幽霊祓い

弥生 啓

文字の大きさ
上 下
89 / 298
第2章 復讐編

第89話 これから

しおりを挟む
「その姿で君を見るのはいつぶりだろうね」

「まさか、あの程度の爆発で肉体を失うとは・・・」

「800年以上眠っていたんだ。肉体も劣化するさ。さて、今度はどんな手を打つつもりだい、凪澤、いや、劣悪の霊神」

「どうするもこうも、あなたの言う未来へと世界を変えていけるようにあなたに従うだけですよ。」

「では、まずは影山  零への接触だな。今の君にはとてもいいと思うよ。あれは霊気にかなり恵まれている。取り憑けば、かなり馴染むはずだ」

「まずは肉体を取り戻すところからか・・・。すいません、爆発で肉体を失わなければこんなことには・・・」

「いや、構わないさ。すべて分かっていたことだ。ただ、1つだけ忘れるな。影山はあくまでも仮の肉体だ。前の肉体の方がお前には確実に合っている。儀式の準備が整うまで、影山に取り憑くということを忘れるな」

「分かりました」

恐山での戦いの後、鬼魅宮様とそんな会話をした。やはり、取り戻せるなら早めに肉体は取り戻しておきたい。鬼魅宮様がどこまで未来を知っているのかは知らない。ただ、命を与えてくださったお方の命令には従うまでだ・・・。

「よく分かったよ、劣悪の霊神。お前の条件にのるよ」

「ありがとう、零」

僕は零の体に入り込み、支配した。これでとりあえず、仮の肉体は手に入れた。

「おぉ、無事に取り憑けたんだね」

声がしたので後ろを見ると、鬼魅宮様がいた。

「鬼魅宮様・・・」

「明日の予定を伝えにきたんだよ」

「明日の予定は宮内を殺すのでは?」

「そう、それもある。だが、もう1つあるんだ」

「もう1つ・・・ですか?」

「あぁ、明日、恐山にクロという人物が現れる。そいつを仲間に霊帝会れいていかいを設立して欲しい」

「霊帝会?」

「GEAのようなものさ。今後、必要となる。任せたよ」

「了解です」

「これから、ますます面白くなるよ、この世の中は」

そう言って鬼魅宮様は姿を消した。僕も影山の家へと帰った。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】少年の懺悔、少女の願い

干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。 そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい―― なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。 後悔しても、もう遅いのだ。 ※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。 ※長編のスピンオフですが、単体で読めます。

悪役令嬢の去った後、残された物は

たぬまる
恋愛
公爵令嬢シルビアが誕生パーティーで断罪され追放される。 シルビアは喜び去って行き 残された者達に不幸が降り注ぐ 気分転換に短編を書いてみました。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

3歳児にも劣る淑女(笑)

章槻雅希
恋愛
公爵令嬢は、第一王子から理不尽な言いがかりをつけられていた。 男爵家の庶子と懇ろになった王子はその醜態を学園内に晒し続けている。 その状況を打破したのは、僅か3歳の王女殿下だった。 カテゴリーは悩みましたが、一応5歳児と3歳児のほのぼのカップルがいるので恋愛ということで(;^ω^) ほんの思い付きの1場面的な小噺。 王女以外の固有名詞を無くしました。 元ネタをご存じの方にはご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。 創作SNSでの、ジャンル外での配慮に欠けておりました。

【完結】私の小さな復讐~愛し合う幼馴染みを婚約させてあげましょう~

山葵
恋愛
突然、幼馴染みのハリーとシルビアが屋敷を訪ねて来た。 2人とは距離を取っていたから、こうして会うのは久し振りだ。 「先触れも無く、突然訪問してくるなんて、そんなに急用なの?」 相変わらずベッタリとくっ付きソファに座る2人を見ても早急な用事が有るとは思えない。 「キャロル。俺達、良い事を思い付いたんだよ!お前にも悪い話ではない事だ」 ハリーの思い付いた事で私に良かった事なんて合ったかしら? もう悪い話にしか思えないけれど、取り合えずハリーの話を聞いてみる事にした。

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...