幽霊祓い

第1章 GEA入会編

第14話 化女沼調査

「え、えぇ!?」

「まあまあ、そんなに驚かなくても。瞬間移動を使っただけだよ。さて、試験開始だよ。こっから真っ直ぐ歩いていったら沼があるから、ちゃんと調査してくるんだよ。優牙が帰ってくるまで俺はここにいるからね」

鳩山さんに言われて、僕は沼の方へと歩いて行った。沼に着くと少し霧がはっていて、どんよりとした空気だった。そして、どこからとなく女性の声が聞こえた。その声が聞こえた、次の瞬間、沼の真ん中に渦が発生し、そこから、着物を着た女性の霊が現れた。

「我が子、我が子・・・」

女性の霊がそう言うと、沼から大量の蛇がこちらに向かって伸びてきた。その勢いはすごく、最初のうちは避けたりしていたが、その余裕も無くなって、気づいた時には術を使っていた。直や曲、双などで対応していたが全く数が減らない。しかし、蛇相手に拳を使えば、おそらく主霊であろうあの女性の霊を祓えなくなってしまう。僕が必死にどうするべきか考えていると、

「そんなに考え込まなくても、僕が助けてあげるよ」

どうかで聞いた事のある声がした。上を見上げると、そこには、凪澤と、もう1人、僕と同年代ぐらいの男がいた。凪澤は女性の霊に向かって手を出し、手のひらで女性の霊を吸収した。そして、僕の前に降りてきた。

「やぁ、優牙。また、会えたね。こんなところで何をしているんだい？」

「お前こそ、どうしてここに？」

「僕はここの霊を回収しに来たのさ。先日、下見に来ててね、いまさっきの霊と少し戦ってみたんだが、来週頃には吸収してもいいと判断できたからね。ちなみにこっちにいるのは助手の佐神  雷翔さがみ  らいしょうだ。おや？優牙、君も今日は1人ではないんだね」

そう言って、凪澤は僕の後方に目をやった。

「よぉ、お前が噂の凪澤  戒か？」

そこには、鳩山  士郎が立っていた。