幽霊祓い

第4章 白と鬼・決着編

第272話 ひつこい

2021年5月3日  山梨県の山奥の廃工場にて・・・

暗い廃工場の中のコンテナの上に座る男。そいつを倒すためにここへやってきた人物。この2人の最終決戦が始まろうとしていた。

「なんだ、またお前か・・・」

「お前を倒すのは俺。それは決まりきった未来なんだよ」

「そうか・・・。それなら、私は全力でお前を殺そう。この前のようには逃げない。ここでお前ごと消し去ってやろう」

「逃げるなよ？」

「言っただろ、逃げないって。お前も逃げるなよ？」

「逃げねぇよッ、解放・深淵王死神フォルボース  しんえんおうデストロイヤッ」

深淵王死神は死神術の化身を死神鎌内部に顕現させる。これにより、死神鎌の能力向上、使用者の身体能力向上、遠隔による斬撃攻撃が可能となる。

「お前がそう来るなら、大妖怪術・奥義だいようかいじゅつ  おうぎ・ぬらりひょんッ」

顕現する巨大な頭を持った老人の妖怪。その能力は・・・

「大量の妖怪ッ!?」

ぬらりひょんの後ろに現れた黒い霧の中から大量の妖怪が出てきた。鎌を振り、飛ぶ斬撃で妖怪を祓う白井。それに対して妖怪を出すことをやめないぬらりひょん。それはまさに泥沼の戦いだった。そんな泥沼の戦いに先手を打ったのは鬼魅宮だった。

「呪術・亜們填彗じゅじゅつ  あもんてんせい」

鬼魅宮の手元にバシュラが顕現した。

「さて、どう動く、白井  文也ッ」

妖怪を祓い続けながら鬼魅宮との距離を詰める白井。そして、ぬらりひょんの効果時間が終わり、白井と鬼魅宮の一騎打ちになった。

「死神術・刀礼の祭しにがみじゅつ  とうれいのさいッ」

鬼魅宮の手元に顕現したバシュラの能力、それは、相手が術の使用時に、一定の霊気を持った時点で発動する。そして、その能力は・・・