幽霊祓い

弥生 啓

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第3章 ゴースト・キング編

第220話 幽使術

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優牙は降り注ぐ電撃を避けながら、ガブリスに問いかけた。

「何でお前が幽使術で『雷轟』を使用できるんだよッ」

ガブリスはその問いに対して

「これが幽使術の真の強さなのさッ」

と笑いながら答えた。

『幽使術・・・自身が契約した幽霊を好きなように操れる。』

この説明は合っている。そして、幽使術に関する文献などにもこれ以上の説明は書いていない。しかし、幽使術には隠れた能力が存在している。では、どうして、これまでの文献などに隠された能力のことが載っていなかったのか。それはその能力が今までに発動されたことがなかったからだ。そしてその隠された能力の詳細は以下の通りだ。

・幽使術の使用者が何らかの原因で、覚醒状態(人を捨ててまでも力を得ようとしている状態)に入った場合、幽使術には以下の能力が追加される。

①使用者の肉体を人から幽霊へと変化させる(霊体化)

②自身が契約している、もしくは後から吸収した幽霊たちが所持する術や技は幽使術に変換して使用することができる

③使用者の死の間際において、使用者の記憶を蘇らし、使用者の死後、意識だけを残し、幽使術を暴走させる

そう、現在のガブリスは条件を満たし、霊体化を成し遂げている。そして、ガブリスがこれまでに契約した幽霊は約200体。そのうち術を習得している幽霊は半分。つまり、ガブリスは現在、100種類の術を使用できる。さらに、先程、雷を吸収したロールを吸収しているので、雷術すらもガブリスの手に渡ってしまったのだ。

幽使術・雷轟ゆうしじゅつ  らいごうッ」

再び放たれる雷轟。辺りに降り注ぐ雷は建物を次々と破壊していった。これまでの幽使術の使用者にはこのように幽使術を使用する者は1人もいなかった。それは、幽使術がかつて、人を助けるために使用されていた術だったからだ。
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