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決意は口に出さずに原動力に変えて 2
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食後に飯田さんはお父さんとお母さんを連れてこの辺りの散策に出かけて行った。旧街道もあるのでどこかの宿場町に足を運ぶと言う。京都のいかにも情緒のある街並みに居と店を構える飯田さん家族に宿場町は面白いのかと思うもその土地その土地の良さがあると言ってお母様が二人を引っ張って行った辺り、相当今回の旅行を楽しみにしていた事だけは理解した。とりあえずお三方にはおふろセットと言うかバスタオルと手拭いを持たせて色々な所にある温泉を楽しんできてくださいと見送るのだった。活火山のあるこの近辺の正しい楽しみ方だと自負をする。
圭斗も陸斗を学校に行かせるために一度帰っているし、先生も渋々と仕事に出かければ、途端に静かになった所で内田さん親子がやって来た。森下さん達は内田さん達が来るまで家じゅうの色々な不具合な場所に手を入れてくれていた。下駄箱のがたつきからまな板を平らにしたりと言った細かな所から雨戸と言った、とにかくいろいろ触りたいと言う様に烏骨鶏の小屋の二階やらも弄り倒していた。勿論日当と言う形でお給金をお支払いするつもりだが、そこは一つ内田さんと相談させてもらって改めて決めようとしておく。
至る所からとんかちの音が聞こえたりするけど比較的静かな山の中で久しぶりに畑仕事に汗を流す事にした。長い事とは言わないがそれなりに放置してしまっていた畑はそれなりに雑草が育ってしまっていた。とりあえずと言うように雑草を抜く事を始めるものの、もうすぐ収穫できそうなサツマイモやジャガイモの蔓を切っておく。そういやサツマイモの蔓でよく佃煮にして食べたけど飯田さんも作るのかな?と考えながらあくが出る前に作れと言うバアちゃんの教えの通りずるずると引っ張って山水で洗って鍋に投入。醤油と酒と砂糖を入れて電気コンロで弱火にして三十分ほどのタイマーをかけて放置。勝手に切れるので助かりますとまた畑へと戻れば途中落したサツマイモの蔓の葉は烏骨鶏達によって見るも無残な姿になっていた。こいつらそこらに捨てるとそこから根付いて増殖するからなと五右衛門風呂の薪と一緒に突っ込んでおけばそのうち焼け切れると言う手抜きをしながらまた草を抜きに行く。
ふと視線を上げればついこの間まで青々とした山の緑はどこかさびしさを醸し出しているのを見てぼちぼち冬支度をしないといけないかと考える。だけどまだまだ片づけたい物は多く、どれから手を付けようかと頭を悩ませるのだったが
「そうだった。囲炉裏の準備しなくちゃ」
飯田さんの期待を裏切りたくない。んなわけじゃないけど、寒くなってから準備をしては遅いのだ。いつ、急に寒くなるかなんてわからないし、風邪をひいたら完全に冬の準備に出遅れてしまうのだ。バアちゃんが亡くなって初めて迎えた冬がそうだったなと苦い思い出が俺の経験値を上げてくれたおかげでストーブの用意は勿論、土間の一角に薪を運びこまないとと草取りなんてしてる場合じゃないと午前中には終わらせようと予定を組み直す。
がらりと扉を開ける烏骨鶏ハウスの別の入り口の一階には処理場となっているが、その片隅にはちゃんと倉庫もある。その中にはストーブもちゃんとあって
「我が家のストーブは薪ストーブ、しかも鋳物のロケットストーブなのです」
たまたまついて来た烏骨鶏にご紹介をするのだった。
誰だ。
鳥しか話し相手がいない寂しい奴めと言う奴は。
俺だよ。
なんて虚しいと涙を零しながら鋳物故の重さにえっちらおっちらと土間へと運んでくる。
隙間だらけの隙間ハウスだけど排気用のダクトを繋げて二酸化炭素対策はとる。去年の冬の終わりに丁寧に掃除したけど箒と雑巾を持って来て窯の中をもう一度綺麗に掃除をする。案の定と言うか雑巾は真っ黒になるのは薪を入れる場所だけにいくら綺麗にしても切りがない。目を離したわずかな間に巣食った蜘蛛の巣を撤去して皆さんが居ないうちに不具合が無いか一度試しに火を入れれば、煙に気付いて内田さん達が慌ててやって来てくれた。
「綾人火事だって、ストーブの試し炊きとか……」
「え?」
この山奥での火事は大参事なので浩太さんが顔を真っ青にしてホッとする様子に一言言えばよかったと平謝り。
「まだ早いんじゃないか?いや、山だから準備は必要か?」
森下さんが唸るも
「ひょっとして飯田さんが囲炉裏がどうとか言ってたから気にかけたとか?」
山川さんもロケットストーブの空気を吸い込む音に面白そうに耳を傾けながら寒くはないのに手を当てていた。
「飯田さんの声が切っ掛けだけど、寒くなってから準備したら凍りますからね。早め早めの準備をしておかないと風邪ひきましたから」
