水をはった皿を置いておけばそのうち大人しくなるはずだ。
その間台所への木戸を烏骨鶏が入ってこれないだけの隙間を作って鍋を仕込むことにする。野菜をざく切りにして猪の肩ロースを薄くスライスする。薄く一枚一枚ずらしながら並べてクルクルと巻いて立てたところでパッと手を離せば綺麗なボタンの花が咲いた。
肉の赤と脂身の白のコントラストが美しい花に満足してまた一輪、また一輪と咲かせて行く。
我ながらなかなかの渾身の作。飯田さんに教えてもらって何度も練習した甲斐があるものだと自画自賛。
自慢の野菜も準備もできたし、昆布だしに酒と醤油で味を整えて塩で微調整。後は腹を空かせたタイミングで火を入れればいいだろう。
くえーっ、くーっ、くー、と烏骨鶏達も落ち着いてか何やらおしゃべりをし出している。後始末は、まあめんどくさいが今日ぐらいいいだろうとスマホを取り出して多紀さんと連絡を取るのだった。
「本来なら喜ばしい事なのにすっきりしない顔だな」
先生もすっきりできないわなと難しい顔をすれば
「あの親あっての俺だから、今まで通りというわけにはいかない。
まずは多紀さんの映画の番宣って言う仕事と記者会見まではしないが囲み取材って言うメンドクセーって仕事が決まった。
まぁ、母親達の事は弁護士さんに丸投げしてるとは言え決着がついたから報告するってなってさ」
「有名人ってこう言う時辛いな」
不安げな顔をして話し込めば陸斗も不安げな顔を隠せずには戻ってきた。
「まぁ、それで金貰ってるんだ。気合入れてきますわ」
「それはいいが、どうやって帰るつもりだ?」
先生の質問に来る時は飯田さんの車で便乗して来た事を思いだして、タクシーもやってこないこの深い山事情を思い出して真っ青になる。そんな蓮司を見て溜息を零し
「だったら明日俺が送ってやるよ。日帰りはつかれるから東京で一泊してくる」
綾人は迷わず東京行に手を挙げた。
だけど蓮司は難しい顔をして
「烏骨鶏達は良いのかよ」
「そこ心配する所か?」
先生が苦笑交じりに一日位放っておいても大丈夫だぞとつっこむも
「綾人が行くなら烏骨鶏の面倒は俺が見るさ。
陸斗には葉山と下田に来てもらえば心配はないだろうし、お隣さんにもお願いしておけば大丈夫だろう」
意外にも近所付き合いは上手くできているようだ。
お隣に陸斗と同じ年の女の子と小学生の弟がいるらしく、弟の方の宿題を面倒見たりしてお隣の奥さんを頼ったり頼られたりといい関係のようだ。
「じゃあ陸斗はまた先生と一緒に帰ろうな」
「はい」
少し不満そうだが学校がある以上帰らなくてはいけない。聞き分けがよろしいと思いつつも申し訳なさは一杯だ。
「だったら俺は……」
今日は帰ると言いだしそうな既にアルコールをしっかりと摂取した山川さんに何を言ってると綾人は捕まえて
「明日の朝一に出る予定なので圭斗達も居るのでゆっくりしてってください。飲酒運転は厳禁です」
「まぁ、烏骨鶏の小屋の予定も少し詰めて行きましょう」
まだまだ何も決まってないですよと言う圭斗にそれじゃあと言葉に甘える山川さん。
「じゃあ今夜はお別れパーティーだな!」
既にパーティー状態の先生は陸斗に日本酒を持ってこさせて鹿肉でユッケを作らせていた。野生の肉だけど大丈夫かという心配は先生しか食べないから大丈夫とたんに先生が食べたかっただけのようだ。まぁ、いつも食べてるしねと、なら俺達はたたきにしようかと言えば陸斗の口の端から涎が垂れていた。
ったく、どこでそんな贅沢覚えさせたんだよ!うちでは食べさせた覚えないぞ!と御立腹のお父さんに反論すれば飯田さんが作ってくれましたとやっぱりお前か!!!な神の仕業なら仕方がないと言うものだ。
俺もいろいろ罠にはめられて謎な物も食べれるようになったしね。このわたも食べれるようになったんだから如何に飯田さんの飯テロが半端ない物かが分るだろう。幸せすぎて体重管理だけは注意している。
「突然来て突然帰る事になって迷惑かけてすみません」
俺を背にみんなに平謝りな蓮司だけどそれは俺に言う物だろうと突っ込みたい。
「まぁ、また何かあれば駆け込んでくればいいから。
部屋は余ってるしな」
肩をバンバン叩く先生にもここは俺の家だと言いたい。もっとも酔っぱらいの先生に通じるわけもない。酔っ払ってなくてもだが。
