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第26話 新たなミッション?

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麻衣だけでなく、珠美も、完全にゲーム世界と同じ状態になってしまった。

二人とも、自分ができるチャンスがあったのに……。

もったいなさと、悔しさでいっぱいになる。


ショックではあるが、ゲーム世界と現実世界とがリンクしていることは確信できた。
それならば、ゲーム内で童貞を卒業できれば、現実世界でも卒業できることになる。


童貞ミッションが不可能になってしまった今、残った道は、勇者になるしかない。

勇者になる一番の近道は、やはり「課金」だろう。

だが、せっかく始めたファミレスのバイトも、さすがに気まずくなって辞めてしまい、今度は別のところを探すしかない。

もう一つの方法は、ゲーム内でお金を貯めることだ。

ミッションをクリアしたり、冒険に行ってアイテムを見つけてきて売れば、お金になる。

とはいえ、まだまだレベルの低い状態では、参加できるミッションは限られているし、少ない金額しかもらえない。

たまたますごい財宝を拾った、ということでもあればいいが、そんなことは、現実世界で宝くじが当たる確率と大差ないだろう。

それでもなんとかコツコツと貯めて、5万ルペタにはなった。

勇者になれる300万ルペタにはほど遠い。


だが、待てよ。

5万ルペタあれば、風俗に行ける。

しかし、それだと、その後、現実世界でも風俗に行って童貞を捨てるということになるんじゃないか。
だったら、ゲームの世界では風俗に行かずにいて、現実世界に戻ってから風俗に行けばいいだけの話しだ。

ゲーム世界の中でもお金を使う必要はない。

と言いながらも、足は風俗街の方に向かってしまう。

(とりあえず、ゲーム世界にはどんな女性がいるかだけでも見に行こう。別に、風俗を利用しに逝くんじゃない。あくまでも下調べだ)

と自分に言い聞かせながら、風俗街に入った。


ユミさんのところもあるが、あの場に居合わせたユミさんにお願いしに行くのは、さすがに気まずい。

そことは別の、お店がたくさん集まったあたりに行ってみる。

通りの左右には、いろいろな種類の店が建ち並んでいて、たくさんの客と店員で賑わっていた。

露骨な呼び込みが多く、断りながら歩いていると、戦士の格好をした女性に声をかけられた。

そういうコスプレ店なのだと思い、「お金ないんで、ごめんなさい」と断って通り過ぎようとすると。
「店の勧誘じゃないから安心して」と優しい声が帰ってきた。
「ミッションのメンバーを探しているの」
「もしかして、童貞イベントですか? ごめんなさい、僕、童貞じゃないんで。本当は童貞なんだけど……」
「違う違う、協会が掲示している普通のイベントだよ」

今、協会が案内している大型イベントで、

「黄金のモンスターを倒して、1000万ルペタ手に入れよう!」

というものだ。

5人のパーティだった場合、一人頭200万ルペタになる。

それだけでも十分魅力的だが、その女性は「このことは秘密なんだけど」と言って続けた。

「協会の公式イベントって、協会が主催していると思われてるけど、実際には、他の国や貴族などが主催していて、それを協会が請け負っているだけの場合がほとんどなの」

それだけなら別に問題はないはずだ。

「それがね、協会が提示している賞金は、実際に主催者側が出している賞金の半分くらいでしかないの。今回の場合なんかは特に酷くて、主催者が提示した賞金は3000万ルペタなのよ。3分の2の2000万ルペタは、協会が自分たちの懐に入れてしまっているの」

「なんだって!」

「だから、私たちは協会を通さず、直接主催者側に申し込む予定なの。ただし、主催者側の規定では6人のパーティでとあるんだけど、今は5人しか集まっていないの。能力的にはレベルMAXが3人いるから、今回のミッションくらいならそれで十分だから能力もレベルも問わない。いてくれればいいだけ」

「ほ、本当に3000万ルペタも……?」

「そう、それを6人で山分けよ。ただし、パーティの必要経費を引かせて貰うから、一人あたりは450万ルペタになるけど、それでどうかしら?」

「よ、よんひゃくごじゅうまん……!」

「どう? 一緒にミッションに行ってくれない?」

450万ルペタあれば、300万ルペタで勇者になっても、まだ150万ルペタ残る。
大金持ちだ!

「君がダメなら、他に誰か紹介してくれると助かるんだけど」

「や、やります。僕が参加します。参加させて下さい!」

「よかった。それじゃ、出発は明日になるけど、大丈夫?」

「大丈夫です」

「ところで、レベルはいくつ?」

「レベル10です」

「攻撃はこっちでするからいいとしても、それだと、1回攻撃を受けただけで死んでしまう可能性があるわ。ある程度持ちこたえられる装備が必要ね」

「装備……、いくらくらいするもんなんでしょう?」

「そうね、今回のモンスターの威力からすると10万くらいかな。本当は20万くらいのがあるといいけど」

「じゅ、じゅうまん……! 今、5万しか持ってないんですけど……」

「それなら、私の知り合いに頼んで用意して貰うわ。手付けにその3万だけ貰っておいて、残りはミッション終了後に、賞金から払って貰えればいいわ」

150万も残るのだから、17万くらいは余裕だ。
「よろしくお願いします」と言って、持っていた5万ルペタを渡した。


風俗は取りやめだ。
勇者になって、いろいろな巫女とやりまくるんだ!
そうすれば、現実世界でも……!!

その晩は、ハーレム状態の妄想で眠れなかったのか夢だったのかよく分からない状態で目を覚ました。



翌日、待ち合わせの場所に行くと……、

誰もいなかった。



「ちくしょーっ」



やけになって街を飛び出し、モンスターを切りまくった。


気づくと、見知らぬモンスター達に囲まれていた。
いつの間にか遠くに来てしまっていたらしい。

見る見るうちにHPが減っていき……、やられた。


「もうやだ。ゲームも、現実も……。もう、何をやってもダメなんだ……」


次第に、意識が遠のいていく。
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