きりっとした顔で体験談を話せば誰もが苦笑。
「薪ストーブは憧れるけど、うちは街中だからな」
山川さんのボヤキに
「うちは奥さんが子供が危ないからって。何の為に家に暖炉を作ったんだか。
今じゃ娘のお人形さんの家になってる」
嘆く父親に良い使い方じゃないかと内田さんまで頷く。
「燃料の木は杉か?」
「周囲を見てもらったらわかる様に」
周囲の木なら無料で入手できるのでお金をかける意味が分からないと労力と引き換えと言う所については薪ストーブに憧れを持つ山川さんには言わないが
「杉だと脂が多くて傷みも激しいんじゃないか?」
なるほど。そこが気になるのかと分かれば俺は土間から出てこの冬使う予定の杉の木の薪を持って来た。
「これが俺がここに来る前だから七年以上前のものになって、この新しい奴が夏前に山を手入れした時に落とした枝です」
試運転のロケットストーブに新しい枝を入れれば
「うわっ、煙が!」
「ひえ~、煙たい!」
俺と内田さんと浩太さんはちゃっかりと風上に移動して煙にまかれる森下さんと山川さんを可哀想にと眺めていた。それを見てか二人ともあわてて風上にやってきて酷い目にあったと言うが煙も落ち着いた所で七年物の薪を入れれば土間から出て外にまで逃げる二人。気持ちはわからなくもないが住んでる人を目の前にそれは失礼と言わないかとおもうが
「あれ?本当に煙が少ない」
「話には聞いて知ってたけど、こうも差がある物か」
感心する二人に縁側の下から丸太の椅子を持って来て
「と、こんな風に差があります。
脂が多いから煙が出て、結果ストーブにも煤ばかりついて良くないんです。だけどしっかり乾かした木なら脂分もぬけてこんな感じで煙も起たなくなります」
「頭では分かっているんだけどなぁ」
山川さんは実際やってみるとちがうなと感心しながら
「やっぱり中古でいいから別荘買ってそこで薪ストーブライフやるか!」
まるで決心したと言うような言葉に森下さんも目を瞠り
「ついに?」
「まぁ、いつまでも若いつもりじゃないし、うちはもうすぐローンも終わるからな。子供も大きいからそろそろ大人の遊びをしても怒られないだろうし」
「奥さんにちゃんと説明しろよ」
「そこは大丈夫。もう諦めてるらしいから」
よく出来た奥さんだと内田さんも笑っていた物の
「夏にお邪魔させてもらって下のハーブ畑を見たり斑入りの植物って言うのか?詳しくは判らないがどうやらぞっこんだったらしくて今うちの庭も大改装中でな」
くすくすと笑いながら
「今まで俺が好き勝手してきたから今度は女房に思いっきり弄れる庭を用意してやりたいんだ」
なんて……
「爆発しろ」
本音が口から出ても仕方がないと言う物だろう。
むしろ当然な感情だと俺は主張させてもらう。
圭斗も陸斗を学校に行かせるために一度帰っているし、先生も渋々と仕事に出かければ、途端に静かになった所で内田さん親子がやって来た。森下さん達は内田さん達が来るまで家じゅうの色々な不具合な場所に手を入れてくれていた。下駄箱のがたつきからまな板を平らにしたりと言った細かな所から雨戸と言った、とにかくいろいろ触りたいと言う様に烏骨鶏の小屋の二階やらも弄り倒していた。勿論日当と言う形でお給金をお支払いするつもりだが、そこは一つ内田さんと相談させてもらって改めて決めようとしておく。
至る所からとんかちの音が聞こえたりするけど比較的静かな山の中で久しぶりに畑仕事に汗を流す事にした。長い事とは言わないがそれなりに放置してしまっていた畑はそれなりに雑草が育ってしまっていた。とりあえずと言うように雑草を抜く事を始めるものの、もうすぐ収穫できそうなサツマイモやジャガイモの蔓を切っておく。そういやサツマイモの蔓でよく佃煮にして食べたけど飯田さんも作るのかな?と考えながらあくが出る前に作れと言うバアちゃんの教えの通りずるずると引っ張って山水で洗って鍋に投入。醤油と酒と砂糖を入れて電気コンロで弱火にして三十分ほどのタイマーをかけて放置。勝手に切れるので助かりますとまた畑へと戻れば途中落したサツマイモの蔓の葉は烏骨鶏達によって見るも無残な姿になっていた。こいつらそこらに捨てるとそこから根付いて増殖するからなと五右衛門風呂の薪と一緒に突っ込んでおけばそのうち焼け切れると言う手抜きをしながらまた草を抜きに行く。
ふと視線を上げればついこの間まで青々とした山の緑はどこかさびしさを醸し出しているのを見てぼちぼち冬支度をしないといけないかと考える。だけどまだまだ片づけたい物は多く、どれから手を付けようかと頭を悩ませるのだったが
「そうだった。囲炉裏の準備しなくちゃ」
