幽霊祓い

弥生 啓

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第3章 西国戦編

第252話 西国決戦・終へ

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骭髑骰骼・・・対象を墓地のような空間へ移動させる。空間移動後、206秒(3分26秒)以内に奥義使用者の脳を破壊しなければ、対象は必ず死ぬ。また、奥義使用者は空間移動後、骨でできた特殊なアーマーが付き、その防御力は奥義を1、2回当てた程度では破れないものとなっている。

「さて、どうする、凪澤  戒」

霊魂術・懐柔・雷術れいこんじゅつ  かいじゅう  らいじゅつ、そして、霊魂術・奥義・雷轟雷恐れいこんじゅつ  おうぎ  らいごうらいきょう・・・あっ、」

「ふっ、詰みだな」

独自の空間へ移動する系の奥義内において、同じ系統の奥義を使用すると、奥義内で新たな空間が生まれる(現在だと、骭髑骰骼の中に雷轟雷恐宮主殿が展開されかけている状態)。その際、先に使用されている奥義の効果がなくなることはない。だから、凪澤は、雷轟雷恐宮主殿や辺辺不按転を使用したところで意味がない。

さらに、ここで凪澤は痛恨のミスを犯した。雷轟雷恐宮主殿は威力が上がる。そう、コピーの術である霊魂術では威力が上がらないのだ。ミスによる時間ロス。凪澤の死へのカウントダウンは着実に進んでいた。

「その装備物、そう簡単には壊せないんだろ?」

「もちろんだ」

「天莫は・・・」

「もちろん、無効だ」

「なるほど、ほぼ負け確ってわけね。でも、大丈夫?もし、ここで僕が生き残れば、骭髑骰骼これ、コピーできるようになるよ?」

「それも対策済みだ」

「何ッ!?」

「外から見た時にどこに空間が展開されているか分かるように奥義を使用した。つまり、今、外から見れば、私たちのいるこの空間がある場所は黒く覆われているでしょう。本来なら、透明で見えないようにするところを、外から場所を分かるように奥義を使用することで奥義を完全完成させていない。そして、そうしたことをするには、独自のルールを課すこととなる」

「ルール?」

「今回だと、私はこの奥義終了後、1時間は奥義を使用できないという条件で奥義を独自に変化させました。つまり、完全な奥義として見ていない骭髑骰骼はあなたにはコピーできないッ」

「それが逆に抜け目となったァッ、斧戯田  九枹ッ」

外からそう聞こえ、次の瞬間、骭髑骰骼は解けた。
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