どん底から頂点を目指しました

効率の良い方法

「銀貨20枚…か」
 ギルドを出たあと貰った銀貨をポケットに入れる。
 この世界ではお金＝コイン、またはお札などといった前世とは違い銅貨、銀貨、金貨と分かれている。
 価値が変動しないので安定して売買ができる。
「大体…銅貨1枚が100円だから…」
 えーと…銀貨1枚は1000円だっけかな…
 ってことは…２万円かー…
 この世界の薬は安くはない。
 母さんの病気に会う薬は確か１週間分で銀貨4枚近くしたはずだ。
「まいったな…」
 今日以上にこれから稼がなければ、と思うが森の生態系を考えると魔物でも狩り尽くしてしまうのは気が引ける。
 しばらく悩んでいるとふと一軒の店が目にはいった。
「宝石…店？」
 外からそっと中を見ると原石から加工されたものまで数多く置かれている。
「あ、そうか」
 いいこと思いついた、と指を鳴らす。
 そうだ。鉱山に行けばいいんだ。
 俺が住んでいるスラムは大きな川と山と森に囲まれている。
 あの山は確か鉱山もあったはず…
 ならばあそこには原石があるということ。
「ほほぅ…」
 しかもスラムの奥なので街の人間は全くと言っていいほど近寄らず踏み込まれていない地。
「最高ではないか」
 魔物もそこそこ稼げるが原石のほうが高く売れるだろう。それに珍しい原石なんて出てきたらかなりの高値が付くだろう。
「そうと決まれば早速行動！」
 俺は人がいない路地裏に入り瞬間移動をした。