飯田さんの期待を裏切りたくない。んなわけじゃないけど、寒くなってから準備をしては遅いのだ。いつ、急に寒くなるかなんてわからないし、風邪をひいたら完全に冬の準備に出遅れてしまうのだ。バアちゃんが亡くなって初めて迎えた冬がそうだったなと苦い思い出が俺の経験値を上げてくれたおかげでストーブの用意は勿論、土間の一角に薪を運びこまないとと草取りなんてしてる場合じゃないと午前中には終わらせようと予定を組み直す。
がらりと扉を開ける烏骨鶏ハウスの別の入り口の一階には処理場となっているが、その片隅にはちゃんと倉庫もある。その中にはストーブもちゃんとあって
「我が家のストーブは薪ストーブ、しかも鋳物のロケットストーブなのです」
たまたまついて来た烏骨鶏にご紹介をするのだった。
誰だ。
鳥しか話し相手がいない寂しい奴めと言う奴は。
俺だよ。
なんて虚しいと涙を零しながら鋳物故の重さにえっちらおっちらと土間へと運んでくる。
隙間だらけの隙間ハウスだけど排気用のダクトを繋げて二酸化炭素対策はとる。去年の冬の終わりに丁寧に掃除したけど箒と雑巾を持って来て窯の中をもう一度綺麗に掃除をする。案の定と言うか雑巾は真っ黒になるのは薪を入れる場所だけにいくら綺麗にしても切りがない。目を離したわずかな間に巣食った蜘蛛の巣を撤去して皆さんが居ないうちに不具合が無いか一度試しに火を入れれば、煙に気付いて内田さん達が慌ててやって来てくれた。
「綾人火事だって、ストーブの試し炊きとか……」
「え?」
この山奥での火事は大参事なので浩太さんが顔を真っ青にしてホッとする様子に一言言えばよかったと平謝り。
「まだ早いんじゃないか?いや、山だから準備は必要か?」
森下さんが唸るも
「ひょっとして飯田さんが囲炉裏がどうとか言ってたから気にかけたとか?」
山川さんもロケットストーブの空気を吸い込む音に面白そうに耳を傾けながら寒くはないのに手を当てていた。
「飯田さんの声が切っ掛けだけど、寒くなってから準備したら凍りますからね。早め早めの準備をしておかないと風邪ひきましたから」
きりっとした顔で体験談を話せば誰もが苦笑。
「薪ストーブは憧れるけど、うちは街中だからな」
山川さんのボヤキに
「うちは奥さんが子供が危ないからって。何の為に家に暖炉を作ったんだか。
今じゃ娘のお人形さんの家になってる」
嘆く父親に良い使い方じゃないかと内田さんまで頷く。
「燃料の木は杉か?」
「周囲を見てもらったらわかる様に」
周囲の木なら無料で入手できるのでお金をかける意味が分からないと労力と引き換えと言う所については薪ストーブに憧れを持つ山川さんには言わないが
「杉だと脂が多くて傷みも激しいんじゃないか?」
なるほど。そこが気になるのかと分かれば俺は土間から出てこの冬使う予定の杉の木の薪を持って来た。
「これが俺がここに来る前だから七年以上前のものになって、この新しい奴が夏前に山を手入れした時に落とした枝です」
試運転のロケットストーブに新しい枝を入れれば
「うわっ、煙が!」
「ひえ~、煙たい!」
俺と内田さんと浩太さんはちゃっかりと風上に移動して煙にまかれる森下さんと山川さんを可哀想にと眺めていた。それを見てか二人ともあわてて風上にやってきて酷い目にあったと言うが煙も落ち着いた所で七年物の薪を入れれば土間から出て外にまで逃げる二人。気持ちはわからなくもないが住んでる人を目の前にそれは失礼と言わないかとおもうが
「あれ?本当に煙が少ない」
「話には聞いて知ってたけど、こうも差がある物か」
感心する二人に縁側の下から丸太の椅子を持って来て
「と、こんな風に差があります。
脂が多いから煙が出て、結果ストーブにも煤ばかりついて良くないんです。だけどしっかり乾かした木なら脂分もぬけてこんな感じで煙も起たなくなります」
「頭では分かっているんだけどなぁ」
山川さんは実際やってみるとちがうなと感心しながら
「やっぱり中古でいいから別荘買ってそこで薪ストーブライフやるか!」
まるで決心したと言うような言葉に森下さんも目を瞠り
「ついに?」
「まぁ、いつまでも若いつもりじゃないし、うちはもうすぐローンも終わるからな。子供も大きいからそろそろ大人の遊びをしても怒られないだろうし」
「奥さんにちゃんと説明しろよ」
「そこは大丈夫。もう諦めてるらしいから」
よく出来た奥さんだと内田さんも笑っていた物の
「夏にお邪魔させてもらって下のハーブ畑を見たり斑入りの植物って言うのか?詳しくは判らないがどうやらぞっこんだったらしくて今うちの庭も大改装中でな」
くすくすと笑いながら
「今まで俺が好き勝手してきたから今度は女房に思いっきり弄れる庭を用意してやりたいんだ」
なんて……
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本音が口から出ても仕方がないと言う物だろう。
むしろ当然な感情だと俺は主張させてもらう。
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