幽霊祓い

弥生 啓

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第1章 日本旋廻 恐山決戦 前編

第70話 柳

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博徒術・私場博場ばくとじゅつ  しじょうばくじょう

「な、なんだここは?」

「ようこそ、俺の賭博場へ。ここでは俺が開発した賭けで勝負をしてもらう。賭け勝負が終わるまで、相手は術を使用できない。いいな?」

「ふざけた術だな」

「では、ルール説明をする。まず、そこにいる仮面男ゲームマスターが俺らに3枚のトランプカードを配る。その3枚の中から、1枚は仮面男ゲームマスターと交換でき、1枚は相手プレイヤーと交換できる。その2つは任意ではないからしなくてもいいし、交換するカードも3枚の中ならどれでもいい。ただ、後者は相手が了承しない限りできない。そして、その2つの行為が終了したら、両者共に手札を公開し、3枚の合計数が大きかった方の勝ちだ。何か質問は?」

仮面男ゲームマスターと交換するカードの数字は指定できるのか?」

「できない。完全ランダムだ」

「なるほど…」

「お前は所持金1000円スタートだ。さぁ、いくら賭ける?」

「300円だ」

「じゃあ、俺は500円賭けよう。これは勝負に勝った方が相手の賭け金を奪えるからな、いいだろう?」

「フンッ、くだらん。さっさと始めろ」

「うしっ、じゃあ、早速始めてくれ、仮面男ゲームマスター

「了解しました。それではこれより柳  泉陽やなぎ  せんよう様と高層こうそう様のゲームを開始します。では、手札を配ります」

仮面男ゲームマスターが山札をシャッフルし、カードを配った。俺の手札は1、K、10か。結構いい手札だ。

「では、俺は仮面男ゲームマスターと1枚交換だ」

そう言って、高層は1枚、交換した。俺はしないでおくか。

「では、次に移ります。互いにカード交換しますか?」

「いいや、俺はしない」

「俺もしないに1票」

「了解しました。それでは手札を公開してください」

高層の手札は3、5、9の合計17。俺の手札の合計は24。俺の勝ちだ。

「17対24で柳様の勝利。高層様の残り所持金700円。柳様の残り所持金49万9500円」

「はぁ?49万だとッ!?」

高層は驚いて、口を開けたままだった。


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