幽霊祓い

弥生 啓

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第2章 天界大会編

第112話 異常者

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 アイツは・・・確か・・・、あッ!!アイツは俺が脱落させたダルガ・ドルガか!?

「やつは君が脱落させたはずですよね?」

 そう言われて、横を見ると、青髪のイケメンがいた。いつの間に?気配を全く感じなかったぞ!?芝型も驚いている様子だった。

「あなたは?」

「あ~、仮面つけてないから分からなかったかい?獄だよ」

「え?えぇーッ!!獄様なんですかーーーッ!?」

「あの仮面は、参加者を神果の森に送り込む時しかつけていないからね。そんなことより、アイツ、君が脱落させたはずだよね?」

「はい、脱落させましたね・・・」

「おかしいなぁ、天界へ来るのは人間の魂だ。ここで負けた者は天国か地獄へ行くはず。ここに来ている魂、まぁ、幽霊か、それがさらに幽霊に進化するなんて・・・。全く、困ったものだよ」

「要はどういうことですか?」

「まぁ、簡単に言えば、幽霊が幽霊に進化することは無いってこと。形態の進化とかは有り得ても、根源からの進化はありえない。でも、アイツはそれを形にしている」

「どうされるんですか?」

「ん?大丈夫、君たちには被害が出ないようにするから、安心しな。天主術・奥義・白紙空間てんしゅじゅつ  おうぎ  はくしくうかん

「獄様、一体、何を?」

「ちょっとの間、固まっててね」

獄様が奥義を使った瞬間、体が動かせなくなり、獄様とダルガ・ドルガが白い球体に包まれた。

ー球体内部では・・・

「君、本当に幽霊?それとも、奇跡的に生き残ってた感じ?」

「あなたに用はない。あの雷術使いの男にしか用事はない」

「困るんだよ、大会に乱入されたら。で、結局、お前は何者だ?」

「私はダルガ・ドルガ。私・・・」

「そんなこと聞いてねぇんだよ。お前が何者かって聞いてんだよ」

「・・・幽霊だ」

「やっぱり、そうか。正直、驚いたよ。1度、脱落になったはずのやつがまた戻ってきているし、何より、幽霊が幽霊へと進化したんだ。そんなの800でも見たことないよ」

「お前、嫌い・・・」

「俺も、お前のこと嫌いだよ。大会妨害するし、なんか、ウザいし。大人しく脱落してれば、俺と戦わなくて済んだのに・・・」

「なら、お前を倒して、残り全員殺してやる。そして、あの雷術使いをギタギタにしてやる」

「勝てなかったからって、そこまで恨みを募らせるなよ。それだけ、お前が弱いってことだよ、幽霊さん」

「いいだろう、私の本気を見せてやるッ」

「かかってこい、幽霊ッ!!」
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