幽霊祓い

弥生 啓

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第1章 日本旋廻 三段壁及び旧犬鳴トンネル編

第52話 引き継ぐ者

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紅葉術・木の葉の海こうようじゅつ  このはのかい!!」

紅葉術・木の葉の風こうようじゅつ  このはのふうッ!!」

やはり、クソ親父の木の葉の海と俺の木の葉の風では、霊気的にも威力的にもクソ親父の方が圧倒的に高い。しかも、さっき、クソ親父に左腕を切り落とされたせいで、傷口が痛むし、本来の2分の1の威力しか出せない。

「何が葵から紅葉術を引き継いだだ。引き継いだと言えども、結局、お前が紅葉術を使えるようになることは無い。諦めて、死ねぇいッ!!紅葉術・紅葉龍舞こうようじゅつ  こうようりゅうぶッ!!」

「うわァァァァァッ!!」

・・・気がつくと、さっき、兄貴と話した川の岸にいた。さっきは川の手間にいた兄貴が次は川の真ん中にいた。

「やっぱり、クソ親父が出てきたか・・・」

「アイツがクソ野郎になったのは・・・」

「・・・分かっている、俺のせいだろ?」

「違うッ!!兄貴だけのせいじゃない!!俺のせいでもあるんだ!俺が弱いから・・・」

「俺は恵まれすぎたな、色んな意味で」

「ここにいるってことは俺も死んだってことか・・・」

「いや、お前はまだ死んでいない。その証拠は川に入っていないことだ。お前はまだ死んでいない。諦めないでくれ、俺は必ずお前を支えるから・・・。クソ親父を止めてくれ、俺の最高の弟!!」

自分の息子を殺した。しかし、罪悪感などはなかった。そりゃそうだ。アイツは落ちこぼれなのだから。殺したはずだった・・・。俺が帰ろうとした時、消えたはずの那由他の霊気が再び現れた感じがした。馬鹿な・・・。俺は念の為に後ろを振り返った。それは気のせいではなかった。俺の目に映ったのは切り落としたはずの左腕が元に戻り、傷も全て消えている紅葉  那由他だった。
    
「な、なぜ生きているッ!?殺したはずだ!!確実に殺したはずだ!!なぜッ!?そして、その刀はなんだ?」

「あぁ、これか?これは兄貴の霊気を具現化した刀・紅葉刀こうようとうだよ。紅葉術の威力を最大限まで引き上げる刀。見せてやるよ、クソ親父。兄貴と俺の紅葉術をッ!!紅葉術・奥義・紅天の葉こうようじゅつ  おうぎ  こうてんのは

10月10日  三段壁にて、紅葉兄弟、改造霊・マダミス及び主霊・崩夭仙が戦う。崩夭仙によって、マダミスは吸収され、兄である紅葉  葵が死亡。後に弟である紅葉  那由他によって崩夭仙は祓われた。祓い終わった後、紅葉兄弟の実の父である紅葉  淳一が那由他殺害を試みるが、覚醒した那由他によって返り討ちに合い、死亡。
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