「これからの方が辛いことだらけだ。
頼る親も信用ないだろうが、綾人君を頼る指示を出してくれた見る目のある人もいる。
爺さんの言う所蓮司君の冬はこれから本格的になる所だから。
辛かったら逃げて当然良い。その時は迷わずこの家に戻っておいで」
「山川さん……」
感涙と涙ぐむ蓮司もあれだが
「ここ、俺の家……」
「今はそこにこだわってやるな」
圭斗の手が肩にポンと乗せられ、慰める様に陸斗が隣でビールの御酌をしてくれた。
誰だ。高校生にこんな気配りを教えた奴。先生しかいないなと睨みつけてるも知らん顔だ。
ついに泣き出した蓮司につられるように山川さんももらい泣き。
悪いが蓮司よ、圭斗陸斗兄弟と俺はそんな程度で泣けるほど心は豊かではない。一緒に泣いてやれなくて悪いなとその光景を見守りながら午後は仕事にならないだろうからと陸斗を連れて晩御飯を考える。何が食べたいかと聞くもここはみんなでお鍋でも食べようとなんとなく仲間意識をと言うメニューだが、俺には分かる。陸斗はたんにボタン鍋を食べたいのだろう。さっき冷凍庫に行った時猪の肉に目が釘付けだったのを俺はちゃんと見てたぞ。とは言えさすが胃袋に忠実な十代。山程のカラアゲを食べておいてもまだ食べるか?まあ、それぐらい幾らでも食べさせてやると冷凍庫の奥の方にある肉なので陸斗にはここで待たせて取りに行くのだった。
そして冷凍庫から帰ってくれば陸斗以外は誰もいなかった。
「どこに消えた?」
聞けば
「烏骨鶏の二階に。
せっかくだから二階のレイアウト決めようかってみんなで行っちゃったよ」
「酔っぱらいの行動原理理解できねー」
なんて頭抱えている間にも陸斗は伝言は伝えたからと烏骨鶏達を甘やかしに傷んだミカンを抱えて外に飛び出すのだった。
「俺、ここの家主なんだけどな」
鍋に水をはって昆布を投げ込む。とは言え圭斗達は大工が趣味と仕事。楽しそうで何よりだと何を始めたか知らないが工具のモーター音を響かせ始めたあたり当分帰ってこないなと土間のガラス戸や襖、もう何年も閉めた事のない台所への木戸も閉ざして玄関を開ければ突然の大きな音に烏骨鶏達が俺の顔を見て飛び込んできた。烏骨鶏ハウスを作る前には土間に住ませていたこともあり、俺は慣れているものの当時の烏骨鶏はもう居ない。だけどあったかいからかストーブの近くに集まってくるので丸焼きにならないようにサークルで近づけないようにした。まあ、焼けたとしても美味しくいただいてやろう。なんせチキンだからな。
後はいたずらしないように白菜を適当に切って水をはった皿を置いておけばそのうち大人しくなるはずだ。
その間台所への木戸を烏骨鶏が入ってこれないだけの隙間を作って鍋を仕込むことにする。野菜をざく切りにして猪の肩ロースを薄くスライスする。薄く一枚一枚ずらしながら並べてクルクルと巻いて立てたところでパッと手を離せば綺麗なボタンの花が咲いた。
肉の赤と脂身の白のコントラストが美しい花に満足してまた一輪、また一輪と咲かせて行く。
我ながらなかなかの渾身の作。飯田さんに教えてもらって何度も練習した甲斐があるものだと自画自賛。
自慢の野菜も準備もできたし、昆布だしに酒と醤油で味を整えて塩で微調整。後は腹を空かせたタイミングで火を入れればいいだろう。
くえーっ、くーっ、くー、と烏骨鶏達も落ち着いてか何やらおしゃべりをし出している。後始末は、まあめんどくさいが今日ぐらいいいだろうとスマホを取り出して多紀さんと連絡を取るのだった。
129
お気に入りに追加
2,670
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!
佐々木雄太
青春
四月——
新たに高校生になった有村敦也。
二つ隣町の高校に通う事になったのだが、
そこでは、予想外の出来事が起こった。
本来、いるはずのない同じ歳の三人の姉が、同じ教室にいた。
長女・唯【ゆい】
次女・里菜【りな】
三女・咲弥【さや】
この三人の姉に甘やかされる敦也にとって、
高校デビューするはずだった、初日。
敦也の高校三年間は、地獄の運命へと導かれるのであった。
カクヨム・小説家になろうでも好評連載中!
