幽霊祓い

第1章 始まり編

第8話 凪澤 戒

「いや～、花子さんを倒すとはね～、びっくりだよ」

さっきまで花子さんが立っていた場所に陰陽師のような格好をした見知らぬ男が立っていた。見た目的に歳は僕より少し上だろうか。

「誰だ、お前？」

「僕は凪澤  戒なぎさわ  かい。君と同じ術使いさ」

凪澤はそう言った。

「青山優牙。やはり、その蒼天術は非常に良い術だ。もう少しみたいな～」

「なんで僕の名前を知っている？お前は一体、何者だッ!!」

「じゃあ、橙島高校と言えば分かるかな？」

「なぜ、橙島高校のことを知っている？」

「なぜって、あの日の事件の犯人は僕だからさ。僕があの幽霊を作ったのさ。あのお方のおかげで今日も君に会うことができた」

「色々と訳が分かんねぇんだよ、お前の言うことは」

「じゃあ、分かる話をしよう。僕の術は解合術かいごうじゅつと言ってね、僕は霊を取り込むことができて、その取り込んだ霊たちを好きなように組み合わせることができるんだよ。例えばこういう風にね」

凪澤はそう言うと、手を合わせた。そして、手を広げると、小さな球体が現れて、凪澤が指をパチンッと鳴らすと、その球体が変形し始めた。やがて、ライオンの頭にゴリラの体を持つ怪物になった。

「どうだい？ゴリラの霊とライオンの霊を合わせた個体だよ。今日は様子見にきただけだから、あとはこの子に任せようと思うんだ。僕の作り出した霊は祓う、もしくは僕が吸収しない限りは消えないから要注意するんだよ。じゃ、あとは任せたよ、Eー01。優牙、また会えるのを楽しみにしておくよ」

そう言って、凪澤は闇の中に消えていった。それと同時にEー01がこちらに向かってきて、僕を殴り飛ばした。

「痛ってぇ～、拳の威力おかしすぎだろ、怪物野郎」

Eー01との対決が始まる・・・。