幽霊祓い

弥生 啓

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第3章 西国戦編

第243話 鬼門

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祓い師たちが霊帝会と開戦し始めた頃、瀬戸内海上空、特殊結界内では・・・

「ニャー、祓い師さん、お名前は?」

鬼白   吹雪おにしろ  ふぶきだ。お前は?」

「猫目  乱領。お手合わせよろしくね、祓い師さん」

「てめぇのよく分からない結界技にはびっくりしたが、俺もお前をびっくりさせてやるよ、鬼術・大領鬼変化おにじゅつ  だいりょうおにへんげッ」

「うわぁ、腕が鬼みたいになったッ!?」

「鬼の力を味わいなッ」

俺は猫目の胸ぐらを掴み、投げ飛ばした。

鬼術・百鬼大乱おにじゅつ  ひゃっきたいらん

空中に放たれる数多の鬼たち。それらは猫目に向かって飛んでいった。そして、猫目を包み込むように群がった。

「あぁ、もうッ、気持ち悪いなぁ~!猫術・避翔踵回しねこじゅつ  ひしょうかかとまわしッ」

猫目は大量の鬼たちを一瞬にして、蹴り払った。猫術なんて聞いていないぞ?解放フォルボースを使用するのは聞いているが・・・。そう思った時、タイミング良く、

解放・猫重力フォルボース  キャットグラビティッ」

解放フォルボースを使用された。

「チッ、体が重てぇッ」

「あっはッ、面白いねぇ、君ぃぃぃッ!!その苦しんでる顔をもっともっと私に見せてにゃ~」

「クソイカレ野郎ッ!!」

俺は結界内の地面に重力によって叩きつけられた。体を上げようとしても、上がらない。息苦しい。猫目は笑いながらこちらに近づいてきた。

「今、この結界を解いたら君はどうなるかにゃ~?」

「そんなことしたら、お前も落ちるだろ?」

「にゃっは、そんな簡単に落ちるわけないじゃん。霊気のコントロールさえできれば、空中歩きみたいなことだって簡単にできるにゃよ?」

「霊気の使い方・・・ね」

「私、猫だから、水は嫌いなんだよね」

そう言って、猫は結界を解いた。俺は猫重力による重力で海へと落ちていった。
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