裏路地古民家カフェでまったりしたい
雪那 由多
大衆娯楽
夜月燈火は亡き祖父の家をカフェに作り直して人生を再出発。
高校時代の友人と再会からの有無を言わさぬ魔王の指示で俺の意志一つなくリフォームは進んでいく。
あれ?
俺が思ったのとなんか違うけどでも俺が想像したよりいいカフェになってるんだけど予算内ならまあいいか?
え?あまい?
は?コーヒー不味い?
インスタントしか飲んだ事ないから分かるわけないじゃん。
はい?!修行いって来い???
しかも棒を銜えて筋トレってどんな修行?!
その甲斐あって人通りのない裏路地の古民家カフェは人はいないが穏やかな時間とコーヒーの香りと周囲の優しさに助けられ今日もオープンします。
第6回ライト文芸大賞で奨励賞を頂きました!ありがとうございました!
家賃一万円、庭付き、駐車場付き、付喪神付き?!
雪那 由多
ライト文芸
恋人に振られて独立を決心!
尊敬する先輩から紹介された家は庭付き駐車場付きで家賃一万円!
庭は畑仕事もできるくらいに広くみかんや柿、林檎のなる果実園もある。
さらに言えばリフォームしたての古民家は新築同然のピッカピカ!
そんな至れり尽くせりの家の家賃が一万円なわけがない!
古めかしい残置物からの熱い視線、夜な夜なさざめく話し声。
見えてしまう特異体質の瞳で見たこの家の住人達に納得のこのお値段!
見知らぬ土地で友人も居ない新天地の家に置いて行かれた道具から生まれた付喪神達との共同生活が今スタート!
****************************************************************
第6回ほっこり・じんわり大賞で読者賞を頂きました!
沢山の方に読んでいただき、そして投票を頂きまして本当にありがとうございました!
****************************************************************
アマツバメ
明野空
青春
「もし叶うなら、私は夜になりたいな」
お天道様とケンカし、日傘で陽をさえぎりながら歩き、
雨粒を降らせながら生きる少女の秘密――。
雨が降る日のみ登校する小山内乙鳥(おさないつばめ)、
謎の多い彼女の秘密に迫る物語。
縦読みオススメです。
※本小説は2014年に制作したものの改訂版となります。
イラスト:雨季朋美様
ハッピークリスマス ! 非公開にしていましたが再upしました。 2024.12.1
設樂理沙
青春
中学生の頃からずっと一緒だったよね。大切に思っていた人との楽しい日々が
この先もずっと続いていけぱいいのに……。
―――――――――――――――――――――――
|松村絢《まつむらあや》 ---大企業勤務 25歳
|堂本海(どうもとかい) ---商社勤務 25歳 (留年してしまい就職は一年遅れ)
中学の同級生
|渡部佳代子《わたなべかよこ》----絢と海との共通の友達 25歳
|石橋祐二《いしばしゆうじ》---絢の会社での先輩 30歳
|大隈可南子《おおくまかなこ》----海の同期 24歳 海LOVE?
――― 2024.12.1 再々公開 ――――
💍 イラストはOBAKERON様 有償画像
透明な僕たちが色づいていく
川奈あさ
青春
誰かの一番になれない僕は、今日も感情を下書き保存する
空気を読むのが得意で、周りの人の為に動いているはずなのに。どうして誰の一番にもなれないんだろう。
家族にも友達にも特別に必要とされていないと感じる雫。
そんな雫の一番大切な居場所は、”150文字”の感情を投稿するSNS「Letter」
苦手に感じていたクラスメイトの駆に「俺と一緒に物語を作って欲しい」と頼まれる。
ある秘密を抱える駆は「letter」で開催されるコンテストに作品を応募したいのだと言う。
二人は”150文字”の種になる季節や色を探しに出かけ始める。
誰かになりたくて、なれなかった。
透明な二人が150文字の物語を紡いでいく。
表紙イラスト aki様
窓を開くと
とさか
青春
17才の車椅子少女ー
『生と死の狭間で、彼女は何を思うのか。』
人間1度は訪れる道。
海辺の家から、
今の想いを手紙に書きます。
※小説家になろう、カクヨムと同時投稿しています。
☆イラスト(大空めとろ様)
○ブログ→ https://ozorametoronoblog.com/
○YouTube→ https://www.youtube.com/channel/UC6-9Cjmsy3wv04Iha0VkSWg
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる