幽霊祓い

第2章 復讐編

第86話 壊れる日常

「零れい、起きなさーいッ!!早く起きないと学校遅刻するわよーッ」

「分かってるよー」

11月2日午前6時半。着替えを済ませた僕は階段を下りていき、朝食が置かれた席に着いた。そして、テレビをつけるとどのチャンネルも夜中に起こった恐山での爆発についての内容をしていた。

「今日未明、青森県の恐山頂上付近にて謎の大爆発が発生しました。詳しい原因などは分かっていませんが、昨日の午後6時頃に恐山付近にいた男性の話では『山の中で人と怪物が戦っていたんだッ!!』などと証言しており、警察が詳しい原因を調べています」

「怖いわねぇ、あっ!!零、早く行かないと遅刻するわよッ!!」

「うげっ、もうこんな時間かよ。それじゃあ、行ってきまーすッ」

僕は朝食をかきこんで、家を飛び出した。家を飛び出したものの本当は学校に行きたくないんだよなぁ・・・。だって・・・

～昼休み～

「影山かげやまァ、何さっさと弁当食う準備してんだよ。先にやることがあるだろ？」

「み、宮内みやうち君、僕、もう、お金持ってないよ・・・」

「アァ？持ってない？じゃあ、親の財布からパクって来いよ」

「い、いやぁ、そんなこと・・・」

「はぁ・・・、じゃあ、今日はこのくらいで勘弁しといてやる。その代わり、今日カラオケ行くからお前も来い。人数がいた方が盛り上がる」

「う、うん」

そして、いつものように食堂に走らされることなく昼休みが終わった。放課後、僕は宮内君について行った。しかし、向かった先は体育館裏だった。

「あ、あの、カラオケ行くんじゃ・・・ッ!!ぐはっ!!ケホッ、ケホッ」

みぞおちを殴られ、次は僕の顔面に右フックが入った。

「バカすぎるだろ、お前。うぜぇその顔面、俺が整形してやんよ」

宮内君は僕に馬乗りになり、僕の顔面を殴り続けた。

「ふぅ、今日はそろそろやめといてやる。明日も休まず学校来いよ？」

宮内君はそう言い残して帰って行った。僕が仰向けになって倒れていると、何者かが僕の顔を覗き込んだ。

「あーぁ、酷いやられようだ。条件付きだけど、助けてあげようか？」

僕の顔を覗き込んだ存在はそう言った。